膵液

出典: meddic

pancreatic juice
膵臓

概念

  • 消化酵素を含むアルカリ性の分泌液である。

分泌量

  • 1.2-1.5 L/day

構造

  • 1. 腺房
腺房細胞
消化酵素分泌、チモーゲン顆粒(+)
腺房細胞は隣接する細胞とGap junctionを形成
→cAMP,Ca2+などは隣接細胞に拡散
→腺房が分泌の機能単位
  • 2. 導管系
介在導管intercalated duct
一部は中心腺房細胞として腺房内に入り込んでいる。チモーゲン顆粒(-)
小葉内導管intralobular duct
小葉外導管extralobular duct

成分

  • 1. 電解質
陽イオン:Na+,K+(ほぼ血漿濃度)、Ca2+,Mg2+(濃度低い)
陰イオン:HCO3-(血漿濃度の4倍),
Cl-,SO42-,HPO42-(濃度低い)
なお、HCO3-とCl-は分泌速度依存的
膵液の分泌速度が速いとき、HCO3-↑、Cl-↓
膵液の分泌速度が遅いとき、HCO3-↓、Cl-↑
  • 2. 消化酵素
  • アミラーゼ
膵αアミラーゼ
  • ペプチダーゼ:不活性化状態で分泌
トリプシノーゲン
キモトリプシノーゲン
プロカルポキシペプチダーゼA,B
プロエラスターゼ
  • リパーゼ
膵リパーゼ(ステアプシン)
コレステロールエステルヒドロラーゼ
プロホスホリパーゼA2
  • 核酸分解酵素(RNA,DNA→ヌクレオチド)
リボヌクレアーゼ
デオキシリボヌクレアーゼ

生理的分泌調節機構

  • 1. 頭相
全食事中の約20%分泌
味覚・嗅覚(無条件性)、聴覚・視覚(条件性)→迷走神経(ACh作動性)→膵腺房→膵液分泌↑→胃G細胞→ガストリン↑
  • 2. 胃相
  • 2-1. 胃壁伸展→迷走神経局所反射(Ach作動性)
→膵腺房→膵液分泌↑ →胃G細胞→ガストリン↑
  • 2-2. 食物ペプチド,アミノ酸→胃G細胞→ガストリン↑→膵液分泌↑
  • 3. 腸相
全食事中の約80%分泌
  • 3-1. フェニールアラニン・脂肪酸,モノグリセリド→小腸I細胞→CCK↑→膵腺房→膵液分泌↑
  • 3-2. 腸pH<4.5→小腸S細胞→セクレチン↑→導管→Na+,HCO3-分泌↑
  • 3-3. アミノ酸,脂肪酸,→十二指腸粘膜→迷走神経反射→ACh↑→膵腺房→膵液分泌↑

電解質の分泌調節

  • 1. 腺房細胞
  • ACh(迷走神経),CCK→[Ca2+]i↑→K+,Cl-チャンネル活性化→血漿成分に近い電解質および酵素を分泌。すなわちCl-のみ分泌されるため、細胞間隙からNa+,H2Oが移動する結果等張となる。
  • 2. 導管細胞
  • セクレチン→cAMP↑→Cl-チャンネル活性化→HCO3-/Cl-交換輸送→HCO3-分泌→電気的勾配に従ってNaが分泌される。

消化器ホルモンによる分泌調節




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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/05/01 01:16:10」(JST)

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和文文献

  • 膵頭十二指腸切除術 (がん患者の周術期管理のすべて) -- (周術期管理の実際)
  • 岡田 健一,山上 裕機
  • 外科治療 104(-), 687-692, 2011-06
  • NAID 40018881663
  • 臨床と研究 膵頭十二指腸切除術後膵液瘻に対する血清アルブミン値とアルブミン製剤投与の意義
  • 笹田 伸介,松川 啓義,塩崎 滋弘 [他]
  • 外科 73(2), 205-210, 2011-02
  • NAID 40018276411
  • ENPDチューブ留置での連続膵液採取による細胞診の小膵癌診断への有用性の検討
  • 木村 公一,古川 善也,山崎 総一郎,香川 幸一,坂野 文香,花ノ木 睦巳,久留島 仁,松本 能里,山本 昌弘,辻田 英司,山下 洋市,藤原 恵
  • 日本消化器病学会雑誌 108(6), 928-936, 2011
  • … 置での膵液細胞診の有用性の検討を行った.対象は2005年5月から2009年2月に膵液細胞診目的にENPDを留置した157例.細胞診は原則3回行った.回数別感度は1回目0.35,3回目まで0.59で,3回目までで有意に感度が高かった(p<0.01).膵癌腫瘍サイズ別感度は,Tis・TS1 0.77,TS2 0.76,TS3 0.56,TS4 0で,4群間でp=0.01の有意差を認め,小膵癌で有意に感度が高かった.ENPD留置での膵液細胞診 …
  • NAID 130000897177
  • 胆石症の手術入院を契機として診断されたインスリノーマの1例
  • 高橋 憲史,大矢 敏裕,松本 広志,多胡 賢一,清水 尚,沼賀 有紀,家里 裕,横森 忠紘,竹吉 泉
  • 北関東医学 61(1), 63-68, 2011
  • … 術後は難治性の膵液漏となり, 退院まで6か月を要したが保存的に治癒し, 現在外来で経過観察中である. …
  • NAID 130000677719

関連リンク

膵液. 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』. 移動: 案内, 検索. 膵液(すい えき)は、膵臓で分泌される体液(消化液)である。三大栄養素の全てを消化できる。 食後、膵管から十二指腸へと出る。 ...
膵臓(すいぞう、英: pancreas)は、脊椎動物の器官のひとつで、膵液と呼ばれる消化 酵素を ...

関連画像

膵液 - meddic 膵液 - meddic 胆汁・膵液の導管系模型:画像 これらの膵液中の消化酵素に 膵臓の体積の95%は主に膵液を発 x100 膵液細胞診膵液 が 分泌 されます 膵液 新 唐人 より 漢方 の 世界 膵液 1.膵液はHCO 3 - (重炭酸


★リンクテーブル★
国試過去問098I035」「100G042」「096B042」「103E002
リンク元高カルシウム血症」「セクレチン」「膵臓」「エンテロペプチダーゼ」「膵臓酵素
拡張検索膵液漏

098I035」

  [★]

  • 58歳の男性。3か月前から続く背部痛と左上腹部痛とを主訴に来院した。
  • 20歳過ぎからアルコールを多飲している。
  • 意識は清明。身長165cm、体重52kg。脈拍76/分、整。血圧112/78mmHg。腹部は平坦で、肝・脾は触知しない。背部の皮膚に異常を認めない。
  • 血液所見:赤血球385万、Hb12.5g/dl、Ht36%、白血球5,800、血小板23万。
  • 血清生化学所見:空腹時血糖112mg/dl、総蛋白7.2g/dl、アルブミン4.3g/dl、総ビリルビン0.7mg/dl、AST23単位(基準40以下)、ALT18単位(基準35以下)、アルカリホスファターゼ295単位(基準260以下)、γ-GTP120単位(基準8~50)、血清アミラーゼ232単位(基準37~160)。CA19-9 32U/ml(基準37以下)。
  • この疾患でみられるのはどれか。2つ選べ。
  • a. 耐糖能異常
  • b. 膵液量の増加
  • c. 膵液中重炭酸濃度上昇
  • d. 糞便中脂肪量の低下
  • e. BT-PABA試験で尿中PABA排泄量の低下
[正答]


※国試ナビ4※ 098I034]←[国試_098]→[098I036

100G042」

  [★]

  • 消化管ホルモンと作用の組合せで正しいのはどれか
[正答]


※国試ナビ4※ 100G041]←[国試_100]→[100G043

096B042」

  [★]

  • (1) 膵液
  • (2) 膵液中重炭酸塩濃度
  • (3) 尿中PABA排泄量
  • (4) 糞便中脂肪量
  • (5) 糞便中キモトリプシン活性
  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 096B041]←[国試_096]→[096B043

103E002」

  [★]

[正答]


※国試ナビ4※ 103E001]←[国試_103]→[103E003

高カルシウム血症」

  [★]

hypercalcemia
高Ca血症
カルシウム低カルシウム血症
研修医当直御法度 症例帳 p.32
  • 組織へのカルシウム蓄積を引き起こしうる (BPT.27)

病因

  • 肉芽の構成成分であるマクロファージがビタミンD3を産生?
  • チアジド系利尿薬の慢性使用により体液量が減少し、近位尿細管での再吸収が亢進するため (GOO.755) ??
  • チアジド系利尿薬自体のDCTでの作用による;NCCTを阻害すると細胞内のNa濃度低下、これにより側底膜でのNa+-Ca2+交換系が亢進することでCa2+の再吸収↑ (GOO.755)  → ループ利尿薬と違ってチアジド系利尿薬ははCaを排泄しない!! see.利尿薬
  • 5. 家族性低Ca尿性高Ca血症
  • 6. その他(リチウム???? (ICU.558))
ECGP.223

USMLEより

  • Calcium ingestion
  • Hyperparathyroid/Hyperthyroid
  • Iatrogenic
  • Multiplemyeloma
  • Paget's disease
  • Addison's disease
  • Neoplasms
  • Zollinger-Ellison syndrome: ZES単独ではなく、MEN Iによるparathyroid tumorに続発した病態
  • Excessive vitamin D
  • Excessive vitamin A
  • Sarcoidosis

定義

  • 血清カルシウムが正常上限を超える場合。
  • 疑い:常に≧10.3 mg/dl
  • 確実:≧10.5 mg/dl

基準値

  • 血清総Ca 8.6-10.1 mg/dl(臨床検査法提要第32版)
  • 血清Caイオン 1.15-1.30 mmmol/l(臨床検査法提要第32版), 4.6-5.1 mg/dl

症候

軽度(11-11.5 mg/dL):通常は無症状。(HIM.285)
重度(>12-13 mg/dL):傾眠、昏迷、昏睡、消化器症状が出現。(HIM.285)
  • 精神・神経症状:錯乱、昏迷、昏睡。イライラ感、うつ傾向(QB.D-339)
  • 消化器:食欲不振、悪心・嘔吐、便秘膵炎消化性潰瘍腹部膨満(腸管運動抑制による(QB.D-339))
  • 消化性潰瘍:高カルシウム血症は胃酸分泌を促進する
  • 急性膵炎:高カルシウム血症は膵液の分泌を亢進する。(YN.B-78) ← 過剰に出ちゃうと炎症が起こってしまうらしい
  • 泌尿器:多尿、腎結石(血清Ca 12mg/dLでできやすくなるらしい) ← 多尿は浸透圧利尿による(ICU.558)
  • 急性腎不全
  • 腎不全は一般的に低カルシウム血症となるが、高カルシウム血症に起因する腎不全は例外。
高カルシウム血症性腎症 hypercalcemic nephropathy
  • 腎の石灰化→髄質に蓄積→尿細管圧迫→尿濃縮力障害 ← 続発性尿崩症の原因???
  • 高カルシウム血症は腎の濃縮力を低下させる(HIM.286) ← 腎集合管におけるADHの作用を阻害(QB.D-339)
  • 心血管:血管収縮による高血圧(出典不明!!)。徐脈、房室ブロック、QT短縮(HIM.284)。 ← YN.D-147には血圧上昇、ICU.558には低血圧とある。
  • 筋 :筋力低下、筋痛
  • 全身:易疲労感
  • 異所性石灰化 red eye 強膜にカルシウムが沈着
  • 多尿による脱水、高血圧、徐脈

心電図

EAB.114 SP.94,524
  • QT短縮、ST短縮 ← 活動電位持続時間が短縮したことを示す。QRS幅については延長する場合もある(EAB.114)
  • ↑細胞外カルシウム濃度→↑内向きカルシウム電流(↑流入速度)→さらに脱分極するように思えるが↑外向きカリウム電流により打ち消される→正味、カルシウムの移動が無くなるまでの時間が早まる→↓活動電位持続時間
  • PR間隔延長??
高カルシウム血症→QT短縮: ←高カリウム血症
低カルシウム血症→QT延長: ←低カリウム血症 低マグネシウム血症

治療

  • 症状が出たときか、症状無く血清Ca 14mg/dL以上の場合(ICU.558)

生理食塩水

  • 1. 細胞外液の補充
  • 2. ナトリウム利尿によるカルシウム排泄の促進

ループ利尿薬

カルシトニン

ビスホスホン酸

血液透析

高カルシウム血症の鑑別

		尿中のCa排泄	PTH	PTHrP	1,25(OH)2D3
原発性甲状腺機能亢進症	↑	↑	↓	→ or ↑
腫瘍のPTH関連蛋白分泌	↑	↓	↑	↓
	 腫瘍の骨破壊	↑	↓	↓	↓
	 肉芽腫症		↓	↓	↓	→ or ↑

参考

  • [display]http://akimichi.homeunix.net/~emile/aki/html/medical/endocrine/node52.html

国試



セクレチン」

  [★]

secretin
セクレパン
消化管ホルモンセクレチン誘発試験
  • SP.696-(膵液), 747-(消化管ホルモン)
  • WIL. chapter38

分類

性状

  • ポリペプチド
グルカゴンGLP, VIPに似た27残基のアミノ酸

産生組織

標的組織

  • 膵臓の腺房中心細胞と導管末端部細胞に作用

受容体

作用

食道

膵臓

  • 膵液分泌(HCO3-多)↑
(胆汁の分泌に関して?)セクレチンコレシストキニンに拮抗する作用がある (SP.706)
十二指腸管腔をアルカリ性にすることで十二指腸の酵素が機能できるようにする。

胃と十二指腸の粘液細胞

  • HCO3-分泌亢進 (First Aid step 1 2006 p.268)

肝?胆?

  • 胆汁の産生促進(CBT QB vol2 p.295)

分泌の調整

  • 分泌促進:十二指腸や上部空腸粘膜に蛋白質消化物や酸が触れたとき (SP.748)
  • 分泌抑制:ソマトスタチン

分子機構

生合成

血清中セクレチンの意義

高値

  • 十二指腸潰瘍、(肝硬変、慢性腎不全)
  • 防御因子として
「慢性膵炎の存在下でセクレチンレベルが上昇する」(QB.A-293)に関して教科書レベルでの記載はない。病態生理的には理解できるが。

低値

  • (悪性貧血、無酸症、膵癌、celiac病)

臨床関連



膵臓」

  [★]

pancreas (Z)
  • 図:N.288-295

体表解剖

  • 左前方からみると、前腋窩線が前縁となり第9-11肋骨に見える (2007年度後期授業プリント)
  • 前面より見ると第6-8肋骨に位置するように見える? (M.157 N.278)

発生

  • 腹側膵芽:肝芽、胆嚢の近位に連なる。将来の主膵管、膵管胆管合流部、膵頭となる。十二指腸のまわりを背側から回り込んで後方から背側膵芽と融合する
  • 背側膵芽:将来の膵体部、膵尾部、副膵管となる。


組織

内分泌

外分泌

HIS.353

機能

  • 1. 内分泌
  • ランゲルハンス島のα、β、δ細胞からそれぞれ、インスリン、グルカゴン、ソマトスタチンが分泌される。
  • 2. 外分泌
  • 膵液分泌



Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.

検査

超音波エコー

  • 加齢につれて脂肪置換により、高エコーとなる。(SRA.507-509)
  • 急性膵炎、腫瘤形成型膵炎では膵臓は肥大し、エコーレベルが低下。(SRA.507-509)
  • 膵腫瘍:一般的に低エコー(SRA.507-509)
  • 漿液性嚢胞腺腫:多数の小さな嚢胞とその間の間質からなるために、嚢胞性腫瘍でありながら肝臓の血管腫と同様に高エコーを呈する。(SRA.507-509)

臨床関連





エンテロペプチダーゼ」

  [★]

enteropeptidase
エンテロキナーゼ enterokinase
膵液
  • 至適pH 6-9



膵臓酵素」

  [★]

膵液
pancreatic enzyme
膵酵素

膵液漏」

  [★]

leakage of pancreatic juice, pancreatic juice leak, pancreatic leak
膵液




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