心房中隔欠損症

出典: meddic

atrial septal defect ASD, atrial septal defects ASDs
先天性心疾患心室中隔欠損症動脈管開存症

left to right shunt

  • prominent right ventricular cardiac impulse, a systolic ejection murmur heard in the pulmonic area and along the left sternal border, and fixed splitting of the second heart sound.

定義

疫学

  • 小児期のCHDの約10%、成人のCHDの約40%(医学辞書?)。先天性心疾患の7-10%(SSUR.356)
  • 女性に多い。男:女=1:2

分類

図:SSUR.356

欠損孔の部位による分類

  • 1. 二次孔欠損(70%)、心房中隔二次孔欠損
  • 二次孔欠損は卵円窩の位置に欠損孔がある ≠ 卵円孔開存
  • 2. 静脈洞型(15%)、静脈洞型欠損
  • 静脈洞型は上、下大静脈入口部付近や冠静脈洞の欠損であり、しばしば部分肺静脈還流異常を伴う。
  • 一次孔欠損(心内膜床欠損不完全型)は、房室弁孔に隣接する房室中隔の欠損であり、房室弁(僧帽弁、三尖弁)の裂隙(クレフト)や閉鎖不全を伴う。


病態

  • 心房で左-右短絡 → 右心系に容量負荷 → 右心不全
  • 右心系の容量負荷 → 肺血流↑ →肺血管床の閉塞性病変・肺高血圧症

検査

聴診

  • 下部左胸骨縁に拍動聴取。拡張した右室の収縮:RV heave
  • II音:widened, fix slitting pattern 固定性分裂
  • 上左胸骨縁:収縮期雑音  :肺動脈弁に多くの血流が流れることによる → 相対的PS
  • 下左胸骨縁:拡張期中期雑音:三尖弁を通って血流がたくさん流れ込むため。 → 相対的TS
  • 心房間の圧格差は大きくないので、ASDの欠損孔を血液が通ることによる雑音はない。

検査

心エコー

  • 心室中隔の奇異性運動
  • 右室腔の拡大
  • 僧帽弁の高位屈曲点と収縮期前方運動
  • カラードプラ心エコーにおけるジェット

心電図

  • PR延長、不完全右脚ブロック、右軸偏位

合併症

  • 僧帽弁逸脱症、心房細動、心不全、肺感染症(肺高血圧と関連)、肺高血圧

治療

  • 手術療法:根治療法となる




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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/11 11:47:57」(JST)

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和文文献

  • 症例報告 特異な血行動態を示し,経食道心エコーにて診断された二次孔欠損型心房中隔欠損症の一例
  • 尾崎 理史,笠巻 祐二,田野 絢子 [他]
  • 日大医学雑誌 69(5), 304-309, 2010-10
  • NAID 40017370633
  • 症例 血管腫・心奇形・先天性片眼白内障を伴った血管拡張性大理石様皮斑の1例
  • 平井 伸幸,田村 政昭
  • 皮膚科の臨床 52(6), 859-862, 2010-06
  • NAID 40017168250
  • 心エコー図の実際--読み方・診かた・考え方(5)遭遇しやすい成人先天性心疾患(心房中隔欠損症,心室中隔欠損症,動脈管開存症)と治療適応
  • 一期的肺葉切除と心房中隔欠損孔閉鎖術における仰臥位で生じた術中右左シャント
  • 植田 信策,磯上 勝彦,篠崎 滋 [他]
  • 胸部外科 62(13), 1136-1139, 2009-12
  • NAID 40016903696

関連リンク

心房中隔欠損(しんぼうちゅうかくけっそん、英: atrial septal defect,ASD)は心臓 の右心房と左心房を隔てる心房中隔に穴が ... 心房を隔てる心房中隔が欠損している ので、短絡が起こる。心臓は体循環系である左室系のほうが肺循環系である右室系よりも ...
心房中隔欠損症とは. 右心房と左心房の間の壁である心房中隔が、発生途中で、完成し なかった疾患を言います。先天性心疾患の約7%にあたります。 心房中隔に欠損がある ため、肺から、新鮮な血液をもらって、戻ってきた血液(動脈血<赤>)が左心房から右 ...

関連画像

犬,心房中隔欠損症,病気,愛犬家 心房中隔欠損症心房中隔欠損症2心房中隔欠損症の図心房中隔欠損症3病気について】心房中隔欠損症とは左心房から血液が右心房へ流れ


★リンクテーブル★
国試過去問103E051」「105A044」「100A025」「095D018」「097A018」「099A020」「106A024」「099D080」「106G023」「098H025」「101B072」「096H021」「096H024」「097G079」「097B022」「096H025」「108I035」「099B038」「097G116」「103I009
リンク元心電図」「先天性心疾患」「心室中隔欠損症」「動脈管開存症」「房室中隔欠損症
拡張検索二次口型心房中隔欠損症
関連記事欠損」「欠損症」「心房中隔」「心房」「

103E051」

  [★]

  • 3歳2か月の女児。3歳児健康診査で医師から心雑音を指摘され、専門医療機関を紹介され来院した。検査後、心房中隔欠損症と診断された。外科手術の予定が決まり、母親が医療費について市の福祉担当部局に相談したところ、担当職員から「原則として、かかった医療費の1割の負担」であると伝えられた。
  • この職員の発言の根拠となる法律はどれか。2つ選べ。
[正答]


※国試ナビ4※ 103E050]←[国試_103]→[103E052

105A044」

  [★]

  • 1歳6か月の男児。 1歳6か月児健康診査のため来院した。正常分娩で出生した。 1か月時の健康診査で心雑音を指摘され経過観察されていた。呼吸困難とチアノーゼとを認めない。身長80cm、体重12.2kg。体温36.8℃。呼吸数28/分。脈拍92/分、整。血圧94/60mmHg。胸骨左線第2肋間を最強点とする4/6度の粗い収縮中期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
  • 最も考えられるのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 105A043]←[国試_105]→[105A045

100A025」

  [★]

  • 3か月の乳児。哺乳力低下を主訴に来院した。意識は清明。身長62cm、体重5.5kg。第4肋間胸骨左縁に3/6度の収縮期雑音を聴取し、II音肺動脈成分は亢進している。血液所見:赤血球385万、Hb11.3g/dl、Ht34%、白血球8,900。心臓カテーテル検査所見:肺動脈圧52mmHg、右室圧52mmHg、左室圧75mmHg、Qp/Qs3.7、肺血管抵抗1.8単位、左室拡張終期容積(正常値比)201%。心電図を以下に示す。診断はどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 100A024]←[国試_100]→[100A026

095D018」

  [★]

  • 3歳の男児。3歳児健診で初めて心雑音を指摘され来院した。生来かぜをひきやすく、年に5、6回は急性咽頭炎として治療を受けていた。身長95cm、体重12kg。脈拍98/分、整。心臓の聴診で、第2肋間胸骨左縁を最強点とする2/6度の収縮期雑音を聴取し、II音の固定性分裂を認める。他に特記すべき身体所見はない。胸部エックス線写真と心電図とを以下に示す。
  • 画像:95D18B.jpg 300px


[正答]
※国試ナビ4※ 095D017]←[国試_095]→[095D019

097A018」

  [★]

  • 4か月の乳児。多呼吸を主訴に来院した。出生後にDown症候群と診断されている。前胸部に収縮期雑音を聴取する。胸部エックス線写真で肺うっ血を呈し、心胸郭比68%である。心電図と心エコー図とを以下に示す。
  • 診断はどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 097A017]←[国試_097]→[097A019

099A020」

  [★]

  • 7歳の女児。学校健診で心雑音を指摘されたため来院した。生来かぜをひきやすい。身長120cm、体重25kg。脈拍84/分、整。血圧96/72mmHg。第3肋間胸骨左縁に2/6度の収縮期雑音を聴取する。血液所見:赤血球370万、Hb11.7g/dl、Ht35%。心カテーテル検査所見を表に示す。診断はどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 099A019]←[国試_099]→[099A021

106A024」

  [★]

  • 52歳の男性。健康診断で心雑音を指摘されたため来院した。自覚症状はない。脈拍68/分、整。血圧142/84mmHg。心エコー図(別冊No. 3A、 B)を別に示す。
  • 診断として考えられるのはどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 106A023]←[国試_106]→[106A025

099D080」

  [★]

  • 組合せで正しいのはどれか。
  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 099D079]←[国試_099]→[099D081

106G023」

  [★]


[正答]


※国試ナビ4※ 106G022]←[国試_106]→[106G024

098H025」

  [★]

  • 新生児期または乳児期早期に手術を必要とするのはどれか。
  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 098H024]←[国試_098]→[098H026

101B072」

  [★]

  • 組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]


※国試ナビ4※ 101B071]←[国試_101]→[101B073

096H021」

  [★]

  • 心房細動を合併しやすいのはどれか。
  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 096H020]←[国試_096]→[096H022

096H024」

  [★]

  • 新生児期に手術適応となるのはどれか。
  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 096H023]←[国試_096]→[096H025

097G079」

  [★]

  • 脈拍に関する組合せで正しいのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 097G078]←[国試_097]→[097G080

097B022」

  [★]

  • 心房中隔欠損症でみられるのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 097B021]←[国試_097]→[097B023

096H025」

  [★]

  • 左室負荷をきたす疾患はどれか。
  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 096H024]←[国試_096]→[096H026

108I035」

  [★]


[正答]


※国試ナビ4※ 108I034]←[国試_108]→[108I036

099B038」

  [★]

  • 心雑音が臥位より前傾坐位でよく聴取されるのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 099B037]←[国試_099]→[099B039

097G116」

  [★]

  • 血管内留置ステントによる治療の適応はどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 097G115]←[国試_097]→[097G117

103I009」

  [★]

[正答]


※国試ナビ4※ 103I008]←[国試_103]→[103I010

心電図」

  [★]

electrocardiogram ECG, electrocardiography
elektrokardiogramm EKG
  • 図:PT.268,279(心臓の構造と興奮伝導系)
  • 心電図の読み方:PHD.108

概念

  • 心臓全体の電気的活動を体表面から経時的に記録したもの。
  • 特殊心筋の活動電位は記録されない。固有心筋の活動電位のみ

医学大事典より

  • 心臓は拍動のたびに電気を発生し、これを心起電力(cardiac electromotive force)と呼ぶ。
  • 心起電力により体表面に電流が流れると四肢や胸壁など、体表面の異なった部位間に電位差が生じる。
  • この電位差を導出するための装置を心電計と呼び、心電計により時間軸に沿って記録された電位の変化を心電図という。

意義

  • 心電図は心臓の電気的興奮の伝達を記録したものである。P波は心房の脱分極を、QRS波は心室の心筋細胞の脱分極を表す。T波は心室の再分極を表す。つまり心筋の異常がある場合何かしらの変化が心電図上に表れるということである。心電図は身体に侵襲的な影響を及ぼさない検査である。このことはこの検査を心臓の疾患を疑ったら即行ってよいということである。
  • 心電図は、不整脈、心筋梗塞、心筋虚血、心膜炎、心房負荷、心室肥大・心室拡大、電解質異常などの判断に有用である。

施行する目的

  • 心臓疾患疑い(狭心症・心筋梗塞・不整脈など)
  • スクリーニング(学校検診、職場検診など)

心電図の種類

  • 臨床では一般に標準12誘導心電図が良く用いられる

電極の部位による分類

  • 体表の誘導
  • 体内の誘導
  • 食道内心電図
  • 心腔内心電図
  • ヒス束心電図

表現形式による分類

  • ベクトル心電図:心起電力をベクトル環として三次元的に描く
  • スカラー心電図:時間軸に沿った電位の記録

心電図の記録サイズ

  • 縦軸:10mm = 1mV
  • 横軸: 5mm = 0.2s

標準12誘導心電図

  • 標準肢誘導(I,II,III) + 単極肢誘導(aVR, aVF, aVL) + 胸部誘導(V1, V2, V3, V4, V5, V6) = 12誘導

電極の取り付け位置・電極の色

単極肢誘導

右手首 左手首
右足首 左足首

単極胸部誘導

EAB.5改変
V1 右第4肋間
V2 左第4肋間
V3 V2とV4の中点
V4 左第5肋間かつ鎖骨中線
V5 V4と同じ高さで前腋窩線との交点
V6 V4と同じ高さで中腋窩線との交点

心電図の波

6つの棘波よりなる
  • P波:心房の電気的興奮。:0.12-0.20s (3-5mm)
  • QRS複合:心室の電気的興奮:0.06-0.15s :正常; 0.06-0.08s (1.5-2mm), 不完全脚ブロック; 0.08-0.12s (2-3mm), 完全脚ブロック ≧0.12s (≧3mm)
  • T波:心室の再分極(心室筋興奮の回復過程):
  • U波

心電図の波の間隔

  • PQ時間:房室間伝導遅延:0.12-0.20s
  • QT時間:電気的心室収縮時間:心拍数と相関関係がある
QTc=QT/sqrt(RR)
心拍数によらずほぼ一定の値を示す
  • RR:心臓の一周期
  • TP:心臓の弛緩期

正常心電図における波

  • I,IIにおいてP, QRS, Tが全て正 → 100G096


心電図による得られる情報 (SP.536)

  • 心臓における興奮の発生と伝達の過程を可視化
1. 心臓内の興奮伝導の障害
ex. 房室ブロック
2. 不整脈:脈拍のリズムと心拍数の異常
ex. 心房粗動心室細動
3. 冠循環の異常
ex. 心筋梗塞
4. 心室肥大
5. 血漿中の電解質濃度の異常

各誘導で取りやすい所見

  • 第II誘導:P波の描出
  • V5誘導:虚血性変化

特徴的な所見

新生児・幼小児の心電図

SPE.428-
  • 電気軸:右軸偏位 → 左軸偏位  胎児循環では右心系が主に体循環に関わっていたが、成人で見られる循環では左心系が関わる。生後一ヶ月らいまでは+120~130°程度の右軸偏位
  • 呼吸性不整脈:小児では顕著。吸気時に心拍数増加、呼気時に心拍数減少
  • 右室肥大:新生児~乳児では肺血管抵抗がまだ高いために右室肥大が持続。

心電図と心疾患

  • 心臓を栄養している血管が急激に閉塞するため、全く血液が供給されない状態。
  • 急性期と慢性期では異なった心電図をとる。
  • 異常Q、ST上昇、冠性T
  • 心臓に器質的疾患を持たないにもかかわらず、心電図上でQT時間の延長(QT時間が0.46秒以上)を認める病態。

疾患と心電図

  • 心膜炎 心外膜炎:90%の患者に異常が見られる。aVR, V1を除いたST上昇。いくつかの電極でPR部の低下(PR segment depression)
  • 肺性心(肺気腫):肺性P、不完全右脚ブロック、右軸偏位、V1-V3のT波陰転・平坦化、II,III,aVFでST低下。肺高血圧、最初の3つは右室負荷を反映
  • 肥大型心筋症:ST-T変化(ストレイン型の陰性T波は、上に凸のST低下を伴い、非対称性陰性T波)。Sv1, Rv5の増大。QRS時間の延長。
  • 心房中隔欠損症:PR延長、不完全右脚ブロック、右軸偏位。右心系の容量負荷による遠心性心肥大。
  • 心室中隔欠損症
  • ブルガダ症候群:右側胸部誘導(V1-V2(V3))のST上昇(coved型あるいはsaddle back型) 。完全あるいは不完全右脚ブロック様QRS波形(つまり、V1-V3でJ波が見られる)。
  • 脚ブロック
  • WPW症候群:Δ波。PQ短縮、QRS延長。V1に特徴的変化「A型: 高いR波。左室自由壁」「B型: rS型。右側」「C型: Qr/QS。中隔」
  • 肺血栓塞栓症:右側胸部誘導の陰性T波、洞性頻脈、SⅠQⅢTⅢ、右脚ブロック、ST低下、肺性P、時計方向回転
  • 肺気腫:V1,V2でrS/QSパターン

注意点

  • 胸をさらすことになるので、女性の患者では特に配慮する。誘導の電極が正しい位置に貼られていないと記録される結果が異なってくるので、正確な位置に貼る。また、心電図は筋肉の活動も拾ってしまうので、筋緊張を和らげるため患者にはリラックスしてもらい、リラックスできる状況を作ることを心がける。

参考

[display]http://www.cardiac.jp




先天性心疾患」

  [★]

congenital heart disease, CHD
先天性心血管奇形 congenital cardiovascular anomaly
先天性心奇形
先天性心疾患.xls

先天性心疾患

右→左シャントが優位な疾患 チアノーゼ性心疾患

左→右シャントが優位な疾患 非チアノーゼ性心疾患

疫学

心室中隔欠損症 30.5
心房中隔欠損症 9.8
動脈管開存症 9.7
肺動脈狭窄症 6.9
大動脈縮窄症 6.8
大動脈狭窄症 6.1
ファロー四徴症 5.8
完全大血管転位 4.2
その他 20

症状

参考文献(2)より
心疾患による症状
  肺血流増加 肺血流減少 低心拍出
1.新生児期・乳児早期 多呼吸,陥没呼吸, 呼吸困難,喘鳴, 多汗, 哺乳障害 チアノーゼ 蒼白,末梢冷感, 冷汗,網状チアノーゼ, 体重増加不良, 弱い泣き声
2.乳幼児期 多呼吸, 易感染性,反復する肺炎 チアノーゼ, 低酸素発作, 蹲踞 体重増加不良, 運動発達遅延, 易疲労性, 顔色不良,やせ
3.小児期 運動能低下, 息切れ ばち状指 運動能低下, 動悸
4.思春期以後 合併症による症状  胸痛,失神発作,突然死,喀血,不整脈,出血傾向,痛風,けいれん 等    

酸素投与の悪影響(1)

  • 1)動脈管依存型 → 酸素投与により動脈管が閉鎖方向に向かう
  • ①肺循環が動脈管依存する疾患
肺動脈閉鎖右室低形成、重症肺動脈狭窄
  • ②体循環が動脈管依存する疾患(禁忌)
大動脈縮窄・大動脈離断、大動脈閉鎖
  • 2)肺循環負荷型 → 酸素投与により肺血管が拡張し、肺血管抵抗も減少して肺うっ血が増強
  • ①大きな心室・大血管の転位・欠損
心室中隔欠損、大動脈縮窄複合、完全心内膜床欠損、総動脈幹遺残、
完全大血管転位(II型)、三尖弁閉鎖(C型)、大動脈肺動脈窓など
  • ②肺静脈閉塞性疾患(蘇生術も含め絶対禁忌)
総肺静脈環流異常、三心房心僧帽弁狭窄肺静脈狭窄など

合併症

QB.C-478

先天性疾患と先天心疾患

疾患 先天性心奇形 その他
22q11.2欠失症候群 ファロー四徴症総動脈幹症(truncus arteriosus)、心室中隔欠損を伴う肺動脈弁閉鎖症
大動脈弓離断右側大動脈弓、右側肺動脈の大動脈起始
胸腺低形成低カルシウム血症、特有の顔貌、口蓋裂
ダウン症候群 (50%の例に合併)。心房中隔欠損症(ASD), 心室中隔欠損症(VSD)  
先天性風疹症候群 心房中隔欠損症動脈管開存症、末梢肺動脈狭窄  
ターナー症候群 大動脈縮窄症 低身長・翼状頚、外反肘
ヌーナン症候群 肺動脈弁狭窄肥大型心筋症 ターナー症候群に似る
マルファン症候群 僧帽弁逸脱症大動脈弁閉鎖不全症  
糖代謝異常合併妊娠母体からの出生児 大血管転位症  
ウイリアムズ症候群 大動脈弁上狭窄、末梢肺動脈狭窄  
無脾症多脾症 単心房単心室総肺静脈還流異常  

参考文献

  • (1) 1.新生児のチアノーゼ
http://nmcg.shiga-med.ac.jp/rc_lecture/lecture21.htm
  • (2) 先天性心疾患の診断、病態把握、治療選択のための検査法の選択ガイドライン
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_hamaoka_h.pdf




心室中隔欠損症」

  [★]

ventricular septal defect, VSD
心室中隔欠損
先天性心疾患動脈管開存症心房中隔欠損症
[show details]

疫学

  • 1.5-3.5/1000生産児 (PHD.382)

病態生理 PHD.382

  • 欠損孔を流れる血液量:(small VSD)欠損孔のサイズに依存。(large VSD)体循環と肺循環の血管抵抗に依存
  • 容量負荷:RV, 肺循環, LV, LA
  • 容量負荷 → chamber dilation → systolic dysfunction → heart failure
  • 2歳でpulmonary vascular diseaseとなる。

症状 PHD.383

  • small VSDは無症状
  • 10%のVSD患者はlarge defectを持っており、生後早い内から、うっ血心不全を呈する(頻呼吸、摂食不良、成長不良、頻回の下気道感染)
  • right-left shuntを起こせばチアノーゼ、呼吸困難
  • VSDのサイズに因らず、bacterial endocarditisがおこりうる。

身体所見 PHD.383

  • harsh holosystolic murmur at the left sternal border
  • murmurの部位に一致してsystolic thrillを認める。
  • 拡張中期ランブルを心尖で聴取 → MV経由の血流が増加したため
  • pulmonaru vascular diseaseが進行すると、汎収縮期雑音は減弱 → 欠損孔の圧較差が低下してくるから
  • RV heave, P2音増強、 チアノーゼ

病型分類

Kirklinの分類
欠損部 疫学 病態
I型 漏斗部欠損 高位欠損 日本人に多い。 大動脈弁逸脱によるARを合併しうる。自然閉鎖は少ない
II型 膜性部欠損 中間位欠損 最多。(70%)  
III型 流入部欠損 後方欠損 ダウン症に多い 左軸偏位
IV型 筋性部欠損 低位欠損 西洋人に多い。(20%)  


重症度分類

  X線上心拡大 心電図 聴診 心不全症状
小欠損 - 正常 Roger雑音 -
中欠損 + 左室肥大 汎収縮期雑音 -./+
大欠損 + 両心室肥大 II音亢進 +(乳児初期)

検査

聴診

PHD.383
  • 左胸骨縁:全収縮期雑音:(harsh holosystolic murmur) ← 欠損孔が小さいほど大きい
  • 雑音がする部位:収縮期スリルを触れる
  • 心尖部:拡張期中期ランブル音(middiastolic rumble):僧帽弁を通過する血流が増加するため
  • 肺高血圧症が進展すると全収縮期雑音は小さくなる。RV heave(拡張した右室の拍動)、II音亢進、チアノーゼを認めるようになる。

胸部単純X線写真

[show details]

管理・治療

  • 欠損孔が小さい場合(small VSD):心内膜炎の予防以外に特に特別な治療は不要である。しかし、血液培養陽性となる発熱や新規の雑音が聴取されたら専門医による精査を要する。(参考1)
  • 肺体血液量比2.0以上は手術適応、1.5-2.0は症状に応じて手術を、1.5以下は手術不要。

参考

  • 1. [charged] Management of isolated ventricular septal defects in infants and children - uptodate [1]

国試

  • 095G018:小欠損と考えられる。小欠損の場合には特に運動制限をする必要はないが、心内膜炎の予防のために予防接種などを受けることは必要となる。2007 guidelines of the American Heart Association (AHA) recommendによれば、予防的な抗菌薬の服用は推奨されていない。(参考1)
  • 105F026105F027103I065




動脈管開存症」

  [★]

patent ductus arteriosus, PDA
心室中隔欠損症心房中隔欠損症
動脈管動脈管索


まとめ

  • 出生後72時間以内に閉鎖するはずの動脈管が残存することが本疾患の本態である。多くの症例では無症状であり、2LSBに連続性雑音を聴取することで診断されうる。動脈管開存の程度が大きい場合、左心系負荷、左心不全、あるいは肺高血圧によりアイゼンメンゲル症候群を来しうる(この場合のチアノーゼは下半身に起こる)。また、動脈管の圧迫により左反回神経麻痺を起こしうる。治療は動脈管結紮切離術、コイル塞栓法、(未熟児に対しては)インドメタシン投与により行う。(YN.C-123 SSUR.360)

概念

病因

疫学

  • 先天性心疾患の約5-10% (YN.C-123)
  • 男女比 = 1:2-3 (YN.C-123)

病態

肥大部位 PHD.380-

  RA RV LA LV
ASD    
VSD  
PDA    

症候

  • 左心房肥大、左心室肥大
  • 左心不全
  • (次第に)肺高血圧
  • (肺高血圧からアイゼンメンゲル化した症例)下半身のチアノーゼ

身体所見

脈拍

  • (動脈管の開存度が大きい場合)速脈脈圧

聴診

シャント量によって所見が変化する。
  • 新生児期(つまり病初期)には収縮期雑音。 → 拡張期雑音が出現し連続性雑音となる(拡張期雑音は高まった動脈圧によりdriveされる動脈管から肺動脈への血流を反映。よってII音でピークとなる)。 → 肺高血圧の進行により、収縮期雑音のみとなり、IIp音が亢進。

検査

胸部単純X線写真

  • 左第一弓↑、左第三弓↑、左第四弓↑
  • 左第二弓↑(SPE.449)
  • 肺血管陰影増強


心エコー

  • 動脈管での左右シャント

心カテーテル検査

  • カテーテルの肺動脈から大動脈弓への到達
  • 肺動脈血の酸素飽和度上昇
  • 肺動脈圧上昇

心電図

  • 左室肥大、V5-V6に目立つq波 (SPE.449)

治療

生後半年を過ぎると動脈管自然閉鎖はまれである

方針

ガイドライン1
  • 細い動脈管で心雑音のない場合(silent PDA)について治療適応かどうかは統一見解がない。
  • 治療適応は連続性雑音が見られる場合であり、肺血管抵抗が高くなり右左短絡が主体で高度の肺高血圧が見られる例、あるいはEisenmenger化した例については治療適応がない。
  • 治療法の選択は形態と太さによる。心エコーで評価できなければ造影CTやMRIを施行する。
  • 経皮的コイル塞栓術は最小内径が2.5mm以下の場合に第一選択となり、狭窄部がない筒型や、最小内径が4mm以上の場合にはコイル塞栓症は適応とならない。窿形成を伴っている場合や、動脈管の長さが短いwindowsタイプではステントグラフト内挿術や外科手術が適応となる。

↓これは出典不明

  • シャント量が小さい場合でも感染性心膜炎のリスクとなるため、全例で手術適応。
  • 未熟児~乳児期に心不全を認める例:早期手術
  • その他:待機的に3-6歳での手術

手術療法

  • 適応:肺高血圧合併症例、易感染性や発育不全を認める症例。(SPE.450)
  • 手術法:動脈管の結紮切離

interventional radiography

  • コイル塞栓法

内科的治療

ガイドライン

  • 1. 先天性心疾患の診断、病態把握、治療選択のための検査法の選択ガイドライン
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_hamaoka_h.pdf




房室中隔欠損症」

  [★]

atrioventricular septal defect AVSD
心内膜床欠損症 心内膜床欠損 endocardial cushion defect, ECD
総房室孔開存 common atrioventricular canal
心内膜床欠損症完全型心内膜床欠損症
[show details]


疫学

病型

  • 完全型 :心房中隔一次口閉鎖不全、僧帽弁異常、心室中隔閉鎖不全:ASD, VSD, MR, TR
  • 不完全型::心房中隔一次口閉鎖不全、僧帽弁異常:ASD, MR, TR

病態

  • 完全型では肺血流増加

身体所見

  • 聴診:収縮期逆流性雑音(MR,TR)、収縮期駆出性雑音(相対的PS)

検査

左室造影

心電図

  • 左軸変位:房室結節を含む刺激伝導系の後下方偏位による(参考3)   ← 心房中隔欠損症では右軸偏位、房室中隔欠損症では左軸偏位
  • PQ間隔延長
  • 右室容量負荷による不完全右脚ブロック
  • 一度房室ブロック?

心エコー

  • 心室中隔の奇異性運動

診断

  • 心エコー、心臓カテーテル検査による

予後

  • 不完全型:
  • 完全型:未治療のまま放置すれば、肺高血圧症により死亡。

参考

  • 1. 心内膜欠損症
[display]http://www.nurs.or.jp/~academy/igaku/s1/s153.htm
  • 2.
[display]http://www.geocities.jp/study_nasubi/c/c44.html
  • 3. (2) 先天性心疾患の診断、病態把握、治療選択のための検査法の選択ガイドライン
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_hamaoka_h.pdf


二次口型心房中隔欠損症」

  [★]

ostium secundum type atrial septal defect


欠損」

  [★]

欠損症
異常遺伝子欠失、欠く、欠失欠損症欠点欠乏欠乏症欠乏性欠落削除、除去、ディリーション発育不全非形成不完全不十分不足無形成欠くこと欠陥失うミス

概念

  • 本来存在するはずのものが、まったく失われている状態。


欠損症」

  [★]

defectdeficiencyabsencemorphological defect
異常欠失欠神欠損欠点欠乏欠乏症欠乏性非存在ないこと欠くこと欠如欠陥形態異常

心房中隔」

  [★]

interatrial septum (Z), IAS
卵円窩一次中隔二次中隔一次口二次口卵円孔



心房」

  [★]

atrium of heart
atrium
心室右心房左心房


症」

  [★]

sis, pathy
  • 検査や徴候に加えて症状が出ている状態



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