低体温

出典: meddic

hypothermia,low body temperature , low temperature


概念

  • 深部体温が35℃以下に低下した場合をいう。

分類

原因

  • 1. 治療上、故意の低体温 → 神経的予後改善、脳神経手術など
  • 2. 偶発性低体温
  • 1-1. 一次性偶発性低体温:基礎疾患がない人が寒冷に暴露
  • 1-2. 二次性偶発性低体温:重篤な基礎疾患に合併して起こる低体温 → 重篤

重症度

SQ.497
  • 軽度 :32-35℃
  • 中等度:28-32℃
  • 重度 :28℃未満

リスクファクター

HIM.135

症状

(HIM.136)

  中枢神経系 心臓血管系 呼吸器 腎臓&内分泌 神経筋肉
軽度
35-32.2℃
・中枢神経系の代謝の直線的な抑制(linear depression)
・健忘
・感情鈍麻
・判断の誤り
・不適応な行動
・頻脈の後に次第に徐脈
・心周期の延長
・血管収縮
・心拍出量の増加
・血圧の上昇
・頻呼吸、そして進行性の毎分換気量の減少
・酸素消費量の減少
・気管支漏
・気管支攣縮
・利尿
・カテコラミン、副腎ステロイド、T3(トリヨードサイロニン)・T4(サイロキシン)の増加 (血中濃度のことと思う)
・戦慄による代謝の増加
・基礎代謝(basal metabolism)の80%減少
・increased preshivering muscle tone, then fatiguing
中等度
32.2-28.0℃
・EEGの異常
・意識レベルの進行的な低下(progressive depression)
・瞳孔散大
・逆説的脱衣(paradoxical undressing)
・幻視
・脈拍数と心拍出量の進行性の減少
・心房や心室の不整脈の増加
・低体温を示唆するECG(J波)
・低換気
・体温8℃低下するごとに二酸化炭素消費量が50%減少する
・防護的気道反射(protective airway reflexes)の消失
・腎血流量50%増加
・腎自己調整能は保たれる
・インスリン作用の低下
・反射低下
・戦慄による熱産生の減少
・固縮
重度
<28℃
・脳血管の自己調節能の喪失
・脳血流量の減少
・昏睡
・眼反射(ocular reflex)の喪失
・EEGの進行的な低下(decrease)
・血圧、心拍数、および心拍出量の進行性の減少
・リエントリー性のリズム異常(dysthythmia)
・心室細動の最大リスク
・心停止
・肺鬱血と肺水腫
・酸素消費量75%減少
・無呼吸
・心拍出量低下に伴う腎血流量の減少
・極度の乏尿
・(体温の?)変温性
・不動
・神経伝導速度の低下
・末梢の反射消失
・角膜反射、または眼球頭反射(頭位変換眼球反射)の消失

ICU.615

重症度 体温 臨床症状
軽度 32-35℃ 錯乱、寒気、蒼白、ふるえ、頻脈
中等度 28-31.8℃ 嗜眠、震えの減少または消失、徐脈、呼吸数減少
重度 <28℃ 睡気または昏睡、ふるえの欠如、浮腫状の皮膚、散大し固定した瞳孔、徐脈、低血圧、乏尿
重篤 <25℃ 呼吸停止、心停止

心電図

ECGP.187

治療

  • 復温
  • 軽度低体温 :表面加温法(適切な室内温度、衣服の除去、毛布)
  • 中等度低体温:表面加温法(電気毛布、温水ブランケット、赤外線ヒーター、ウォームマット)
  • 高度低体温 :中心加温法による急速加温 → 以前は末梢血管が拡張、代謝の急激な変動により冷たい血液が心臓に流れ込み心室細動を誘発するリスクがあったため緩徐加温としていたが、それでも死亡率は高かった。このため急速加温する事になっている。

参考

  • 1.
まとまっている。
[display]http://handbook.muh.ie/trauma/Environmental/hypothermia.html

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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/04 22:05:54」(JST)

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和文文献

  • 脳虚血耐性現象 : 最近のトピックス(<特集>明日の脳神経外科を拓く神経科学)
  • 北川 一夫
  • 脳神経外科ジャーナル 20(8), 566-573, 2011-08-20
  • … 虚血耐性現象は低体温療法と並んで,脳虚血実験系では最も確実な脳保護効果を示す現象として注目されているが,その分子機構は十分に解明されていない.当初から神経細胞をはじめとした脳細胞の遺伝子発現を介した応答が注目され,われわれは転写因子CREBの活性化が虚血耐性獲得,内在性神経細胞防御機構として重要であることを明らかにした.しかし低体温や冬眠と共通機構と考えられる代謝抑制, …
  • NAID 110008713062
  • 075 低体温・基礎代謝が温冷感に与える影響(温冷感,講演研究論文、計画・技術報告)
  • 富田 麻未,斉藤 雅也
  • 日本建築学会北海道支部研究報告集 (84), 309-312, 2011-07-02
  • NAID 110008681959
  • 下大静脈腫瘍進展を認めた小児腎悪性腫瘍に対する手術
  • 中原 康雄,後藤 隆文,岩村 喜信,高橋 雄介,浅井 武,臼井 秀仁,青山 興司
  • 日本小児外科学会雑誌 47(3), 345-349, 2011-06-20
  • … 小児の腎悪性腫瘍の中で,下大静脈よりも中枢側に腫瘍血栓が進展している場合は治療戦略が定まっていない.我々が,過去20年間に経験した症例は4例である.症例1は右心室内までの腫瘍進展例で,人工心肺・低体温循環停止下に摘出.症例2は下大静脈までの腫瘍進展例で術前化学療法後,下大静脈をサイドクランプし摘出.症例3は右心室までの腫瘍進展例で術前化学療法後,人工心肺下に摘出.症例4は下大静脈の腫瘍進展例で術 …
  • NAID 110008673252
  • 3. 頭部外傷に対する低体温療法の適応と限界(PS1-2 頭部外傷update,プレナリーセッション,脳神経外科医のProfessional SpiritとResearch Mind,第31回日本脳神経外科コングレス総会)
  • 末廣 栄一,藤澤 博亮,小泉 博靖,米田 浩,石原 秀行,野村 貞宏,藤井 正美,鈴木 倫保
  • 脳神経外科ジャーナル 20(Supplement), 56, 2011-04-10
  • NAID 110008681832

関連リンク

低体温を改善して、病気を予防!低体温についてや低体温と貧血・冷え性、低体温と ダイエットの関係、低体温改善法について紹介。低体温が気になったら亜鉛サプリ( サプリメント)通販。
低体温症(ていたいおんしょう、Hypothermia ハイポサーミア)とは、恒温動物の深部 体温(中核体温)が、正常な生体活動の維持に必要な水準を下回ったときに生じる様々 な症状の総称。ヒトでは、直腸温が35°C以下に低下した場合に低体温症と診断される。
まず「低体温」というのは病名ではありません。医学的に厳密な定義があるわけでは ありませんが、一般的に36度未満の体温のことを「低体温」と呼んでいます。人間の身体 ... 何らかの原因で体温が35度台になってしまうと、低体温ということになります。女性の  ...

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★リンクテーブル★
先読みlow temperature
国試過去問099F022」「098B007」「100I032」「108I046」「103B032」「095A117」「104I039」「086D039」「098G107」「083B032」「081A060
リンク元譫妄」「新生児低血糖症」「100Cases」「ST上昇」「5H5T
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関連記事体温

low temperature 」

  [★] 低温低体温

hypothermiahypothermic


099F022」

  [★]

  • 17歳の女子。やせを心配した母親に連れられて来院した。10か月前から現在までに15kgやせた。4か月前から無月経となった。最近、学校で昼食の弁当の中身を捨てていることに担任の教師が気付き、病院に受診させるよう母親に動めたという。身長158cm、体重31kg。
  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 099F021]←[国試_099]→[099F023

098B007」

  [★]

  • 16歳の女子。食事に対する恐怖を訴え、家族に連れられて来院した。中学2年生の時に、叔母から「ぽっちゃりしている。」と言われたことを契機に、体型に関する関心が高まり、ダイエットを始めた。その後食欲が低下した。身長162cm、体重38kg。血液所見:赤血球320万、Hb11.0g/dl。頭部MRIで大脳の軽度の萎縮を認める。この患者でみられるのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 098B006]←[国試_098]→[098B008

100I032」

  [★]

  • 18歳の女子。体重減少を心配する母に付き添われて来院した。14歳のとき友人から「あなたは太っている」と言われ悩んでいた。半年前から食事の量が減り、現在までに体重が12kg減少した。患者は活動的であり、まだ太り過ぎていると考えている。3か月前からは月経がない。身長164cm、体重34kg。
  • この疾患でみられるのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 100I031]←[国試_100]→[100I033

108I046」

  [★]

  • 26歳の男性。会社の定期健康診断を受診した。三尖弁閉鎖症で幼児期に Fontan手術を受けているとのことである。胸部正中に手術痕を認める。手指の写真 (別冊No. 14)を別に示す。
  • 予想される所見はどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 108I045]←[国試_108]→[108I047

103B032」

  [★]

  • 経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>と動脈血酸素飽和度<SaO2>とが乖離を示した。原因として考えにくいのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 103B031]←[国試_103]→[103B033

095A117」

  [★]

  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 095A116]←[国試_095]→[095A118

104I039」

  [★]

  • 新生児期のクレチン症にみられるのはどれか。2つ選べ。


[正答]


※国試ナビ4※ 104I038]←[国試_104]→[104I040

086D039」

  [★]

  • 43歳の男性。トラックの荷台から転落し、右前頭部を打撲した。受賞直後から意識障害があり、徐々に進行し、受賞後約4時間後に半昏睡の状態で来院した。頭部X線単純CTを次に示す。
  • 適切な治療はどれか。

098G107」

  [★]

  • 新生児で術後に起こりにくいのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 098G106]←[国試_098]→[098G108

083B032」

  [★]

  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)

081A060」

  [★]

譫妄」

  [★]

譫妄


「せん妄」を使うのが普通らしいよ
delirium, confusional state
せん妄急性錯乱状態 acute confusional state急性脳症候群 acute brain syndrome
意識障害アメンチア ← せん妄の軽度なものとして使われていたが、今日で使われるのは稀らしい。

定義

  • 種々の意識混濁があって、時間、空間の見当識障害が見られ、情動不穏、精神運動興奮が見られる状態

症状

疾患との関連

  • 手術後、感染症等の身体的疾患、薬物中毒、多発性脳梗塞、痴呆など脳機能が低下しているときに発生しやすい

病因

table 26-2 譫妄の主要な病因 (HIM.160)

  • 毒物
  • 処方薬:抗コリン薬、麻薬、ベンゾジアゼピン系薬
  • 薬物乱用:アルコール中毒、アルコール離脱、オピオイド系薬、エクスタシ、LSDγ-ヒドロキシ酪酸(GHB, γ-hydroxybutyrate)、フェンシクリジン(PCP, phencyclidine)
  • 代謝
  • 感染症
  • 全身感染症:尿路感染症、肺炎、皮膚・軟部組織感染症、敗血症
  • 中枢神経感染症:髄膜炎、脳炎、脳の右葉
  • 内分泌
  • 心血管疾患
  • 全身性低灌流状態(global hypoperfusion states)
  • 高血圧性脳症
  • 巣状虚血性梗塞や出血:頭頂葉、視床(ただ主要な病変部位ではない)
  • 自己免疫性疾患
  • てんかん関連疾患
  • 腫瘍性疾患
  • 入院
  • 終末期の譫妄



新生児低血糖症」

  [★]

neonatal hypoglycemia, hypoglycemia of the newborn
hypoglycemia neonatorum

概念

  • 新生児の血糖値が下記にあてはまる場合。
  • 生後72時間以内:低出生体重児で20mg/dl以下、成熟児で30mg/dl以下
  • 72時間以後  :体重に関係なく40mg/dl以下
  • 正常な児では出生直後に血糖値80-100mg/dlを示す。
  • 臨床的には全血血糖値が40mg/dL未満で処置を開始。最近は60mg/dL未満で治療を開始する施設もある。

原因

SPE.127
  • 一過性
  • 糖貯蔵・供給不足
  • 糖利用増大

症状

SPE.128
  • けいれん、易刺激性(振戦)、異常啼泣(甲高い鳴き声 high-pitched cry)、嗜眠、筋緊張低下、哺乳力低下、嘔吐、無呼吸発作チアノーゼ、活動性低下、徐脈、心停止
→ 成人で見られる頻脈とか発汗は見られないみたい。自律神経が十分に発達していないせい?
|-矛盾している?
SPE.210
  • 定義:血糖40mg/dLの児(SPE.210)。(成熟新生児)生後72時間以内30mg/dL以下、以降40mg/dL以下(QB.O-105)。
  • 血糖40mg/dLの児を治療対象。40-50mg/dLは要注意 (SPE.210)
  • 症状:初期には交感神経亢進による症状(不安、苦悶、発汗、心悸亢進、顔面蒼白、振戦、脱力、空腹感、嘔気・嘔吐)、進行すると中枢神経症状(頭痛、めまい、視力障害、複視、構音障害、失語症、健忘症、集中力低下、運動失調、片麻痺、知覚障害、傾眠、嗜眠、昏睡、除脳硬直) (SPE.210)

脈拍数について

参考1に記載無し。

参考

  • 1. [charged]Neonatal hypoglycemia - uptodate[1]



100Cases」

  [★]

ST上昇」

  [★]

ST segment elevation
ST segment

原因

EAB.44
  • 全誘導で上昇
  • 一部の誘導で上昇
  • QRSが広い
  • 健常者のST上昇
ECGP.188

疾患とST上昇

心筋梗塞


5H5T」

  [★]

無脈性電気活動
hypovolemia 循環血液量減少
hypoxia 低酸素血症
hypothermia 低体温
hyperkalemia/hypokalemia 高K血症/低K血症
hydrogen ion アシドーシス
tamponade 心タンポナーデ
tension pneumothorax 緊張性気胸
tablet 薬物中毒
thrombosis, pulmonary 肺塞栓
thrombosis, coronary 急性心筋梗塞


低体温療法」

  [★]

therapeutic hypothermia TH, induced hypothermia
人工冬眠低体温法
  • 成人二次救命において、心原性で初期リズムがVFの成人院外心停止で心拍再開後の循環動態が安定している昏睡患者には、32-34℃の低体温療法を12-24時間行うことが望ましい。(救急蘇生法の指針 2005年 p.91)

参考

  • Therapeutic hypothermia after cardiac arrest: an advisory statement by the advanced life support task force of the International Liaison Committee on Resuscitation.
  • Nolan JP, Morley PT, Vanden Hoek TL, Hickey RW, Kloeck WG, Billi J, Böttiger BW, Morley PT, Nolan JP, Okada K, Reyes C, Shuster M, Steen PA, Weil MH, Wenzel V, Hickey RW, Carli P, Vanden Hoek TL, Atkins D; International Liaison Committee on Resuscitation.SourceResuscitation Council of Southern Africa.
  • Circulation.Circulation.2003 Jul 8;108(1):118-21.
  • PMID 12847056
アメリカ心臓協会(AHA)やヨーロッパ蘇生協議会(ERC)は、病院外心停止後の初期心電図波形がVFもしくは脈なしVT例の蘇生後に昏睡状態のままであった場合に低体温療法を推奨している。
  • Effectiveness of each target body temperature during therapeutic hypothermia after cardiac arrest.
  • Kim JJ, Yang HJ, Lim YS, Kim JK, Hyun SY, Hwang SY, Shin JH, Park JB, Lee G.SourceDepartment of Emergency Medicine, Gachon University Gil Hospital, Incheon, Korea. empearl@gilhospital.com
  • The American journal of emergency medicine.Am J Emerg Med.2011 Feb;29(2):148-54. doi: 10.1016/j.ajem.2009.08.021. Epub 2010 Mar 26.
  • PURPOSE: According to the 2005 American Heart Association Guidelines for Cardiopulmonary Resuscitation, unconscious adult patients with a return of spontaneous circulation (ROSC) after out-of-hospital cardiac arrest should be cooled to 32°C to 34°C for 12 to 24 hours. However, it is unclear which
  • PMID 20825779
病院外心臓停止から自発循環再開に至った後、32,33,34℃の低体温療法を行った場合の転帰と有害作用について報告


低体温症」

  [★]

hypothermia
低体温凍え

定義

  • 口腔内温が35℃以下であること。(IMD.42)


低体温法」

  [★]

therapeutic hypothermia
低体温療法冬眠療法


体温」

  [★]

body temperature
発熱



  • 口腔温:36.8±0.4 ℃
  • 部位:直腸(口腔温度より0.4℃高い) > 口腔 > 腋窩
  • 時間:夕方(18時)>朝(6時) 差は0.5℃

臨床関連

  • 体温の異常
  • 病態の診断基準
  • SIRSの診断基準:37℃より±1℃より大きいまたは小さいこと。すなわち、>38℃ or <36℃




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