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- heat transfer coefficient
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/07/07 20:06:10」(JST)
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熱伝達率
Heat transfer coefficient |
量記号 |
h |
次元 |
M T -3 Θ -1 |
SI単位 |
W/(m2 K) |
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熱伝達率(ねつでんたつりつ、英: Heat transfer coefficient)または熱伝達係数とは、伝熱において、壁と空気、壁と水といった2種類の物資間での熱エネルギーの伝え易さを表す値で、単位面積、単位時間、単位温度差あたりの伝熱量(すなわち単位温度差あたりの熱流束密度)である。アイザック・ニュートンが1701年[要出典]に発表したニュートンの冷却法則を根拠としている。単位はW/(m2 K)、記号にはh の他、αが使われることも多い。熱伝達率は流体の速度によっても大きく異なる。
熱伝達率は、対流熱伝達、沸騰熱伝達、凝縮熱伝達など、流体と物体間の熱移動を扱うための係数である。まれに流体温度の代わりに環境温度などを用い、熱伝達率表現によって物体表面の温度上昇が小さい熱放射を近似的に扱うこともある。
一般に、熱伝達率は物体表面で一様ではなく、流れの様相により時間的にも一定ではないが、平均値として熱の移動を扱うことが多く、工学的な係数である。また、空間的には局所熱伝達率であっても、時間平均とすることがほとんどである。これは流れの時間変化に相応する速さでの物体の温度変化が問題になることが少ないためで、流体力学で乱流を扱う時間スケールと、伝熱工学での乱流の扱いには大きな隔たりがある。
目次
- 1 定義
- 2 無次元数
- 3 さまざまな流れにおける熱伝達率
- 3.1 平板の強制対流
- 3.2 真っ直ぐな円管の強制対流
- 3.3 鉛直平板の自然対流(層流)
- 3.4 水平円柱の自然対流(層流)
- 3.5 水平平板の自然対流
- 3.6 密閉空間の自然対流
- 3.7 概数
- 4 参考文献
- 5 関連項目
定義
熱伝達率h は次で定義される:
ここで
- Q :熱移動量 (W)
- J :熱流束密度 (W/m2)
- A :伝熱面積 (m2)
- Tw :物体表面の温度 (K)
- Ta :流体の温度 (K)、ただしTw > Taとする。
である。
無次元数
ヌセルト数
詳細は「ヌセルト数」を参照
ヌセルト数 Nu は無次元化された熱伝達率であり、次の式で定義される:
ここで、
- k :流体の熱伝導率 (W/(m K))
- L :代表長さ (m)
である。強制対流の場合にはヌセルト数を無次元流速のレイノルズ数と流体の運動と温度を結びつける物性値であるプラントル数で整理し、自然対流の場合には浮力と粘性力の比であるグラスホフ数とプラントル数で整理するのが一般的である。
スタントン数
詳細は「スタントン数」を参照
ヌセルト数は熱伝導率を用いて無次元化したが、代わりに比熱あるいは熱容量を用いることもでき、これをスタントン数 St という。
ここで
- cp :流体の比熱 (J/(kg K))
- ρ:流体の密度 (kg/m3)
- U :流速 (m/s)
である。
さまざまな流れにおける熱伝達率
さまざまな場合に対する熱伝達率について実験的、あるいは理論的な式が導出されている。以下ではそれらの式を、ヌセルト数や以下の無次元数を用いた式で紹介する[1]。
- Re = U L /ν:レイノルズ数
- Pr :プラントル数
- Gr :グラスホフ数
- Ra :レイリー数
平板の強制対流
- 層流の場合
温度が均一な板の強制対流のヌセルト数は下記の式で求めることができる。レイノルズ数Re を求めるとき、代表長さには流れ方向の長さをとる。
- 乱流の場合
真っ直ぐな円管の強制対流
- 層流の場合
管の長さをl 、管入口からの距離をx とする。また代表長さには円管直径d をとる。速度場、温度場は十分に発達しているとする。
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- 乱流の場合(壁温一定)
- コルバーンの式(Colburn's equation)
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- ディタス・ベルター(Dittus-Boelter)の式
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- 上式の指数n は、流体を加熱するときn = 0.4、冷却するときn = 0.3とする。また、物性値は出入口の温度の平均値における値を用いる。
- 物性値は膜温度における値を用いる。
- ただし、f は摩擦係数で次式である:
- 物性値は膜温度における値を用いる。
鉛直平板の自然対流(層流)
厳密解としては
これは次で近似できる:
実験式として次がある。Gr Pr が低い場合は層流、高い場合は乱流支配である。