- 英
- chi-square test
- 関
- χ二乗検定、カイ二乗分布
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/03/12 16:48:11」(JST)
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カイ二乗検定(カイにじょうけんてい、カイじじょうけんてい、英語:Chi-squared test)、または検定とは、帰無仮説が正しければ検定統計量がカイ二乗分布に従うような統計学的検定法の総称である。次のようなものが含まれる。
- ピアソンのカイ二乗検定:カイ二乗検定として最もよく利用されるものである(本項で述べる)。
- 一部の尤度比検定:標本サイズが大きい場合には近似的にカイ二乗検定となる場合がある。
- イェイツのカイ二乗検定(イェイツの修正)
- マンテル・ヘンツェルのカイ二乗検定
- 累積カイ二乗検定
- Linear-by-linear連関カイ二乗検定
これらはいずれも
(ここで"expected" という語は期待値そのものではなく観測値から求められる期待値の推定量あるいは理論値を指すことが多い)
という形の統計量「カイ二乗(χ2)」を含む。
§ピアソンのカイ二乗検定
ピアソンのカイ二乗検定(Pearson's chi-square test)は、カイ二乗検定のうち最も基本的かつ広く用いられる方法であって、「観察された事象の相対的頻度がある頻度分布に従う」という帰無仮説を検定するものである。この頻度分布は特定のものに限らない。すなわちこの方法はノンパラメトリック検定である。
事象は互いに排他的でなければならない(例えば「さいころの目」、「ある人が男か女か」など)。カイ二乗は各頻度の観測値と理論値の差を2乗し、各頻度の理論値で割って、合計したもの:
である。ただしここでO = 頻度の観測値,E = 帰無仮説から導かれる頻度の期待値(理論値)である。
ピアソンのカイ二乗検定は2つのタイプの比較、適合度検定及び独立性検定に用いられる:
- 適合度検定
- 観測された頻度分布が理論分布と同じかどうかを検定する。例えば簡単な例として、標本として100人の人がいる場合に、「男と女が同数だけいる集団から、ランダムに抽出された100人である」という仮説を検定するには、男女の人数の観測値と理論値(50:50)とを比較すればよい。観測値が男45人、女55人ならば、
- この場合の自由度は1である(2つの観測値と理論値の差は、一方を決めると他方も自動的に決まるから)。そこで自由度1のカイ二乗分布を見ると、男女の人数が等しい場合にこのような差(及び女がさらに多くなるような場合)が見出される確率は、おおよそ0.32である。この確率は普通用いる統計学的有意水準(0.05、0.01など)よりも高いから、「男女の人数が等しい」とする帰無仮説を棄却する理由がない。
- 独立性検定:
- 2つの変数に対する2つの観察(2x2分割表で表される)が互いに独立かどうかを検定する。例えば、「別の地域の人々について、選挙である候補を支持する頻度が違う」かどうかを検定する方法である。
カイ二乗の計算値は、確率分布が二項分布あるいは正規分布に従う集団に関しては正確にカイ二乗分布に従う。
期待値が二項分布:
(ただしここで、p = 帰無仮説の下での確率,n = 標本の観測値) に従う場合、カイ二乗は自由度1のカイ二乗分布に従う。なおこの二項分布は標本数が大きい場合には次のような正規分布で近似できる:
標準正規分布に従う個の変数から、各二乗の合計を求めると、自由度のカイ二乗分布:
に従う。
しかし一般の頻度分布でもカイ二乗は「近似的には」カイ二乗分布に従うので、カイ二乗検定が適用可能である。期待値Eが小さい(標本数が小さい、または観測数が少ない)場合は、二項分布を正規分布ではうまく近似できないため、この場合には尤度比検定の1つであるG検定を用いるのがより適切である。全標本数が小さい場合は、二項検定、さらに2x2分割表で表される場合にはフィッシャーの正確確率検定を用いる必要がある。
§関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 青少年の携帯電話とインターネットの利用に関する Web 調査と他調査との比較分析
- 清水 康敬,小泉 力一,山本 朋弘 [他],横山 隆光
- 日本教育工学会研究報告集 2011(4), 169-176, 2011-10-29
- NAID 10029782346
- オクヤマザサおよびクマイザサ種子における休眠打破に関わる低温期間の違い
- 北村 系子,河原 孝行
- 森林総合研究所研究報告 10(1), 1-5, 2011-03-00
- … カイ二乗検定の結果、低温回数と発芽数の関係に両種間で有意な差が認められ、クマイザサの種子はオクヤマザサのものより休眠が深いことが示唆された。 …
- NAID 40018911856
Related Links
- カイ二乗検定 統計 キーワード:統計、カイ2乗検定(χ2乗検定) 観測データの分布には誤差が含まれるため、理論的に求まる分布と 完全には一致しない。そこで次のような疑問がおこる。「観測されたデータの分布は、理論値の分布 ...
- 次の式で定義されるカイ2乗値 χ 2 = を,理論的な計算で求めたχ 2 値と比較すればよい. なぜ,この方法でできるのかという数学的根拠は難しい 「n個の変数が各々独立に標準正規分布に従うとき」(自由度n),それらの2乗の和 χ ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- case-control study
- 同
- ケース・コントロール研究
- 同
- 患者対照研究
- 関
- 症例対照法、アトリビュータブル・リスク、コホート研究、分析疫学、マッチング
特徴
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名称
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患者対照研究
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コホート研究
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時間軸
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後向き研究
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前向き研究
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調査の方法
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既往調査、病歴調査
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追跡調査
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対象
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曝露情報の 信頼性
|
患者の過去の記録やカルテに頼るため 信頼性は低い
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現時点での曝露状況が判明しているので信頼性は高い
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対象
|
偏り バイアス
|
抽出の段階で、既に患者、対照群とも に偏りが発生している場合が多い
|
母集団から、要因の有無別に対照群が 抽出されるため、偏りは小さい
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対象
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まれな要因
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評価不能
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評価可能
|
調査
|
観察期間
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なし
|
長期
|
調査
|
費用 労力
|
患者と対照のみを観察するので、費用・労力が少ない
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大きな集団を長期に追跡しなければな らないので、費用・労力が多い
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疾患
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対照疾患
|
単一
|
複数
|
疾患
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診断の正確性
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正確性が高い
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正確性が低い →診断基準が必要
|
疾患
|
まれな疾患
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可能
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困難
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解析
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罹患率
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計算不可
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算出可能
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解析
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相対危険度
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近似値の算出
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算出可能
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解析
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寄与危険度
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計算不可
|
算出可能
|
その他の特徴
- 対照群は母集団を代表しているわけではない →対照は必ずしも健常者でなくともよい(同じ病院の他の疾病の患者が選ばれることが多い)
- 交絡因子を考慮した調査対象の選択が必要である.
- 統計学的検定にはカイ二乗検定などが用いられる
参考
- はじめてケースコントロールシート2.5 Beginners’ Training Sheet for Case-control study
- http://spell.umin.jp/BTS_CCS2.5.pdf
[★]
- 英
- χ2 test, chi-squared test
- 同
- χ2テスト、カイ二乗検定
- 関
- χ2分布、検定、t検定
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%CE%A72%E6%A4%9C%E5%AE%9A
[★]
- 英
- chi-square distribution
- 関
- カイ二乗検定、χ二乗分布
[★]
- 英
- chi-square test
- 関
- カイ二乗検定
[★]
- 英
- assay、test、assay、test
- 関
- アッセイ、検査、検定法、試験、試験法、測定法、定量、テスト、分析、アッセイ法
- 母数についてある特定の家庭を設定し、その仮定が正しいかどうかについて統計学的に伴ダンスrための手法である。設定した帰無仮説の下で、ある特定の統計量が得られる確率を求める。その検定により得られた確率(p値)がある基準(有意水準)より小さければ、母数に関する帰無仮説が間違っている可能性が高い(有意差がある)と判断する。(QB)
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%AE%E8%AA%AC%E6%A4%9C%E5%AE%9A
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- 英
- square
- 関
- 四角、平方