- 英
- RNA-dependent RNA polymerase
- 関
- RNA複製酵素
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2018/07/25 20:57:16」(JST)
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RNA-directed RNA polymerase |
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RNA Replicase structure PDB 3PHU.[1] |
識別子 |
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EC番号 |
2.7.7.48 |
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CAS登録番号 |
9026-28-2 |
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データベース |
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IntEnz |
IntEnz view |
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BRENDA(英語版) |
BRENDA entry |
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ExPASy |
NiceZyme view |
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KEGG |
KEGG entry |
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MetaCyc |
metabolic pathway |
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PRIAM |
profile |
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PDB構造 |
RCSB PDB PDBj PDBe PDBsum |
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遺伝子オントロジー |
AmiGO / EGO |
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検索 |
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PMC |
articles |
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PubMed |
articles |
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NCBI |
proteins |
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RNA dependent RNA polymerase |
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識別子 |
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略号 |
RdRP_1 |
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Pfam |
PF00680 |
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Pfam clan |
CL0027 |
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InterPro |
IPR001205 |
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SCOP |
2jlg |
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SUPERFAMILY |
2jlg |
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利用可能な蛋白質構造: |
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Pfam |
structures |
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PDB |
RCSB PDB; PDBe; PDBj |
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PDBsum |
structure summary |
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|
RNA依存性RNAポリメラーゼ (RdRp)、 (RDR)、 またはRNA複製酵素[注 1]とはRNAを鋳型にRNAを複製を合成する酵素である。RNAを鋳型とする点で、DNAを鋳型としてRNAの転写を行う典型的なRNAポリメラーゼ(DNA依存性RNAポリメラーゼ)と対照的である。
RNA依存性RNAポリメラーゼ (RdRp) はRNAのゲノムを保有し、かつ増殖ステップにDNAが関わらないウイルスにおいて必須のタンパク質である[3][4] [注 2]。この酵素は鋳型のRNAと相補的となるRNAの合成を触媒する。 RNAの複製機構は2段階からなる。最初のステップは複製の開始であり、RNAの複製は鋳型RNAの3'末端、もしくはその近傍から始まる。複製開始はプライマーを必要としない方法(de novo合成)と、VPgなどのプライマーを必要とする方法とに分かれる。また、de novoの複製開始は最初のヌクレオシド三リン酸 (NTP) の3'-OHに付加される次のNTPの有無に左右される。複製開始に続く伸長過程においては、次のNTPを付加する核酸転移反応が繰り返され、最終的に相補的なRNAを生じる[5][2]。RNA依存性RNAポリメラーゼはRNAワールド仮説を巡る探究の目標となっている。
歴史
ウイルス性のRNA依存性RNAポリメラーゼは1960年代初頭、メンゴウイルスとポリオウイルスの研究中に発見された。この2つのウイルスは細胞によるDNA指向性のRNA合成系の阻害薬であるアクチノマイシンDに非感受性である。このDNA依存的RNA合成系の阻害に対する感受性の欠如は、ウイルスが独自のRNA合成酵素を持ち、かつこの酵素がDNAではなくRNAを鋳型とするものであることを示唆した。
最も有名なRNA依存性RNAポリメラーゼの一例としてポリオウイルスのものがあげられる。RNAのゲノムを持つこのウイルスは、細胞表面のレセプターと付着することで発生するエンドサイトーシスによって細胞内へ侵入する。細胞内に侵入したウイルスのRNAは直ちに相補的なRNAを合成するための鋳型として働くことができる。合成された相補鎖はそれ自体が新しいウイルスゲノムの鋳型として働く。新しく合成されたウイルスゲノムは娘ウイルスに封入され、細胞外に放出された後、他の宿主細胞へ感染する。 こういった複製様式のメリットはゲノムの複製過程にDNAが関わらないため、複製が早く簡単に行われることである。一方で、DNAの"バックアップ"を持たないというデメリットを抱える。
多くのRNA依存性RNAポリメラーゼは膜と連結して存在しており、それ故に研究が難しい。最もよく知られるRNA依存性RNAポリメラーゼはポリオウイルスの3Dpolタンパク質、水泡性口炎ウイルスのLタンパク質、C型肝炎ウイルスのNS5Bタンパク質である。
ウイルスのみならず多くの真核生物もまたRNA依存性RNAポリメラーゼを持ち、真核生物のRNA依存性RNAポリメラーゼはRNA干渉におけるsiRNAの増幅に関与している。 この場合、RNA依存性RNAポリメラーゼは二次的なsiRNAを転写を行う。増幅されたsiRNAへは続いて3型アルゴノート (SAGO) が結合し、標的のmRNAを抑制する[6]。
RdRpはウイルス種の間でよく保存されており、さらにテロメアーゼとも関連性が見出される。しかしながら、なぜ遺伝的に多様であるウイルスの間でこのタンパク質が保存されているのかは2009年現在においても不明である[7]。その類似性からウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼはヒトのテロメアーゼの祖先ではないかと推測されている。
構造
全てのRNAを鋳型とするRNAポリメラーゼは多くのDNAを鋳型とするポリメラーゼと同様に、fingers、palm、およびthumbと呼ばれる3つのサブドメインからなる右手構造に例えられる折りたたみを持つ[8]。ただし、これらのサブドメインの中でもポリメラーゼ酵素の間でよく保存されているのは、4つのアンチパラレルなβシートと2つのαシートによって構成されるpalmサブドメインのみである。 RNA依存性RNAポリメラーゼのpalmサブドメインは、3つのよく保存されたモチーフ(A、B、およびC)によって構成される。 モチーフA (D-x(4,5)-D) とC (GDD) は並列して配置している。この2つのモチーフが含むアスパラギン酸はMg2+やMn2+、あるいはその両者と結合するらしい。モチーフBのアスパラギンはヌクレオシド三リン酸を選択に関わる。すなわち、デオキシヌクレオシド三リン酸の代わりにヌクレオシド三リン酸を選択する。それ故にこのポリメラーゼはDNAではなくRNAを合成する[9]。ドメインの構成[10]と、活性中心の三次元構造は、全体的に配列の相同性が低いにも関わらずRNA依存性RNAポリメラーゼ間で広く保存されている。活性中心を構成するいくつかのモチーフは保存されたアミノ酸残基を多数含む。
脚注
注釈
- ^ RNA依存性RNAポリメラーゼはRNA複製以外の役割を持つことが知られ、また、RNAゲノムの複製には他のウイルスタンパク質や宿主の因子との複合体形成が必要である。そのため、RNA複製酵素と呼ぶ場合はRNA依存性RNAポリメラーゼと他の因子からなる複合体のことをさすことがある[2]。
- ^ ただし、ウイルス粒子内にこの酵素を持つかどうかはウイルスのクラスによって異なる。具体的には二本鎖RNAをゲノムとして持つウイルスとマイナス鎖RNAをゲノムとして持つウイルスがこの酵素をウイルス粒子内に持つ一方、プラス鎖RNAをゲノムとして持つウイルスはウイルス粒子内にはこの酵素を含まない。
出典
- ^ Akutsu, M; Ye, Y; Virdee, S; Chin, JW; Komander, D (February 2011). “Molecular basis for ubiquitin and ISG15 cross-reactivity in viral ovarian tumor domains”. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 108 (6): 2228–33. doi:10.1073/pnas.1015287108. PMC 3038727. PMID 21266548. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=3038727.
- ^ a b Kao CC, Singh P, Ecker DJ (September 2001). “De novo initiation of viral RNA-dependent RNA synthesis”. Virology 287 (2): 251–60. doi:10.1006/viro.2001.1039. PMID 11531403.
- ^ Koonin EV, Gorbalenya AE, Chumakov KM (July 1989). “Tentative identification of RNA-dependent RNA polymerases of dsRNA viruses and their relationship to positive strand RNA viral polymerases”. FEBS Lett. 252 (1–2): 42–6. doi:10.1016/0014-5793(89)80886-5. PMID 2759231.
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- ^ Jin, Z; Leveque, V; Ma, H; Johnson, K. A.; Klumpp, K (2012). “Assembly, purification, and pre-steady-state kinetic analysis of active RNA-dependent RNA polymerase elongation complex”. Journal of Biological Chemistry 287 (13): 10674-83. doi:10.1074/jbc.M111.325530. PMC 3323022. PMID 22303022. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=3323022.
- ^ Iyer LM, Koonin EV, Aravind L (January 2003). “Evolutionary connection between the catalytic subunits of DNA-dependent RNA polymerases and eukaryotic RNA-dependent RNA polymerases and the origin of RNA polymerases”. BMC Struct. Biol. 3: 1. doi:10.1186/1472-6807-3-1. PMC 151600. PMID 12553882. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=151600.
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外部リンク
- RNA Replicase - MeSH、米国国立医学図書館、生命科学用語シソーラス (英語サイト)
- EC 2.7.7.48
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- テロメラーゼの新機能 (AYUMI テロメア,テロメラーゼ,クロマチンストレス)
- 口蹄疫ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼに対する抗ウイルス剤のインビトロ活性
- 口蹄疫ウイルス RNA 依存性 RNA ポリメラーゼに対する抗ウイルス剤のインビトロ活性
- 坂本 研一,大橋 誠一,深井 克彦,森岡 一樹,山添 麗子,高橋 和美,古田 要介
- 家畜衛生学雑誌 37(2), 45-49, 2011-09
- X線解析により既にその立体構造が明らかにされているポリオウイルスの3D蛋白質(RNA依存性RNAポリメラーゼ)のアミノ酸配列と口蹄疫ウイルスの3D蛋白質のアミノ酸配列を比較して、口蹄疫ウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼの3次元構造をコンピュータ解析により予測した。また、DNAおよびRNAボリメラーゼであるDNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性RNAポリメラーゼ、RNA依存性DNAポリメ …
- NAID 120005450821
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- 栄養・生化学辞典 - RNA依存RNAポリメラーゼの用語解説 - [EC 2.7.7.48].RNAレプリカーゼ,RNA複製酵素ともいう.RNAファージが増殖するときにRNAを複製するために働く酵素.一本鎖RNAを鋳型として相補的なRNAを合成する ...
- 世界大百科事典 第2版 - RNA依存性DNAポリメラーゼの用語解説 - 逆転写酵素reverse transcriptaseとも呼ばれる。RNAの塩基配列をもとにDNAを合成する酵素で,RNAウイルスの一種類であるレトロウイルス類の粒子内に含まれ,ウイルスの ...
★リンクテーブル★
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- 英
- RNA replicase
- 関
- RNA複製酵素、RNA依存性RNAポリメラーゼ
[★]
- 英
- dependence
- 関
- 薬物依存、麻薬中毒
依存の3要素
- 1. 身体依存:精神作用物質が長時間体内にあり、効果を発現し続ける結果、生体がその物質に適応して正常に近い機能を営むようになった状態。身体依存が生じる薬物は抑制性の薬物で、離脱症状は興奮性となる
- 2. 精神依存:精神作用物質を使用したいというしばしば強く、時には抵抗できない欲求
- 3. 耐性 :精神作用物質の効果が長期の摂取のために減弱し、初期の効果を得るためにより大量の摂取が必要となった状態
[★]
[★]
- 同
- リボ核酸 ribonucleic acid RNA
- 関
- DNA
[★]
- 英
- dependency、dependent
- 関
- 依存、依存的、依存型、依存度
[★]
- 英
- polymerase
- 関
- 重合酵素