- 英
- nerve gas, neurotoxin
- 関
- コリンエステラーゼ、アオコ、細菌毒素、有毒ガス中毒、パラチオン、サリン中毒、タブン中毒、ソマン中毒、VX中毒
WordNet
- any toxin that affects neural tissues (同)neurolysin
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/12/05 23:18:06」(JST)
[Wiki ja表示]
|
この記事には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証し出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2017年7月) |
神経毒(しんけいどく、英語: Neurotoxicity)とは、神経細胞(神経単位、ニューロン)に特異的に作用する毒のことである。通常、膜蛋白質とイオンチャネルとの相互作用によって効果を及ぼす。一般的な作用は麻痺であり、それは極めて急速に起こる。
目次
- 1 神経毒の作用機序
- 2 神経毒の種類
- 2.1 内因性毒素
- 2.2 外因性毒素
- 2.3 生物由来の神経毒
- 3 注釈
- 4 出典
- 5 関連項目
神経毒の作用機序
多くの神経毒は電位依存型イオンチャネルに影響を与えることで作用する。たとえばテトロドトキシンとバトラコトキシンはナトリウムチャネル(英語版)に影響を与え、モーロトキシン(英語版)、アジトキシン(英語版)、カリブドトキシン(英語版)、マーガトキシン(英語版)、スロトキシン(英語版)、スキラトキシン(英語版)、ヘフトキシン(英語版)はカリウムチャネルに作用する。カルシセプチン(英語版)、タイカトキシン(英語版)、カルシクルジン(英語版)はカルシウムチャネルに作用する。
バトラコトキシンのような強力な神経毒は興奮性細胞膜のナトリウムイオン透過性の増大による神経および筋繊維の脱分極を引き起こすことにより神経系に影響を与える。
医薬品における神経保護作用の培養試験では、グルタミン酸やN-メチル-D-アスパラギン酸 (NMDA)、カイニン酸が神経毒として用いられることが多い。動物の神経細胞を用いた培養試験では、グルタミン酸(500µM濃度以上)で培養24時間後に神経細胞の大半が死滅する。これを試験薬がどれくらいの濃度で、培養神経細胞を何%生存させたかによって神経保護能を評価することが通例となっている。そのメカニズムはグルタミン酸受容体や、サブユニットを活性化させ、カルシウムイオンの過剰流入によって神経細胞のアポトーシスを誘導すると示唆されている。
神経毒の種類
内因性毒素
神経毒性は体内で作られた物質からも生じ、それは内因性神経毒と呼ばれる。脳内で神経毒性を示す最も重要な例はグルタミン酸である。矛盾しているようであるが、グルタミン酸は同時に最も重要な神経伝達物質である。ニューロン周囲のグルタミン酸濃度が危険な濃度にまで達すると、ニューロンはアポトーシスと呼ばれるプロセスによって自己を殺す。このプロセス全体は、グルタミン酸塩が通常は低い濃度においては興奮性の神経伝達物質として作用することから興奮毒性と呼ばれている。
外因性毒素
外部環境から摂取された毒素は外因性と表現され、外因性毒素には、ガス(たとえば一酸化炭素)、水銀のような金属、液体(エタノール)、そして膨大な種類の固体が含まれている。外因性毒素が摂取された場合、ニューロンへの作用は主として用量依存性である。たとえばエタノール(アルコール)は少量では生物を酩酊させる緩やかな神経毒性を示すだけであるが、長期間にわたりそのような低用量のアルコールに暴露し続けることは神経細胞を緩やかに弱らせ、死滅させる。
エタノール
エタノールへの慢性的な曝露後の中止は脳の興奮毒性を引き起こす。HU-210(英語版)などのカンナビノイド受容体(英語版)作動薬は、エンドカンナビノイドシステム(英語版) (CBR) を刺激しアルコール離脱に対して保護的である。対照的にリモナバンなどのCBR拮抗薬はECSを遮断し、長期曝露はNMDA神経毒性を増幅し、アルコール離脱時は逆効果である[1]。
生物由来の神経毒
ヘビやサソリの毒や、その他の生物が脊椎動物に対する防御のために利用する毒の多くは神経毒である。ハチ、サソリ、クモ、およびヘビの毒には何種類もの異なる毒素が含まれていることがある。
神経毒をもつ主な生物
- セアカゴケグモ - サソリ
- スズメバチ - アシナガバチ
- ヤドクガエル科
- コブラ科 - クサリヘビ科
- フグ(テトロドトキシン) - オニオコゼ
- フグ毒として知られているテトロドトキシンは鎮痛剤として医療で用いられることもある。
クジャクなど、神経毒に耐性がある生物も存在する。
注釈
出典
- ^ Rubio M (2011). “Pharmacological activation/inhibition of the cannabinoid system affects alcohol withdrawal-induced neuronal hypersensitivity to excitotoxic insults.”. PLOS ONE. 6 (8): e23690. doi:10.1371/journal.pone.0023690. PMC 3158793. PMID 21886913. http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0023690.
関連項目
- 毒素
- 毒性学
- 催奇性
- ボツリヌストキシン
- ヘビ毒
- 神経保護
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 大人のための最先端理科(第112回)脳科学 恐ろしきフグ毒、貝毒、VXガス 「神経毒」のもうひとつの顔
- 2008~2016年度における愛知県産加工食品中特定原材料の調査について
Related Links
- ヘビ毒には、神経毒と出血毒があります。この神経毒と出血毒はどちらが怖いか? 神経毒は出血毒のような激しい痛みはありませんが、即効性があり、致死性が高くて危険です。出血毒は激痛におそわれ、たとえ一命を取り留めた ...
- 神経毒(しんけいどく)とは、摂取すると神経細胞に作用する毒のことである。ヘビやクモなどの生物が防御のために使用する毒に多い。摂取した場合、しびれや筋肉の麻痺、呼吸困難などの症状が現れる。神経毒にはテ…
- 神経毒(しんけいどく)とは、神経細胞(神経単位、ニューロン)に特異的に作用する毒のことである。通常、膜 蛋白質とイオンチャネルとの相互作用によって効果を及ぼす。一般的な作用は麻痺であり、それは極めて急速に起こる。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- alpha-neurotoxin
- 関
- 興奮毒、神経毒、α-ニューロトキシン、α神経毒、興奮性神経毒
[★]
- 英
- excitotoxin
- 関
- 神経毒、αニューロトキシン、興奮性神経毒
[★]
- 英
- neurotoxicity syndrome
- 関
- 中毒性脳症、神経系中毒症状、中毒性脳炎
[★]
- 英
- excitatory neurotoxin
- 関
- 興奮毒、神経毒、αニューロトキシン
[★]
- 英
- alpha-neurotoxin
- 関
- αニューロトキシン、α-ニューロトキシン
[★]
- 英
- cobra neurotoxin
- 関
- コブラ神経毒タンパク質
[★]
- 英
- cobra neurotoxin protein
- 関
- コブラ神経毒
[★]
- 英
- nerve
- ラ
- nervus
- 関
- ニューロン
解剖で分類
- 中枢神経 central nervous systen CNS
- 末梢神経 peripheral nervous system PNS
情報で分類
- 感覚神経 sensory nerve = 求心性線維 afferent nerve
- 運動神経 motor nerve = 遠心性線維 efferent nerve
機能で分類
- 体性神経 somatic nervous system SNS
- 自律神経 autonomic nervous system ANS
[★]
- 英
- toxin、poison、poison
- 関
- 毒素、毒物、毒を入れる、トキシン