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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2019/12/15 15:45:11」(JST)
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大建中湯(だいけんちゅうとう)とは、漢方薬方剤の一種。
概要
冷えが原因である腹痛に用いる。大建中湯の「中」とは体の中心部である胃腸を現しており胃腸を大きく建立し丈夫にするという意味合いがある。
適応症
腹が冷えて痛み、腹部膨満感のものに使用する。
西洋医学への応用
大腸の手術後などに腸閉塞症を起こす患者が多いが、大建中湯には腸閉塞を早期に回復させ、予防にも効果があることがわかり、手術後の主治療薬としての新たな活用が試みられている[1]。
組成
人参(ニンジン)・山椒(サンショウ)・乾姜(カンキョウ)を一定の割合で混合して煎じ、水飴を加える。
副作用
肝臓の重い症状(めったにないが初期症状等にある場合があるので念のため注意)
- だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色、胃の不快感、腹痛、下痢、発赤
併用注意
- 持病のある人は医師に伝えておく。
- 市販薬も含め服用中の薬を医師に教えておく。
- 肝臓の悪い人は、肝機能値に注意するなど慎重に用いるようにする。
その他注意
- 普通、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲み顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むのがよい。しかしむかつくときは、水で飲んでもかまわない。だが、かえって食欲がなくなったり、吐き気を催すようならば、食後でもよいと思われる。
- 効果のないときは、医師と相談が必要。
参考文献
外部リンク
- 医療関係者向けサイト漢方スクエア「大建中湯関連コーナー」 大建中湯のエビデンス情報が集められています。
脚注
- ^ 読売新聞夕刊 2011年2月18日 4面「見聞録2011 漢方最前線③」
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UpToDate Contents
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…axonal injury (DAI) is a severe form of DBI. DAI develops as the result of tissue shearing at the interface of grey and white matter ; focal injuries may also be present in patients with DAI. Although …
- 2. 発作性交感神経過活動paroxysmal sympathetic hyperactivity [show details]
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Japanese Journal
- 科学的エビデンスに基づく漢方薬の作用メカニズムの解明 : 六君子湯,半夏瀉心湯,大建中湯を中心に (今月の臨床 産婦人科で漢方を使いこなす! : 漢方診療の新しい潮流をふまえて) -- (今の時代の漢方診療)
- 妊婦の便秘 (特集 漢方の今,これから) -- (漢方療法の適用を見直す)
- 慢性便秘患者に対する大建中湯の効果 (特集 漢方の今,これから) -- (漢方療法のランダム化研究やビッグデータ解析)
Related Links
- 通常、腹が冷えて痛み、腹部膨満感のある人の治療に使用されます。
- 血流をよくしておなかを温め、胃腸の働きを活発にすることで症状を改善します。
- ツムラ大建中湯エキス顆粒(医療用)(一般名:大建中湯エキス顆粒)の薬効分類・副作用・添付文書・薬価などを掲載しています。「処方薬 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ツムラ大建中湯エキス顆粒(医療用)
組成
- 本品15.0g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス1.25gと日局コウイ10.0gを含有する。
日局カンキョウ 5.0g
日局ニンジン 3.0g
日局サンショウ 2.0g
添加物
効能または効果
- 通常、成人1日15.0gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 肝機能障害のある患者 [肝機能障害が悪化するおそれがある。]
重大な副作用
間質性肺炎
(頻度不明)
- 咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
(頻度不明)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
消化管運動促進作用
- 米国健常成人に7.5g経口投与したところ、上行結腸の輸送能が亢進した(シンチグラフィー法)(n=19)3)。
- イヌに胃内投与したところ、上行結腸、横行結腸及び下行結腸の収縮力及び収縮頻度が増加した(strain gauge transducer法)4)。
- マウスに経口投与したところ、クロルプロマジン5)あるいはモルヒネ6)による小腸及び遠位大腸輸送能低下が改善された。
- モルモット摘出回腸において、縦走筋の収縮を惹起し7)、モルヒネによる輪走筋の収縮を抑制した6)(in vitro )。
消化管過剰運動抑制作用
- マウスに経口投与したところ、カルバコールにより誘発された小腸運動輸送能亢進が抑制された8)。
イレウス抑制作用
- ラットに経口投与したところ、術後イレウスモデルにおける消化管輸送能低下が抑制された9)。
- ラットに経口前投与したところ、小腸にタルクを散布して作製した腸管癒着が抑制された10)。
- マウスに経口前投与したところ、酢酸を腹腔内投与して作製した炎症性腸管通過障害モデルにて、腸管輸送の遅延が抑制された11)
腸管血流増加作用
- 健常成人に5.0g経口投与したところ、上腸間膜動脈血流が増加した(n=14)12)。
消化管ホルモン分泌作用
- 健常成人に7.5g経口投与したところ、投与60、90分後の血漿中モチリン濃度が上昇した(n=24)13)。
- 健常成人に7.5g経口投与したところ、血漿中のVIP及びセロトニン濃度が上昇した(n=6)14)。
- 健常成人に7.5g経口投与したところ、血漿中Calcitonin gene related peptide(CGRP)及びサブスタンスP濃度が上昇した(n=5)15)。
作用機序
- 本剤は、以下の作用により薬理効果を示すことが示唆されている。
消化管運動促進作用
- ・クロルプロマジン誘発マウス小腸輸送能低下の改善作用は、アトロピンとCCKA受容体拮抗薬ロルグルミドの併用により抑制された。また、大腸輸送能低下の改善作用は、アトロピンにより抑制された5)。
- ・モルモットにおいて、摘出回腸縦走筋における収縮作用は5-HT4受容体拮抗薬である高濃度ICS205-930で抑制されたが、オンダンセトロン(5-HT3受容体拮抗薬)では抑制されなかった(in vitro )7)。また、アセチルコリン遊離を促進し、その収縮作用はアトロピン7)あるいはアトロピンとサブスタンスP受容体拮抗薬スパンタイド11)の併用により抑制された(in vitro )。
- ・イヌにおいて、胃内投与により惹起された結腸運動は、TRPV1阻害薬であるカプサゼピンにより抑制された4)。
消化管運動抑制作用
- ・モルモット摘出回腸縦走筋の粘膜剥離標本において、低濃度の処置では、電気刺激収縮を抑制したがアセチルコリン収縮には影響を与えなかった。また、高濃度の処置では、KCl収縮を抑制し、その抑制作用はCaCl2の前処置により減弱した(in vitro )8)。
腸管血流増加作用
- ・ラットにおける腸管血流量増加作用は、CGRP受容体拮抗薬CGRP(8-37)により抑制され、VIP受容体拮抗薬[4-Cl-DPhe6, Leu17]-VIP及びアトロピンにより一部抑制され、スパンタイドでは抑制されなかった16)。
- ・麻酔下ラット十二指腸内投与によって起こる小腸血流量増加作用は、TRPA1受容体拮抗薬及び抗アドレノメデュリン抗体により抑制された17)。
抗炎症作用
- ・ラット小腸上皮由来IEC-6細胞株において濃度依存的にADM産生を増加させた(in vitro )18)。
- ・TNBS誘発炎症モデルマウスにおいて、結腸蛋白中炎症性サイトカイン(TNF-α、IFN-γ)の産生が抑制された18)。
- ・シクロオキシゲナーゼ(COX-2)活性を抑制した(COX酵素活性測定キット、in vitro )10)。
★リンクテーブル★
[★]
- 日
- しんぶとう
- 関
- 水滞(全身型)
- 生薬:茯苓、芍薬、蒼朮、生姜、附子
- 易疲労(倦怠感)、めまい感、尿量減少、浮腫、下痢、全身の冷え
- 目標:少陰病期、虚証
- 身体の新陳代謝が低下して、体が冷えきったために生ずる諸症状を賦活する。
- 附子を含んでおり、体を温める作用を有する
鑑別
- 1)人参湯:体力低下、唾液分泌過多、易疲労、冷え、顔色不良、下痢
- 2)小建中湯:易疲労、小児夜尿症、腹直筋の緊張、腹痛
- 3)大建中湯:体力低下、手足・腹の冷え、腹痛、腸の蠕動亢進、鼓腸
[★]
- 関
- 漢方製剤、大建中湯