- 英
- taste blindness
- 関
- 味覚異常
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/13 01:21:48」(JST)
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フェニルチオカルバミド |
|
|
|
別称
N-Phenylthiourea; 1-Phenylthiourea
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
103-85-5 |
PubChem |
676454 |
UNII |
6F82C6Q54C |
MeSH |
Phenylthiourea |
|
特性 |
化学式 |
C7H8N2S |
モル質量 |
152.22 g mol−1 |
外観 |
白色~淡黄色の粉末 |
密度 |
1.294 g/cm3 |
融点 |
150 °C, 423 K, 302 °F
|
水への溶解度 |
熱水に溶ける |
危険性 |
EU分類 |
T+ |
NFPA 704 |
|
半数致死量 LD50 |
3 mg/kg (oral, rat) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
フェニルチオカルバミド(Phenylthiocarbamide、PTC)は、味覚に対して特異な性質を持つ有機化合物である。フェニルチオカルバミドはTAS2R38という苦味受容体に反応する苦味物質であるが、この受容体は遺伝的に持っている人と持っていない人がいるため、この物質を苦いと感じるかどうかは遺伝に依って決まり、苦味を感じないグループを味盲という。
世界的に見ると、およそ70%の人がこの物質を苦いと感じるが、この割合は民族によって変化する。例えば、この割合が低いアボリジニではわずか58%なのに対して、アメリカ州の先住民族では98%もの人が苦味を感じることができる。また非喫煙者や、コーヒーやお茶を日常的に飲まない人には、この割合が高いという研究結果もある。また女性の方が男性よりも苦味を感じる率が高いという報告もある。
歴史
デュポンに勤める化学者であったアーサー・フォックスは、1931年にフェニルチオカルバミドの純粋な結晶の粉末を誤って落としてしまったことにより、偶然その苦味を感じるかどうかが遺伝によって決まるという事実を発見した。近くにいた同僚の研究者の口に入り、苦味に対して文句を言われたのに、より近くにいたフォックスは何も感じなかったのである。フォックスはその後、家族や友人にも被験者として協力してもらって研究を続け、この現象が父系の遺伝的であることを突き止めた。
味覚
チオ尿素系の化合物に対する味覚と食習慣の間には関係があるという証拠はたくさんある。同様に、ヘビースモーカーはPTCに対して、より鈍感である。
遺伝
味覚に関わるタンパク質をコードする遺伝子には4つの一塩基多型が見つかっている。しかし、これが優性なのか劣性なのかは分かっていない。一方のコピーのみが感受性であれば苦味を感じることが示されているが、苦味の感じ方が弱いという結果もある。またこれには別の遺伝子も関わっているという指摘もある。
参考文献
- Fischer, R., Griffin, F. and Kaplan, A. R. (1963). “Taste Thresholds, Cigarette Smoking, and Food Dislikes”. Medicina experimentalis. International journal of experimental medicine 9: 151-67. PMID 14083335.
- Kaplan, A. R., Glanville, E. V. and Fischer, R. (1964). “Taste Thresholds for Bitterness and Cigarette Smoking”. Nature 202: 1366. PMID 14210998.
- L. Kameswaran, S. Gopalakrishnan, M. Sukumar, (1974). Phenylthiocarbamide and Naringin Taste Threshold in South Indian Medical Students, Ind. J. Pharmac., 6 (3). 134-140.
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 岡田 友佳,高尾 哲也
- 學苑 842, 36-40, 2010-12-01
- The authors examined the association of the expression of taste receptors and taste blindness. Subjects were 21 female university students aged 19-21. They were tested for whether they could taste phe …
- NAID 110009422466
- 四つの基本味覚物質に対する舌の部位別感受性--フェニールチオ尿素に対する感受性のない人(味盲)を含む女子短期大学生における調査
- カイコの食性異常のメカニズム--苦味物質の選択的味盲
Related Links
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - 味盲の用語解説 - フェニルチオカルバミド PTCに対する苦みの味覚能力の欠如をいう。 PTCに限らず,特定の化学構造を有する PTC類似化合物についても味覚能力の個体差がみられる。常染色体上の ...
- 大学のときに、味盲の検査をしました。試験紙がみんなに配られて、『なめてみてー。』『苦い人?』みたいな感じでやりました。家族や会社の人とかとやってみたいなーと思って試験紙を探しました。こちら⇒残念ながら発売終了 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- taste disorder, dysgeusia
- 同
- 味覚異常
- 関
- 味覚、味盲 taste blindness、味覚消失 ageusia
病因
- 1. 舌乳頭の異常:鉄欠乏、亜鉛欠乏、ビタミンB12欠乏、シェーグレン症候群、およびこれらに起因する舌炎
- 2. 神経障害:顔面神経、舌咽神経、聴神経腫瘍、中枢神経障害
- 3. 精神障害(心因性を含む)
- 4. 代謝障害(腎不全、肝不全、糖尿病)
- 5. 薬剤性:ブシラミン、ペンタミジン、ACE阻害薬
- 6. 医原性:放射線照射
- 7. 生理的変化:加齢
- DIF.424
診断
参考
- 味覚障害の疫学と臨床像 - 日本医師会雑誌 2014年3月号 p2617
- 主にZn欠乏について採り上げている
[★]
- 英
- phenylthiocarbamide taste blindness
- 関
- 劣性
[★]
- 英
- blindness、blind
- 関
- 失明、盲目、盲検法