- 英
- ramelteon
- 商
- ロゼレム
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- その他の中枢神経系用薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/31 23:04:50」(JST)
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ラメルテオン
|
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IUPAC命名法による物質名 |
(S)-N-[2-(1,6,7,8-tetrahydro-2H-indeno-[5,4-b]
furan-8-yl)ethyl]propionamide |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
1.8% |
血漿タンパク結合 |
~82% |
代謝 |
肝臓のシトクロムP450酵素(主にCYP1A2)による |
半減期 |
1-2.6 時間 |
排泄 |
尿中84% 糞便中4% |
識別 |
CAS番号 |
196597-26-9 |
ATCコード |
N05CH02 |
PubChem |
CID 208902 |
DrugBank |
APRD01213 |
KEGG |
D02689 |
化学的データ |
化学式 |
C16H21NO2 |
分子量 |
259.343 g/mol |
ラメルテオンとは、武田薬品工業が開発し、アメリカ合衆国及び日本で発売している睡眠導入剤である。
日本人により開発され、最初に米国で承認された。同国での商品名はRozerem®。視交叉上核に存在するメラトニン受容体に作用する初めての睡眠薬として発売された。GABA受容体に作用するゾルピデム系などの睡眠薬とは異なり、習慣性や耐性を生じにくく、体内リズムを調整する作用を持つ。うつ病の危険性を高めることがデータから見出されている[1]。
2008年(平成20年)2月29日、武田薬品工業は日本における製造販売承認申請を行い、2010年(平成22年)4月16日、ロゼレム®錠8mgが、厚生労働省の製造販売承認を取得した。適応は「不眠症における入眠困難の改善」であり、用法・用量は、成人に1回8mgを就寝前に投与となっている。2010年(平成22年)6月11日に薬価基準収載となっており、2010年(平成22年)7月6日から『医療用医薬品』として発売されている薬剤。メラトニン受容体を刺激する『日本発の睡眠導入剤』となる。
目次
- 1 効能・効果
- 2 作用機序
- 3 投与方法
- 4 相互作用
- 5 副作用
- 6 禁忌
- 7 出典
- 8 外部リンク
効能・効果
ラメルテオンは不眠症治療薬である。従来の睡眠導入剤と異なり、依存、乱用、離脱症状および反跳性不眠が生じにくい。そのため米国では向精神薬として規制されていない唯一の睡眠導入剤となっている。
作用機序
視交叉上核に存在するメラトニンMT1/MT2受容体に作用する。MT3受容体に比べMT1/MT2受容体への選択性を持つ。
MT3受容体に結合しないことにより臨床上の利点が生じるのかどうかは明らかではないが、MT3受容体は主に内臓に存在しており、睡眠や覚醒とは関係していないと考えられている。
投与方法
米国及び日本で発売されているRozeremは、1日1回、睡眠前に8mg錠を経口投与する。
相互作用
オメプラゾール、テオフィリン、デキストロメトルファン、ミダゾラム、ジゴキシン、ワーファリンとの相互作用が試験され、臨床的に有意な相互作用は存在しないことが確認された。
副作用
承認時までの臨床試験では、副作用が10.4%に認められた(ただし臨床検査値異常を含む)。主な副作用は、傾眠が3.4%、頭痛が1.0%、倦怠感0.5%、浮動性めまい0.5%など。重大な副作用として(蕁麻疹、血管浮腫などの)アナフィラキシー様症状も認められた。[2]
アメリカ食品医薬品局(FDA)が公開した限られた臨床試験データを後から再度分析した一つの研究において、ラメルテオンを含む4種類の睡眠薬は、偽薬に比較して、うつ病の危険性を平均して2倍に高める可能性が示唆された。但し、この結果は偽薬群からは被験者の離脱が多いなどの効果によって結果がゆがめられている可能性がある。また本研究の著者であるKripkeは、睡眠薬の利用に反対するウェブサイトの運営者であるというバイアスを持っている。[1]。
禁忌
ラメルテオンの血中濃度が上昇する恐れがあるため、フルボキサミン(日本での商品名は「デプロメール®」又は「ルボックス®」)とは、同時に服用してはならない。
また、重度の不眠症患者、精神疾患を抱える患者に対して、武田薬品工業は、当該薬剤を使用しない事を推奨している。
うつ病の危険性増加により、うつ病には禁忌であると解釈されている[1]。
出典
- ^ a b c Kripke, Daniel F (2007). "Greater incidence of depression with hypnotic use than with placebo". BMC Psychiatry 7 (1): 42. doi:10.1186/1471-244X-7-42. PMC 1994947. PMID 17711589.
- ^ ロゼレム:メラトニン受容体を刺激する日本発の催眠剤 (日経メディカルオンライン 2010. 4. 30)
外部リンク
- 日本における新製品5品目の製造販売承認取得について - 武田薬品工業のプレスリリース。ロゼレムの製造販売承認取得が記載されてある。
- 日本における不眠症治療薬ラメルテオンの製造販売承認申請について
- 不眠症治療薬ROZEREM™(TAK-375)の米国における販売許可取得について
睡眠導入剤と鎮静剤 (N05C) |
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GABAA
アゴニスト/PAM |
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GABAB
アゴニスト |
- 1,4-ブタンジオール
- アセブル酸
- GABOB
- GHB (ナトリウムオキシベート)
- GBL
- GVL
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H1 インバース
アゴニスト |
抗ヒスタミン系: |
- カプトジアミン
- シプロヘプタジン
- ジフェンヒドラミン
- ドキシルアミン
- ヒドロキシジン
- メタピリレン
- フェニルアミン
- プロメタジン
- プロピオマジン
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抗うつ薬 |
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抗精神病薬 |
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α1-アドレナリン
アンタゴニスト |
抗うつ薬 |
- セロトニンアンタゴニストと再取り込み阻害薬
- 三環系抗うつ薬
- 四環系抗うつ薬
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抗精神病薬 |
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その他: |
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α2-アドレナリン受容体
アゴニスト |
- 4-NEMD
- クロニジン
- デトミジン
- デクスメドエトミジン
- ロフェキシジン
- メデトミジン
- ロミフィジン
- チザニジン
- キシラジン
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|
5-HT2A
アンタゴニスト |
抗うつ薬 |
- セロトニンアンタゴニストと再取り込み阻害薬
- 三環系抗うつ薬
- 四環系抗うつ薬
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抗精神病薬 |
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その他: |
- エプリバンセリン
- ニアプラジン
- プルバンセリン
- ボリナンセリン
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メラトニン
アゴニスト |
- アゴメラチン
- LY-156,735
- メラトニン
- ラメルテオン
- タシメルテオン
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オレキシン
アンタゴニスト |
- アルモレキサント
- SB-334,867
- SB-408,124
- SB-649,868
- スボレキサント
- TCS-OX2-29
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その他 |
- アセカルブロマール
- アプロナール
- ブロミソバル
- カンナビジオール
- カルブロマール
- エンブトラミド
- エボキシン
- フェナジアゾール
- ガバペンチン
- カバラクロン
- メフェノキサロン
- オピオイド
- トケイソウ
- スコポラミン
- UMB68
- バルノクタミド
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- Clinical Trend 循環器領域における不眠症治療の新たなストラテジー : ラメルテオンの可能性
- 広汎性発達障害にみられる睡眠障害に対するラメルテオンの有用性について
- 症例 膠原病治療中に生じ治療に苦慮したせん妄に対しラメルテオンが奏功した1例
Related Links
- ロゼレム(ラメルテオン)の作用機序:睡眠薬 眠りは生活を行う上でとても重要となる要素です。この睡眠が狂ってしまうと、生活の質が著しく低下してしまいます。 そこで、なかなか睡眠が取れない場合は薬を使用することが ...
- ロゼレムとは?ラメルテオンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ロゼレム錠8mg
組成
1錠中の有効成分
添加物
- 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、コポリビドン、酸化チタン、黄色三二酸化鉄
禁忌
- 本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者
- 高度な肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがある。(【薬物動態】の項参照)]
- フルボキサミンマレイン酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
効能または効果
- ベンゾジアゼピン系薬剤等他の不眠症治療薬による前治療歴がある患者における本剤の有効性、並びに精神疾患(統合失調症、うつ病等)の既往又は合併のある患者における本剤の有効性及び安全性は確立していないので、これらの患者に本剤を投与する際には治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、必要性を十分に勘案した上で慎重に行うこと。(【臨床成績】の項参照)
- 通常、成人にはラメルテオンとして1回8mgを就寝前に経口投与する。
- 本剤の投与開始2週間後を目処に入眠困難に対する有効性を評価し、有効性が認められない場合には、投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと。(「重要な基本的注意」及び【臨床成績】の項参照)
- 本剤は、就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中において一時的に起床して仕事等をする可能性があるときには服用させないこと。
- 本剤は食事と同時又は食直後の服用は避けること。[食後投与では、空腹時投与に比べ本剤の血中濃度が低下することがある。(【薬物動態】の項参照)]
慎重投与
- 軽度から中等度の肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。(【禁忌】及び【薬物動態】の項参照)]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 高度の睡眠時無呼吸症候群患者[これらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。(【臨床成績】の項参照)]
- 脳に器質的障害のある患者[これらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。]
重大な副作用
- アナフィラキシー様症状(蕁麻疹、血管浮腫等)、(頻度不明注2))があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 注2)外国での市販後の報告による
薬効薬理
作用機序
- ラメルテオンは、メラトニンMT1及びMT2受容体に対する高い親和性を有するメラトニン受容体アゴニストであり、ヒトメラトニンMT1及びMT2受容体に対する親和性(Ki値)はそれぞれ14.0pmol/L及び112pmol/L、フォルスコリン誘発cAMP生成反応を指標にしたアゴニスト活性のIC50値はそれぞれ21.2pmol/L及び53.4pmol/Lである。13)ラメルテオンはGABAA受容体をはじめとするGABA、セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリン及びアセチルコリンなどの神経伝達物質受容体に対して、10μmol/Lの濃度で検出可能な親和性を示さない。13)
睡眠に対する作用
- カニクイザルの夜間睡眠に対する作用ではラメルテオン0.03mg/kg経口投与で浅いNREM睡眠及び徐波睡眠の潜時を有意に短縮し、総睡眠量を有意に増加させる。14)
ネコの睡眠覚醒に対する作用ではラメルテオン0.001mg/kg経口投与で覚醒時間を短縮し、徐波睡眠時間を有意に増加させる。15)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- N-{2-[(8S)-1,6,7,8-Tetrahydro-2H-indeno[5,4-b]furan-8-yl]ethyl}propanamide
分子式
分子量
性状
- ラメルテオンは白色〜帯黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。エタノール(99.5)及びベンジルアルコールに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けやすく、水に極めて溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hypnotic, hypnotics
- 同
- 催眠薬 somnifacient
- 関
- 睡眠、薬理学、睡眠障害、中枢神経抑制薬
- 正常な睡眠と同じような中枢作用を示す薬
- http://www.gifuyaku.or.jp/fumin.pdf
- http://www.tokyo-med.ac.jp/pharmacol/pdf/news_suimin0910.pdf
- http://mentalsupli.com/medication/sleeping-drug/summary-sleeping-drug/sleep-choice/
- http://seseragi-mentalclinic.com/sleepingdrug/
睡眠薬
- (1) 薬物依存性が高い、(2) REM睡眠が短縮しやすい、(4) 過量により急性中毒→抗痙攣薬、抗てんかん薬としての適応
分類
-
-
- ω2受容体への作用が弱く、転倒リスクが少ない。高齢者の筋弛緩作用に関与。反跳性不眠が比較的少ない。
- 持ち越し効果に注意。逆に、抗不安作用を期待して使用することも
-
- flutoparazepam
- fluurazepam
- rilnazafone
投与制限
睡眠障害
- 睡眠障害の型に合わせた処方
- 何で眠れないのか聴取。身体的要因、環境整備、
- 睡眠障害の型を聴取する。