- 英
- normalization
- 関
- 規格化、規準化、標準化、正常化
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/03/06 17:21:05」(JST)
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ノーマライゼーション(normalization)
- 社会福祉用語。本項目で詳述する。
- 音量の均一化のこと。動詞形で「ノーマライズ」と呼ばれることが多い。主にパーソナルコンピュータ用の音楽再生、音楽CD作成などでよく用いられる。
- 規格化、正規化 - 自然科学で数量などの大きさを一定のルールに基づいて変形し、利用しやすくすること。
ノーマライゼーション(英語: normalization)とは、1960年代に北欧諸国から始まった社会福祉をめぐる社会理念の一つで、障害者も、健常者と同様の生活が出来る様に支援するべき、という考え方である。また、そこから発展して、障害者と健常者とは、お互いが特別に区別されることなく、社会生活を共にするのが正常なことであり、本来の望ましい姿であるとする考え方としても使われることがある。またそれに向けた運動や施策なども含まれる。
目次
- 1 概要
- 2 福祉インフラ
- 3 参考文献
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
概要
弱者を社会的に保護する仕組みが福祉だが、歴史的に障害者施策は施設の建設から始まることが多く、障害者や他の対象者(こども等)にとって、保護が当事者の要求に応えられていない・人としての尊厳が保たれていない状況(障害者の施設送り・児童施設等)が往々にして起った。また福祉を名目に対象者の隔離が計られることも多かった(ハンセン病療養所など。また日本での障害者コロニーの建設のピークは高度成長期であった)。また日本での福祉施策は行政措置により行われ、障害者の意志が尊重される事は無かった。
それに対して提唱されていたのが、「障害者を排除するのではなく、障害を持っていても健常者と均等に当たり前に生活できるような社会こそが、通常な社会である」という考え方である。こうした社会を実現する為の取り組みをノーマライゼーション(normalization)と呼ぶ。すなわち、バリアフリー化などの推進による障害者の蒙る不自由・参加制約の緩和である。この概念は、デンマークのニルス・エリク・バンク=ミケルセンにより初めて提唱され、スウェーデンのベングト・ニリエ(ベングト・ニルジェとも)により世界中に広められた。
ニリエは、一時、カナダ政府の委託で、カナダでのノーマライゼーションの推進に寄与した。現在、この方向での最も進んだ法的な整備の代表例は、アメリカ合衆国の「障害を持つアメリカ人法」(ADA法)である。なお、アメリカでは、ノーマライゼーションは「黒人と白人の対等の権利」を語る場面で用いられ、障害者と健常者の間の垣根の撤廃については、「メインストリーム」(主流化)という表現を用いる。ADA法の特徴は、差別の禁止で貫かれていることである。日本でも一般化してきた、設備や交通機関のバリアフリー化といったハードウェアの改良の他、職能訓練などにより、社会で自立できる制度の充実も含まれる。
そのような中で、行政側からも施設政策のみでは「社会の生産力を削ぎ福祉費用を増大させる」とした見解が起こり始め、日本では2003年4月より支援費制度が導入された。
一方で、本来保護が必要な障害者(特に重度の知的障害者・精神障害者)の生活保障は実現しておらず、健常者や地域社会とのトラブルも少なからず発生している。また、犯罪を繰り返し日本の刑務所に何度も入所する障害者(いわゆる「累犯障害者」)も多く、適切な対応が望まれている。
日本では難解な外来語であるとして、国立国語研究所は等生化という、日本語に言い換える例も提案している。
福祉インフラ
高次のノーマライゼーションの実現に向けた住宅、社会資本のインフラストラクチャー構築を目的として、国土交通省が推進している施策。高齢者や障害者を含むすべての人々が、自立し尊厳をもって社会の重要な一員として参画し、世代を超えて交流することが可能な社会を目指すものである。
参考文献
- 柏野健三 『社会政策の歴史と理論-救貧法から社会保障へ』 ふくろう出版、2005年(原著1997年)、改訂増補版。ISBN 9784861860577。
関連項目
- バリアフリー - 障害者にも対応可能であること。英語ではアクセシビリティ(accessibility)という表現のほうが一般的。
- ユニバーサルデザイン
- アクセシビリティ - 日本語では、産業・IT分野などで、ユーザビリティ(usability, 使い勝手、利用しやすさ)の意味で使われることが多い。
- 情報保障 - 情報取得機会の均等についての配慮は、参政権など基本的人権の根幹に関わる課題であり、情報保障は情報におけるノーマライゼーションとしての性質を有する。
- 特別支援教育 - 障害者教育分野では「ノーマライゼイション」と表記するのが一般的。
外部リンク
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心理、生理及び病理 |
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- 重症心身障害児(者)医療の現状と課題 (第15回日本子ども健康科学会学術大会 特集号) -- (シンポジウム 障害児(者)医療の新しい試み)
- 三浦 清邦
- 子どもの健康科学 = Health science for children : 子どもの心・体と環境を考える会誌 15(1), 53-58, 2015-03
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- 社会事業という言葉は、大正年間に発明された。その意味は使用する人々によって異なるが、概ね、明治期の慈善事業と授産事業を含んでいる。海野幸徳は方面委員の養成に力を入れた一人であるが、ケースワークを主体とするソーシャルワークも社会事業の範囲に取り込んでいる。 海野は社会事業を積極的社会事業と消極的社会事業に区分し、狭義の社会事業を経済保護、教育的保護(児童保護)、保健的保護に三分類している。その対象 …
- NAID 120005405490
- ノーマリゼーション原理に関する一考察 : その起源と本質的把握の試み
- 水野 和代
- 名古屋市立大学大学院人間文化研究科人間文化研究 = Studies in humanities and cultures (19), 63-77, 2013-06
- NAID 40019724463
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- デジタル大辞泉 - ノーマリゼーションの用語解説 - ⇒ノーマライゼーション ... 出典|小学館 この辞書の凡例を見る 監修:松村明 編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
- 本 Wolfensberger, Wolf 1981 The Principle of Normalization in Human Services, National Institute on Medical Retardation =19820925 中園康夫・清水貞夫編訳,『ノーマリゼーション――社会福祉サービスの本質』,学宛社 ...
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- 関
- normalisation、normalize、standardisation、standardization、standardize
[★]
- 英
- standardization、standardisation、normalization、normalisation、standardize
- 関
- 規格化、基準、規準化、標準品、標定、正常化、ノーマリゼーション、標準試料
[★]
- 英
- normalization、standardization、((英))standardisation、normalize、standardize
- 関
- 規準化、標準化、標定、正常化、ノーマリゼーション
[★]
- 英
- normalization、normalize
- 関
- 規格化、標準化、正常化、ノーマリゼーション
[★]
- 英
- normalization
- 関
- 規格化、規準化、標準化、ノーマリゼーション
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- 英
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- 関
- 壊疽性口内炎