エチニルエストラジオール、レボノルゲストレル
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/11/28 11:57:45」(JST)
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トリキュラーは、黄体ホルモン(レボノルゲストレル 英: Levonorgestrel)と卵胞ホルモン(エチニルエストラジオール)の配合剤で、排卵抑制作用を主作用とする三相性低用量経口避妊薬(処方箋医薬品)である。
目次
- 1 概要
- 2 開発の経緯
- 3 避妊機序
- 4 臨床成績
- 5 副作用
- 6 参考文献
- 7 脚注
- 8 関連項目
- 9 外部リンク
概要
- 開発国:ドイツ
- 開発会社:シエーリング社Schering AG(現 Bayer Schering Pharma)
- 商標名:トリキュラー®錠21、トリキュラー®錠28(英: Triquilar®)
- 発売会社:バイエル薬品
開発の経緯
- 1976年 - ドイツで開発。
- 1987年 - 日本では日本シエーリング(現 バイエル薬品)が開発開始。
- 1990年~ - 山之内製薬(現アステラス製薬)も加わり共同開発。
- 1999年 - 「避妊」の適応で承認、発売[1]。
避妊機序
- 排卵抑制
- 子宮内膜変化による着床阻害
- 子宮頚管粘液変化による精子通過阻害
臨床成績
投与1周期以上の総計924例(13,862周期)で避妊効果が評価。
- 飲み忘れありは362例(943周期)、このうち3錠以上を飲み忘れた4例で妊娠。薬剤効果不十分による妊娠例はなし(一般臨床試験及び長期投与試験)。
副作用
参考文献
- 松本清一ほか:基礎と臨床 25:1155(1991)
- 八神喜昭ほか:基礎と臨床 25:1178(1991)
- 黄宏駿ほか:Progress in Medicine 11:349(1991)
- 本庄英雄ほか:基礎と臨床 25:999(1991)
脚注
- ^ “トリキュラー錠21、トリキュラー錠28 患者向医薬品ガイド (PDF)”. 医薬品医療機器総合機構 (2016年4月). 2016年8月4日閲覧。
関連項目
外部リンク
- ピル(経口避妊薬Q&A)一相性とか、二相性とか三相性ピルとかありますが、これは何ですか。 社団法人 日本家族計画協会(JFPA)
- 社団法人 日本家族計画協会(JFPA)
- Dr.北村のJFPAクリニック 社団法人 日本家族計画協会(JFPA)
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Related Links
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
トリキュラー錠21
組成
- 赤褐色錠(6錠),白色錠(5錠)及び淡黄褐色錠(10錠)の3種類の糖衣錠からなる21錠の製剤である.
成分・含量
- 赤褐色糖衣錠
レボノルゲストレル:0.050mg
日局エチニルエストラジオール:0.030mg
白色糖衣錠
レボノルゲストレル:0.075mg
日局エチニルエストラジオール:0.040mg
淡黄褐色糖衣錠
レボノルゲストレル:0.125mg
日局エチニルエストラジオール:0.030mg
添加物
- ステアリン酸マグネシウム,ポビドン,タルク,マクロゴール6000,モンタン酸エステルワックス,沈降炭酸カルシウム,白糖,乳糖水和物,トウモロコシデンプン
赤褐色糖衣錠:グリセリン,酸化チタン,黄色三二酸化鉄,三二酸化鉄
淡黄褐色糖衣錠:グリセリン,酸化チタン,黄色三二酸化鉄
禁忌
(次の患者又は女性には投与しないこと)
- 本剤の成分に対し過敏性素因のある女性
- *エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば,乳癌,子宮内膜癌),子宮頸癌及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある.]
- 診断の確定していない異常性器出血のある患者[性器癌の疑いがある.出血が性器癌による場合は,癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある.]
- 血栓性静脈炎,肺塞栓症,脳血管障害,冠動脈疾患又はその既往歴のある患者[血液凝固能が亢進され,これらの症状が増悪することがある.]
- 35歳以上で1日15本以上の喫煙者[心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある.]
- 前兆(閃輝暗点,星型閃光等)を伴う片頭痛の患者[前兆を伴う片頭痛の患者は前兆を伴わない患者に比べ脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある.]
- 肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者,亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある.]
- 血管病変を伴う糖尿病患者(糖尿病性腎症,糖尿病性網膜症等)[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある.]
- 血栓性素因のある女性[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある.]
- 抗リン脂質抗体症候群の患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある.]
- 手術前4週以内,術後2週以内,産後4週以内及び長期間安静状態の患者[血液凝固能が亢進され,心血管系の副作用の危険性が高くなることがある.]
- 重篤な肝障害のある患者[代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため,症状が増悪することがある.]
- 肝腫瘍のある患者[症状が増悪することがある.]
- 脂質代謝異常のある患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある.また,脂質代謝に影響を及ぼす可能性があるため,症状が増悪することがある.]
- 高血圧のある患者(軽度の高血圧の患者を除く)[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある.また,症状が増悪することがある.]
- 耳硬化症の患者[症状が増悪することがある.]
- 妊娠中に黄疸,持続性そう痒症又は妊娠ヘルペスの既往歴のある患者[症状が再発するおそれがある.]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[「妊婦,授乳婦等への投与」の項参照]
- 授乳婦[「妊婦,授乳婦等への投与」の項参照]
- *骨成長が終了していない可能性がある女性[骨端の早期閉鎖を来すおそれがある.]
効能または効果
- 経口避妊剤使用開始1年間の飲み忘れを含めた一般的使用における失敗率は8%との報告がある.[「臨床成績」の項参照]
トリキュラー錠21
- 1日1錠を毎日一定の時刻に定められた順に従って(赤褐色糖衣錠から開始する)21日間連続投与し,7日間休薬する.
以上28日間を投与1周期とし,出血が終わっているか続いているかにかかわらず29日目から次の周期の錠剤を投与し,以後同様に繰り返す.
トリキュラー錠28
- 1日1錠を毎日一定の時刻に定められた順に従って(赤褐色糖衣錠から開始する)28日間連続投与する.
以上28日間を投与1周期とし,出血が終わっているか続いているかにかかわらず29日目から次の周期の錠剤を投与し,以後同様に繰り返す.
- 毎日一定の時刻に服用させること.[「重要な基本的注意」の項参照]
服用開始日
- 経口避妊剤を初めて服用させる場合,月経第1日目から服用を開始させる.服用開始日が月経第1日目から遅れた場合,飲みはじめの最初の1週間は他の避妊法を併用させること.
慎重投与
(次の患者又は女性には慎重に投与すること)
- 40歳以上の女性[一般に心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなる年代であるため,これを助長するおそれがある.]
- *子宮筋腫のある患者[子宮筋腫の発育を促進するおそれがある.]
- *乳癌の既往歴のある女性[乳癌が再発するおそれがある.]
- 乳癌の家族歴又は乳房に結節のある女性[エストロゲン投与と乳癌発生との因果関係についてその関連性を示唆する報告もあるので,定期的に乳房検診を行うなど慎重に投与すること.]
- 喫煙者[「禁忌」5.の項参照]
- 肥満の女性[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある.]
- 血栓症の家族歴を持つ女性[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある.]
- 前兆を伴わない片頭痛の患者[脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある.]
- 心臓弁膜症の患者[「禁忌」7.の項参照]
- 軽度の高血圧(妊娠中の高血圧の既往も含む)のある患者[「禁忌」15.の項参照]
- 耐糖能の低下している女性(糖尿病患者及び耐糖能異常の女性)[耐糖能が低下することがあるので,十分コントロールを行いながら投与すること.]
- ポルフィリン症の患者[症状が増悪することがある.]
- 肝障害のある患者[「禁忌」12.の項参照]
- 心疾患,腎疾患又はその既往歴のある患者[ナトリウム又は体液の貯留により症状が増悪することがある.]
- てんかん患者[症状が増悪することがある.]
- テタニーのある患者[症状が増悪することがある.]
重大な副作用
血栓症
(頻度不明)
- 血栓症(四肢,肺,心筋,脳,網膜等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,下肢の疼痛・浮腫,突然の息切れ,胸痛,激しい頭痛,急性視力障害等の初期症状があらわれた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと.
薬効薬理
- 本剤は排卵抑制作用を主作用とし,子宮内膜変化による着床阻害作用及び頸管粘液変化による精子通過阻害作用等により避妊効果を発揮する.
排卵抑制作用
- 健康女性(8例)で本剤投与前周期及び投与周期の血清ホルモン動態を検討した.いずれの症例においても,黄体形成ホルモン(LH)及び卵胞刺激ホルモン(FSH)のピークは投与周期に消失した.また,エストラジオールの典型的な2峰性パターン,排卵後のプロゲステロンの上昇も投与周期において抑制され,排卵は抑制されていた1).
子宮内膜の性状変化による着床阻害作用
- 健康女性(28例)で本剤投与中に子宮内膜診を行った.その組織像は周期的な変化が認められたが,正常周期のものとは異なっていた5).
子宮頸管粘液の変化による精子通過阻害作用
- 健康女性(6例)で本剤投与中の子宮頸管粘液を調べた.投与中の電子顕微鏡像は黄体期と類似の構造を示し,分泌量も少なく非常に粘性が高かった.また,精子通過性は抑制されていた6).
有効成分に関する理化学的知見
レボノルゲストレル
一般名(JAN)
- レボノルゲストレル(Levonorgestrel)
化学名
- (-)-13-Ethyl-17-hydroxy-18,19-dinor-17α-pregn-4-en-20-yn-3-one
分子式
分子量
融点
性状
- 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である.
本品はテトラヒドロフラン又はクロロホルムにやや溶けやすく,アセトニトリル,メタノール,エタノール(99.5),アセトン又はジエチルエーテルに溶けにくく,水にほとんど溶けない.
エチニルエストラジオール
一般名(JAN)
- エチニルエストラジオール(Ethinylestradiol)
化学名
- 17α-Ethynylestra-1,3,5(10)-triene-3,17β-diol
分子式
分子量
融点
性状
- 本品は白色〜微黄色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない.
本品はピリジン又はテトラヒドロフランに溶けやすく,エタノール(95)又はジエチルエーテルにやや溶けやすく,水にほとんど溶けない.
本品は水酸化ナトリウム試液に溶ける.
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- ethinylestradiol, ethynylestradiol
- 商
- プロセキソール
- 経口避妊剤(経口避妊薬)
- (ノルエチステロン、エチニルエストラジオール)オーソ777-21、ノリニール、ルナベル、オーソM-21、シンフェーズT28
- (レボノルゲストレル、エチニルエストラジオール)トライディオール21、トライディオール28、トリキュラー、アンジュ
- (デソゲストレル、エチニルエストラジオール)ファボワール、マーベロン
- (ノルゲストレル、エチニルエストラジオール)プラノバール
- (ドロスピレノン、エチニルエストラジオール)ヤーズ
- 関
- エストラジオール
[★]
商品
[★]
- 英
- levonorgestrel
- 商
- アンジュ21、ウェールナラ配合、トリキュラー、ノルレボ、ミレーナ、ラベルフィーユ
- 関
- 避妊薬
[★]
- 英
- bird、avian
- 関
- 鳥類