タゾバクタム・ピペラシリン
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Japanese Journal
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- (1バイアル中), タゾバクタムナトリウム(タゾバクタム0.25g(力価))及びピペラシリン ナトリウム(ピペラシリン水和物2.0g(力価)) ... 敗血症、肺炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、 胆嚢炎及び胆管炎の場合通常、成人にはタゾバクタムナトリウム・ピペラシリン ナトリウム ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
タゾピペ配合静注用2.25「DK」
組成
成分・分量(1バイアル中)
- タゾバクタム…0.25g(力価)
ピペラシリン水和物…2.0g(力価)
添加物
- 炭酸水素ナトリウム注1)…395mg
- 注1)溶解補助剤として使用しているが、凍結乾燥により炭酸ガス及び水として消失している。
禁忌
- 本剤の成分又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
- 伝染性単核球症の患者[ペニシリン系抗生物質の投与で発疹が出現しやすいという報告がある。]
効能または効果
一般感染症
適応菌種
- 本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属
適応症
発熱性好中球減少症
- 本剤の投与に際しては、原則として感受性を確認し、β-lactamaseの関与が考えられ、本剤に感性の起炎菌による中等症以上の感染症である場合に投与すること。
発熱性好中球減少症
- ・1回の検温で38℃以上の発熱、又は1時間以上持続する37.5℃以上の発熱
- ・好中球数が500/mm3未満の場合、又は1,000/mm3未満で500/mm3未満に減少することが予測される場合
- 発熱性好中球減少症の患者への本剤の使用は、国内外のガイドライン等を参照し、本疾患の治療に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される患者についてのみ実施すること。
- 発熱性好中球減少症の患者への使用にあたっては、本剤投与前に血液培養等の検査を実施すること。起炎菌が判明した際には、本剤投与継続の必要性を検討すること。
- 発熱性好中球減少症の患者への使用にあたっては、本剤投与の開始時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定すること。
一般感染症
・敗血症及び肺炎の場合
- 通常、成人にはタゾバクタム・ピペラシリンとして、1回4.5g(力価)を1日3回点滴静注する。肺炎の場合、症状、病態に応じて1日4回に増量できる。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。
通常、小児には1回112.5mg(力価)/kgを1日3回点滴静注する。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。また、症状、病態に応じて1回投与量を適宜減量できる。ただし、1回投与量の上限は成人における1回4.5g(力価)を超えないものとする。
・腎盂腎炎及び複雑性膀胱炎の場合
- 通常、成人にはタゾバクタム・ピペラシリンとして、1回4.5g(力価)を1日2回点滴静注する。症状、病態に応じて1日3回に増量できる。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。
通常、小児には1回112.5mg(力価)/kgを1日2回点滴静注する。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。また、症状、病態に応じて1回投与量を適宜減量できる。さらに、症状、病態に応じて1日3回に増量できる。ただし、1回投与量の上限は成人における1回4.5g(力価)を超えないものとする。
発熱性好中球減少症
- 通常、成人にはタゾバクタム・ピペラシリンとして、1回4.5g(力価)を1日4回点滴静注する。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。
- 肺炎患者の1日4回投与にあたっては、重症・難治の市中肺炎及び院内肺炎のうち1日4回投与が必要な患者を選択し使用すること。
- 本剤の投与期間は、成人の腎盂腎炎及び複雑性膀胱炎の場合は5日間、市中肺炎、発熱性好中球減少症及び小児の腎盂腎炎、複雑性膀胱炎の場合は14日間、敗血症及び院内肺炎の場合は21日間を目安とすること。なお、耐性菌の発現等を防ぐため、疾患の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
- 本剤は通常、点滴静注するのが望ましいが、著しい水分摂取制限がかかっている場合等点滴静注が困難な場合には、必要に応じて緩徐に静脈内投与できる。
- 腎機能障害患者では、血漿半減期の遅延及びAUCの増加が認められ、血中濃度が増大するので、腎機能障害の程度に応じて投与量、投与間隔の調節が必要である。
慎重投与
- セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者[ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと。]
- 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者[アレルギー素因を有する患者は過敏症を起こしやすいので、十分な問診を行うこと。]
- 腎障害のある患者(血液透析患者を含む)[高い血中濃度が持続するので、投与量の減量又は投与間隔をあけて投与すること。]
- 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[食事摂取によりビタミンKを補給できない患者では、ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
- 出血素因のある患者[出血傾向を助長するおそれがある。]
- 肝障害のある患者[血中濃度が持続するおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 乳・幼児[乳・幼児(2歳未満)については下痢、軟便が発現しやすい。(「小児等への投与」の項参照)]
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー
(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、喘息様発作、そう痒等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
(頻度不明)
- 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
(頻度不明)
- 劇症肝炎等の重篤な肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全、間質性腎炎
(頻度不明)
- 急性腎不全、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少症、溶血性貧血
(頻度不明)
- 汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少症、溶血性貧血(初期症状:発熱、咽頭痛、皮下・粘膜出血、貧血、黄疸等)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎
(頻度不明)
- 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎、PIE症候群
(頻度不明)
- 間質性肺炎、PIE症候群等(初期症状:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症
(頻度不明)
- 急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- タゾバクタムは、オキサペネム系抗生物質。オキサペネム系薬物は抗菌作用は弱いが、β-ラクタマーゼに対して不可逆的不活性化作用を持つので、広域ペニシリンやセファロスポリン系抗生物質と併用すると、これらの抗菌力や抗菌スペクトルが増強・拡大される。本薬はピペラシリンに配合してその作用を増強する目的で用いられている。
ピペラシリンナトリウムは、グラム陽性球菌を0.39〜3.13μg/mL、大腸菌、プロテウスなどのグラム陰性桿菌を0.78〜6.25μg/mL、緑膿菌の多くの株を12.5μg/mL以下で阻止、また肺炎桿菌及びセラチアに対してはカルベニシリンやスルベニシリンにまさる作用を示す。ペニシリナーゼに対してはかなり安定である。
作用機序は細菌細胞壁のペプチドグリカン合成阻害であり、殺菌的に作用する。1)
有効成分に関する理化学的知見
●タゾバクタム
一般名
化学名
- (2S,3S,5R)-3-Methyl-7-oxo-3-(1H-1,2,3-triazol-1-ylmethyl)-4-thia-1-azabicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylic acid 4,4-dioxide
分子式
分子量
性 状
- 白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。
ジメチルスルホキシド又はN,N−ジメチルホルムアミドに溶けやすく、水、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくい。
炭酸水素ナトリウム溶液(3→100)に溶ける。
●ピペラシリン水和物
一般名
- ピペラシリン水和物(Piperacillin Hydrate)
化学名
- (2S,5R,6R)-6-{(2R)-2-[(4-Ethyl-2,3-dioxopiperazine-1-carbonyl)amino]-2-phenylacetylamino}-3,3-dimethyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylic acid monohydrate
分子式
分子量
性 状
- 白色の結晶性の粉末である。
メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)又はジメチルスルホキシドにやや溶けやすく、水に極めて溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 関
- ST合剤
スルファメトキサゾールとトリメトプリムの合剤
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6290100D1088_1_01/6290100D1088_1_01?view=body
- ニューモシスチス肺炎予防のためのスルファメトキサゾール・トリメトプリム投与量の検討
- http://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/ajrs/006020053j.pdf