- 英
- glycyrrhetinic acid
- 同
- エノキソロン enoxolone
- 商
- デルマクリン、デルマクリンA、ハイデルマート
- 関
- グリシルレチン酸。鎮痛,鎮痒,収歛,消炎剤
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/07/25 23:40:37」(JST)
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グリチルレチン酸 |
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IUPAC名
3β-ヒドロキシ-11-オキソオレアナ-12-エン-30-酸
|
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識別情報 |
CAS登録番号 |
471-53-4 |
PubChem |
10114 |
日化辞番号 |
J5.943I |
- CC1([C@@H]2CC[C@@]3([C@@H] ([C@]2(CC[C@@H]1O)C)C(=O)C=C4[C@] 3(CC[C@@]5([C@H]4C[C@@](CC5)(C)C(=O)O)C)C)C)C
|
特性 |
化学式 |
C30H46O4 |
モル質量 |
470.68 g/mol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
グリチルレチン酸(Glycyrrhetinic acid)は、甘草から得られるグリチルリチン酸の加水分解によって得られるβ-アミリン(オレアナン)系の五環式テルペノイド誘導体の一つ。アロエやキニーネのような薬品の苦味を緩和するための調味料として用いられる。胃潰瘍の治療に効果的であり、去痰剤としての特性もある[1]。
目次
- 1 人体への効果
- 2 カルベノキソロン
- 3 3-β-D-(モノグルクロニル)-18-β-グリチルレチン酸
- 4 脚注
- 5 参考文献
- 6 関連項目
人体への効果
グリチルレチン酸は、PGE-2とPGF-2αをそれぞれ15ケト-13,14-ジヒドロ代謝体に代謝する酵素(15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ (NAD+)とδ-13-プロスタグランジン)を抑制する。これは消化器官でのプロスタグランジン濃度の増加を引き起こす。プロスタグランジンは胃液分泌を抑制するが、腸への膵臓分泌と粘液分泌を刺激するため、腸の運動性を著しく増大させる。また胃の細胞増殖を引き起こす。胃酸分泌、粘液分泌の促進、細胞増殖の効果があるため、甘草は消化性潰瘍治療に使える可能性がある。
PGF-2αは子宮の活動を刺激して流産を引き起こすことがあるため、甘草は妊娠中には摂取してはならない。
グリチルレチン酸の構造はコルチゾンに類似している。両方の分子は平面であり、3位と11位が似ている。これが甘草の抗炎症作用のベースになっていると考えられる。
カルベノキソロン
カルベノキソロンはイギリスで発達した合成類似化合物である。グリチルレチン酸とカルベノキソロンはギャップ結合チャンネルを通る神経シグナリングの修飾作用を持つ。
3-β-D-(モノグルクロニル)-18-β-グリチルレチン酸
グリチルレチン酸の代謝体の一つ、3-β-D-(モノグルクロニル)-18-β-グリチルレチン酸は、腎臓で活性コルチゾールを不活性コルチゾンに転換する。これは11-β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを抑制することによって、酵素の抑制を通して起こる。結果、コルチゾール濃度が腎臓の集合管内で高くなる。コルチゾールは内在する鉱質コルチコイド(アルドステロンのように振る舞い、ナトリウムの再吸収を増大させる)であり、集合管内の上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)ではたらく。高血圧はこのナトリウム再吸収のメカニズムによって生じる。ヒトはしばしばレニンとアルドステロンの血中濃度が低い状態で高血圧にかかっている。不用意なコルチゾール量の増加は、ナトリウムと体液の保持の誘導、低カリウム血症、高血圧、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系の抑制につながる。ゆえに、甘草は高血圧症の経験のある患者には与えてはならない。
脚注
- ^ Chandler, R. F. (1985). “Liquorice, more than just a flavour”. Canadian Pharmaceutical Journal 118: 420–424.
参考文献
- Saponin Glycosides, by Georges-Louis Friedli, URL accessed Dec 2007.
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- β-グリチルレチン酸の抗菌効果と制汗デオドラント剤への応用
- 18αおよび18β-グリチルレチン酸はヒト歯肉線維芽細胞のアポトーシス・細胞増殖に対するフェニトインおよびシクロスポリンAの効果を阻害する
- 竹内 麗理,松本 裕子,秋元 芳明,藤井 彰
- 歯科薬物療法 30(1), 1-6, 2011-04-01
- In this study, we investigated effects of 18α- and 18β-glycyrrhetinic acid (18α- and 18β-GA), that induce apoptosis and inhibit proliferation in multiple types of cells, on apoptosis and proliferation …
- NAID 10030799156
Related Links
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
デルマクリンクリーム1%
組成
成分・含量
添加物
- 白色ワセリン、ステアリルアルコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、モノステアリン酸グリセリン、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル
効能または効果
- 通常、症状により適量を1日数回患部に塗布または塗擦する。
薬効薬理
抗炎症作用
- グリチルレチン酸は、TPA誘導によるマウスの耳介浮腫を抑制する14)。
肥満細胞脱顆粒抑制作用
- グリチルレチン酸は、ラットの肥満細胞を用いたin vitroの実験系において、肥満細胞からのヒスタミン遊離を抑制する15)。
ホスホリパーゼA2阻害作用
- グリチルレチン酸は、in vitroの実験系において、アラキドン酸代謝系の初発酵素である炎症性ホスホリパーゼA2の酵素活性を選択的に阻害する16)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- グリチルレチン酸 (glycyrrhetinic acid)
化学名
- 3β-hydroxy-11-oxoolean-12-en-30-oic acid
分子式
分子量
融点
性状
- 白色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。ピリジンに溶けやすく、エタノール又はクロロホルムにやや溶けやすく、石油エーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
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サリチル酸メチル、l-メントール、dl-カンフル、グリチルレチン酸
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グリチルレチン酸、メントール、カンフル、サリチル酸メチル
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- 英
- glycyrrhetinic acid
- 関
- グリチルレチン酸、エノキソロン
[★]
グリチルレチン酸、デキサメタゾン、ピリドキシン
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義