- 英
- canrenoate
- 化
- カンレノン酸カリウム, potassium canrenoate、canrenoate potassium
- 同
- ソルダクトン、ベネクトミン
- 関
- 利尿薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/10/25 17:31:52」(JST)
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カンレノ酸カリウム
|
IUPAC命名法による物質名 |
IUPAC名
potassium 3-[(8 R,9 S,10 R,13 S,14 S,17 R)-
17-hydroxy-10,13-dimethyl-3-oxo-2,8,9,
11,12,14,15,16-octahydro-1H-cyclopenta[a]
phenanthren-17-yl]propanoate
|
臨床データ |
Drugs.com |
国別販売名(英語)
International Drug Names |
投与方法 |
Intravenous |
薬物動態データ |
代謝 |
Hepatic |
排泄 |
Renal and fecal |
識別 |
CAS番号
(MeSH) |
2181-04-6 |
ATCコード |
C03DA02 |
PubChem |
CID: 656614 |
DrugBank |
DB09015 |
ChemSpider |
570975 |
UNII |
M671F9NLEA |
ChEMBL |
CHEMBL1371200 |
別名 |
SC-14266 |
化学的データ |
化学式 |
C22H29KO4 |
分子量 |
396.5616 g/mol |
SMILES
-
[K+].[O-]C(=O)CC[C@]3(O)CC[C@H]2[C@@H]4/C=C\C1=C\C(=O)CC[C@@]1([C@H]4CC[C@@]23C)C
|
InChI
-
InChI=1S/C22H30O4.K/c1-20-9-5-15(23)13-14(20)3-4-16-17(20)6-10-21(2)18(16)7-11-22(21,26)12-8-19(24)25;/h3-4,13,16-18,26H,5-12H2,1-2H3,(H,24,25);/q;+1/p-1/t16-,17+,18+,20+,21+,22-;/m1./s1
-
Key:JTZQCHFUGHIPDF-RYVBEKKQSA-M
|
カンレノ酸(カンレノさん、Canrenoic Acid)は、一般的にはカンレノ酸カリウム(Potassium Canrenoate、商品名:ソルダクトン)として使用されている抗アルドステロン薬である。かつてファルマシア社が製造・販売していたが、現在はファイザー社から販売されている。
プロドラッグであり、投与された後、体内で環化して薬効を示すカンレノンとなる。カンレノンは他の抗アルドステロン受容体拮抗薬と同様に作用し、カリウム保持性利尿薬に分類される。
目次
- 1 効能・効果
- 2 禁忌
- 3 副作用
- 4 関連
- 5 参考資料
効能・効果
- 原発性アルドステロン症
- 心性浮腫(鬱血性心不全)、肝性浮腫
- 開心術及び開腹術時における水分・電解質代謝異常
禁忌
下記の患者には禁忌である[1]。
- 無尿の患者、腎不全の患者、腎機能の進行性悪化状態の患者
- 高カリウム血症の患者
- アジソン病の患者
- エプレレノン又はタクロリムスを投与中の患者
- 癲癇等の痙攣性素因の有る患者
- 本剤に対し過敏症の既往歴の有る患者
副作用
重大な副作用としては、ショックの他、高カリウム血症、低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、低クロール血症、高クロール血症等の、時に不整脈を伴う電解質異常が知られている[1]。
副作用は10.5%に発生する。0.1~5%未満の患者に発生するものは、
- 白血球増加、貧血、
- BUN上昇、血清クレアチニン値上昇、
- AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇、
- 嘔気、嘔吐、下痢、頭痛、
- 女性化乳房、
- 発熱
である。又、頻度不明の副作用として、男性で性欲減退、女性で多毛、声の低音化、月経異常、乳房痛等の内分泌異常が知られている。
関連
参考資料
- ^ a b “ソルダクトン静注用100mg/ソルダクトン静注用200mg 添付文書” (2011年2月). 2016年5月26日閲覧。
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Japanese Journal
- 4 術前カンレノ酸カリウムを投与され術中高カリウム血症をきたした2症例(第59回新潟麻酔懇話会 第38回新潟ショックと蘇生・集中治療研究会)
- 臨床で併用されるカンレノ酸カリウム(ソルダクトン^[○!R])の配合変化
- 小澤 和雄,阿部 誠治,根本 亜紀子,伊藤 葉子,佐藤 和恵,山元 俊憲,村山 純一郎
- 医療薬学 28(4), 331-338, 2002-08-10
- We examined the compatibility of a commercialized potassium canrenoate preparation (Soldactone^[○!R]) with 124 other kinds of currently prescribed injectable preparations as counter substances based u …
- NAID 110001166615
- カンレノ酸は hypocapnia による心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)のナトリウム利尿抑制作用を回復する
- 金内 一,三村 芳和,小川 利久,宇納 恵三,小島 淳一,中村 卓郎,山田 一,前田 純,山川 満,上西 紀夫
- 外科と代謝・栄養 31(3), 204, 1997-06-15
- NAID 10016486308
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- カンレノ酸カリウムとして、通常成人1回100〜200mgを1日1〜2回、日局ブドウ糖注射液、生理食塩液又は注射用水10〜20mLに溶解して、ゆっくりと静脈内注射する。なお、症状により適宜増減するが、1日投与量として600mgを超えないこと。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
禁忌
- 無尿又は腎不全の患者〔腎機能を更に悪化させるおそれがある。また、腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。〕
- 腎機能の進行性悪化状態の患者〔腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。〕
- 高カリウム血症の患者〔高カリウム血症を増悪させるおそれがある。〕
- エプレレノン又はタクロリムスを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- アジソン病の患者〔アジソン病ではアルドステロン分泌低下により、カリウム排泄障害を来しているので、高カリウム血症となるおそれがある。〕
- 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- てんかん等の痙攣性素因のある患者〔動物試験で、痙攣誘発及び異常脳波が報告されている。〕
効能または効果
- 経口抗アルドステロン薬の服用困難な下記症状(高アルドステロン症によると考えられる)の改善
原発性アルドステロン症
心性浮腫(うっ血性心不全)、肝性浮腫
開心術及び開腹術時における水分・電解質代謝異常
- 本剤の適用対象は、経口抗アルドステロン薬の服用が困難で、高アルドステロン症によると考えられる症状であり、投与に際しては、特に適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に治療効果が期待できない場合にのみ本剤の投与を考慮すること。
- カンレノ酸カリウムとして、通常成人1回100〜200mgを1日1〜2回、日局ブドウ糖注射液、生理食塩液又は注射用水10〜20mLに溶解して、ゆっくりと静脈内注射する。
なお、症状により適宜増減するが、1日投与量として600mgを超えないこと。また、投与期間は原則として2週間を超えないこと。
〔注射液調製法〕
- 1バイアルあたりカンレノ酸カリウム静注用100mg「サワイ」は10mL、カンレノ酸カリウム静注用200mg「サワイ」は20mLの溶解液に溶解する。
- はじめに溶解液2〜3mLで本剤を溶解し、これを残りの溶解液に混合希釈して調製する。
- 溶解後は速やかに使用すること(「適用上の注意」の項参照)。
- 本剤は、経口抗アルドステロン薬の服用が可能になった場合及び所期の効果が認められない場合には速やかに投与を中止すること。なお、本剤の投与期間は、原則として2週間までとし、漫然と長期にわたって投与しないよう留意すること。
慎重投与
- 心疾患のある高齢者、重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者〔急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。〕
- 肝機能障害のある患者〔ショックがあらわれやすい。また、高カリウム血症が発現するおそれがある。〕
- 腎機能障害のある患者〔高カリウム血症等の電解質異常を起こしやすい。〕
- 減塩療法時〔水分・電解質が欠乏し、脱水症状や低ナトリウム血症等があらわれやすくなる。〕
重大な副作用
- (頻度不明)
- ショック:ショックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、悪心、悪寒・冷汗、発疹、呼吸困難、チアノーゼ、血圧低下等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、輸液、副腎皮質ホルモン製剤、昇圧剤の投与等適切な処置を行うこと。
- 電解質異常(高カリウム血症、低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、低クロール血症、高クロール血症等):高カリウム血症、低ナトリウム血症、低クロール血症、高ナトリウム血症、高クロール血症等の電解質異常があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。
また、電解質異常に伴い、不整脈等があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 生体内でラクトン環を形成して、カンレノンに変換することにより作用を現す。
- 抗アルドステロン作用、抗デオキシコルチコステロン作用などのミネラルコルチコイド拮抗作用に基づき、遠位尿細管におけるナトリウムの再吸収を抑制することにより、スピロノラクトンと同程度の利尿作用を示す。
- 血圧、糸球体ろ過値及び腎血流量にほとんど影響を及ぼさない。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- カンレノ酸カリウム(Potassium Canrenoate)
化学名
- Monopotassium 17-hydroxy-3-oxo-17α-pregna-4,6-diene-21-carboxylate
分子式
分子量
性状
- カンレノ酸カリウムは微黄白色〜微黄褐色の結晶性の粉末である。水に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、クロロホルム又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
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