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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/07/28 12:49:29」(JST)
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N末端(Nまったん、別名:N終末端、NH2末端、アミノ末端、アミン末端)は、タンパク質またはポリペプチドにおいてフリーなアミノ基で終端している側の末端である。ペプチド配列を書くときはN末端は左に置き、NからC末端にかけて配列を書くのが慣例である。タンパク質がmRNAから翻訳されるときは、N末端から作られる。
化学
それぞれのアミノ酸はカルボキシル基とアミノ基を持っており、脱水縮合(Dehydration reaction)でアミノ基とカルボキシル基が次々繋がって鎖状を呈する。ポリペプチド鎖はその両末端に、カルボキシル基のC末端とアミノ基のN末端を持っている。
タンパク質がmRNAから翻訳されるときはN末端から作られる。翻訳の伸長部にあるtRNAにチャージされたアミノ酸のアミノ末端に別のアミノ酸のカルボキシル末端が結合して成長していく。開始コドンはメチオニンが暗合されており、多くのタンパク質配列の始まりはメチオニン(真正細菌はN-ホルミルメチオニン(fMet))である。しかし、いくつかのタンパク質は翻訳後修飾で修正されて、N末端のアミノ酸が異なるものになる可能性がある。
作用
N末端標的シグナル
N末端はタンパク質合成が行われるリボソーム上のタンパク質の最初の部分である。この部分はしばしば実行する標的シグナルの配列を含む。これは基本的に細胞内の郵便番号で、タンパク質は細胞内部の指定された位置に輸送される。標的シグナルは普通ペプチダーゼによる過程が達成された後切り離される。
- N末端シグナルペプチドはシグナル認識粒子(SRP) とタンパク質の標的である分泌経路の反応によって見分けられる。このタンパク質は真核生物では粗面小胞体で合成され、原核生物では細胞膜から輸出される。葉緑体でのシグナルペプチドの標的はチラコイドのタンパク質である。
- N末端のミトコンドリア標的ペプチド(mtTP)は、タンパク質をミトコンドリア内部に輸入される働きがあると考えられている。
- N末端葉緑体標的ペプチド(cpTP)は、タンパク質を葉緑体の内部に輸入される働きがあると考えられている。
N末端修飾
いくつかのタンパク質は、翻訳後修飾で修正されて細胞膜の固定装置に付加すると考えられ、タンパク質は膜貫通ドメインなしに細胞膜で結合される。タンパク質のN末端(またはC末端)は、次の経路で修正される。
- N末端にパルミトイル基(C16)が付加される。このN末端修飾シグナルは趣旨と一致する。
- N末端に脂肪酸が付加し、N-アシル化タンパク質になる。最も一般的な修飾はパルミトイル基の付加である。
タンパク質の一次構造と翻訳後修飾 |
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全般 |
タンパク質生合成 - ペプチド結合 - タンパク質分解 - ラセミ化
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N末端 |
アセチル化 - ホルミル化 - ミリストイル化 - ピログルタミン酸 - メチル化 - 糖化反応
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C末端 |
アミド化 - GPIアンカー - ユビキチン化 - SUMO化
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リシン |
メチル化 - アセチル化 - アシル化 - ヒドロキシル化 - ユビキチン化 - SUMO化 - デスモシン - ADPリボース化 - 脱アミノ(酸化的脱アミノ)
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システイン |
ジスルフィド結合 - プレニル化 - パルミトイル化
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セリン/トレオニン |
リン酸化 - グリコシル化
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チロシン |
リン酸化 - チロシン硫酸化 - ポルフィリン環結合 - リボフラビン結合
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アスパラギン |
脱アミド - グリコシル化
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アスパラギン酸 |
スクシンイミド形成 - リン酸化
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グルタミン |
アミノ基転移
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グルタミン酸 |
カルボキシル化 - ポリグルタミル化 - ポリグリシル化
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アルギニン |
シトルリン化 - メチル化
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プロリン |
ヒドロキシル化
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←アミノ酸
二次構造→
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Japanese Journal
- ピキア酵母を宿主とするヒト組換えタンパク質の分泌発現 : 小型培養槽を使用したミッドカイン,プレイオトロフィン,および胆汁酸活性化リパーゼの小規模生産
- 村杉 章
- 生物工学会誌 : seibutsu-kogaku kaishi 89(10), 570-583, 2011-10-25
- … なマンノシル化を受けていた.そこで次に,α-接合因子の分泌シグナルを使用した.このとき,培地中に分泌したミッドカインはマンノシル化を受けておらず,発現量は約640mg/lであった.しかし,発現物の約70%は,アミノ末端からいくつかのアミノ酸が欠失していた.この結果から次に,プロテアーゼA欠損株を宿主として使用し,発現を,20℃,pH 3の条件で行った.1週間のメタノールによる誘導終了後,修飾されていない真正ミッドカイ …
- NAID 110008750626
- 間野 博行
- 日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica 138(1), 3-7, 2011-07-01
- … 遺伝子が融合し,EML4タンパク質のアミノ末端側約半分がALKのキナーゼドメインと融合したタンパク質が産生されるのである.EML4-ALKはEML4内のcoiled-coilドメインを介して恒常的に二量体化され活性化されて発がんを誘導することが明らかになった.実際<I>EML4-ALK</I> …
- NAID 10029417813
- 副甲状腺ホルモン分子のアミノ末端断片化機構についての検討 (日本骨粗鬆症学会 平成20年度研究奨励賞)
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