甲状腺機能低下症

hypothyroidism
甲状腺機能不全症
粘液水腫甲状腺ホルモン甲状腺
甲状腺機能亢進症

概念

  • 甲状腺ホルモンの合成、分泌が低下し、血液中の甲状腺ホルモンが不足している状態である。

病因

先天性甲状腺機能低下症

原発性甲状腺機能低下症

二次性甲状腺機能低下症

三次性甲状腺機能低下症

病態

参考1
  • 甲状腺ホルモンの低下
 → 代謝の低下
 → 多くの組織の組織間隙にグリコサミノグリカンが蓄積

症候

  • 全身:全身倦怠感、易疲労感、体重増加、低体温、嗄声、貧血(EPO↓)、滲出液貯留(心膜液貯留(約30%の症例で見られる)、胸水貯留 ←血管透過性の亢進による)
  • 消化器:絶肥大、便秘、食欲低下
  • 循環器:粘液水腫心、心拍出量の低下?
  • 骨格筋:こむらがえり、アキレス腱反射の子癇層の遅延(Lamberts徴候)、筋力低下(骨格筋ミオパチー)、筋肥大(Hoffmann症候群)、筋痛
  • 皮膚 :四肢・顔面の粘液水腫、発汗減少、皮膚乾燥、頭皮脱毛、眉毛外1/3の脱毛、皮膚の黄染
  • 神経 :末梢神経と中枢神経のいずれも影響が生じる。 (参考1)
  • 橋本脳症:疾患概念についてはcontroversial
  • 粘液水腫性昏睡(ICU.762)(低体温、浮腫性皮膚、意識レベル低下)
  • 手根管症候群:よく見られる合併症。ホルモン療法により軽快。 ← 組織間質にグリコサミノグリカンが蓄積して手根管を狭窄せしめるのか
  • 精神 :記銘力低下、計算力低下、言語緩慢、活動性低下
  • 生殖系:月経不順(月経過多、無月経)。不妊、流産。   ←  初期に月経過多、後期に無月経を起こす(出典不明)。
  • その他:乳汁分泌(三次性以外。TRH↑)、難聴、貧血。 ← 甲状腺ホルモンがエリスロポエチンの分泌を亢進させるので

生殖系の異常

  • 月経の異常の割合(参考1)
月経前の婦人集団 集団サイズ(人) 患者全体に占める割合(%)
月経周期正常 無月経・希発月経 過多月経
甲状腺機能低下症 171 77 16 7
健常者 214 92 7 1


検査

胸部単純X線写真

心電図

  • 低電圧、徐脈、陰性T波

血液検査

AST,LDH,CKなど筋酵素が増加
  • (1)心拍出量の低下 → 頚動脈圧受容器 → ADH分泌 (時に尿Na濃度が低下せず、SIADHの基準を満たす例がある)
  • (2)GFR低下((1)の影響?) → ヘンレループの上行脚(diluting segment)に至る尿量減少 → 排泄できる自由水減少

診断基準

原発性甲状腺機能低下症

a)かつb)を満たすもの
  • a)臨床所見
  • 無気力、易疲労感、眼瞼浮腫、寒がり、体重増加、動作緩慢、嗜眠、記憶力低下、便秘、嗄声等いずれかの症状
  • b)検査所見
  • 遊離T4低値およびTSH高値


治療

  • 治療のトリガー:TSH>10.0となる症例。


参考

  • 1. [charged] 甲状腺機能低下症の臨床症状 - uptodate [1]
  • 2. [charged] 甲状腺機能低下症における低ナトリウム血症 - uptodate [2]
  • 3. [charged] 甲状腺機能低下症の治療 - uptodate [3]
  • 4. [charged] 甲状腺機能低下性ミオパチー - uptodate [4]
  • 5. 甲状腺機能低下症 - 甲状腺疾患診断ガイドライン
<click2in>http://www.japanthyroid.jp/doctor/guideline/japanese.html#teika</click2in>