- 英
- thalamus
機能 (KL.719-722)
解剖 (KL.719-722)
-
-
7.中心正中核
8.視床網様核
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/09 11:14:23」(JST)
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脳: 視床 |
視床と脳表面の関係を示した模式図
赤色で示す領域が視床。
ヒト脳のMRI 矢状断面像、視床に矢印。
|
名称 |
日本語 |
視床 |
英語 |
(dorsal) thalamus |
ラテン語 |
thalamus (dorsalis) |
略号 |
Thal, Th |
関連構造 |
上位構造 |
間脳、前脳、広義の脳幹 |
画像 |
アナトモグラフィー |
三次元CG |
Digital Anatomist |
内側
視床
脳神経
脳幹後方
脳幹後方
上方
大脳パーツ
海馬采/脳弓
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冠状断(海馬)
冠状断(視床)
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水平断(海馬采/脳弓)
水平断(上丘)
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Thalamus |
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視床(ししょう、英: thalamus)は、脳の構造のうち、間脳の一部を占める部位。また、広義の脳幹の最吻側部に当たる。 嗅覚を除き、視覚、聴覚、体性感覚などの感覚入力を大脳新皮質へ中継する重要な役割を担う。
目次
- 1 解剖学的区分
- 1.1 外側の核
- 1.2 内側の核
- 1.3 後部の核
- 1.4 前部の核
- 1.5 腹側視床
- 2 その他の核の分類
- 3 画像
- 4 脚注
- 5 関連文献
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
解剖学的区分[編集]
広義の視床は背側視床(dorsal thalamus)、腹側視床(ventral thalamus)に区分されるが、通常「視床」と言った場合にはこのうち背側視床を指していることがほとんどであり、狭義の視床はほぼ背側視床に等しい。例外として、Nieuwenhuysらの定義では、外側膝状核および内側膝状核は厳密には背側視床ではなく視床後部(metathalamus)に含められる[1]が、一般には狭義の視床に加えられることが多い。また腹側視床のうち視床網様核は、背側視床との関係が密であるため、便宜的に狭義の視床に加えられることもしばしばである。これだけでも明らかなように、研究者によって視床核群の分類法は異なっていることもあり注意を要するが、一般的な用法における(狭義の)視床は、「背側視床」「視床後部」(ときに「視床網様核」も)を合わせたものを指す。
視床は、分類にもよるが 20 あまりの視床亜核(thalamic subnuclei)へと解剖学的に分類され、入出力が異なっており、それぞれ異なった機能を担っていると考えられている。 これらの核はアルファベットの略称で呼ばれることも多い。
外側の核[編集]
- Ventral posterior (VP) complex 以下の VPL, VPM, VPI の 3 つの核からなり、体性感覚情報を大脳皮質の体性感覚野へと中継している。
- 後外側腹側核 (VPL)
- 後内側腹側核 (VPM)
- Ventral posterior inferior (VPI) nucleus
- 外側腹側核 (VL) 小脳核からのグルタミン酸入力 (および淡蒼球、黒質 からのGABA入力)を受け、主に運動性の大脳皮質へと投射している。 大脳皮質とは内側から外側にかけて順に前運動皮質から運動皮質へつらなる対応がある。
- 前腹側核 (VA) 大脳基底核の出力部である黒質網様部や淡蒼球内節からのGABA性入力を強く受ける。主に運動性の大脳皮質へと投射している。
- 内側腹側核 (VM) 細胞はまばらであり、ミエリン鞘をもつ神経束が多く見られる[要出典]。
- VL, VA, VMは小脳と大脳基底核から多くの入力を受け、また大脳皮質の運動関連領野と結合をもつことから、「運動性視床核 motor thalamus/motor thalamic nuclei」と総称されることが多い。VL, VA, VMに関する上記の区分は、きわめて大雑把であり正確とは言えない。ヒト以外の霊長類においては、VApc、VAmc, VLmは黒質網様部から、VLoは淡蒼球からのGABA作動性入力を受け、Area X, VLc, VLps、VPLoが深部小脳核からのグルタミン酸作動性入力を受けるとされることが多い[2]。ところが歴史的経緯から、ヒトでは、サルとは別の解剖学的区分および名称[3]が用いられることが多く、命名法に混乱が見られるので、特に注意を要する[4]。
内側の核[編集]
- 視床髄板内核群 (intralaminar nuclei, IL) 軸索繊維の集まった白質である髄板の中に、島のように浮かんでいる視床亜核群である。
- 内側中心核 (central medial nucleus, CM) 正中中心核とは別の核である。
- 束傍核 (parafascicular nucleus, Pf) 反屈束(fasciculus retroflexus, 手綱脚間核路)を囲むように存在するためにこの名がある。正中中心核とともに視床線条体投射の主たる起源のひとつとされる(CM-Pf 複合体)。
- 外側中心核 (central lateral nucleus, CL) 以下の MD を取り囲むようにして存在する。
- 中心傍核(paracentral nucleus, PC)
- 正中中心核 (centromedian nucleus, CeMあるいはCM) 「サントロメディアン」とフランス語式で読む。内側中心核と混同されやすいが別の核である。げっ歯類には存在しない。束傍核と共に、視床線条体投射の主たる起源のひとつとされる(CM-Pf 複合体)。
- 背内側核 (mediodorsal nucleus, MD) 主として前頭葉の皮質に投射している。 おそらく痛みの刺激を伝達している。 内側から外側に向かって、前頭前野前端から後部への投射をもつことがサルで確認されている。
- 正中核群(midline nculei)正中線上に位置する視床亜核群である。
- 室傍核 (しつぼうかく、paraventricular nucleus, Pv)
- 結合核 (けつごうかく、Reuniens nucleus = Medioventral (MV) nucleus)
- 菱形核 (りょうけいかく、Rhomboid nucleus)
- 紐傍核 (ちゅうぼうかく、Paratenial nucleus)
後部の核[編集]
- Limitans (Li) nucleus
- Suprageniculate (Sg) nucleus
- Posterior (Po) nucleus
- 後外側核 (LP) 主として皮質間の中継を行う。 VA, VL が投射した先の皮質から逆向きの投射を受けている。
- 視床枕 (Pul) LP と同様に VA, VL の投射先から逆向きの投射を受け、皮質間の中継を行っている。 前部 (PuA)、後部 (PuI)、外側 (PuL)、内側 (PuM) の 4 つに細分されることがある。げっ歯類には存在しない。
- 外側膝状体 (lateral geniculate nucleus, lateral geniculate body, LG, LGN, LGB) 網膜からの視覚情報を受け取り後頭葉の一次視覚野 (V1) へ中継を行っている。 6 つの層がはっきり認められる。分類法によっては厳密には視床後部に属する[1]が、視床の一部として通常扱われる。
- 内側膝状体 (medial geniculate nucleus, medial geniculate body, MG, MGN, MGB) 聴覚情報を側頭葉の聴覚野へ送る。分類法によっては厳密には視床後部に属する[1]が、視床の一部として通常扱われる。
前部の核[編集]
AV, AM, AD は両側の乳頭体と海馬から主要な投射を受け、帯状回からも投射を受けている。 主たる出力は大脳辺縁系へ向かう。
- Anteroventral (AV) nucleus
- Anteromedial (AM) nucleus
- Anterodorsal (AD) nucleus
- 背外側核 (LD)
腹側視床[編集]
腹側視床(subthalamus en)は狭義の視床(背側視床)の腹側に隣接し、視床下部の背側に隣接する領域。
- 視床網様核 (R, TRN, thalamic reticular nucleus) 視床を覆うように存在する。厳密には背側視床(狭義の視床)ではなく腹側視床に属するので注意を要する。網様核のニューロンはそのほぼすべてがGABA作動性ニューロンであり、(背側)視床のニューロンが大多数のグルタミン酸作動性投射ニューロンと少数のGABA作動性インターニューロンとで構成されているのと大きく異なる。視床の投射ニューロンの軸索はほとんど例外なく、視床の中ではほとんど軸索側枝を持たないが、視床を出る際に網様核に軸索側枝を出す。また大脳皮質から視床へのグルタミン酸作動性入力繊維も、視床へ入る時にほぼ例外なく網様核に軸索側枝を出す。網様核のGABAニューロンはその軸索を視床の中へ伸ばし、視床の投射ニューロンを抑制している。このように網様核は概念上は視床の一部ではないが非常に密接な連絡関係にあるために、背側視床と一緒に取り扱われることが多い。
- 不確帯(zone incerta)通常、狭義の「視床」には含まれない。
- 視床下核(subthalamic nucleus)通常、狭義の「視床」には含まれない。大脳基底核の間接路の構成要素であり、グルタミン酸作動性の興奮性ニューロンを含み、近年では脳深部刺激療法によるパーキンソン病の治療における電気刺激部位として臨床的な重要度が高い。
- 外側膝状体腹側部 背側視床ではなく、腹側視床に含まれることがある。外側膝状体背側部とは異なり大脳皮質へ投射しない。
その他の核の分類[編集]
特殊核と非特殊核[編集]
視床亜核を、特殊核(specific nuclei)と非特殊核 (non-specific nuclei)の2群に分類する考え方がある。[要出典]
画像[編集]
-
視床を様々な角度から眺めた動画。赤色で示す領域が視床。左右の視床の間の細い隙間は第三脳室。(画像出典:Anatomography)
-
毛帯の軸索繊維を表した模式図; 内側毛帯(青), 外側毛帯 (赤)。
脚注[編集]
- ^ a b c Rudolf Nieuwenhuys, Jan Voogd, Christiaan Van Huijzen、水野 昇, 岩堀 修明, 中村 泰尚(訳)、1991、『図説中枢神経系 The Human Central Nervous System』、医学書院 ISBN 426011753X
- ^ Olszewski, J (1952). The thalamus of the Macaca mulatta: anatlas for use with the stereotaxic instrument. Karger. ISBN 978-3-8055-0958-9.
- ^ Hassler, R (1959). “Anatomy of the thalamus”. In Schaltenbrand G, Bailey P. Introduction to streotaxis with an atlas of the human brain. Thieme.
- ^ The thalamus 2nd edition. Cambridge: Cambridge University Press. (2007). ISBN 978-0521858816.
関連文献[編集]
日本語のオープンアクセス文献
- 嘉戸 直樹 「視床の機能とその臨床応用」 関西理学療法 Vol. 6 (2006) pp. 47-49.
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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ウィキメディア・コモンズには、視床に関連するメディアがあります。 |
- 視床 - 慶應医学部解剖学教室 船戸和弥
- (百科事典)「Thalamus」 - スカラーペディアにある「視床」についての項目。(英語)
- (百科事典)「Models of thalamocortical system」 - スカラーペディアにある「視床皮質系のモデル」についての項目(英語)
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Japanese Journal
- 摂食中枢について (第1土曜特集 摂食障害Update : 研究と診療の最前線)
- 視床下部に局在する神経ペプチドと睡眠・覚醒 (特集 睡眠と覚醒の脳内機構)
- エネルギー代謝調節における中枢と末梢臓器間のクロストーク (最新臨床糖尿病学(上)糖尿病学の最新動向) -- (糖尿病研究の進歩)
- MeCP2遺伝子の変異に起因する過食と肥満における中枢ノルアドレナリン作動性神経の関与
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- 世界大百科事典 第2版 視床の用語解説 - 視床は中脳の前方で間脳に属し,第三脳室背側部の両側に位置する卵形の構造で,背側視床ともいう。この部の背側方は大脳半球に,また腹側方は視床下部におおわれている。内部構造は複雑で ...
- [thalamus] 背側視床(dorsal thalamus)。視床下部とともに間脳 の一。中脳 と線条体の間にあり、視床下溝(腹側間脳溝)を挟んで視床下部の上部に位置する大きな灰白質(視床核)。視床は、扁桃体から中隔核・視床下部に至る ...
- 解剖学的区分 広義の視床は背側視床(dorsal thalamus)、腹側視床(ventral thalamus)に区分されるが、通常「視床」と言った場合にはこのうち背側視床を指していることがほとんどであり、狭義の視床はほぼ背側視床に等しい。
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- 家族歴: 兄と姉とが高血圧で加療中である。
- 現症: 意識レベルはJCS-1。顔の表情は正常。身長165cm、体重52kg。体温36.2℃。臥位で脈拍84/分、整。血圧156/80mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、圧痛と抵抗とを認めない。肝・脾を触知しない。右側方視で左眼は内転できず、右眼に水平眼振を認める。左側方視では両眼とも正常に動く。輻湊と垂直方向の眼球運動とは正常である。右上下肢の筋力低下と深部腱反射亢進とを認める。起立・歩行障害を認める。四肢に不随意運動はなく、頭痛、失語・失行・失認、項部硬直、顔面筋麻痺および聴力障害を認めない。
- 検査所見: 尿所見:蛋白(-)、糖1+。
- 血液所見:赤血球495万、Hb16.0g/dl、Ht44%、白血球6,500、血小板25万。
- 血清生化学所見:空腹時血糖240mg/dl、HbA1c8.2%(基準4.3~5.8)、総蛋白6.9g/dl、アルブミン4.8g/dl、尿素窒素9.2mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、AST18IU/l、ALT14IU/I。心電図と頭部単純CTとに異常を認めない。
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- 現病歴:本日の午後1時、会読で立って発言中に突然めまいと嘔吐とが出現し、ふらふらして、まっすぐ立っていられなくなった。歩こうとするとふらついてよろけそうになった。
- 既往歴:20年前から高血圧。
- 家族歴:父親が高血圧。
- 現症:意識は清明。身長165cm、体重72kg。体温36.2℃。呼吸数20/分。臥位で脈拍84/分、整。血圧180/90mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知せず、圧痛や抵抗を認めない。知能は正常である。頭痛はない。失語・失行・失認を認めない。瞳孔径は右2mm、左5mm。瞼裂は右で狭く、右眼球陥凹を認める。前額部や胸部の発汗は左で目立つ。右の末梢性顔面神経麻痺、右への側方注視麻痺、眼振および右上下肢の小脳性運動失調を認める。視力、眼底所見、対光反射、眼球の幅湊に伴う縮瞳反応、四肢筋力、触覚、深部感覚および四肢の深部腱反射は正常である。構音障害、嚥下障害、病的反射および不随意運動を認めない。
- 入院時検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球430万、Hb 14.5g/dl、Ht41%、白血球6,200、血小板28万、血液生化学所見:総蛋白7.2g/dl、アルブミン4.9g/dl、尿素窒素8.0mg/dl、クレアチニン0.7mg/dl、AST 24IU/l、ALT 119IU/l、LDH270IU/l(基準176~353)。心電図と頭部単純CTとに異常を認めない。
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- 65歳の女性。歩きにくさと手足のふるえとを訴えて来院した。
- 現病歴 : 4年前からじっとしているときに左手がふるえることに気付いた。同じころから歩くのが遅くなり、話すときの声が小声で、メモを書くときに字が小さくなることを自覚するようになった。これらの症状は徐々に増悪する傾向にあり、最近左手だけでなく、右手と両足もじっとしているときにふるえるようになった。患者の写真を以下に示す。
- 既往歴・家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。身長165cm、体重52kg。体温36.2℃。臥位で脈拍64/分、整。血圧120/80mmHg。顔面の表情は乏しい。眼瞼結膜と眼球結膜とに貧血と黄疸とを認めない。心雑音はない。呼吸音は清である。腹部は平坦で、肝・脾を触知せず、圧痛と抵抗とを認めない。構音障害、頚部と四肢との筋緊張異常および起立・歩行障害を認める。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。
- 血液所見:赤血球410万、Hb13.0g/dl、Ht39%、白血球6,500、血小板25万。
- 血清生化学所見:総蛋白6.9g/dl、アルブミン4.8g/dl、尿素窒素9.2mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、AST18単位(基準40以下)、ALT14単位(基準35以下)、LDH260単位(基準176~353)。
[正答]
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[★]
- 60歳の男性。2年前から時々、両下肢の所々に電気の走るような鋭い痛みが起こるようになり、その都度、鎮痛薬を服用した。昨年から夜道を歩くと足がふらつくようになった。細菌、痛みが増強し、昼間でも足がふらつくので来院した。瞳孔は左右不同、不正円形で、対光反射は消失し、輻輳反応は保たれている。四肢に麻痺はないが、筋緊張が軽度に低下している。指鼻試験は良好で、踵膝試験は拙劣であるが、注視下では改善する。腱反射は上肢で減弱、下肢で消失し、Babinski徴候は陰性である。温度・痛覚・触覚および振動覚が下肢末梢で低下し、睾丸把握痛が消失している。
[正答]
[★]
- 64歳の女性。1年前に脳卒中発作が起き、その後、右顔面と右上肢とに自発痛としびれ感とが持続するので来院した。眼球運動は正常。右上下肢に軽度の筋力低下と腱反射亢進とを認める。手指を広げて上肢前方水平挙上位をとらせると、右手指が不随意に、緩徐に動く。右顔面と見議場使途に表在感覚低下を認める。
- 予想される障害部位はどれ
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
[★]
- 52歳の男性。起床時からのふらつきと左顔面・右半身のしびれとを主訴に来院した。水を飲むとむせてしまい、しゃっくりが続いている。眼部の写真(別冊No.7)を別に示す。病巣部位はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104E046]←[国試_104]→[104E048]
[★]
- 24歳の女性。1週前から両手足の先がしびれてきたので来院した。四肢遠位部の表在感覚と深部感覚との低下および四肢深部腱反射の低下を認める。病変部位はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096F004]←[国試_096]→[096F006]
[★]
- 運動障害はなく、全般的な知能の低下は顕著ではないが、図形の模写ができなくなった。
[正答]
※国試ナビ4※ [102E006]←[国試_102]→[102E008]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105H011]←[国試_105]→[105H013]
[★]
- a. 大脳皮質下
- b. 被殼
- c. 視床
- d. 小脳
- e. 脳幹
[正答]
※国試ナビ4※ [097G101]←[国試_097]→[097G103]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095A092]←[国試_095]→[095A094]
[★]
- 損傷されると反社会的人格変化を起こしやすい部位はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098G077]←[国試_098]→[098G079]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097G084]←[国試_097]→[097G086]
[★]
[★]
- 英
- ascending pathway (KL)
- 関
- 伝導路、下行性伝導路
上行性伝導路を伝導する感覚
各伝導路の概要 (SP.231)
皮膚、特に四肢遠位端無毛部の触圧覚受容器や筋、関節受容器からの太い有髄線維は、脊髄に入り同側の後索を上行する。延髄レベルで、上下肢からの線維はそれぞれ楔状束核、薄束核のニューロンに終わる。これら後索核ニューロンの軸索は交差して内側毛帯となり、その大部分が視床外側部の腹側基底核に、一部は後核群にも終わっている(SP.231)。
深部感覚+繊細な触圧覚、振動覚(B.P-2)
後根から入力を受けた後、直ちに交差して対側の前側索を上行し、視床に達する。
脊髄視床路起始ニューロンには、腹側基底核や後核群など視床外側部に終わるものと、髄板内核など内側部に終わるものがある(SP.231)。
温覚+痛覚+粗大な触圧覚(識別力なし)(B.P-2)
視床下部や大脳辺縁系を介して痛みの情動的側面に関係(SP.231)。
視床、脳幹網様体を介して睡眠覚醒サイクル、意識レベル、注意などに影響を及ぼす(SP.231)。
[★]
- 英
- cerebellum
発生
解剖
-
血管
機能概要
- 運動のタイミング決定と一つの運動から次の運動への急速な切り替え
機能
- ①運動開始に関与
- ②運動学習に関与
- ③多関節にわたる運動に関与
- ④フィードバックモード、フィードフォワードモードに関与
-
- 熟練した運動で、早く動かさないとき
- 素早い運動を行うとき。学習を行うとき
入力経路
障害 (KAPLAN USMLE STEP 1 QBOOK p.54)
障害
-
- 体幹失調=姿勢の制御不良
- 失調性歩行
- 注視方向への眼振(注意方向性眼振=注視眼振)
- Tomberg兆候(-)(両側をそろえて開眼して立つ、その後閉眼しても倒れない)
- 体幹筋失調による歩行障害(体幹歩行失調, 失調性歩行)
- 四肢の運動失調(協調運動障害)
- ①推尺障害
- ②変換運動障害
- ③運動解離
- ④共同運動不能
- ⑤失調性構音障害
臨床関連
[★]
- 英
- brainstem reticular formation (KL), reticular formation of brain stem
- ラ
- formatio reticularis truncus cerebri
- 関
- 網様体、脳幹
脳幹網様体
入出力
(KL.708)
機能 (KL.709)
- 大脳:上行性網様体賦活系
- 体性運動:骨格筋の筋緊張を維持し、筋活動を調節する
- 内臓運動:内蔵の機能の反応・調節に関与(特に延髄網様体)
- 線維連絡:自律神経中枢、脳神経の自律神経性核、脊髄の自律神経性ニューロン
[★]
- 英
- limbic system
- 同
- 辺縁系 limbic cortex
構成要素 (定義に定説はないらしい…)
大脳辺縁系の回路 (KH.375)
分類
解剖
機能
- 基本的な生命現象の維持と・調節に関与する。大脳辺縁系は感情、本能、欲求に関与する。
- 記憶、情動、嗅覚と関連 (B.7)
- 視床下部と連絡して呼吸、循環、吸収、排出に関与。
[★]
- 英
- deep brain stimulation DBS
- 同
- 脳深部刺激法、脳深部電気刺激、脳深部刺激、深部脳刺激
- 関
概念
- 定位脳手術により脳に刺激電極を留置し電気刺激を行う。
適応
- 疼痛のコントロール:視床感覚中継核、同非特殊核、中脳水道周囲灰白質などの低頻度刺激(医学事典)。(痛覚の下行性抑制系)視床下部、中脳中心灰白質を刺激(SCN.305)。(視床の血管障害による視床痛)視床後腹側核(VP)の電気刺激(SCN.305)
- パーキンソン病の振戦:視床VIM核の高頻度刺激 (医学事典)
- パーキンソン病:淡蒼球内節や視床下核の高頻度刺激 (医学事典)
出典不明
- パーキンソン病:両側視床下核:振戦、固縮、無動、歩行障害の改善。オフ時間の短縮(ただしオン時間の効果を上わまることはない)。L-ドーパの減量。精神症状、自立神経障害、睡眠障害には効果がない。
- 本態性振戦:視床
- ジストニア:両側淡蒼球:オフ時間の短縮。L-ドーパ誘発性ジスキネジアの軽減。
- 三叉神経痛:視床
[★]
- 英
- thalamotuberal artery, premammillary artery
- 同
- 乳頭体前動脈
[★]
- 英
- interthalamic adhesion
- ラ
- massa intermedia
- 関
- 脳室系
[★]
- 英
- hypothalamic-pituitary unit、hypothalamo-hypophyseal system
[★]
- 英
- anterior hypothalamic nucleus
- 関
- 視床下部前野
[★]
- 英
- hypothalamic arcuate nucleus
[★]
- 英
- floor
- 関
- 底、フロア、絨毯