- 英
- thyrotropin-releasing hormone (PT), TRH (PT), thyrotropin releasing hormone
- 同
- 環・グルタミン酸-ビスチジン-プロリン・ アミド pyroglutamyl-histidyl-proline amide
- 関
- 甲状腺ホルモン TSH、ホルモン、TRH試験
分類
性状
- 3aa.
- pGlu-His-Pro-NH2
- pGlu = ピログルタミン酸
産生組織
- 神経終末は正中隆起外層に分布 (SP.874)
標的組織
作用
- TRHのTSH,PRL分泌促進作用は女性>男性である。エストロゲンはTSH分泌細胞のTRH受容体を増やし、女性の法がPRL分泌細胞が多いためらしい(SP.915)
分泌の調整
- 分泌刺激:視床下部前部の体温調整中枢やカロリー調節中枢の刺激(SP.914)。ノルアドレナリン。セロトニン(SP.913)
- 分泌抑制:甲状腺ホルモンによる下垂体前葉(寄与は小さいらしいが視床下部にも)へのネガティブフィードバック (SP.913)。ドパミン、セロトニン(SP.913)
分子機構
- TSH受容体(G蛋白共役受容体)と結合し、IP3-Cキナーゼ型を介して作用を発揮 (SP.874)。特にPKCの活性化がTSH分泌促進に関与(SP.914)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/08/04 02:12:32」(JST)
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甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(こうじょうせんしげきほるもんほうしゅつホルモン、thyrotropin-releasing hormone, TRH)は、視床下部から放出されるペプチドホルモンで、下垂体前葉からの甲状腺刺激ホルモンやプロラクチンの分泌を調節している。
TRHは脳のほか、消化管やランゲルハンス島からも検出される。合成TRHは視床下部や甲状腺の機能を検査する目的で使用されることがある。
発見の経緯
ロジェ・ギルマン (Roger Guillemin) とアンドリュー・ウィクター・シャリー (Andrzej W. Schally) は当時仮説として想定されていた視床下部ホルモンの抽出で鎬を削っていた。しかし数十万頭におよぶ大型動物(ギルマンはヒツジ・シャリーはブタ)の視床下部組織を用いての抽出作業は決して簡単ではなかった。2人は1962年頃に抽出困難な副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンから手を引き、TRHの抽出にかかったがこちらもすぐには成果が出なかった。1969年にようやくピログルタミン酸・ヒスチジン・プロリンの3残基からなりC末端がアミド化されたペプチド (Glp-His-Pro-NH2) であることが、それぞれのグループからほぼ同時に報告された。TRHが実際に視床下部から抽出されたことによってはじめて、視床下部が下垂体前葉の分泌を調節しているという仮説が証明されたと言える。ギルマンとシャリーはこの功績により、1977年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。
参考文献
- Jan Bøler, Franz Enzmann, K. Folkers, C. Y. Bowers and A. V. Schally (1969). “The identity of chemical and hormonal properties of the thyrotropin releasing hormone and pyroglutamyl-histidyl-proline amide”. Biochem. Biophys. Res. Commun. 37 (4): 705-710. doi:10.1016/0006-291X(69)90868-7.
- Burgus R, Dunn TF, Desiderio D, Guillemin R (1969). “Molecular structure of the hypothalamic hypophysiotropic TRF factor of ovine origin: mass spectrometry demonstration of the PCA-His-Pro-NH2 sequence”. Comptes Rendus hebdomadaires des Séances de l’Académie des Sciences 269 (19): 1870–1873. PMID 4983502.
- ニコラス・ウェイド 『ノーベル賞の決闘』 岩波書店、1992年。ISBN 4-00-260124-2
内分泌器:ホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン) |
|
視床下部 - 脳下垂体 |
視床下部
|
GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH
|
|
脳下垂体後葉
|
バソプレッシン - OXT
|
|
脳下垂体中葉
|
MSH(インテルメジン)
|
|
脳下垂体前葉
|
αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - エンドルフィン - リポトロピン)
|
|
|
副腎 |
副腎髄質
|
副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン - ドーパミン)
|
|
副腎皮質
|
副腎皮質ホルモン(アルドステロン - コルチゾール - DHEA)
|
|
|
甲状腺 |
甲状腺
|
甲状腺ホルモン(T3 - T4 - カルシトニン)
|
|
副甲状腺
|
PTH
|
|
|
生殖腺 |
精巣
|
テストステロン - AMH - インヒビン
|
|
卵巣
|
エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時)
|
|
|
その他の内分泌器 |
膵臓
|
グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン
|
|
松果体
|
メラトニン
|
|
|
内分泌器でない器官 |
胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - EPO - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心臓:ANP - BNP - ET - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:CCK - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:サイモシン - サイモポイエチン - サイムリン - STF - THF - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) - 耳下腺:バロチン - 末梢神経系:CGRP - P物質
|
|
誘導タンパク質 |
NGF - BDNF - NT-3
|
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH) (広範囲 血液・尿化学検査 免疫学的検査(第7版・4)その数値をどう読むか) -- (内分泌学的検査 間脳下垂体関係(subunitを含む))
- 経験 脳炎・脳症後遺症に対する甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)療法
- 中枢神経系の自律神経を介した膵組織血流および実験的急性膵炎に対する作用 : 特に中枢性Thyrotropin-releasing hormone(TRH)の関与について
- 後藤 学,米田 政志,寺野 彰
- 自律神経 = The Autonomic nervous system 39(4), 367-369, 2002-08-15
- NAID 10010296478
Related Links
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- 成長ホルモン放出ホルモン(せいちょうホルモンほうしゅつホルモン、Growth hormone releasing hormone; GHRH, GRH)は、44個のアミノ酸残基から成るペプチドホルモン である。このホルモンは、視床下部の弓状核で作られる。また、このホルモンは、成長 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hypothyroidism
- 同
- 甲状腺機能不全症
- 関
- 粘液水腫、甲状腺ホルモン、甲状腺
- 甲状腺機能亢進症
概念
- 甲状腺ホルモンの合成、分泌が低下し、血液中の甲状腺ホルモンが不足している状態である。
病因
病態
- 参考1
- → 代謝の低下
- → 多くの組織の組織間隙にグリコサミノグリカンが蓄積
症候
- 全身:全身倦怠感、易疲労感、体重増加、低体温、嗄声、
貧血(EPO↓)、滲出液貯留(心膜液貯留(約30%の症例で見られる)、胸水貯留 ←血管透過性の亢進による)
- 消化器:絶肥大、便秘、食欲低下
- 循環器:粘液水腫心、心拍出量の低下?
- 骨格筋:こむらがえり、アキレス腱反射の子癇層の遅延(Lamberts徴候)、筋力低下(骨格筋ミオパチー)、筋肥大(Hoffmann症候群)、筋痛
- 皮膚 :四肢・顔面の粘液水腫、発汗減少、皮膚乾燥、頭皮脱毛、眉毛外1/3の脱毛、皮膚の黄染
- 神経 :末梢神経と中枢神経のいずれも影響が生じる。 (参考1)
- 橋本脳症:疾患概念についてはcontroversial
- 粘液水腫性昏睡(ICU.762)(低体温、浮腫性皮膚、意識レベル低下)
- 手根管症候群:よく見られる合併症。ホルモン療法により軽快。 ← 組織間質にグリコサミノグリカンが蓄積して手根管を狭窄せしめるのか
- 精神 :記銘力低下、計算力低下、言語緩慢、活動性低下
- 生殖系:月経不順(月経過多、無月経)。不妊、流産。 ← 初期に月経過多、後期に無月経を起こす(出典不明)。
- その他:乳汁分泌(三次性以外。TRH↑)、難聴、貧血。 ← 甲状腺ホルモンがエリスロポエチンの分泌を亢進させるので
生殖系の異常
月経前の婦人集団
|
集団サイズ(人)
|
患者全体に占める割合(%)
|
月経周期正常
|
無月経・希発月経
|
過多月経
|
甲状腺機能低下症
|
171
|
77
|
16
|
7
|
健常者
|
214
|
92
|
7
|
1
|
検査
胸部単純X線写真
心電図
血液検査
- AST,LDH,CKなど筋酵素が増加
- (1)心拍出量の低下 → 頚動脈圧受容器 → ADH分泌 (時に尿Na濃度が低下せず、SIADHの基準を満たす例がある)
- (2)GFR低下((1)の影響?) → ヘンレループの上行脚(diluting segment)に至る尿量減少 → 排泄できる自由水減少
診断基準
- a)かつb)を満たすもの
- 無気力、易疲労感、眼瞼浮腫、寒がり、体重増加、動作緩慢、嗜眠、記憶力低下、便秘、嗄声等いずれかの症状
治療
参考
- 1. [charged] 甲状腺機能低下症の臨床症状 - uptodate [1]
- 2. [charged] 甲状腺機能低下症における低ナトリウム血症 - uptodate [2]
- 3. [charged] 甲状腺機能低下症の治療 - uptodate [3]
- 4. [charged] 甲状腺機能低下性ミオパチー - uptodate [4]
- 5. 甲状腺機能低下症 - 甲状腺疾患診断ガイドライン
- http://www.japanthyroid.jp/doctor/guideline/japanese.html#teika
[★]
- 英
- thyroid hormone, thyroid hormones
- 関
- 甲状腺、サイログロブリン、カルシトニン、甲状腺ホルモン製剤
- 胎児の発育・新生児の生理と適応
種類
分類
性状
産生組織
標的組織
受容体
- 核内甲状腺受容体(甲状腺ホルモン受容体ファミリー)
- ステロイドレセプタースーパーファミリーに属する → 核内受容体スーパーファミリー
作用
代謝系別
- 脳、脾臓、睾丸をのぞくすべての組織で酸素消費を高める ← 甲状腺クリーゼによる発熱の原因
- カテコラミンの作用を増強する
心筋細胞のカテコールアミン受容体を増加 ←証明されていない?
-
-
- →甲状腺ホルモンの投与によりコルチゾールが減少し副腎クリーゼを誘発
- エリスロポエチン産生促進 → 赤血球増加
- ヘモグロビンからの酸素解離を促進 → 末梢組織での酸素利用↑
- 骨代謝回転を高め、骨形成・骨吸収を促進 (閉経後女性で甲状腺ホルモン多 → 骨塩量減少 → 骨粗鬆症
- グレーブス病では筋肉蛋白の代謝亢進、筋肉量の減少、筋力低下、筋脱力、四肢麻痺
-
- 肝臓におけるコレステロール産生を促進
- 肝臓のトリグリセリドリパーゼ活性を亢進し、コレステロールの代謝を促進
- コレステロールが減少 ← 総じて分解系の法が作用が強い
薬理学的作用 (SPC.321)
- 全ての生体の活動に関わる-(不足)→成長停止、身体的・精神的発育停止
- 組織の酸素消費を高め、基礎代謝を亢進させる。Na+,K+-ATApaseの活性刺激や、核内クロマチンに作用してDNA転写を促進する作用による
- 上記の通り
- ネガティブフィードバック
分泌の調節
- 視床下部--(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)-→下垂体前葉--(甲状腺刺激ホルモン)-→甲状腺濾胞細胞-→T3, T4-→T3, T4は下垂体前葉・視床下部に作用し甲状腺刺激ホルモンの分泌を抑制
分子機構
臨床関連
過多
欠乏
-
- 低栄養、外傷、感染症、手術、腎不全、肝不全、心不全、悪性腫瘍
- エネルギー消費を減らすための適応かもしれない
- 以上2007後期生理学授業プリント内分泌(3)
生合成 (SP.916)
[★]
- 英
- hypothalamic hormone
- 関
- 視床下部
一覧 (2007後期生理学授業プリント)
構造
[★]
- 英
- occult hyperprolactinemia OHP, latent hyperprolactinemia
- 関
- 高プロラクチン血症、プロラクチン
[★]
甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン thyrotropin releasing hormone thyrotropin-releasing hormone
[★]
- 英
- thyrotropin-releasing hormone receptor、TRH receptor
- 関
- 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンレセプター、サイロトロピン放出ホルモン受容体、サイロトロピン放出ホルモンレセプター、TRHレセプター、TRH受容体
[★]
- 英
- thyrotropin-releasing hormone receptor、TRH receptor
- 関
- 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン受容体、サイロトロピン放出ホルモン受容体、サイロトロピン放出ホルモンレセプター、TRHレセプター、TRH受容体
[★]
- 英
- thyrotropin-releasing hormone stimulation test, TRH stimulation test
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- thyroid gland
- ラ
- glandula thyroidea
- 関
- 甲状腺ホルモン、副甲状腺(上皮小体)
- 喉頭
- 図:N.24(全面の筋),25(全面の筋),70(血管),71(血管)
解剖学
部位
性状
- 成人の正常重量15-25g、女性の方が少し重い。妊娠中や性周期で重量が変化する。分泌期初期(early secretary phase排卵後2-5日目)には50%も重量が増加する。
大きさ
- よくわかる甲状腺疾患のすべて 永井書店 (2004/01) ISBN 481591673X
- 単位はmm?
|
n
|
峡部
|
横断厚
|
横径
|
縦経(右)
|
縦経(左)
|
男性
|
34
|
1.8±0.6
|
18±3.0
|
48±4.8
|
49±3.7
|
49±3.8
|
女性
|
16
|
1.3±0.8
|
16±2.2
|
46±3.6
|
45±6.0
|
46±3.0
|
血管
動脈
静脈
神経
- 声帯を支配する神経が甲状腺の裏側を通過 N.71
画像
- (高エコー)筋肉>甲状腺>気道(低エコー) ← 要確認
組織学
- 成人甲状腺全体の0.1%を占める
- カルシトニン産生細胞、HEでは判別困難。
- 銀染色(Glimerius)、免疫組織化学(chromogranin A、synaprophysin, carcitoninなど)により明らかとなる。
- 電顕では、electron dense な顆粒を有する(神経内分泌顆粒)。
機能
発生
神経支配
- 上頚部交感神経節、中頚部交感神経節。交感神経神経線維は濾胞近傍に終末し、分泌に影響を及ぼす。
臨床関連
診察所見と疾患
非腫瘍性疾患
- a) 無形成 Agenesis
- b) 低形成 Hypoplasia
- c) 異所性甲状腺:異残物
- mynocyclineによるblack thyroid:消耗性色素リポフスチンと他の物質(lipid-drug complexによりlysosomeに色素が沈着する)。
- a) 濾胞腺腫 follicular adenoma
- a) 乳頭癌 papillary carcinoma 88%
- b) 濾胞癌 follicular carcinoma 4.2% 甲状腺濾胞癌 thyroid follicular carcinoma
- c) 低分化癌 poorly differentiated carcinoma
- d) 未分化癌 undifferentiated carcinoma 1.5%
- e) 髄様癌(C細胞癌) medullary carcinoma, C-cell carcinoma 1.4%
- f) 悪性リンパ腫 malignant lymphoma 3.5%
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
分類
[★]
- 英
- thyroid-stimulating hormone (Z), thyroid stimulating hormone, TSH
- 同
- サイロトロピン thyrotropin
- 関
- ホルモン
分類
性状
産生組織
標的組織
作用
分泌の調整
分泌促進
分泌抑制
- ドーパミン作動薬 ← 根拠は?
- 成長ホルモン ← 根拠は?
- 糖質コルチコイド ← 根拠は?
HIM.2196
分子機構
- 甲状腺濾胞上皮細胞のTSH受容体に結合 → 細胞内cAMP↑
[★]
- 英
- release、emission、discharge、ejection、extrusion、egress、release、desorb
- 関
- 駆出、退院、脱着、突出、排出、排泄物、拍出、発光、発射、分泌、娩出、放電、遊離、流出、漏出、追放、眼脂、リリース
[★]
- 英
- (刺激そのもの)stimulus、stimuli。(行為)stimulation、、stimulate、irritate、incite、(薬物や抗原で)prime
- 同
- impulse
- 関
- 刺激作用、煽動、抗原刺激、扇動、予備刺激