卵巣癌

出典: meddic

ovarian cancer, ovarian carcinoma, cancer of the ovary, ovary cancer
carcinoma ovarii
卵巣がん
産婦人科学卵巣腫瘍、卵巣腫瘍の腫瘍マーカー
  • G9M.164(進行期分類) NGY.237(進行期分類)

組織型

漿液性嚢胞腺癌

  • CA125
  • 症候:腹水あり(漿液性嚢胞腺癌のみ)
  • 手術+化学療法(タキサン製剤とプラチナム製剤)
  • 病理:卵管上皮を模倣するとされる。多房性~充実性。乳頭状増殖。砂粒小体
  • 予後:悪い。進行早く、腹腔内播種しやすい。

粘液性嚢胞腺癌

  • CEA, CA19-9
  • 治療:手術。化学療法無効
  • 病理:子宮頚管腺を模倣するとされる。単房性~多房性。胞体中に紫色の粘液貯留。
  • 予後:良い。進行遅く転移しにくい。

明細胞腺癌

  • リスク:卵巣チョコレート嚢胞
  • 治療:手術。化学療法無効
  • 病理:妊娠時の子宮内膜を模倣するとされる。充実部と伴う多房性、もしくは単純性嚢胞腫粒。グリコーゲンに富み、染色されず、胞体が透明になる。管状構造、充実構造、乳頭状増殖。ホブネイル細胞が存在。
[show details]

・予後:治療しなければ予後不良。増殖速度は中等度でリンパ節転移しやすい。

類内膜腺癌

  • リスク:卵巣チョコレート嚢胞
  • 治療:手術+化学療法(プラチナム併用化学療法)
  • 病理:非妊時の子宮内膜を模倣するとされる。充実性。back to back(間質が消失), cribriform(さらに間質が消失)

・予後:容易。進行遅く、転移も少ない。

転移

  • 腹膜播種、リンパ行性転移。(G9M.165)
  • 血行性転移は稀。(G9M.165)

転移性卵巣癌

  • リンパ行性が多い
  • 胃癌、結腸癌、乳癌、子宮体癌。(G9M.158)

治療

  • 手術療法:(基本術式)両側付属器摘出術、子宮摘出術、大網摘出術。staingのために腹腔細胞診、腹腔内組織の生検、後腹膜リンパ節郭清もしくは生検を施行。


卵巣癌の種類

NGY.232
名称 卵巣癌の中の頻度 疫学 病理 類似性 予後 卵巣チョコレート嚢胞
との関連
漿液性腺癌[漿液性嚢胞腺癌] 50% 平均55歳 小型で細胞質に乏しい。樹枝状に分枝。乳頭状腺癌 卵巣表皮上皮、卵管上皮細胞 比較的良好  
粘液性腺癌[粘液性嚢胞腺癌] 10-15% 平均44歳 豊富な粘液をもつ多房構造や15cmを超える巨大腫瘤 子宮頸部粘膜上皮
腸上皮に類似
抗癌剤感受性低く、進行癌は予後不良  
類内膜腺癌 10-15%     非妊時子宮内膜に類似  
明細胞腺癌 15-20% 子宮内膜症合併 胞体は明るくグリコーゲンに富む。 妊娠子宮内膜に類似
嚢胞乳頭状構造
プラチナ感受性悪く予後不良

卵巣癌などの腫瘍マーカー

名称 AFP CA125 CA72-4 BFP CEA
漿液性腺癌[漿液性嚢胞腺癌]      
粘液性腺癌[粘液性嚢胞腺癌]        
類内膜腺癌        
明細胞腺癌          
卵黄嚢腫瘍        
転移性卵巣癌      

G9M.162

CA125 漿液性嚢胞腺癌 類内膜腺癌 移行上皮癌
CEA CA19-9 粘液性嚢胞腺癌  
エストロゲン 顆粒膜細胞腫 莢膜細胞腫  
アンドロゲン セルトリ・間質細胞腫 ライディッヒ細胞種  
CA19-9 SCC 奇形腫  
AFP 卵黄嚢腫瘍 胎芽性癌  
hCG 絨毛癌 胎芽性癌 未分化胚細胞腫
LDH 未分化胚細胞腫  
CEA クルケンベルグ腫瘍

参考

  • 1. 卵巣がん治療ガイドライン2007年版(改訂版)
[display]http://www.jsgo.gr.jp/guideline/ransou.html





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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/27 21:52:09」(JST)

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和文文献

  • 悪性腫瘍リスク (特集 OC・LEPガイドライン ポイントの解説)
  • 粘液性卵巣癌・腹膜偽粘液腫 (特集 婦人科領域のRare Tumorの取り扱い)
  • 卵巣癌の組織学的分類と発癌機構 (特集 婦人科がん治療の新機軸)
  • 卵巣癌直腸転移の1切除例

関連リンク

【卵巣がん無料相談-鈴木医院】 卵巣がん(卵巣癌)の症状、治療、生存率、検査、 転移、手術などの解説。進行してから見つかることの多い卵巣癌の克服を目指します。 諦めずご相談ください。
【卵巣がん無料相談-鈴木医院】 卵巣がん(卵巣癌)の初期症状と末期症状について。 進行がんの状態で見つかることが多い卵巣癌ですが、転移していてもがん克服を目指し た治療はできます。諦めずご相談ください。
2006年10月1日 ... 最も多いのは、卵巣の表層をおおう細胞に由来する上皮性腫瘍で、この中には良性 腫瘍と悪性腫瘍(がん)の他に良性、 ... 年齢別にみた卵巣がんの罹患(りかん)率は40 歳代から増加し、50歳代前半でピークを迎えてほぼ横ばいになり、80歳 ...

関連画像

41kZWmBQAPL._SL500_AA300_.jpg卵巣癌を駆逐するリンパ球 ため また 独占 的 な 卵巣 癌10 卵巣 癌 卵巣 ガン 卵巣 が ん  .女性生殖器 (8)卵巣明細胞腺癌progress 卵巣 癌 ovarian cancer 卵巣 ① 骨盤 から 下腹部 に 卵巣 が ん の 転移 進展


★リンクテーブル★
国試過去問108G038」「101F048」「095I034」「100G117」「108B013」「079A049」「102E037」「084B070
リンク元子宮体癌」「腫瘍マーカー」「卵巣腫瘍」「CA125」「CA19-9
拡張検索卵巣癌国際進行期分類」「卵巣癌細胞株
関連記事」「卵巣

108G038」

  [★]

  • a 肝両葉に散在する多発肝細胞癌
  • b 切除困難な膵嚢胞腺癌
  • c 穿孔を伴う小腸損傷
  • d 内視鏡的止血困難な下部消化管出血
  • e 腹膜播種を伴う卵巣癌


[正答]


※国試ナビ4※ 108G037]←[国試_108]→[108G039

101F048」

  [★]

[正答]


※国試ナビ4※ 101F047]←[国試_101]→[101F049

095I034」

  [★]

  • 卵巣腫瘤の超音波断層所見で誤っているのはどれ。全て選べ
  • a. 腫瘤内部に隔壁以外のエコーがなければ良性と考えられる
  • b. 単純嚢腫では腫瘤後壁は不明瞭なことが多い
  • c. チョコレート嚢胞では腫瘤内部に微細なエコーがみられる
  • d. 線維腫は悪性腫瘍と診断されることは少ない
  • e. 卵巣癌では腫瘤内部に充実性エコーがみられる

100G117」

  [★]

  • 放射線治療が標準的治療として用いられるのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 100G116]←[国試_100]→[100G118

108B013」

  [★]


[正答]


※国試ナビ4※ 108B012]←[国試_108]→[108B014

079A049」

  [★]

  • 治療法との組み合わせについて適切でないのはどれ?
[正答]

102E037」

  [★]

  • 多量の腹水貯留をきたさないのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 102E036]←[国試_102]→[102E038

084B070」

  [★]

  • 卵巣癌手術の際に摘出、切除する臓器はどれか。全て選べ

子宮体癌」

  [★]

uterine corpus cancer, carcinoma of uterine corpus, cancer of the uterine body
carcinoma corporis uteri
子宮内膜癌 endometrial carcinoma endometrial cancer
子宮腫瘍産婦人科学子宮内膜増殖症(前癌病変)
  • G9M.157(進行期分類)

定義

  • 子宮体部内膜に発生する上皮性悪性腫瘍。

疫学

  • 発生頻度は欧米に多く、日本では少ない(女性人口10万当たり4)→高齢化、生活習慣との関連
  • 発症年齢は50歳代が最も多く、閉経後が7割を占める。40歳以下の婦人は5%程度。
  • 妊娠中および分娩後5年以内に体癌が発見されることはほとんどない。
  • 日本では近年増加傾向。子宮癌全体の30%を占める(みえる9.150)

リスクファクター

プロゲステロンに拮抗されずに、エストロゲンに長期暴露されることによる
  • 典型像:60歳くらいの太った未産の女性
  • 未婚不妊、閉経後、高い初婚・初妊年齢、少ない妊娠・出産回数、卵胞ホルモン服用歴、肥満
  • 卵巣機能異常(無排卵周期症PCOSなどの既往) → 正常量のエストロゲンが存在するものの、これに拮抗するプロゲステロンが欠乏する
出典不明

症状

  • ほとんどの場合に症状がある。
  • 9割で不正性器出血がみられる。そのほか過多月経、異常帯下、下腹部痛など。

子宮体癌の組織的分類

()内の頻度はG9M.155
  • 子宮内膜癌
  • 腺癌:ほとんどが腺癌

G9M.155

  • 腺癌(95%以上)
  • 類内膜癌(80-90%) → 類内膜腺癌(60-70%)、扁平上皮への分化を伴う類内膜腺癌(20-30%)
細胞異型が強い場合にはGradeを上げる。
  • Grade1(高分化型)充実増殖の占める割合が腺癌成分の5%以下。プロゲステロン受容体陽性率高。予後良好
  • Grade2(中分化型)充実増殖の占める割合が腺癌成分の6-50%。プロゲステロン受容体陽性率中。予後中等度
  • Grade3(低分化型)充実増殖の占める割合が腺癌成分の50%超。プロゲステロン受容体陽性率低。予後不良
  • その他(扁平上皮癌など(5%以下))

発生機序による分類

  • type I:エストロゲン依存性。発症は遺伝子変異とエストロゲンの長期持続刺激による子宮内膜細胞の異常増殖
  • type II:エストロゲン非依存性。子宮内膜異型増殖症を介さないで癌化する
  I型子宮体癌 II型子宮体癌
発生機序 エストロゲンへの長期暴露 de novo癌
好発年齢 閉経前-閉経早期  
頻度 80-90% 10-20%
病巣周辺の
子宮内膜異型増殖症
あり なし
組織型 類内膜腺癌 漿液性腺癌
明細胞腺癌
分化度 高分化型 低分化型
筋層浸潤 軽度 高度
予後 比較的良好 不良
遺伝子変異 K-ras, PTEN p53

検査

超音波エコー(経膣超音波)

腫瘍マーカー

MRI

  • T2画像が有用。
  • junctional zoneの菲薄化・欠損
  • 子宮内膜>腫瘍>筋層>junctional zone

診断

  • スクリーニング:細胞診
  • 子宮腔内の吸引あるいは擦過細胞診による検出率:90%以上
  • 子宮頚・腟部からの細胞採取による検出率:50%以下
  • 確定診断:子宮内膜の試験掻爬組織診

手術進行期分類 (日産婦 1995,FIGO1998)

原則として手術進行期分類を用い、手術を行っていない例では臨床進行期分類を用いる
体 → 頚 → 骨盤内 → 骨盤外
0期: 子宮内膜異型増殖症
I期: 子宮体部に限局
Ia期: 子宮内膜に限局
Ib期: 浸潤が子宮筋層1/2以内
Ic期: 浸潤が子宮筋層1/2を越える
II期: 子宮頸部に及ぶ
IIa期: 頸管腺のみ
IIb期: 頸部間質浸潤
III期: 子宮外に広がるが小骨盤腔を越えない、または所属リンパ節転移
IIIa期: 漿膜浸潤、付属器浸潤、腹膜細胞診陽性
IIIb期: 膣転移
IIIc期: 所属リンパ節転移(骨盤リンパ節傍大動脈リンパ節)
IV期: 小骨盤腔を越える、または明らかな膀胱または腸粘膜を侵す
IVa期: 膀胱、腸粘膜へ浸潤
IVb期: 遠隔転移(腹腔内リンパ節、鼠径リンパ節転移を含む)


転移

  • 直接浸潤
  • リンパ行性転移

症状

  • 不正性器出血、腹痛

治療

  • 手術療法、放射線療法、薬物療法(抗ガン剤、ホルモン療法)
  • 治療法の基本は手術療法(単純子宮全摘術、準広汎子宮全摘術、広汎子宮全摘術)。
  • 補助的に摘出術を追加することがある:両側付属器切除術、リンパ節郭清、部分大網切除術
  • 薬物療法・放射線療法:手術不能例、再発例、術後の補助療法

薬物療法

抗悪性腫瘍薬

  • シスプラチン、アドリアマイシン、タキサン系の多剤併用療法
化学療法のレジメン
参考:http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/nmk/cr/report/200702/502818.htm

ガイドライン的には「アンスラサイクリン系とプラチナ製剤を含む薬剤の選択が薦められている(グレードB)。タキサン系製剤も併用さているが、その十分な根拠は得られていない(グレードC)。(子宮体癌の治療ガイドライン2006年)

一般的な抗腫瘍薬による副作用

ホルモン療法

  • ホルモン療法単体:挙児希望のGrade1のIa期:高用量MPA
  • 術後補助療法:再発リスクの低い場合、高用量黄体ホルモン療法は非推奨(グレードD)(参考2)

手術療法

  • 1. 子宮摘出術
  • 単純子宮全摘術
  • 子宮体部に限局しているとき
  • 準広汎子宮全摘術
  • 子宮体部に限局しているとき
  • 広汎子宮全摘術
  • MRIや肉眼で明らかな頸部間質浸潤が認められるとき。
  • 2. 両側付属器切除術
  • 3. リンパ節郭清
  • 骨盤リンパ節郭清:基本的に施行。省略するのは、類内膜癌Grade1で、画像診断で病変が子宮内膜に限局すると推定される場合のみ。
  • 傍大動脈リンパ節郭清
  • 鼠径リンパ節郭清
  • 4. 部分大網切除術

傍大動脈リンパ節郭清術と部分大網切除術の適応

転移リスクが高いため
  • 1. 骨盤リンパ節転移例
  • 2. 付属器転移例
  • 3. 筋層浸潤が1/2を超す例
  • 4. 予後不良例(組織型が類内膜癌Grade3、漿液性腺癌明細胞腺癌、癌肉腫など)。太字の物は特に大網転移率が高い。

放射線療法

  • 子宮頚癌(扁平上皮癌)より放射線は有効ではない。 → 放射線療法は腺癌に奏効しづらい!!!

子宮温存を希望する若年性子宮体癌

  • 根治治療ではなく、いずれは子宮全摘が必要。
  • 再発例では子宮全摘

適応

  • 画像診断上Ia期(内膜限局)
  • G1の類内膜腺癌

治療

  • 子宮内膜全面掻爬
  • 高用量黄体ホルモン療法

予後

予後規定因子

  • 筋層浸潤の深さ、頚部浸潤、子宮外進展、リンパ節転移、病理組織型、組織学的分化度、血管・リンパ管侵襲

5年生存率

臨床進行期 5年生存率(%)
出典不明(相対) NGY.229
I 86 79
II 68 66.8
III 42 37.5
IV 16 8.5

国試


症例

  • 55歳の女性。不正性器出血を主訴に来院した。未経妊、閉経51歳。不妊治療をした経験がある。子宮は鶏卵大で卵巣は両側とも触知しない。経膣超音波で子宮内膜の肥厚が見られる。

子宮体癌治療ガイドライン(2006年)

  • FIGOは子宮体癌の手術進行期分類を採用。
  • 1)進行期決定のために手術術式の選択が必要である。
  • 2)子宮体癌は放射線感受性が低く、抗ガン剤の標準治療の確立が遅れている。
  • このことから子宮体癌では手術療法が第一選択。高齢や内科的合併症などの理由で、放射線療法が選択される場合もある。

参考

  • 1.
[display]http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2006/10/post_d2b6.html
  • 2. 子宮体がん治療ガイドライン2009年版:(金原出版)
http://www.jsgo.gr.jp/guideline/taigan.html
  • 3. ガイドライン
http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0050/1/0050_G0000135_GL.html



腫瘍マーカー」

  [★]

tumor marker
生物学的腫瘍マーカー biological tumor marker癌マーカー cancer marker、悪性腫瘍特異物質 tumor-specific antigen




肺癌の腫瘍マーカー

  陽性率(疾患があるときに陽性となる確率, 感度)  
肺癌         備考
扁平上皮癌 腺癌 小細胞癌 その他の疾患  
CYFRA21-1 57.5%* 70-80%/73.1%* 30-40% 30-40% 良性疾患:10-15%  
SCC       子宮頸癌、食道癌、皮膚癌  
CEA 40-50%   50-60%      
SLX 70%*   0.4   肝硬変  
NSE 10-30%     70-90%    
proGRP       70-90%/65.1%*   NSEより上昇率が高く、特異性に優れる
KL-6       肺腺癌、膵癌、乳癌で40-50%。間質性肺炎の補助診断  
             
無印:標準呼吸器病学 第1版 p.327。* 臨床検査学第32版 p.634

臨床応用されている腫瘍マーカー (LAB.630)

肝癌関連 AFP, AFP-L3%, PIVKA-II
膵癌ならびにその他の消化器癌 CEA, CA19-9, Dupan-2, CA50, Span-1
肺癌 CEA, sialyl Lex-i (SLX), SCC, SYFRA21-1, NSE, ProGRP
婦人科悪性腫痩
 子宮癌:SCC, CA125
 卵巣癌:CA125, AFP, CEA, CA19-9, GAT
 乳癌 :CA15-3, BCA225, CEA, NCC-ST-439
尿器科悪性腫壕
 前立腺痛:PSA(γ-Sm), PAP
 膀胱癌 :BTA, NMP22
 神経内分泌腫療 NSE
 広範な腫瘍に反応するマーカー
  TPA, BFP, IAP

消化管悪性腫瘍マーカー

  • CEA:胎児癌性蛋白。陽性率:(50-70%)大腸癌、胆道癌、膵癌。(40-60%)肺癌。(30-40%)胃癌。良性疾患でも上昇する(胆嚢炎、胆管炎、膵炎)。
  • DU-PAN-2:2→3シアリルLec抗原を認識する抗体。陽性率:(70-80%)膵癌、(60-70%)胆道癌。Lea-b-の個体でも陽性になる。良性疾患でも上昇する(慢性肝炎、肝硬変、胆道炎症を伴う胆石症)。
  • CA19-9:Leaの基本骨格にシアル酸が結合したもの。陽性率:(80-90%)膵癌。(70-80%)胆道癌。良性疾患でも上昇する((10-40%)閉塞性黄疸、慢性肝炎、肝硬変)。日本人の約7-10%に存在するフコース転移酵素が欠如したLea-b-の個体ではCA19-9は産生されない。
  • SLX:Lexの基本骨格にシアル酸が結合したもの。陽性率:(高い)肺癌、卵巣癌。(50-60%)胆道癌、膵癌。

主な腫瘍マーカー CBT QB vol2 p.297

AFP 肝細胞癌肝芽腫、卵黄脳腫瘍
CEA 消化器系の癌、肺癌乳癌(腺癌の頻度が高く、臓器特異性は低い)
CA19-9 胆道系の癌、膵癌
CA125 卵巣癌
CA15-3 乳癌、卵巣癌
PIVKA-II 肝細胞癌
PSA 前立腺癌

組織型別に有用な腫瘍マーカー(NEWエッセンシャル産科学・婦人科学 第3版 p.236)

上皮性腫瘍
 漿液性腺癌: CA125 *1
 粘液性腺癌: CA19-9 *2, CA72-4, CEA
胚細胞腫瘍
 卵黄嚢腫瘍: AFP *3
 絨毛癌: hCG
 未分化胚細胞腫: LDH *4
 悪性転化を伴う成熟嚢胞性奇形腫(扁平上皮癌) : SCC
性索間質性腫瘍(ホルモン)
 顆粒膜細胞腫,莢膜細胞腫:工ストロゲン
 Sertoli-間質性腫瘍, Leydig細胞腫(門細胞腫) :テストステロン
*1 上皮性腫瘍中で最も有用.類内膜腺癌,明細胞腺癌でも陽性を示す.子宮内膜症,炎症,妊娠初期も軽度-中等度上昇
*2 成熟嚢胞性奇形腫で陽性を示すことがある
*3 胎芽性癌,混合性腔細胞腫療でも陽性を示す
*4 非特異的
also see →「生殖系チュートリアル症例2_プレゼン.ppt」

産婦人科において重要視される腫瘍マーカー

  • ヒト培養卵巣癌細胞に見いだされた抗原
  • 子宮頚部扁平上皮癌から精製された蛋白質
  • 早期癌でも比較的高い陽性率を示し、経過観察にも有用である。
  • 一般に扁平上皮の存在する部位に広範な重症疾患存在すれば血中のSCCは上昇しうる
  • 皮膚表面、唾液中に大量に存在し、採血時に複数回穿刺する事などによるコンタミネーションの可能性があります。

腫瘍マーカー 臓器別

OLM.372改変

(略)


卵巣腫瘍」

  [★]

ovarian tumor
産婦人科学腫瘍卵巣奇形腫、卵巣腫瘍の腫瘍マーカー、卵巣癌

概念

  • 卵巣に発生する腫瘍であり、80%が良性といわれる。良性のものは嚢胞性腫瘍が多く、悪性の腫瘍は充実性のものが大半である。

分類

  • 原発による分類
  • 組織による分類

疫学

  • 悪性の卵巣腫瘍は漿液性腫瘍、類内膜癌、粘液性腫瘍が多い。
  • 若いころの卵巣腫瘍は奇形腫、腺腫が多い
  • 50-69歳の女性で多発
  • 顆粒膜細胞腫は卵巣腫瘍中4.6%でホルモン産生腫瘍のなかで最多(QB.Q-302)

好発年齢

  • 若年者に多い:

卵巣腫瘍の組織分類

  • 1)表層上皮性・間質性腫瘍 Surface epithelial-stromal tumors
  • 粘液性腫瘍
  • 粘液性腫瘍
  • 類内膜腫瘍
  • 明細胞腫瘍
  • 2)性索間質性腫瘍 Sex cord/stromal tumors
  • 顆粒膜・間質細胞腫瘍
  • セルトリ・間質細胞腫瘍
  • 3)幹細胞腫癌 Germ cell tumors
  • 未分化幹細胞腫瘍
  • 卵黄嚢腫瘍
  • 胎芽性癌
  • 絨毛癌
  • 奇形腫(成熟型、未熟型)
  良性腫瘍 境界悪性腫瘍 悪性腫瘍
表層上皮性

間質性腫瘍
漿液性嚢胞腺腫 漿液性嚢胞性腫瘍,境界悪性[低悪性度腫瘍] 漿液性腺癌[漿液性嚢胞腺癌]
粘液性嚢胞腺腫 粘液性嚢胞性腫瘍(同上) 粘液性腺癌[粘液性嚢胞腺癌]
明細胞腺腫 類内膜腫瘍(同上) 類内膜腺癌
類内膜腺腫 明細胞腫瘍(同上) 明細胞腺癌
腺線維腫(上記の各型) 腺線維腫(上記の各型) 腺癌線維腫(上記の各型)
表在性乳頭腫 表在性乳頭状腫瘍,境界悪性[低悪性度腫瘍] 腺肉腫
    中胚芽性混合腫瘍 [Muller管混合腫瘍] [癌肉腫]
Brenner腫瘍 Brenner腫瘍,境界悪性[増殖性] 悪性Brenner腫瘍
    移行上皮癌
未分化癌
性索間質性腫瘍 莢膜細胞腫 顆粒膜細胞腫 線維肉腫
線維腫 Sertoli-間質細胞腫瘍(中分化型) Sertoli-間質細胞腫瘍(低分化型)
硬化性間質性腫瘍 ステロイド[脂質]細胞腫瘍(分類不能型)  
Sertoli-間質細胞腫瘍(高分化型) ギナンドロブラス卜ーマ
Leydig細胞腫 [門細胞腫]  
輪状細管を伴う性索腫瘍
胚細胞腫瘍 成熟嚢胞性奇形腫(皮様嚢胞腫) 未熟奇形腫(G1,G2) 未分化胚細胞腫
成熟充実性奇形腫 力ルチノイド 卵黄嚢腫瘍(内胚葉洞腫瘍)
卵巣甲状腺腫 甲状腺腫性力ルチノイド 胎芽性癌(胎児性癌)
    多胎芽腫
悪性転化を伴う成熟嚢胞性奇形腫
未熟奇形腫(G3)
その他 非特異的軟部腫瘍 性腺芽腫(純粋型) 癌腫
腺腫様腫瘍   肉腫
  悪性リンパ腫(原発性)
二次性[転移性]腫瘍
(日本産科婦人科学会・日本病理学会編‥卵巣腫瘍取扱い規約.全原出版,1990より)

妊娠に合併した卵巣腫瘍

G10M.154
  • 発生率:全妊娠中の0.5%
  • 病理組織:悪性腫瘍は5%未満で成熟嚢胞性奇形腫が最も多い。
  • 管理:
  • 妊娠10-12週までは胎児の器官形成期であるため手術を施行しない
  • 妊娠14週まで経過観察し消退するようであれば、ルテイン嚢胞であり手術の必要はない。
  • 妊娠14週以降には卵巣を摘出を行う。
  • 以下の場合には、週数によらず手術の適応となる:茎捻転、腫瘍破裂。悪性が疑われる場合。

参考

  • 1. C.産婦人科検査法 9.婦人科疾患のMRI 診断 - 日産婦誌59巻5号
http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5905-113.pdf
  • 2. E.婦人科疾患の診断・治療・管理 8.腫瘍と類腫瘍 - 日産婦誌61巻5号
http://www.jsog.or.jp/PDF/61/6105-165.pdf


CA125」

  [★]

糖鎖抗原125 carbohydrateantigen 125, CA-125
肺癌腫瘍マーカー


概念

  • 肺の腺癌で陽性率が約50%。CA125は漿膜細胞からも産生されるので、漿水診断で良性・悪性を判断できない (SPU.327)
  • 子宮内膜症で陽性となることがある。Re-AFS分類による陽性率は1-2期:30%, 3期:50%, 4期:約75%。(NGY.196)
  • CA125:卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌)、子宮頚癌、子宮体癌
  • ヒト培養卵巣癌細胞に見いだされた抗原
  • 卵巣癌の腫瘍マーカーとして用いられる(陽性率60-80%)
  • 組織型によって陽性率が異なる(漿液性嚢胞腺癌 > 粘液性嚢胞腺癌)
  • 診断、治療効果の評価、再発のモニターなどに有用

CA125が陽性となりうる疾患

基準値

HIM.A-4

  • 0-35 U/ml

基準値の本

  • 男性、閉経後女性:<25 U/ml
  • 閉経前女性:<40 U/ml



CA19-9」

  [★]

糖鎖抗原19-9 carbohydrate antigen 19-9, CA-19-9


基準値

  • 0-37 U/ml (HIM.A-4)

分布

  • 膵管、胆嚢、胆管、胃、気管支、唾液腺、前立腺、結腸、直腸などの上皮細胞上に分布
  • 特に膵管、胆嚢、胆管に多い。

意義

  • 膵管、胆嚢、胆管の腫瘍で高値

婦人科

  • (腫瘍)細胞表面の糖蛋白に結合している糖鎖
  • 癌の血行性転移を促進するらしい
  • 正常の胆管膵管上皮、唾液腺でも発現
  • 早期癌での陽性率は低い。
  • 補助診断、治療再発のモニター

注意

  • 血液型Lea陰性者(日本人の5-10%)では陰性を示す



卵巣癌国際進行期分類」

  [★]

clinical staging of ovarian cancer
卵巣癌



卵巣癌細胞株」

  [★]

ovarian cancer cell line


癌」

  [★]

cancer
悪性腫瘍


種類

  • 癌腫(carcinoma):上皮性
  • 肉腫(sarcoma):間葉系
  • carcinoma:腺癌(adenocarcinma)、扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)、移行上皮癌(transitional cell carcinoma)
  • sarcoma:骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫

Neoplasm Causes Effect
Small cell lung carcinoma ACTH or ACTH-like peptide Cushing’s syndrome
Small cell lung carcinoma and intracranial neoplasms ADH SIADH
Squamous cell lung carcinoma, renal cell carcinoma, breast carcinoma, multiple myeloma, and bone metastasis (lysed bone) PTH-related peptide, TGF-β, TNF-α, IL-1 Hypercalcemia
Renal cell carcinoma, hemangioblastoma Erythropoietin Polycythemia
Thymoma, small cell lung carcinoma Antibodies against presynaptic Ca2+ channels at neuromuscular junction Lambert-Eaton syndrome (muscle weakness)
Leukemias and lymphomas Hyperuricemia due to excess nucleic acid turnover (i.e., cytotoxic therapy) Gout, urate nephropathy
  • 最新癌統計
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/statistics/pub/statistics01.html
●2005年の死亡数が多い部位は順に
  1位 2位 3位 4位 5位  
男性 肝臓 結腸 膵臓 結腸と直腸を合わせた大腸は4位
女性 結腸 肝臓 乳房 結腸と直腸を合わせた大腸は1位
男女計 肝臓 結腸 膵臓 結腸と直腸を合わせた大腸は3位
 
●2001年の罹患数が多い部位は順に
  1位 2位 3位 4位 5位  
男性 結腸 肝臓 前立腺 結腸と直腸を合わせた大腸は2位
女性 乳房*1 結腸 子宮*1 結腸と直腸を合わせた大腸は1位
男女計 結腸 乳房*1 肝臓 結腸と直腸を合わせた大腸は2位
*1上皮内がんを含む。


癌の素因となる遺伝子

HIM.494
Table 79-1 Cancer Predisposition Syndromes and Associated Genes
Syndrome Gene Chromosome Inheritance Tumors
ataxia telangiectasia ATM  11q22-q23 AR breast cancer
autoimmune lymphoproliferative syndrome FAS 10q24 AD lymphomas
FASL 1q23  
Bloom syndrome BLM  15q26.1 AR cancer of all types
Cowden syndrome PTEN  10q23 AD breast, thyroid
familial adenomatous polyposis APC  5q21 AD intestinal adenoma, colorectal cancer
familial melanoma p16INK4  9p21 AD melanoma, pancreatic cancer
familial Wilms tumor WT1  11p13 AD pediatric kidney cancer
hereditary breast/ovarian cancer BRCA1 17q21 AD breast, ovarian, colon, prostate
BRCA2 13q12.3  
hereditary diffuse gastric cancer CDH1  16q22 AD stomach cancers
hereditary multiple exostoses EXT1 8q24 AD exostoses, chondrosarcoma
EXT2 11p11-12  
hereditary prostate cancer HPC1  1q24-25 AD prostate carcinoma
hereditary retinoblastoma RB1  13q14.2 AD retinoblastoma, osteosarcoma
hereditary nonpolyposis colon cancer (HNPCC) MSH2 2p16 AD colon, endometrial, ovarian, stomach, small bowel, ureter carcinoma
MLH1 3p21.3  
MSH6 2p16  
PMS2 7p22  
hereditary papillary renal carcinoma MET  7q31 AD papillary renal tumor
juvenile polyposis SMAD4  18q21 AD gastrointestinal, pancreatic cancers
Li-Fraumeni TP53  17p13.1 AD sarcoma, breast cancer
multiple endocrine neoplasia type 1 MEN1  11q13 AD parathyroid, endocrine, pancreas, and pituitary
multiple endocrine neoplasia type 2a RET  10q11.2 AD medullary thyroid carcinoma, pheochromocytoma
neurofibromatosis type 1 NF1  17q11.2 AD neurofibroma, neurofibrosarcoma, brain tumor
neurofibromatosis type 2 NF2  22q12.2 AD vestibular schwannoma, meningioma, spine
nevoid basal cell carcinoma syndrome (Gorlin's syndrome) PTCH  9q22.3 AD basal cell carcinoma, medulloblastoma, jaw cysts
tuberous sclerosis TSC1 9q34 AD angiofibroma, renal angiomyolipoma
TSC2 16p13.3  
von Hippel–Lindau VHL  3p25-26 AD kidney, cerebellum, pheochromocytoma
癌遺伝子癌抑制遺伝子

癌の危険因子

生活習慣病#生活習慣病などのリスクファクターを改変
疾患 危険因子 防御因子
悪性腫瘍 胃癌 塩辛い食品、喫煙、くん製製品、ニトロソアミン土壌、腸上皮化生Helicobacter pyroli ビタミンC、野菜、果実
食道癌 喫煙飲酒、熱い飲食物 野菜、果実
結腸癌 高脂肪食、肉食、低い身体活動、腸内細菌叢の変化、遺伝(家族性大腸腺腫症)  
肝癌 HBVキャリア・HCVキャリア、アフラトキシン住血吸虫飲酒  
肺癌 喫煙(特に扁平上皮癌)、大気汚染、職業的暴露(石綿(扁平上皮癌悪性中皮腫)、クロム) 野菜、果実
膵癌 高脂肪食喫煙  
口腔癌 喫煙(口唇・舌-パイプ)、ビンロウ樹の実(口腔)、飲酒  
咽頭癌 EBウイルス(上咽頭癌)、飲酒  
喉頭癌 喫煙男性アルコール  
乳癌 高年初産、乳癌の家族歴、肥満、未婚で妊娠回数少ない、無授乳、脂肪の過剰摂取、低年齢初経、高年齢閉経 母乳授乳
子宮頚癌 初交年齢若い、早婚、多産、性交回数が多い(売春)、貧困、不潔]、HSV-2HPV流産、人工妊娠中絶回数が多い  
子宮体癌 肥満糖尿病ピルエストロゲン常用、未婚、妊娠回数少ない、乳癌後のタモキシフエン内服  
膀胱癌 喫煙鎮痛剤乱用、ビルハルツ住血吸虫サッカリン防腐剤  
皮膚癌 日光(紫外線)、ヒ素(Bowen病)  
白血病 放射線ベンゼン、地域集積性(ATL)、ダウン症(小児白血病)  
骨腫瘍 電離放射線  
甲状腺癌 ヨード欠乏または過剰  



卵巣」

  [★]

ovary
ovarium
子宮


解剖

卵巣の固定

  • 卵巣提索:卵巣の上端と骨盤側壁を結ぶ。卵巣動脈、卵巣静脈、リンパ管、腹大動脈自律神経叢からの自律神経が通る
  • 固有卵巣索

卵巣の上皮

  • 腹膜には覆われず、胚上皮(表層上皮)に覆われている。

血管

重量

  • 閉経前後に卵巣重量が低下する

疾患 (NGY.201)

発生 L.307



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