- 英
- thalassemia
- 同
- 地中海性貧血 Mediterranean貧血症 Mediterranean anemia、サラセミア症候群 thalassemia syndrome
- 関
- 重症型サラセミア、軽症型サラセミア、クーリー貧血
概念
- ヘモグロビンの量的な異常による。
- ヘモグロビンを構成するグロビン鎖の合成障害により特定のグロビン鎖の合成が抑制されて発症する先天性溶血性貧血
疫学
- 参考1
- 九州大などの地域限定の新生児臍帯血スクリーニング調査報告によればサラセミアの発症頻度は0.1%
- 九州や西日本に多い。
- IMD
- 地中海沿岸地域、アフリカ全土、東南アジアなどに多い。
- 日本ではβサラセミアは1,000人に1人の頻度、αサラセミアはそれより頻度が低い。
病型
病因による分類
- αサラセミア:α鎖グロビンの産生低下:HbBart's(γ鎖4量体)、HbH((β鎖4量体)
- βサラセミア:β鎖グロビンの産生低下:HbA2(α鎖2量体/γ鎖2量体)、HbF((α鎖2量体/δ鎖2量体)
- δβサラセミア:
- ヘモグロビン構造変異型
遺伝子型による分類
臨床症状による分類
βサラセミア
- 重症型 thalassemia major: 輸血依存
- 中等症型 thalassemia intermedia: 中等度
- 軽症型 thalassemia minor: 無症候、キャリアー
病態
- 産生抑制されたグロビン鎖の代わりに、抑制されていないグロビン鎖が過剰に産生され、赤血球・赤芽球内に変性沈殿。これらが網内系で破壊される → 溶血
- 代償的な赤血球の産生が増加、および骨髄内での無効造血の増加によりさらに骨髄での赤血球産生が高まり骨変形を来す。
症候
- 貧血:皮膚・粘膜が蒼白。
- 溶血・無効造血:黄疸、肝脾腫、骨変化(サラセミア顔貌)、病的骨折、精神および身体の発育障害。
- 二次的変化:Fe過剰による皮膚色素沈着、感染症による下腿潰瘍、扁桃炎、胆道感染など。
検査
- 血漿鉄交代率 PIT:低下
- PIDT1/2:低下 ← 鉄の代謝回転が早い。投与した59Feは赤芽球に取り込まれても、無構造血により再び末梢に出現するため、血清からの消失速度が低下する?
- %RCU:低下 ← 赤血球鉄利用率のことで、投与した59Feが赤血球中にヘム鉄として取り込まれるかどうかをみる。無構造血により骨髄などに59Feが分散して%RCUが低下する。
治療
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/645
OMIM
- 1. ALPHA-THALASSEMIA/MENTAL RETARDATION SYNDROME, CHROMOSOME 16-RELATED
- Gene map locus 16pter-p13.3
- http://omim.org/entry/141750
- 2. ALPHA-THALASSEMIA/MENTAL RETARDATION SYNDROME, X-LINKED; ATRX
- Gene map locus Xq13
- http://omim.org/entry/301040
- http://omim.org/entry/613985
uptodate
- 1. [charged] サラセミアの臨床症状および診断 - uptodate [1]
- 2. [charged] αサラセミアの病態生理 - uptodate [2]
- 3. [charged] βサラセミアの病態生理 - uptodate [3]
- 4. [charged] βサラセミアの治療 - uptodate [4]
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/11 15:39:15」(JST)
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サラセミア(thalassemia)は、ヘモグロビンを構成するグロビン遺伝子の異状による貧血である。地中海沿岸に多いので地中海貧血、地中海性貧血とも言う。
目次
- 1 病態
- 2 分類
- 3 原因
- 4 統計
- 5 症状
- 6 合併症
- 7 検査
- 8 治療
- 9 予後
- 10 診療科
- 11 歴史
- 12 各国において
- 13 外部リンク
病態
グロビン蛋白の異常によって正常な赤血球が作られず貧血になる。異常なヘモグロビンを持つ赤血球は脾臓で次々と破壊される。赤血球が脾臓で破壊されることを血管外溶血と言う。標的赤血球と呼ばれる特徴的な赤血球が見られる。
分類
ヘモグロビンは、ポリペプチド鎖であるα鎖グロビン2分子とβ鎖グロビン2分子が結合した四量体(tetramer)にヘム(鉄錯体)が加わったものである。サラセミアは、αグロビン/βグロビンのいずれの鎖が生成できないかで分類される。
- αサラセミア : α鎖が正常に生成できない場合。16番遺伝子の2箇所が原因となる。アフリカ出身者に多く見られる。
- βサラセミア : β鎖が正常に生成できない場合。11番遺伝子の1箇所が原因となる。地中海東部の国と東南アジアに多く見られる。ギリシャのサラセミア・キャリアは全人口の7.5%に及ぶといわれる。
原因
ヘモグロビン蛋白を構成しているα鎖あるいはβ鎖をコードする遺伝子の異状により、蛋白がうまく生成できない疾患。
統計
症状
異常ヘモグロビンにより貧血を来たす。血管外溶血により黄疸や脾腫を呈する。
合併症
検査
- 血液検査
- 血清生化学検査
- 血清鉄とフェリチンの増加。
- ヘモグロビンA2増加
- 末梢血塗沫染色標本検査
- 小球性低色素性貧血が認められる。赤血球の真ん中の窪みに膨らみが出来て、濃淡濃の縞模様が見られる。この同心円状の縞模様が標的に見える事から標的赤血球(target cell)と言う。
- thalassemia index
- MCV / RBC x 106 ≦13 であればサラセミアが強く疑われる。[1]
治療
対症療法として輸血を行い、鉄の臓器過剰沈着に対し鉄キレート剤を投与する。重症例には骨髄移植を行う場合がある。
予後
重症型は予後不良で30歳までに心不全などにより死亡する。
診療科
血液内科
歴史
1925年、クーリー(Cooley)とリー(Lee)によって病態の診断が確定される。当初はクーリー貧血と呼ばれたが、地中海沿岸地域に多発しているため、ギリシア語の海を表すΘαλασσα(Thalassa)から、サラセミア(Thalassemia)と名づけられた。ただし、地中海特有というわけではなく、世界中、特にマラリア多発地域において散見される。
各国において
地中海沿岸
発症頻度が高い。遺伝子異常の種類によって軽症から重症まで様々あり、地域性も異なる。
日本
スクリーニングを含めた研究プロジェクトで、サラセミアは日本人にも決して少なくないことが明らかとなった。日本人のβサラセミア(日本人の700~1000人に1人の頻度)の8割は8種類の変異のどれかであり、しかも変異によってかなり地域的に偏ることがわかった。
外部リンク
- 血色素異常の遺伝子分析」
- 溶血性地中海貧血-難病のため、生きるために壁土を食べた少年
- 遺伝性の貧血
- 地中海貧血症「概要」
|
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- ^ DeLoughery TG. Microcytic Anemia. N Engl J Med 2014; 371:1324-1331. DOI: 10.1056/NEJMra1215361
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Japanese Journal
- サラセミアの遺伝子治療が明らかにした造血幹細胞のクローン性増殖メカニズム (AYUMI 最先端の遺伝子治療)
- 在日アジア(マレーシア)人家族に検出された欠損型β^0-サラセミアの一例
Related Links
- サラセミア. 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』. 移動: 案内, 検索. サラセミア(thalassemia)は、ヘモグロビンを構成するグロビン遺伝子の異状 による貧血である。地中海沿岸に多いので地中海貧血、地中海性貧血とも言う。 ...
- サラセミアは,ヘモグロビン合成障害を特徴とする先天性小球性溶血性貧血の一群である 。サラセミアは,地中海,アフリカ,東南アジアに祖先をもつ人に特に一般的である。 症状と徴候は,貧血,溶血,脾腫,骨髄過形成,および,輸血を複数回経験している ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 49歳の女性。貧血を指摘され来院した。若いころから立ちくらみとめまいとを感じている。6人の同胞のうち姉と弟とが以前から貧血を指摘されている。脾を左肋骨弓下に3cm触知する。血液所見:赤血球443万、Hb8.7g/dl、Ht27%、網赤血球19‰、ヘモグロビンF6.6%(基準2以下)、ヘモグロビンA2 8.9%(基準1.2~3.5)、白血球4,600(桿状核好中球4%、分葉核好中球53%、単球1%、リンパ球42%)、血小板29万、総鉄結合能(TIBC)290μg/dl(基準290~390)、血清生化学所見:フェリチン95ng/ml(基準20~120)、Fe100μg/dl、末梢血塗抹May-Giemsa染色標本を以下に示す。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100F035]←[国試_100]→[100F037]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096H035]←[国試_096]→[096H037]
[★]
- 54歳の男性。半年前からの労作時の息切れを主訴に来院した。眼瞼結膜に貧血を認める。血液所見: 赤血球 130万、Hb 5.2g/dl、Ht 17%、網赤血球 1.2%
- 考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [104G048]←[国試_104]→[104G050]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103B038]←[国試_103]→[103B040]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097B035]←[国試_097]→[097B037]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [098H038]←[国試_098]→[098H040]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [113D013]←[国試_113]→[113D015]
[★]
- 吸引で骨髄血を採取できない(dry tap)のはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099D094]←[国試_099]→[099D096]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [111I035]←[国試_111]→[111I037]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- 英
- hereditary disease
- 関
- 先天性疾患
- 世代を通じて配偶子に伝えられる疾患。家族性発生をみる。
- 遺伝性疾患は必ずしも先天性疾患ではない。
- 例:Huntington病
遺伝性疾患
常染色体優性遺伝
常染色体劣性遺伝
伴性劣性遺伝
伴性優性遺伝
[★]
- parvo
- 英
- parvovirus B19
- 同
- human parbovirus B19, B19 virus、ヒトパルボウイルスB19、B19型ヒトパルボウイルス
- ヒトに感染するパルボウイルスを特にヒトパルボウイルスと呼ぶが、本wikiではヒト以外のウイルスについては対象外。
- 関
- ウイルス
- first aid step1 2006 p.151,152,154,299
ウイルス学
- エンベロープ無し
- DNAウイルス最小
- 赤血球系前駆細胞で増殖。
潜伏期間
感染経路
疫学
- 成人の40%が既感染
- 4-5年ごとに流行
- 春に多い
感染症
症状
- SMB.541-542
- 伝染性紅斑
- 急性熱性疾患
- 関節炎
- 成人の伝染性紅斑では関節痛を伴う2-4週間継続する関節炎を呈する。
- 免疫複合体の形成が原因
- 妊婦の感染→胎児の感染→肝臓での造血能低下→重症の貧血→胎児水腫(非免疫性胎児水腫)、流産、死産
- 経胎盤感染による感染率33%。胎児死亡の危険率は9%
合併症
経過
- 骨髄機能は10-14日で回復 → 症状は出ない。
治療
検査
予防
参考
- http://en.wikipedia.org/wiki/Parvovirus_B19
- 同
- HPV-B19
[★]
- 英
- sideroblastic anemia SA
- ラ
- anemia sideroblastica
- 同
- 鉄不応性貧血 sideroachrestic anemia
- 関
- 環状鉄芽球、貧血、続発性鉄芽球性貧血
概念
- ヘム合成障害による無効造血によって貧血を来す症候群
病因
検査
- (根拠無き解釈)骨髄では鉄が赤芽球に取り込まれてはアポトーシスに至り無効造血が続いており、鉄の需要はない。このため、末梢血中の鉄は使用されないため増加、また網内系の貯蔵鉄も使用されないまま蓄積するので血清フェリチンが増加する。総鉄結合能はトランスフェリンの全体量は変化せず不変。骨髄ではなんとか赤血球を作ろうと、過形成となっており、赤芽球が著明にみられる。
血液検査
- 血清鉄:増加
- 血清不飽和鉄結合能:減少 ← 要するに鉄で飽和してしまったと言うこと
- 血清フェリチン:増加
骨髄
- 環状鉄芽球:核周の1/3以上に鉄顆粒が配列。ミトコンドリアへの鉄の沈着。ミトコンドリアは核周囲に分布
[★]
- 英
- ineffective erythropoiesis
- 関
- [[]]
まとめ
- 骨髄内で造血が亢進しているものの、末梢に出現する前に細胞死が生じている病態であり、サラセミア、巨赤芽球性貧血、鉄芽球性貧血、骨髄異形成症候群などでみられる。検査上、細胞死に至った細胞からの鉄の漏出による血清鉄の上昇、これにともない不飽和鉄結合能の低下がみられる。
定義
- 血球前駆細胞が成熟血球に分化する過程で細胞死が生じている病態を指す。
- 骨髄所見と末梢血所見に乖離がみられ、骨髄中の細胞は十分に存在するが、末梢血では血球減少を示す
検査
無効造血を呈する疾患
- サラセミア:赤芽球系の細胞の内に異常ヘモグロビンが沈殿することによる?
- 巨赤芽球性貧血:全ての血球において、核酸合成が十分に行われず細胞質分裂が起こりにくくなっているため核が巨大化?
- 鉄芽球性貧血:ヘムの合成異常。原因は多様
[★]
- 英
- hemoglobinopathy, abnormal hemoglobin disease
- 同
- ヘモグロビノパシー、異常血色素症
- グロビン自体の蛋白質のしての質的異常により引き起こされる異常 ⇔ グロビンの量的なバランスの異常により引き起こされるのはサラセミアであろう。
分類
- IMD.960
- Hb Geneva , β鎖
- Hb Hammersmith , β鎖
- Hb Tochigi , β鎖
- Hb Bristol , β鎖
- Hb Mizuno , β鎖
- Hb Koln , β鎖*低酸素親和性ヘモグロビン症
- Hb Kansas
- Hb Yoshizuka
- Hb Rahere
- Hb Province
- Hb Chesapeake
- Hb SanDiego
- Hb Hiroshima
- Hb M Boston
- Hb M Iwate
- Hb M Saskatoon
- Hb M Hyde Park
症状
[★]
- 英
- thalassemia major、thalassaemia major
- 同
- 大サラセミア
- 関
- 地中海貧血症、β地中海貧血症、軽症型サラセミア、クーリー貧血
- サラセミア、軽症型サラセミア、中間型サラセミア
[★]
- 英
- beta-thalassemia, beta thalassemia, β-thalassemia, β thalassemia .beta-thalassaemia
- 同
- β-サラセミア、ベータサラセミア
- 関
- β地中海貧血症、サラセミア
[★]
- 英
- beta-thalassemia minor, beta thalassemia minor, β-thalassemia minor, β thalassemia minor .beta-thalassaemia minor
- 関
- βサラセミア
[★]
- 英
- beta-thalassemia major, beta thalassemia major, β-thalassemia major, β thalassemia major .beta-thalassaemia major
- 関
- βサラセミア
[★]
- 英
- thalassemia-like syndrome
[★]
- 英
- semi
- 関
- 準、半