慢性腎不全
- 英
- chronic renal failure, CRF
- 関
- 腎不全、急性腎不全
概念
- 数ヶ月から数十年に及ぶ緩徐な経過で腎機能障害が進行し、末期腎不全に至る不可逆的疾患。
- 濾過される原尿の量が減少するので、血液中の不要物を排泄したり、電解質・水分の調節能が低下する。
定義 (日本人腎臓学会 CKD診断ガイド)
- 1.-2.のいずれか、または両方が3ヶ月以上持続する。
- 1. 尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか。特に尿蛋白が存在
- 2. GFR < 60 ml/min/1.73m3
病態
- カリウム↑:GFR低下によりカリウム分泌が不十分となる。
- リン↑:近位尿細管での排泄障害(YN.E-25)?、酸分泌障害?
- カルシウム↓:尿細管機能低下???により、PTHの作用を受けて遠位尿細管で再吸収されるべきカルシウムが排泄される。
- 尿細管での再吸収不全、1,25-dihydroxy-vitamin D3不足により腸管からのCa吸収低下、無機リン増加によりカルシウムの減少([Ca][P]積が一定になるように保たれているらしい)、骨のPTHに対する感受性低下???(なぜ?)
慢性腎不全におけるカルシウムリン代謝
- PRE.355
- 上記の病態と矛盾する点があり。
- 慢性腎不全においては、上記の通りカルシウムの吸収が低下するため、二次性の副甲状腺機能亢進症となっている。このため、慢性に骨よりカルシウムとリン酸が動員される。このため嚢胞性線維性骨炎 osteitis fibrosa cysticaを呈する。
- 転移性石灰化 metastatic calcification(=異所性石灰化症)も生じる。リン酸カルシウムの結晶が血管外に形成され、血管壁、軟部組織、内臓に蓄積する。この病態は血清のカルシウムリン積が60-70を越える時に起こりやすい。
- 慢性腎不全における過剰のPTHは次の状態を引き起こす:(1)比較的高値な血清カルシウム(高リン酸血症と活性ビタミンD3欠乏があるにもかかわらず!)、(2)高リン酸血症(骨からのリン酸の動員にもかかわらず、腎で排泄しきれないため)。
症状
- 脳 :不眠、意識障害、麻痺
- 眼 :眼底出血、視力低下
- 口 :アンモニア臭
- 心臓:心膜炎、心筋症、心タンポナーデ
- 肺 :呼吸困難、咳、血痰
- 胃腸:嘔気、食欲低下、潰瘍
- 腎臓:
尿量減少?尿濃縮能障害、等張尿(多尿、夜間尿) - 血管:高血圧、動脈硬化
- 血液:貧血、高カリウム血症
- 末梢神経:感覚異常
- 皮膚:掻痒感
- 骨:腎性骨異形成症
検査
血液検査
- 電解質:Na↑、K↑、P↑、Ca↓、Mg↑、代謝性アシドーシス
- BUN↑、Cr↑
- UA↑
治療
- 糸球体高血圧
- 腎性貧血
- エリスロポエチン
- 高窒素血症
- 経口吸着用炭素製剤。腸肝循環中で窒素化合物を吸着
- 高リン血症(腎臓の間質に石灰化を引き起こしうる)
- 炭酸カルシウム製剤などのリン吸着薬。消化管の中で不溶性の塩を形成