低カルシウム血症
- 英
- hypocalcemia
- 同
- 低Ca血症
- 関
- カルシウム
- 血清カルシウム:8.0 mg/dl以下
病態生理
- 低カルシウム血症 → 2価陽イオンによる膜安定効果が消失(遮蔽効果↓、結合効果↓) → 細胞膜の脱分極傾向 (SP.99)
病因
- 原発性副甲状腺機能低下症(PTHの分泌低下)DiGeorge症候群、自己免疫性
- 副甲状腺ホルモン受容体異常
- 高リン血症
- 腎不全→高リン血症→相対的低Ca血症
- ビタミンDの欠乏:腎不全→活性型にする酵素は腎臓にあるので活性化されない。
- 過換気症候群:呼吸性アルカローシスにより一過性に低カルシウム血症をきたしうる。
新生児
- QB.O-84
- 未熟児、母体糖尿病児、帝王切開児に多い
心電図パーフェクトマニュアル.221
症候
急性症状
- 参考1
- 眼:乳頭浮腫
神経・筋の易刺激性(テタニー)
- 感覚異常(口・四肢)、筋痙攣、手・足の攣縮(carpopedal spasm)、トルソー徴候(手の症状)、クヴォステク徴候(顔面神経の)、てんかん発作、喉頭痙攣、気管支痙攣
- 心臓:QT延長、低血圧、心不全、不整脈 ← 心収縮力低下
慢性症状
- 参考1
- 異所性石灰化(大脳基底核) ← P優位なCa・P積の上昇
- 錐体外路症状
- パーキンソン症候群
- 認知症
- 嚢下白内障(subcapsular cataract)
- 歯牙異常
- 皮膚乾燥
テタニー
- 参考1
- 低カルシウム血症により末梢神経・筋肉の易刺激性亢進。EMG上、1つの刺激で高頻度の放電が見られる。テタニーはイオン化Ca 4.3mg/dL、カルシウム7.0-7.5 mg/dL未満で起こるのが一般的。テタニーは慢性腎不全(低カルシウム血症+代謝性アシドーシス)では稀
- 最初は口の周りあるいは末梢の錯感覚(paresthesia)ではじまる。ぎこちなさとこわばり、筋痛、および筋攣縮・筋痙攣を呈する。呼吸筋と舌の攣縮はチアノーゼを起こしうる。自律神経の症状は発汗、期間攣縮、胆道疝痛 biliary colicを含む。 ← オッディ括約筋が収縮して腹痛を生じるらしい(080A040)
検査
- Chvostek徴候;耳介の前方、顎関節の上の部分をハンマーで軽くたたくと顔面筋と眼輪筋の痙攣が起こる。
- Trousseau徴候;上肢の血圧計マンシェットを巻き、収縮期と拡張期の中間血圧で1~2分圧迫すると上肢の筋の攣縮により、手首と親指が屈曲し他の手指は伸展して手掌が凹む。
心電図
- QT延長 → 心室細動リスク
- QTの延長はSTの延長による。T波の幅は変えないので、心房全体の再分極相の不均一化は起こりにくい。だからQT延長で多形性心室頻拍が起こることは少ないらしい(心電図の読み方 p.221-223)。
- STの延長 = 2相(プラトー相) 絶対不応期と考えられる。
- T波 = 3相 受攻期 相対不応期にあたる。ここが延長しなければ不整脈のリスクは高くないということか・・・ほんと?
- QRS幅の拡大は伴わない
治療
- グルコン酸カルシウム、活性型ビタミンD
腎臓内科レジデントマニュアル p.47
- 軽症:補正Ca>8mg/dL
- 食事あるいはサプリメントでのカルシウム経口摂取 1日1000mg以上
- 無症候性で中等度(補正Ca濃度<8mg/dL)の場合
- 炭酸カルシウム 3-6g
- ビタミンD製剤:アルファカルシドール、ロカルトロール(アルファカルシドールの半量でよい)
- アルファカルシドール 2-6μg/日 特発性副甲状腺機能低下症
- アルファカルシドール 1-3μg/日 偽性副甲状腺機能低下症
- →尿Ca/Cre比が0.3g/gCreを越えないように注意する
- 高度(補正Ca濃度<7mg/dL)の場合
参考
- 1. [charged]Clinical manifestations of hypocalcemia - uptodate [1]