- 英
- enteruria, fecaluria
- 関
- 屎尿、混濁尿、膀胱直腸瘻
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屎尿(しにょう)とは、人間の大小便を合わせた呼び方で、主に工学、行政、法律分野で使われる。「屎」が常用漢字に含まれていないため、し尿と表記することが多い。
現代では無価値な廃棄物として、また不衛生で汚いもののイメージが定着しているが、近世以前では、肥料(有機質肥料)として、長屋などで汲みとられ有価で取引される金肥(きんぴ)という商品であった。こういった肥料としての使われ方は、古代ギリシャのアテネでは一般的に行われていた[1]。
概要
屎(し)は食べた米が排泄されたものとして大便を、尿(にょう)は飲んだ水が排泄されたものとして小便を示す文字で、殷代の甲骨文字に起源し、『古事記』や『万葉集』にも登場していて、人間の排泄物と家畜などのそれとを屎と糞の字で区別する傾向も見られる(あえて人糞と表記するなど)。
現代日本では屎の文字を単独で使用することはなく、主に「大便」が使われる(この文章中でもそのようにしている)。
- 英語
- 外国のトイレの事情から土を被っていることが多く、そこから night soil という呼び名になったという説や、Gong farmer(英語版)(別名:nightmen)という糞尿回収作業者が収集するのが夜であったことから付けられたという説がある。近代では、 night soil という呼び名はせず fecal sludge という呼び名が一般的である。
利用法
屎尿は東アジア(中国東部、朝鮮半島、日本)で肥料(下肥)として農地還元される文化があり、日本では江戸時代後期に都市部と農村の間に流通経路が確立したという。江戸の場合、堆肥の元となる里山が多かった西側(多摩)では需要が薄く、逆に低湿地が多く舟運に適した東側(葛西)で利用が進んだという。肥料としての屎尿は肥料の三要素におけるN(窒素)が過剰であるため葉物野菜の栽培に適し、現在の東京特産である小松菜の栽培にも多用されたと考えられる。化学肥料が安価で大量に生産され始めた1950年代まで、屎尿は主要な肥料であった。当時は、新聞の廃品回収の様に有料で農家が買い取っていた。
下記の輸送に詳細するが、旧武蔵野鉄道(現在の西武鉄道)には、東長崎駅と江古田駅の中間に長江駅と云う貨物駅(西武百貨店の配送所)が在り、都内で集められた屎尿を貨車積みして、多摩地区や狭山地区の農家へ届ける為に輸送をしていて、黄金列車と呼ばれていた。(西武鉄道特集号の鉄道雑誌各書「鉄道ピクトリアル、鉄道ジャーナル、鉄道ファン、レイルマガジン」。)
衛生面から見ると、大便中には寄生虫卵や大腸菌など病原体が含まれ、リスクがある。一方、尿は腎臓で濾過されるため排泄時は無菌であり、それらのリスクは低く、しかも尿素(窒素)とリンを多く含んでおり使いやすい。いずれにしろ、こうした屎尿の処理システムの存在は、十分な屎尿処理ができず度々ペストなどの疫病が蔓延した同時代のヨーロッパの都市に対し、江戸が大きな疫病もなく長期にわたり繁栄した理由の一つであった。
回収・輸送
江戸の下肥は屎尿を混合していたが、京と大坂では両者を分け、売却も別だったという。現在、発展途上国向けに主に公衆衛生改善策として伝染病リスクの少ない便所を広める運動があり、そこでも大便は分割貯留し、尿を作物に施肥する方策を採っている。
- 舟で運ばれたことも相まってか、屎尿を水で薄め嵩増しする行為が横行していたという。農家は貴重な下肥の品質を確認するため、時には舐めて味を見たといい、これは屎尿中の塩分が川水で薄められていないか調べたものと推測される。現在のし尿処理施設でも塩化物イオン濃度を測定して、処理負荷などをコントロールする目安としている。
- 汚水・排水
- 汚物車・バキュームカー
- 鉄道による糞尿輸送
廃棄物
日本で屎尿を廃棄物として規定したのは、1900年(明治33年)に公布された汚物掃除法からである。ただしこれは、公衆衛生が目的であり、有価物としての売却は続いていた。
しかし、大正期に入ると経済成長が労賃高騰を招き、農村還元(都市部で発生した屎尿を農地へ運搬・施肥する)が経済的に引き合わなくなって行く。さらに即効性が高く施肥も効率的な硫安(化学肥料)が食糧増産への国策として奨励された事もあり、ついにサイクルは崩れ、大正期半ば以降は収集料を住民が負担し、屎尿収集とその処理を地方行政が担う現代の姿となった。
現在では廃棄物処理法における一般廃棄物に該当し、汚泥、ふん尿の区分に該当する。
出典
- ^ Durant, Will, The Life of Greece, PP. 269
関連項目
UpToDate Contents
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…are: Persons in contact with farm animals ; Individuals living downwind from farms and contaminated manure, straw, or dust ; Laboratory personnel working with C. burnetii; Abattoir workers; Occupational …
- 2. 有機食品と小児organic foods and children [show details]
…or may not. Organic fertilizers (typically manure) must be converted to soluble mineral salts by soil bacteria before they can be utilized by plants . Manure breakdown cannot be synchronized with crop …
- 3. ロドコッカス・エクイ感染症の微生物学、疫学、発症機序因microbiology epidemiology and pathogenesis of rhodococcus equi infections [show details]
…Exposure to soil contaminated with herbivore manure is likely the major route of acquisition for both animal and human infection. Contact with farm animals or manure has been reported in 32 to 50 percent of …
- 4. Q熱による心内膜炎q fever endocarditis [show details]
…(eg, persons in contact with farm animals; individuals living downwind from farms and contaminated manure, straw, or dust; laboratory personnel working with C. burnetii; abattoir workers) and who present …
- 5. その他の線虫miscellaneous nematodes [show details]
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Japanese Journal
- シラス、シラスバルーン、微生物を活用した畜産農家の悪臭糞尿処理促進剤開発
- 肉用牛繁殖経営における放牧の現状と課題—茨城県A町の事例から—
- 山野 はるか,吉田 詞温,汪 斐然,清水 みゆき,小泉 聖一,小林 信一
- 日本畜産学会報 92(4), 519-527, 2021
- … であったが,繁殖牛のみ,季節放牧を繁殖牛1頭あたり30 a未満の放牧用地で放牧している経営が大半を占めた.飼養頭数に対する放牧面積が不十分であり,放牧用地が自宅や牛舎から遠い経営が多かった.糞尿処理の省力化や発情発見のしやすさが放牧導入の目的である経営が多かった一方で,給餌・給水などの飼養管理が負担であると回答した経営は4割に上った.放牧の課題は,家畜の移動や観察,飼料や水の運 …
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- 日本のOECD農地の窒素収支の改善方策と耕畜連携の推進方向
- 江口 定夫,森 昭憲,澤本 卓治,浅井 真康,寳示戸 雅之,堤 道生,菅野 勉,赤松 佑紀,郷内 武,朝田 景,糟谷 真宏
- 日本土壌肥料学雑誌 92(3), 280-288, 2021
- NAID 130008052443
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- …人間が排泄(はいせつ)する大便と小便を屎尿または糞尿と呼んでおり,これを処理することを屎尿処理という。もともとは人間の住む近くの環境に排泄し,自然の浄化力にまかせていたのであるが,人口密度が大きくなると環境衛生上そのようなことができなくなり,屎尿を収集するように ...
- だから「人間の糞尿 =危ない」、というイメージが私の中ではあります。 実際に畑の肥料として現代人の糞尿を利用したことがあって、その時は野菜が全滅して、しばらくの間畑が機能しなかったそうです。 こういう話を聞くと ...
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臨床関連
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