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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/02 23:26:23」(JST)
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培養細胞(ばいようさいぼう)は多細胞生物に於いて、人為的に生体外で培養されている細胞のこと。細胞を培養することを細胞培養という。通常は動物細胞の培養のことを指す。植物ではプロトプラスト培養やカルス培養等、さらに細分化して記述する。また、植物では、葉や葯など器官そのものを培養する器官培養(組織培養:tissue culture)が一般的であり、細胞を単離して培養することは少ない。下記は主に動物の細胞培養の特徴であり、植物の培養には当てはまらない事が多い。
生体から取り出して、最初の植え替えを行うまでの培養は初代培養と呼ばれる。初代培養細胞は、生体内での細胞の性質が比較的よく保たれているが、細胞の純度、性質などがもとの生物の状態や実験条件に左右されるため、均一な条件を整えるのは困難である。既存の培養あるいはその一部を新しい培地を含む培養容器に移し替えて増殖、維持するものを継代培養(英:subculture)と呼ぶ。長期間にわたって、体外で維持され、一定の安定した性質をもつに至った細胞は、細胞株と呼ばれる。様々な生物種の様々な組織に由来する細胞株が存在する。同一の組織あるいは細胞に由来するものから同一の細胞株が得られるわけではない。また、同じ細胞株であっても異なる施設の細胞株とは性質が異なることがある。
これらは、生物学、特に分子生物学や生化学、細胞生物学において in vitro 実験系として広く用いられる。動物実験の縮小のため、動物個体を用いた実験をできるだけ培養細胞で代替しようとする流れがある。しかし、培養条件下では生体内での生理的条件から離れてしまい、また継代するうちに異常染色体などが生じることから、得られた実験結果は元の生物と全く同じに扱うことはできない。利点としては遺伝子導入や RNAi が容易に行えること、凍結により保存可能なことなどがある。
有名な培養細胞株
Vero細胞の位相差顕微鏡写真(緑色光源下で撮影)
名称 - 由来 - 用途
- CHO - チャイニーズハムスター卵巣
- HEK293 - ヒト胎児腎臓 - アデノウイルス系ベクターのパッケージング
- HL-60 - ヒト白血病細胞由来
- HeLa - ヒト子宮頸癌由来
- MDCK - イヌの腎臓上皮 - 上皮の細胞生物学
- NIH3T3 - マウス胎児の皮膚
- PC12 - ラット副腎髄質 - 神経細胞分化
- S2 - ショウジョウバエ - 組み替え蛋白質発現
- Sf9 - Spodoptera frugiperda (蛾)- 組み替え蛋白質発現
- Vero - アフリカミドリザル腎臓 - ウイルス感染実験、ベロ毒素活性測定
関連項目
参考文献
- 許南浩編 『細胞培養なるほどQ&A』 羊土社 2004年 ISBN 4897068789
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Japanese Journal
- ヒト培養細胞由来と酵母由来遺伝子組換えB型肝炎ワクチンの効果 の比較
- 田代 隆良,田中 千明,疋田 桂子 [他],緒方 優衣,西崎 仁美,田代 将人,石松 祐二,泉川 公一
- 保健学研究 27(1), 21-27, 2015-01
- … 原とHBs抗体を検査した.HBs抗原陽性率は0.10%(2000 ~ 2004年0.27%,2005 ~ 2013年0.0%),HBs抗体陽性率は1.80%(2000 ~ 2004年1.08%,2005 ~ 2013年2.22%)だった.HBs抗原・HBs抗体とも陰性だった970名に対しヒト培養細胞由来遺伝子組換え沈降 B 型肝炎ワクチン「明乳」(Mワクチン)または酵母由来遺伝子組換え沈降 B 型肝炎ワクチン「ビームゲン」(B ワクチン)を接種した.ワクチン接種後のHBs抗体獲得率は,Mワクチン …
- NAID 110009873245
- 固相免疫測定を目的とした融合タンパク質試薬の設計とヒト培養細胞による生産プロセスの最適化
- 林 浩之輔,友添 祐介,永井 賢治,松葉 恭一,三ツ森 正之,平石 佳之,松村 外志張,上田 宏,神谷 典穂
- 化学工学論文集 41(1), 38-42, 2015
- … (IPP)を選択し,抗体結合性タンパク質としてStaphylococcus aureus由来のprotein AおよびStreptococcus由来のprotein Gの抗体結合ドメイン(PG)を用いた.それらの遺伝子を組換えたプラスミドベクターを構築し,ヒト培養細胞に形質転換して,一過性発現によりIPPとPGの融合タンパク質を得た.得られた融合タンパク質は,ウェスタンブロッティングや免疫組織化学法において,従来型の酵素–抗体結合性タンパク質複合体と同等 …
- NAID 130004855805
- 肉腫のプロテオーム解析 (第1土曜特集 臨床プロテオミクス) -- (プロテオーム解析による疾患研究)
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- 栄養・生化学辞典 培養細胞の用語解説 - 細胞を生体外で生きた状態に維持しているもの.増殖させることができて,次々に新しい細胞を作れるものから,初代培養細胞といって,生体から取り出して,増殖させることなく生存している ...
- 「培養細胞」に関連する人気のQ&Aのランキング。みんなが知りたい「培養細胞」にまつわる質問・疑問のおすすめをまとめています。気になる1位のQ&Aは…?
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組織培養不活化狂犬病ワクチン
組成
製法の概要
- 本剤は、ニワトリ胚初代培養細胞に馴化した狂犬病ウイルス(HEP Flury株)を、伝染性の疾患に感染していない鶏群(SPF鶏)から採取した発育鶏卵のニワトリ胚初代培養細胞で増殖させ、得たウイルスをベータープロピオラクトン0.02vol%で不活化し、濃縮・精製し、安定剤を加え分注した後、凍結乾燥したものである。
- 細胞の培養に用いる培養液TCM-199には、抗生物質として1mL中カナマイシン硫酸塩を100μg(力価)及びエリスロマイシンラクトビオン酸塩を30μg(力価)含む。また着色剤としてフェノールレッドを6μg含有する。
- なお、本剤は製造工程でウシの血液由来成分(血清)、ウシの乳由来成分(ラクトアルブミン、エリスロマイシンラクトビオン酸塩)、ブタの膵臓由来成分(トリプシン)を使用している。
組成
- 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)全量で溶解した液剤1mL中に次の成分を含有する。
有効成分
不活化狂犬病ウイルス(HEP Flury株)
添加物
乳糖水和物
添加物
L-グルタミン酸ナトリウム
添加物
ゼラチン
添加物
塩化ナトリウム
添加物
リン酸水素ナトリウム水和物
添加物
リン酸二水素カリウム
禁忌
(予防接種を受けることが適当でない者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
- 明らかな発熱を呈している者
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
- 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
- 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
効能または効果
- 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)の全量で溶解し、次のとおり使用する。
暴露前免疫
- 1.0mLを1回量として、4週間隔で2回皮下注射し、更に、6〜12箇月後1.0mLを追加する。
暴露後免疫
- 1.0mLを1回量として、その第1回目を0日とし、以降3、7、14、30及び90日の計6回皮下に注射する。
- その他
- (イ)子供の場合にも大人と同量を注射する。
- (ロ)以前に暴露後免疫を受けた人は、6箇月以内の再咬傷の場合はワクチン接種を行う必要はない。暴露前免疫を受けた後6箇月以上たって咬傷を受けた人は、初めて咬まれた場合と同様に接種を行う。
他のワクチン製剤との接種間隔
- 生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また、他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
- ただし、医師が必要と認めた場合には、同時に接種することができる(なお、本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。
慎重投与
(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
- ゼラチン含有製剤又はゼラチン含有の食品に対して、ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、喉頭浮腫等)等の過敏症の既往歴のある者
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
- 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
- 過去にけいれんの既往のある者
- 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
- 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
薬効薬理
- 狂犬病動物に咬まれた後でも速やかに抗血清(中和抗体)を注射すれば発病阻止に有効であるので、狂犬病ワクチン接種により産生される液性免疫(中和抗体)が有効となる。どのような免疫機構がワクチン接種によって発現し、有効に働いているかは明らかになっていない。
★リンクテーブル★
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