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「カクテル」のその他の用法については「カクテル (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
食事 |
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習慣食 |
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カクテル(英: cocktail)とは、ベース(基酒)となる酒に、他の酒またはジュースなどを混ぜて作るアルコール飲料のこと。混酒。ただし、アルコール分を含まないか、1%未満程度のノンアルコールカクテルもある。
カクテルを具体的に表現したとき、しばしば「酒+何か」と表現される[1][2][3]。例えば、スタンダードなカクテルとして紹介される「スクリュー・ドライバー」というカクテルは、「ウォッカ+オレンジ・ジュース」で構成されており、この表現に当てはまる。しかし、「マティーニ」というカクテルは「ジン+ドライ・ベルモット」、つまり「酒+酒」ということになる。
ここから、カクテルをより正確に定義づけるには「酒+その他の酒 and/or その他の副材料」と考えることができる[1][注 1]。
原始的なカクテルが作られはじめたのは、古代ローマや古代ギリシャ、古代エジプトの時代だったと考えられている。これは、当時のアルコール飲料(ワインやビールであった)の質が現代に比べてはるかに劣るものであり、その味を補正するための手段であった[4][5][6]。
古代ローマ、古代ギリシャでは、そのまま保存したのでは劣化・酸化してしまうワインに熱を加え、凝縮したうえで副材料(草根木皮や粘土など[7])を混ぜたものを保存していた。それを水で割って飲むことが一般的なワインの飲み方とされており[6][8][注 2]、これは「酒+何か」の定義に当てはまる。
また、古代エジプトではビールにさまざまな副材料を加えたものが飲用されており、これには、カルミ(calmi、蜂蜜を加えたもの)、チズム(zythum、ういきょうやサフランなどを加えたもの)、コルマ(korma、生姜と蜂蜜を加えたもの)があった。こちらも「酒+何か」の定義に当てはまる。
他にも、原始的なカクテルとしては、唐で作られていた「ワイン+馬乳」というものがある。
このように、「常温」で飲まれていたカクテルであったが[注 3]、中世の時代になると、寒い冬の時期に「カクテルを温めて飲む」という習慣が生まれていく。その名残として、現代でもフランスのヴァン・ショー(仏: vin chaud)、ドイツのグリューヴァイン(独: Gluhwein)、北欧のグレッグ(丁: Gløgg、諾: Gløgg)といったものが飲用されている[9]。さらに、中世は蒸留酒が錬金術師たちによって作り出された時代でもあり、様々なカクテルが誕生した時代でもある。この時代に生まれたものとして特筆されるのはイギリス陸軍大佐フランシス・ニーガス(英: Francis Negus)が考案したニーガス(英: Negus、ポート・ワイン+湯+砂糖+レモン+ナツメグ+ブランデー)、インドが発祥といわれる「パンチ・スタイル」がある[注 4]。
近年では、氷を用いた「コールド・ドリンク」が主流であるが、そうしたカクテルが登場するのはずっと後、19世紀末から20世紀初頭になってからのことである。「氷は近代になるまで貴重品であったから」というのがその理由であった[10]が、1876年にカール・フォン・リンデが製氷機を開発したことによって、一年を通していつでも氷を入手できるようになった。これにより、「マティーニ」や「マンハッタン」といった、新しいジャンルの、現在ではカクテルの代表格とされるレシピが発案されていったのである。
それらの新しいカクテルはアメリカで生まれたものであったが、第一次世界大戦と禁酒法により職を失ったバーテンダーがヨーロッパへ移っていったことによって、全世界に広がっていくことになったのである。
1920-30年代のヨーロッパにジャズなどのアメリカ文化が流入し、その一端としてカクテルブームが起きた。イギリスでは第一次世界大戦以前はディナーの前に酒を飲む習慣はほとんど無かったが、アフタヌーン・ティーの時間に女性も含めた仲間が連れ立ってホテルのバーなどに集まり、強いカクテルを飲むことが当たり前のようになった[注 5]。カクテル・タイムと呼ばれるこの新しい習慣は、若い世代を中心にあっという間に受け入れられた[11]。
「酒+その他の酒 and/or その他の副材料」を指して「カクテル」と呼ぶようになったのは、1700年代[注 6]とも1800年代に入りすぐ[注 7]とも言われている。前者の説を「イギリス説」、後者の説を「アメリカ説」と言う[12]。
その語源については諸説あり、例えばバーテンダーの団体間で統一するといったことはなされていない。以下にいくつかの説を示す。
『サヴォイ・カクテルブック』で、「カクテルという言葉の起源」として特に紹介されている説[12][13]。
19世紀のはじめ、アメリカ合衆国南部陸軍とアホロートル8世率いるメキシコ軍の間には小競り合いが絶えなかった。しかしある時、休戦協定が結ばれることとなった。 休戦協定交渉にあたり、まず最初に酒が供された。自身が調合したらしき飲み物を満たした杯を持ち、美女がその場に現れたが、その杯がひとつしかなかったことで、その場の雰囲気が不穏なものとなる。杯がひとつだけということは、アメリカ軍の将軍かメキシコ王か、どちらかが先に飲むことを意味しており、後に回された方が「自らを侮辱している」と感じるのではないかという懸念があったからである。しかし、その美女は不穏な空気を察し、微笑みうやうやしく頭を垂れると、自らその杯の酒を飲み干した。これにより、その場の緊張が解け、交渉は成功に終わる。協定交渉の最後、将軍が機転の利くその美女についてたずねると、王は自らもその美女に会ったことはなかったにもかかわらず、自慢げに答えた。「あれは自分の娘で、コクテル(Coctel)という」。
サヴォイ・カクテルブックに示された説はこのとおりであるが、他の文献にも類似の説が示されている[14][注 8]。ただし、19世紀はじめのメキシコにはすでに王はおらず、アホロートル8世という名の王も存在していない。
国際バーテンダー協会が、カクテルの語源として採用している説[15][16]。
メキシコのユカタン半島にあるカンペチェという港町にイギリス船が入港したときのこと[注 9]、船員達は町の居酒屋に立ち寄り、渇きを癒していた。当時、イギリス人たちが酒を飲むときには、ほぼストレートでしか飲んでいなかった。しかし、カンペチェでは「ブランデー、もしくはラムに砂糖などをミックスした飲み物(ドラック・drac)」が流行していた。この飲み物は、酒をストレートで飲む習慣しかなかったイギリス人の興味を引くものだった。ドラックは、厚手のグラスに材料を入れ、スティックやスプーンで攪拌して作られるものであったが、金属製のスティックを使うと不快な臭いがドラックに移ると嫌われていたため、木製のスティックを使うことが多かった。ある店の少年もそうであった。
あるとき、船員は少年に「それはなんだ?」とたずねた。船員は「その飲み物の名(ドラック)」をたずねたのであるが、少年は攪拌に使用したスティックのことをたずねられたと思い、「これはコーラ・デ・ガジョ(cola de gallo スペイン語で「雄鶏の尻尾」の意)です」と答えた。その道具の形が雄鶏の尻尾に似ていたからである。ともあれ、船員はその飲み物を「コーラ・デ・ガジョ」を英語に訳した「テール・オブ・コック」と言う名で呼ぶようになった。このエピソードはカンペチェに入港する船員たちに広まり、次第に他の地域の酒場でもこの名を使用するようになっていく。そのうちに、「テール・オブ・コック」を1語とした「カクテル」という語句が生まれ、それがミクスト・ドリンク全般を指すようになっていった。
この説を最初に提唱したのはハリー・クラドックである。1936年1月に発行されたイギリスバーテンダー協会(United Kingdom Bartender's Guild、U.K.B.G.)の機関誌『ザ・バーテンダー(The Bartender)』に、「ルーカス・デ・パラシオという人物から聞いた話」として掲載された。後に、イギリスバーテンダー協会が監修したカクテルブック『UKBG インターナショナル・ガイド・トゥ・ドリンクス(U.K.B.G. International Guide to Drinks)』に掲載、1967年に発行された『ザ・バーテンダー』でも再掲されている。
日本でも1967年の『ザ・バーテンダー』再掲を期として、1969年10月に発行された全日本バーテンダー協会(All Nippon Bartenders Association)の機関誌によって、この説が紹介されている。
「ベッチー・フラナガン(ベッツィー・フラグナンとも、Betsy Flanagan)」説や「雄鶏」説などとも呼ばれているが、いずれにしても「四角軒」という名のバーが舞台であることから、「四角軒」説として記述する[17][18][19]。
アメリカ独立戦争の折、ニューヨークの北にイギリスの植民地があった。町の名はエムスフォードといった。戦争で、騎兵隊員であった夫を亡くしたベッチー・フラナガンが、この町で「四角軒」というバーを経営していた。彼女は独立派側に与しており、独立軍にオリジナルのミクスト・ドリンク[注 10]を振舞っていた。あるとき、彼女は反独立派側に属する人間の屋敷に忍び込み、立派な尻尾を持つ雄鶏を盗み出す。盗んだ雄鶏はローストチキンに、その尻尾は酒壺に飾られた。その夜も、独立軍の兵士達は四角軒で、ローストチキンをつまみに酒を飲んでいた。ある将校がおかわりをしようとし、酒壺に飾られた雄鶏の尻尾に気付く。「ずいぶん立派な雄鶏の尻尾じゃないか。一体どこから手に入れたんだ?」すると彼女はこう答えた。「失敬したのよ。イギリス男の家からね」。自分たちが口にしていたローストチキンの正体を知った兵士達は、高らかに叫んだ。「Viva cock's tail!(コックテール、万歳!)」。以来四角軒で振舞われるミクスト・ドリンクには「コックテール」の名が与えられ、その名が広まっていった。
カクテルの種類は、書籍などに収録されて名前が知られているものだけでも数百種のオーダーではなく、少なくとも数千種存在する。これだけ多いのは、使用される材料が多岐に渡る上に、わずかにレシピが変わっただけで別なカクテルだと区別されるケースがあるためだ。さらに、オリジナルカクテルと呼ばれる、独自に創作されたものの有名にはなっていないカクテルも数多く存在するため、その総数は誰にも判らない。
なお、個々のカクテルについては、カクテルの一覧(50音順)を参照のこと。
1951年に北海道の税務関係の役所が、「酒類に種類の異なる酒類を混和した時は、新たに酒類を製造したものと見なされるため、酒税法の適用を受ける。したがって、もしもカクテルを作るのであれば、カクテル1杯ごとに酒税を支払わなければならず、そうでなければカクテルは禁止である。」として、摘発を行ったことがある。無論、後日、この酒税法の解釈は誤りであったとして取り消されており、カクテルの禁止は解除された[21]。
近年、日本では「カクテルの街」として町おこしをはかっているところがいくつかある。栃木県宇都宮市と北海道旭川市が特に有名で、カクテルの国内大会で優勝経験を持つバーテンダーを中心に、観光協会などがイメージ作りを進めている。他には、神奈川県横浜市(理由は同様)などもカクテルの街を名乗っている。
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When used to refer to any generic alcoholic mixed drink, cocktail may mean any beverage that contains two or more ingredients if at least one of those ingredients contains alcohol.
A cocktail more specifically may mean a beverage with at least three flavors, one of which is alcohol. More specifically still, it must contain alcohol, a sugar, and a bitter/citrus. When a mixed drink contains only a distilled spirit and a mixer, such as soda or fruit juice, it is a highball; many of the International Bartenders Association Official Cocktails are highballs. When a mixed drink contains only a distilled spirit and a liqueur, it is a duo and when it adds a mixer, it is a trio. Additional ingredients may be sugar, honey, milk, cream, and various herbs.[1]
The origin of the word cocktail is disputed. The first recorded use of cocktail not referring to a horse is found in The Morning Post and Gazetteer in London, England, March 20, 1798:[2]
Mr. Pitt,
two petit vers of "L'huile de Venus"
Ditto, one of "perfeit amour"
Ditto, "cock-tail" (vulgarly called ginger)
The Oxford English Dictionary cites the word as originating in the U.S.[3] The first recorded use of cocktail as a beverage (possibly non-alcoholic) in the United States appears in The Farmer's Cabinet, April 28, 1803:[4]
Drank a glass of cocktail—excellent for the head...Call'd at the Doct's. found Burnham—he looked very wise—drank another glass of cocktail.
The first definition of cocktail known to be an alcoholic beverage appeared in The Balance and Columbian Repository (Hudson, New York) May 13, 1806; editor Harry Croswell answered the question, "What is a cocktail?":
Cock-tail is a stimulating liquor, composed of spirits of any kind, sugar, water, and bitters—it is vulgarly called bittered sling, and is supposed to be an excellent electioneering potion, in as much as it renders the heart stout and bold, at the same time that it fuddles the head. It is said, also to be of great use to a democratic candidate: because a person, having swallowed a glass of it, is ready to swallow any thing else.[5]
Etymologist Anatoly Liberman endorses as "highly probable" the theory advanced by Låftman (1946), which Liberman summarizes as follows:[6]
It was customary to dock the tails of horses that were not thoroughbred ... They were called cocktailed horses, later simply cocktails. By extension, the word cocktail was applied to a vulgar, ill-bred person raised above his station, assuming the position of a gentleman but deficient in gentlemanly breeding. ... Of importance [in the 1806 citation above] is ... the mention of water as an ingredient. ... Låftman concluded that cocktail was an acceptable alcoholic drink, but diluted, not a "purebred", a thing "raised above its station". Hence the highly appropriate slang word used earlier about inferior horses and sham gentlemen.
In his book Imbibe! (2007) David Wondrich also speculates that cocktail is a reference to a practice for perking up an old horse by means of a ginger suppository so that the animal would "cock its tail up and be frisky."[7]
Several authors have theorized that cocktail may be a corruption of cock ale.[8][9][10]
There is a lack of clarity on the origins of cocktails.[11] Traditionally cocktails were a mixture of spirits, sugar, water, and bitters.[12] But by the 1860s, a cocktail frequently included a liqueur.[13][14]
The first publication of a bartenders' guide which included cocktail recipes was in 1862 – How to Mix Drinks; or, The Bon Vivant's Companion, by "Professor" Jerry Thomas. In addition to recipes for punches, sours, slings, cobblers, shrubs, toddies, flips, and a variety of other mixed drinks were 10 recipes for "cocktails". A key ingredient differentiating cocktails from other drinks in this compendium was the use of bitters. Mixed drinks popular today that conform to this original meaning of "cocktail" include the Old Fashioned whiskey cocktail, the Sazerac cocktail, and the Manhattan cocktail.
The ingredients listed (spirits, sugar, water, and bitters) match the ingredients of an Old Fashioned,[15] which originated as a term used by late 19th century bar patrons to distinguish cocktails made the "old-fashioned" way from newer, more complex cocktails.[16]
The term highball appears during the 1890s to distinguish a drink composed only of a distilled spirit and a mixer.[17]
The first "cocktail party" ever thrown was allegedly by Mrs. Julius S. Walsh Jr. of St. Louis, Missouri, in May 1917. Mrs. Walsh invited 50 guests to her home at noon on a Sunday. The party lasted an hour, until lunch was served at 1 pm. The site of this first cocktail party still stands. In 1924, the Roman Catholic Archdiocese of St. Louis bought the Walsh mansion at 4510 Lindell Boulevard, and it has served as the local archbishop's residence ever since.[18]
During Prohibition in the United States (1919–1933), when alcoholic beverages were illegal, cocktails were still consumed illegally in establishments known as speakeasies. The quality of liquor available during Prohibition was much worse than previously.[19] There was a shift from whiskey to gin, which does not require aging and is therefore easier to produce illicitly.[20] Honey, fruit juices, and other flavorings served to mask the foul taste of the inferior liquors. Sweet cocktails were easier to drink quickly, an important consideration when the establishment might be raided at any moment.
Cocktails became less popular in the late 1960s and through the 1970s, until resurging in the 1980s with vodka often substituting the original gin in drinks such as the martini. Traditional cocktails began to make a comeback in the 2000s,[21] and by the mid-2000s there was a renaissance of cocktail culture in a style typically referred to as mixology that draws on traditional cocktails for inspiration but utilizes novel ingredients and often complex flavors.[22]
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