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MERSコロナウイルス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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MERSコロナウイルス(マーズコロナウイルス、英: Middle East respiratory syndrome coronavirus, MERS-CoV)は、中東呼吸器症候群 (Middle East respiratory syndrome = MERS) の病原体のコロナウイルス(ベータ型)。通称 MERSウイルス。イギリスロンドンで2012年9月に初めて確認された[1]。
ヒトコブラクダが保有宿主(感染源動物)であるとされ、ラクダとの接触や、ラクダの未加熱肉や未殺菌乳の摂取が感染リスクになる[2]。感染地域は中東地域をはじめ、2015年5月に韓国(感染者数186名, 死者数36名)・中国に拡大し、2019年11月までに確定患者は2494人、死者858人にのぼっている[2]。直近でも、2019年12月1日から2020年1月31日までの2ヶ月間で、サウジアラビアでは19人が感染し8人が死亡、このほかカタールでも発生するなど、収束の見通しは全く立っていない[3]。
2015年6月現在、中東地域及び韓国で感染拡大中の新型コロナウイルスである。肺炎(異型であるので診断に注意が必要)を主症状としており、死亡率が40-50%前後と非常に高い。
2019年9月現在、感染者は2468例であり、死亡者は851例に上っている[4]。
感染国は、サウジアラビア、韓国、UAE、ヨルダン、カタール、オマーン、イラン、クウェート、イエメン、レバノン。旅行者による一時的な感染国は、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、オランダ、ギリシャ、チュニジア、エジプト、アルジェリア、マレーシア、フィリピン、スペイン、トルコ、オーストリア(他に感染後にドイツに移送された感染者が2人)。感染地域は広がりつつあるが、持続的なヒト・ヒト感染の証拠はなく、ヒト・ヒト感染は一過性に過ぎないと見られている[5]。
多くの患者で通常の肺炎が見られない[6]。また(肺に近い)下気道に感染しやすいところ(受容体)があり、症状が少ないまま突然肺炎になりやすい[7][8]。
MERS-CoVのウイルス受容体はDPP-4(dipeptidyl pepti- dase 4)である[9]。
2002年から2003年にかけて東方アジアで流行したSARSコロナウイルス (Severe acute respiratory syndrome coronavirus; SARS-CoV) とは異なる種類である[5]。ただし、MERSコロナウイルスは、SARSコロナウイルスと近縁のβコロナウイルス2cグループに属す[9]。
MERS-CoVはベータコロナウイルスの 2C グループに属するタケコウモリコロナのウイルス(Bat-CoV HKU4)やアブラコ ウモリのウイルス(Bat-CoV HKU5)と近縁である[10]。
自然宿主が動物であり(人獣共通感染症)、本ウイルスは遺伝子解析からヒトコブラクダであることはほぼ間違いない[11][9]。
発見当初の遺伝子解析では、コウモリコロナウイルスHKU4およびHKU5と相同性が高く、ウイルスRNAポリメラーゼ領域におけるアミノ酸配列の相同性は90~92%だった[9]。一方、スパイク(S)蛋白質の相同性は64~67%にとどまり、コウモリからヒトが感染しているという直接の証拠もなかった[9]。その後、宿主がヒトコブラクダであることが判明した。さらにスーダンやソマリアなどの東アフリカでは1983年に遡ってヒトコブラクダのMERS-CoV感染が明らかとなった[9]。
消毒用エタノール、イソプロパノール、次亜塩素酸ナトリウムが推奨されている[22]。
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石鹸による手洗い、マスクの装着、ドアノブやスイッチやハンドルなどの人の触る所の消毒などが予防となる。洗っていない手で、目や鼻や口などの粘膜に触らないようにする必要がある[23]。
また、病人との接触は控えた方が良い[23]。航空機などではサーモグラフィーによる体表温度スクリーニングが行われているが、韓国でのMERSの例では、MERS初期の発熱で38度以上の体温となることはそれほど多くなく、37.5度以上の体温上昇すらも起こらない場合のあることが確認されており[24]、限界がある。家庭内でも密接接触による感染が起こりうるため、マスクをして2m以上距離を保つことが望ましい[25]。
また、病人の排泄物からの感染に気をつける必要がある。フランスのMERS院内感染の例でも、排泄物等を経由した感染の可能性が報告されている[26]。
感染者一人当たりの再生産数(感染させた人数)の平均を一人未満にしなければ流行は収束しないため、感染者に対する接触者追跡調査(コンタクトトレーシング)及び接触者の隔離が行われている。感染者に接触した可能性があり、MERS類似の症状が出た場合には、最寄りの保健所に電話相談する必要がある。なお、症状が無くともMERSに感染しているというケースも現れている[27]。
2015年6月、京都府立大学大学院教授の塚本康浩らのグループが、MERSコロナウイルスに強く結合する抗体をダチョウの卵を使って大量精製することに成功[28]。共同で研究を進めているアメリカ陸軍感染症医学研究所が検証を進め2015年6月の段階で韓国、米国に配布、スプレー剤として大量生産を開始した[28]。抗体によって覆われたウイルスは人の細胞に侵入できなくなり、感染予防に大きな効果があり、抗体を使ったスプレー剤はマスクやドアノブ、手などに噴射すれば感染予防になると考えられている[28]。
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診断には下気道の検体を使うことが強く推奨されているほか、鼻咽頭と中咽頭の検体も使われており[29]、その検体を使ってPCR検査が行われる。国立感染研究所ではLAMP法も導入された[30]。
米国CDCでは、血清を使ったウイルス抗体検査(ELISA法、IFA法、中和抗体測定法)も同時に行われている[31]。
治療法は確立していないため、対症療法となる。肺炎に対する抗炎症薬、下痢による脱水に対する補水、急性呼吸窮迫症候群 (ARDS) に対する人工呼吸、敗血症性ショックに対する輸液及び昇圧剤などが中心となる。また、二次感染の防止のために、抗生物質の投与が行われている[5]。
致死率の高さにサイトカインストーム(高サイトカイン血症)の関与が疑われている[32][33]。
動物実験において、リバビリン(抗ウイルス薬の一つ)とインターフェロンα2b(サイトカインの一種)の組み合わせが肺炎の発症を抑制するという報告がある[34]。しかし、既に急性呼吸窮迫症候群となっていたエジプトでの5人の重症患者では、これらの組み合わせの投与での治療に失敗している[35]。また、HIV薬のロピナビルや回復期患者の血漿、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体に効果がある可能性がある[36]。WHOでは、2013年にMERS治療の選択肢としての回復期血漿や高い中和抗体の使用を議論するための招集を行ったものの、未だに臨床試験に基づくエビデンスは出ていない[37]。WHO の Blood Regulators Network は、MERS治療のための血清・血漿の収集・使用の方針書を公開している[38]。
セリンプロテアーゼ阻害剤の「カモスタット」が、培養細胞レベルで、コロナウイルスの活性化に使われるTMPRSS2を阻害し、MERSコロナウイルスの細胞内への侵入を防ぐことが見つかっている[39]。また東京大学医科学研究所の研究によれば培養細胞レベルでカモスタットよりも「ナファモスタット」の方が阻害効果は高かった[40][41]。
なお、日本に備蓄されている抗RNAウイルス薬のファビピラビル(商品名アビガン)は、ウイルス性肺炎の主要原因の一部であるインフルエンザウイルスやRSウイルスには対しては効果がある[42][43]ものの、MERSコロナウイルスに対しては情報が無いため効果は不明である[44]。
2012年9月、60歳のサウジアラビア男性患者が急性肺炎および腎不全により死亡した。オランダのエラスムス医学センターが遺伝子解析を行い、新型コロナウイルスと確定した[45]。
同年9月、サウジアラビアに滞在していた49歳のカタール人男性患者からもコロナウイルス遺伝子が検出された[46][47]。
大規模感染の恐れについて、世界保健機関も注意を呼びかけている[48]。
日付 | 2015年5月 - |
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場所 | 韓国、中国 |
死傷者 | |
(2015年7月28日現在) 合計: 186 / 36 / 95 | |
韓国 – 185 / 36 / 94 中国 – 1 / 0 / 1 | |
(括弧内は再生産数、 2015年6月25日現在) 30 (30) / 124 (4.13) / 21 (0.17) / 5[49] |
2015年5月4日、バーレーンに半月間滞在した68歳の韓国人男性が、MERSに感染とは知らずに大韓民国に帰国し、11日に発症、複数の病院(忠清南道牙山市屯浦面のソウル医院、京畿道平沢市の平沢聖母病院、ソウル特別市江東区千戸洞の365ヨルリン医院)で受診を行い[50][51]、20日にMERSと確定し、韓国は中央防疫対策本部を設置した[52]。他の病院では小規模な感染であったが、平沢聖母病院では大きな感染が起こり[51]、韓国内で感染が広がった。
最初の感染者が入院した平沢聖母病院8階8104号室は、一つの病室を二つに分割したために排気口が存在しなかった[53]。当初、韓国防疫当局は密接接触者(2m以内)のみを監視対象としていたが、8階の滞在者に感染が広がってしまった[53]。原因は不明だが、エアコンによるエアロゾル形態のウイルスの拡散が疑われている[53][54]。
5月26日、上記感染者に接触し、隔離対象であるはずの家族が、アシアナ航空723便(OZ723、機材はHL7789[55]、乗員乗客166名[56])で香港へと飛んだ。香港国際空港到着時に発熱があり咳をしていたため、検疫官が「MERS患者と接触したか、MERS患者がいる病院に訪問したかどうか」などを尋ねたが、すべてを否定した[57]。空港からバスで沙頭角(中国語版)を経由して広東省深圳市と恵州市へと移動した[58][59][60]。その後恵州市で隔離され、中国国内でも航空機やバスの同乗者を含めた接触者追跡調査(コンタクトトレーシング)及び隔離が始まっている[58][59][60]。29日、感染が確認された。なお、感染者を載せたアシアナ航空機は、28日まで消毒しないままフライトを行っており、27日には名古屋の中部国際空港、中国の大連・長沙でも発着している[61][62]。
6月2日の報道では、韓国で25人が感染していて(死者2人を含む)、これは中東地域以外での最大感染者数であり、3次感染者も出始めている[63]。韓国では臨時休業を行う学校が増え、6月4日には1000校を越えた[64]。感染者との接触の可能性がある人の自宅隔離が行われているが、自宅隔離を無視してゴルフ場へ出かける人も現れており、韓国人の市民意識の低さが問題となっている[65]。
6月5日、韓国保健福祉部長官は、不安解消のために大きな感染の起きた平沢聖母病院の名前を公開し、病院訪問者に対し相談窓口を設けた[66]。同日、全羅北道淳昌郡の村で、自宅隔離を守らずに平沢市から帰ってきて多くの村民と接した感染疑い患者がMERS陽性と確認され、その村全体が危険地域に指定され、出入りが禁じられ隔離されることとなった[67]。なお、この患者と接触したとされ、淳昌郡で自宅隔離を要求された医師夫婦は、6月6日韓国からフィリピンへ出国し、翌7日に帰国した。2人は保健当局から隔離の通知を受けたことさえなくて、メディアで初めて患者と接触したことを知ったと主張した[68]。
6月6日、京畿道富川市は、京畿道保健環境研究院の予備検査で非隔離対象者にMERS陽性反応が出たと発表し、韓国国立保健環境研究院で疫学調査を行った[69]。
台湾では、ソウルを感染症警戒地域に指定し、住民に対し、現地医療機関への出入りの自粛を求めている[70]。ベトナムでは、住民に対し、感染地域への旅行の自粛を求めている[71]。ロシア[72]、UAE[73]、香港、マカオ[74]も渡航自粛を勧告した。
6月14日、釜山広域市で初めての死者が出た[75]。同日、隔離対象者の1人が12日に隔離室の扉を破壊し、病院から逃げ出したことも明らかにした。この対象者はのち、MERS陽性と認定された[76]。また、この患者は潜伏期間内の6月5日から6月8日までに家族・友人9人とともに済州島の西帰浦で旅行したことも判明したため、現地のホテル・観光地の職員や患者が利用した航空会社の社員に対して隔離措置を取らざるを得ない[77]
6月15日、韓国政府は日本人を含む外国人が隔離対象者に含まれていることを発表した[78]。
6月20日、大邱において、MERS患者が発症後の6月13日に利用した公衆浴場の利用者の追跡調査(コンタクトトレーシング)が進んでいるが、6月20日時点で、監視カメラで確認された266人のうち103人の身元が判明していない[79]。
6月22日、隔離解除後に発症する患者が現れるので、潜伏期間の設定に疑問を呈する意見も出てきた[80]。また、当日から韓国に入国した外国人は自動的に韓国政府の支援を得る「外来観光客対象MERS補償保険」の適用を受けることになった。その内容とは「韓国に入国した外国人が20日以内にMERS陽性反応が出れば500万ウォン(約55万円)の治療補償金、感染が確定してから20日以内に死亡すれば最大1億ウォン(約1100万円)の補償金を受け取れる」というものである[81]。
10月12日、韓国保健福祉省は感染後に陰性と判定された男性1人が再発したと公表した。[要出典]
韓国では、MERSの流行に便乗して、消毒作用の無い偽造消毒薬の流通が起きており(偽造ラベルの印刷を依頼された印刷所が警察に通報して発覚)、韓国警察がECサイトで販売された偽造消毒薬の回収を行っている[82][83]。
なお韓国政府は、MERS患者の周辺にいた感染可能性のある人物の追跡を諦め、「自己申告」に頼ることを決定。これにより見かけ上、隔離対象者は減ったが、感染の経路や実際の感染者数が不明確となっている[84]。
MERSは日本では2015年より二類感染症となっている[85]ため、特定感染症指定医療機関、第一種感染症指定医療機関及び第二種感染症指定医療機関でのみ受け入れ可能となっている。厚生労働省は、二次感染を抑えるために、原則としてMERS患者の陰圧室への入院を求めている[86]。
韓国では、MERS患者を伝染病隔離指定病院で受け入れたが、それは全部で17ヶ所105床しか存在しなかった[87]。2015年当時の韓国では、陰圧室のない医療機関もMERS疑い患者の診療病院に指定された[88]。また、当時の韓国ではレベルDの防護服を使用していたが、着脱のルールが守られておらず、防護服を着た看護師にも感染が起こった[89]。防護服の数も足りていなかった[89]。
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Middle East respiratory syndrome-related coronavirus | |
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MERS-CoV particles as seen by negative stain electron microscopy. Virions contain characteristic club-like projections emanating from the viral membrane. | |
Virus classification | |
(unranked): | Virus |
Realm: | Riboviria |
Kingdom: | Orthornavirae |
Phylum: | Pisuviricota |
Class: | Pisoniviricetes |
Order: | Nidovirales |
Family: | Coronaviridae |
Genus: | Betacoronavirus |
Subgenus: | Merbecovirus |
Species: | Middle East respiratory syndrome-related coronavirus
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Middle East respiratory syndrome-related coronavirus (MERS-CoV),[1] or EMC/2012 (HCoV-EMC/2012), is a species of coronavirus which infects humans, bats, and camels.[2] The infecting virus is an enveloped, positive-sense, single-stranded RNA virus which enters its host cell by binding to the DPP4 receptor.[3] The species is a member of the genus Betacoronavirus and subgenus Merbecovirus.[4][5]
Initially called simply novel coronavirus or nCoV, it was first reported in 2012 after genome sequencing of a virus isolated from sputum samples from a person who fell ill in a 2012 outbreak of a new flu-like respiratory illness. By July 2015, MERS-CoV cases had been reported in over 21 countries, including Saudi Arabia, Jordan, Qatar, Egypt, the United Arab Emirates, Kuwait, Turkey, Oman, Algeria, Bangladesh, Indonesia (none were confirmed), Austria,[6] the United Kingdom[citation needed], South Korea,[7][8] the United States,[9][10] Mainland China,[11] Thailand,[12] and the Philippines.[13] MERS-CoV is one of several viruses identified by the World Health Organization (WHO) as a likely cause of a future epidemic. They list it for urgent research and development.[14][15]
The virus MERS-CoV is a member of the beta group of coronavirus, Betacoronavirus, lineage C. MERS-CoV genomes are phylogenetically classified into two clades, clade A and B. The earliest cases of MERS were of clade A clusters (EMC/2012 and Jordan-N3/2012), and new cases are genetically distinct (clade B).[16]
MERS-CoV is one of seven known coronaviruses to infect people, including
HCoV-229E, HCoV-NL63, HCoV-OC43, HCoV-HKU1, the original SARS-CoV (or SARS-CoV-1), and SARS-CoV-2. MERS-CoV is distinct from SARS coronavirus and distinct from the common-cold coronavirus and known endemic human betacoronaviruses HCoV-OC43 and HCoV-HKU1.[17] Until 23 May 2013, MERS-CoV had frequently been referred to as a SARS-like virus,[18] or simply the novel coronavirus, and earlier it was referred to colloquially on messageboards as the "Saudi SARS".
As of November, 2019, 2,494 cases of MERS have been reported with 858 deaths, so the case fatality rate is <30%.[19] 182 genomes have been sequenced by 2015 (94 from humans and 88 from dromedary camels). All sequences are >99% similar. The genomes can be divided into two clades - A and B - with the majority of cases being caused by clade B. Human and camel strains are intermixed suggesting multiple transmission events.
The first confirmed case was reported in Saudi Arabia in 2012.[17] Egyptian virologist Ali Mohamed Zaki isolated and identified a previously unknown coronavirus from the man's lungs.[20][21][22] Zaki then posted his findings on 24 September 2012 on ProMED-mail.[21][23] The isolated cells showed cytopathic effects (CPE), in the form of rounding and syncytia formation.[23]
A second case was found in September 2012, a 49-year-old male living in Qatar presented with similar flu symptoms, and a sequence of the virus was nearly identical to that of the first case.[17] In November 2012, similar cases appeared in Qatar and Saudi Arabia. Additional cases were noted, with deaths associated, and rapid research and monitoring of this novel coronavirus began.
It is not certain whether the infections are the result of a single zoonotic event with subsequent human-to-human transmission, or if the multiple geographic sites of infection represent multiple zoonotic events from an unknown common source.
A study by Ziad Memish of Riyadh University and colleagues suggests that the virus arose sometime between July 2007 and June 2012, with perhaps as many as 7 separate zoonotic transmissions.[citation needed] Among animal reservoirs, CoV has a large genetic diversity yet the samples from patients suggested a similar genome, and therefore common source, though the data were limited. It was determined through molecular clock analysis that viruses from the EMC/2012 and England/Qatar/2012 date to early 2011, suggesting that these cases were descended from a single zoonotic event. It appeared the MERS-CoV had been circulating in the human population for more than one year without detection and suggested independent transmission from an unknown source.[24][25]
In humans, the virus has a strong tropism for nonciliated bronchial epithelial cells, and it has been shown to effectively evade the innate immune responses and antagonize interferon (IFN) production in these cells. This tropism is unique in that most respiratory viruses target ciliated cells.[26][27]
Due to the clinical similarity between MERS-CoV and SARS-CoV, it was proposed that they may use the same cellular receptor; the exopeptidase, angiotensin converting enzyme 2 (ACE2).[28] However, it was later discovered that neutralization of ACE2 by recombinant antibodies does not prevent MERS-CoV infection.[29] Further research identified dipeptidyl peptidase 4 (DPP4; also known as CD26) as a functional cellular receptor for MERS-CoV.[27] Unlike other known coronavirus receptors, the enzymatic activity of DPP4 is not required for infection. As would be expected, the amino acid sequence of DPP4 is highly conserved across species and is expressed in the human bronchial epithelium and kidneys.[27][30] Bat DPP4 genes appear to have been subject to a high degree of adaptive evolution as a response to coronavirus infections, so the lineage leading to MERS-CoV may have circulated in bat populations for a long period of time before being transmitted to people.[31]
On 13 February 2013, the World Health Organization stated that "the risk of sustained person-to-person transmission appears to be very low."[32] The cells MERS-CoV infects in the lungs only account for 20% of respiratory epithelial cells, so a large number of virions are likely needed to be inhaled to cause infection.[30]
Dr. Anthony S. Fauci of the National Institutes of Health in Bethesda, Maryland, stated that as of now MERS-CoV "does not spread in a sustained person to person way at all." Dr. Fauci stated that there is potential danger in that it is possible for the virus to mutate into a strain that does transmit from person to person.[33]
However, the infection of healthcare workers (HCW) has led to concerns of human to human transmission.[34]
The Centers for Disease Control and Prevention (CDC) list MERS as transmissible from human-to-human.[35] From their FAQ, in answer to the question "Does MERS-CoV spread from person to person?", they answer "MERS-CoV has been shown to spread between people who are in close contact. Transmission from infected patients to healthcare personnel has also been observed. Clusters of cases in several countries are being investigated."[35] There is also a New York Times article which provides some correlative context for this.[36]
However, on the 28th of May, the CDC revealed that the Illinois man who was originally thought to have been the first incidence of person to person spread (from the Indiana man at a business meeting), had in fact tested negative for MERS-CoV. After completing additional and more definitive tests using a neutralising antibody assay, experts at the CDC have concluded that the Indiana patient did not spread the virus to the Illinois patient. Tests concluded that the Illinois man had not been previously infected. It is possible for silent MERS to occur, this is when the patient does not develop symptoms. Early research has shown that up to 20% of cases show no signs of active infection but have MERS-CoV antibodies in their blood.[37]
The virus appears to have originated in bats.[38] The virus itself has been isolated from a bat.[39] This virus is closely related to the Tylonycteris bat coronavirus HKU4 and Pipistrellus bat coronavirus HKU5.[40] Serological evidence shows that these viruses have infected camels for at least 20 years. The most recent common ancestor of several human strains has been dated to March 2012 (95% confidence interval December 2011 to June 2012).[41]
The evidence available to date suggests that the viruses have been present in bats for some time and had spread to camels by the mid 1990s. The viruses appear to have spread from camels to humans in the early 2010s. The original bat host species and the time of initial infection in this species has yet to be determined.
Examination of the sequences of 238 isolates suggested that this virus has evolved into three clades differing in codon usage, host, and geographic distribution.[42]
Early research suggested the virus is related to one found in the Egyptian tomb bat. In September 2012 Ron Fouchier speculated that the virus might have originated in bats.[43] Work by epidemiologist Ian Lipkin of Columbia University in New York showed that the virus isolated from a bat looked to be a match to the virus found in humans.[44][45][46] 2c betacoronaviruses were detected in Nycteris bats in Ghana and Pipistrellus bats in Europe that are phylogenetically related to the MERS-CoV virus.[47] However the major natural reservoir where humans get the virus infection remained unknown until on 9 August 2013, a report in the journal The Lancet Infectious Diseases showed that 50 out of 50 (100%) blood serum from Omani camels and 15 of 105 (14%) from Spanish camels had protein-specific antibodies against the MERS-CoV spike protein. Blood serum from European sheep, goats, cattle, and other camelids had no such antibodies.[48]
Soon after on 5 September 2013 a seroepidemiological study published in the journal of Eurosurveillance by R.A Perera et al.[49] where they investigated 1343 human and 625 animal sera indicated, the abundant presence of MERS-CoV specific antibody in 108 out of 110 Egyptian dromedary camels but not in other animals such as goats, cows or sheep in this region.[49] These are the first and significant scientific reports that indicated the role of "dromedary camels" as a reservoir of MERS-CoV.
Recent work links camels to the virus. An ahead-of-print dispatch for the journal Emerging Infectious Diseases records research showing the coronavirus infection in dromedary camel calves and adults, 99.9% matching to the genomes of human clade B MERS-CoV.[50]
At least one person who has fallen sick with MERS was known to have come into contact with camels or recently drank camel milk.[51]
Countries like Saudi Arabia and the United Arab Emirates produce and consume large amounts of camel meat. The possibility exists that African or Australian bats harbor the virus and transmit it to camels. Imported camels from these regions might have carried the virus to the Middle East.[52]
In 2013 MERS-CoV was identified in three members of a dromedary camel herd held in a Qatar barn, which was linked to two confirmed human cases who have since recovered. The presence of MERS-CoV in the camels was confirmed by the National Institute of Public Health and Environment (RIVM) of the Ministry of Health and the Erasmus Medical Center (WHO Collaborating Center), the Netherlands. None of the camels showed any sign of disease when the samples were collected. The Qatar Supreme Council of Health advised in November 2013 that people with underlying health conditions, such as heart disease, diabetes, kidney disease, respiratory disease, the immunosuppressed, and the elderly, avoid any close animal contacts when visiting farms and markets, and to practice good hygiene, such as washing hands.[53]
A further study on dromedary camels from Saudi Arabia published in December 2013 revealed the presence of MERS-CoV in 90% of the evaluated dromedary camels (310), suggesting that dromedary camels not only could be the main reservoir of MERS-CoV, but also the animal source of MERS.[54]
According to the 27 March 2014 MERS-CoV summary update, recent studies support that camels serve as the primary source of the MERS-CoV infecting humans, while bats may be the ultimate reservoir of the virus. Evidence includes the frequency with which the virus has been found in camels to which human cases have been exposed, seriological data which shows widespread transmission in camels, and the similarity of the camel CoV to the human CoV.[55]
On 6 June 2014, the Arab News newspaper highlighted the latest research findings in the New England Journal of Medicine in which a 44-year-old Saudi man who kept a herd of nine camels died of MERS in November 2013. His friends said they witnessed him applying a topical medicine to the nose of one of his ill camels—four of them reportedly sick with nasal discharge—seven days before he himself became stricken with MERS. Researchers sequenced the virus found in one of the sick camels and the virus that killed the man, and found that their genomes were identical. In that same article, the Arab News reported that as of 6 June 2014, there have been 689 cases of MERS reported within the Kingdom of Saudi Arabia with 283 deaths.[56]
MERS-CoV is more closely related to the bat coronaviruses HKU4 and HKU5 (lineage 2C) than it is to SARS-CoV (lineage 2B) (2, 9), sharing more than 90% sequence identity with their closest relationships, bat coronaviruses HKU4 and HKU5 and therefore considered to belong to the same species by the International Committee on Taxonomy of Viruses (ICTV).
Strains:
Saudi officials had not given permission for Dr. Zaki, the first isolator of the human strain, to send a sample of the virus to Fouchier and were angered when Fouchier claimed the patent on the full genetic sequence of the Middle East respiratory syndrome coronavirus.[60]
The editor of The Economist observed, "Concern over security must not slow urgent work. Studying a deadly virus is risky. Not studying it is riskier."[60] Dr. Zaki was fired from his job at the hospital as a result of bypassing the Saudi Ministry of Health in his announcement and sharing his sample and findings.[61][62][63][64]
At their annual meeting of the World Health Assembly in May 2013, WHO chief Margaret Chan declared that intellectual property, or patents on strains of new virus, should not impede nations from protecting their citizens by limiting scientific investigations. Deputy Health Minister Ziad Memish raised concerns that scientists who held the patent for the MERS-CoV virus would not allow other scientists to use patented material and were therefore delaying the development of diagnostic tests.[65] Erasmus MC responded that the patent application did not restrict public health research into MERS coronavirus,[66] and that the virus and diagnostic tests were shipped—free of charge—to all that requested such reagents.
There are a number of mapping efforts focused on tracking MERS coronavirus. On 2 May 2014, the Corona Map[67] was launched to track the MERS coronavirus in realtime on the world map. The data is officially reported by WHO or the Ministry of Health of the respective country.[68] HealthMap also tracks case reports with inclusion of news and social media as data sources as part of HealthMap MERS.[69] South Korea was infected in mid-2015, with 38 deaths among 186 cases of infection.
See Figure 3.
See Table 1.
See Figure 1.
Wikimedia Commons has media related to Middle East respiratory syndrome coronavirus. |
Wikispecies has information related to Middle East respiratory syndrome related coronavirus |
Human coronaviruses | |
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Alphacoronaviruses |
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Betacoronaviruses |
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Zoonotic viral diseases (A80–B34, 042–079) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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Arthropod -borne |
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Mammal -borne |
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Infectious diseases – viral systemic diseases | |||||||||
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Oncovirus |
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Immune disorders |
| ||||||||
Central nervous system |
| ||||||||
Cardiovascular |
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Respiratory system/ acute viral nasopharyngitis/ viral pneumonia |
| ||||||||
Human digestive system |
| ||||||||
Urogenital |
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Taxon identifiers | |
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Middle East respiratory syndrome-related coronavirus |
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リンク元 | 「中東呼吸器症候群」 |
関連記事 | 「C」「ME」「Co」 |
MERS | SARS | |
流行期間 | 2012年4月~ | 2002年11月~2003年7月 |
最初の報告 | 中東 | 中国 |
ウイルス自然宿主 | ヒトコブラクダ | 人 |
致死率 | 38% | 9.6% |
潜伏期間 | 5.2日(2~13) | 4.6日(2~14) |
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