発育性股関節形成不全 developmental dysplasia of the hip
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/01/27 21:28:02」(JST)
この項目では、自衛隊の艦艇について説明しています。
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護衛艦(ごえいかん)は、海上自衛隊が保有する自衛艦の分類の1つ。自衛艦類別表の大分類:警備艦、中分類:機動艦艇、種別:護衛艦となる。
国際法上は、自衛艦旗(国際法上で定義される軍艦旗)を掲揚し、自衛官(国際法上で定義される戦闘員)が運用しているため、軍艦と見なされる。英語ではDestroyerと呼ばれ、駆逐艦と見なされている。
第二次世界大戦中に船団護衛に用いられた護衛駆逐艦(Destroyer Escort)とは意味が異なり、海上自衛隊の保有する艦艇のうち航洋性をもつ現役の大型水上戦闘艦艇を指す。戦闘艦艇であってもミサイル艇や、武装があっても練習艦(元護衛艦を含む)や支援艦艇は護衛艦籍に入らない。
対潜任務を第一義とし、これを可能とするために対空、対水上戦闘能力を付与され、世界的に見ても高度な装備を持ち、十分な整備と訓練を受けた艦齢の若い艦で構成されている。
創隊後最初に保有した艦艇は、アメリカ海軍から貸与されたパトロールフリゲートで、1952年(昭和27年)に発足した海上保安庁海上警備隊時代には警備船と呼び、1954年(昭和29年)の自衛隊創隊以降は警備艦と呼び、1961年(昭和36年)10月に護衛艦と改称された。予算編成等においては現在でも「甲型警備艦」「乙型警備艦」の名称が使われている。艦の名称は天象、気象、山岳、河川、地方の名称から採られる。
航空母艦や補給艦といった他の艦艇を護衛する任務に就いている艦を「護衛艦」と呼ぶ事もあるが、これは任務に対するものであり艦種としての名称ではない。また、旧日本海軍においては、旧式戦艦の転用や漁業保護、船団護衛を目的とした艦種に海防艦という名称を充てていた。また、秋月型駆逐艦は、計画当初は「直衛艦」という艦種となる予定であった。
アメリカ海軍は原子力空母を中心とする空母打撃群によって海上戦力を構成するが、航空母艦を持たない海上自衛隊では、ヘリコプター搭載護衛艦を中心としたDDHグループと、ミサイル護衛艦(イージス艦)を中心としたDDGグループ各4個から戦術単位を形成する。
4年周期で半年程度を要する大規模なドック修理がある。ドック修理終了から約1年間は、低練度艦として基礎的な訓練を繰り返し、その後1年間は、高練度艦として実戦的な訓練を消化する。ドック修理から約2年経過後、約1年間を即応艦として実任務に対応し、次のドック修理まで活動する。この運用体制下では、即時実戦配備可能な護衛艦は全体の4分の1程度で、全護衛艦のおよそ3分の1は出港して訓練中、3分の1は移動中または帰投中、残り3分の1が入港して休養中または整備中となる。護衛艦の寿命は、約30年程度とされる。
新造の艦艇にはステルス性も意図されており、形状を工夫してレーダー反射面積を低減させる(レーダー反射断面積)設計、対潜水艦戦に影響を及ぼす騒音の低減、船体磁気の消磁による磁気感応機雷対策、船体外観や排煙による被探知を避けるための設計などが行われている。
年間出港日数は約120日程度とされる。出港中は24時間体制でレーダー、逆探知機、ソナー、目視などによって、海上輸送路(シーレーン)への脅威となり得る国籍不明艦船や潜水艦に対する哨戒を行なっている。護衛艦に搭載しているSH-60J/K哨戒ヘリコプターは、スクランブル発進に備えて、常時、哨戒待機(アラート)状態にある。
出港中の艦内では、常に各種訓練が実施されている。
特に火災は想定することが容易で、重大な被害をもたらす危険もあることから消火訓練の回数が多いとされる。船体の姿勢変化や沈没に繋がるため大量の放水が行えない艦船内での消火作業に対応するため、消火器を用いた初期消火から、各種消火装置を使用した本格的な消火訓練が実施され、油火災、電気火災の想定や、排煙通路の設定、応急電路の設定、隣接区画の冷却、被害局限などの訓練も行なっている。
射撃やミサイル発射訓練は、年に数回程度とされ、そのほとんどがシミュレーションとして実施される。ヘリコプター搭載護衛艦では、高練度を要求されるヘリコプターの発着艦訓練が頻繁に行われる。
個艦での基礎的な訓練を消化した後は、僚艦との共同訓練、実際の潜水艦を使用した実艦的対潜訓練、航空機との空水共同訓練、補給艦との洋上補給、派米訓練、環太平洋合同演習などの実戦的訓練をこなしていくことになる。
入港中の護衛艦の三大任務は、整備、補給、広報といわれる。それに加え各種教育、訓練も実施される。 護衛艦はレセプションや見学会などの広報任務も帯びているため、船体の塗装などの整備作業にも時間がかけられる。
重要影響事態や災害派遣の際は緊急出航をするために海上自衛官は警急呼集(非常呼集)を受けた場合、2時間以内に帰艦できるよう定められており、上陸した乗員の行動範囲には制限が生じる。乗員は常時、携帯電話を携行するなどして警急呼集に即応しなければならない。行動範囲外に出る場合や海外旅行などは、別途に休暇申請をして許可を受けることとなる。入港中の艦内では、艦長さえいればいつでも出港できるように当直員が確保されており、完全に無人になることはない。東日本大震災に関する緊急出航では、当直の制度のおかげで発災から1時間以内に複数の護衛艦が緊急出航を実施することができ、追って数時間以内に全国の基地から20隻を超える護衛艦・補助艦艇が被災地に向かっていった。特に、横須賀地方隊では発災当日のうちに稼働する全艦艇を緊急出航させた。
艦内の上級指揮命令系統を示す。戦闘艦であるため、砲雷長や船務長が航海長や機関長より先任である。
大別して戦闘部署、緊急部署、作業部署の3部署がある。
航海中は交代制、または交代なし総員配置による哨戒配備、停泊中は、昼間の8時間勤務が標準となる。
艦内での飲酒については、比較的寛容なイギリス海軍を手本として設立された日本海軍では将校の飲酒が「紳士の嗜み」として許され、一時期は日本でのスコッチウイスキーの最大消費者でもあった。また大日本果汁は海軍が監督工場として優先的に原料の大麦を割り当てていたため、戦時中でも事業の継続が可能だった[1]。それに対し海上自衛隊では、ジョセファス・ダニエルズの命令により禁酒を徹底していたアメリカ海軍の流れを汲み、階級にかかわらず一切許可されず、艦内で飲酒した者に対する厳重な罰則規定も存在する。
勤務時間などは「海上自衛官の勤務時間及び休暇に関する達」(昭和38年2月18日海上自衛隊達第15号)などで規定されており、夏期(4月1日から9月30日まで)の平日は、「総員起こし」と呼ばれる午前6時起床、体操後に朝食を摂り、午前8時から11時45分と午後1時から午後4時30分まで課業を行う。午後7時30分に巡検が行われ、午後10時消灯となる。自衛艦旗は、停泊中は午前8時の課業開始時に掲揚され、日没と同時に下ろされるが、航行中は常時掲揚している。曹士のまとめ役として先任伍長も置かれている。
護衛艦の艦内には医務室に常設の衛生科が設けられており、軍医として医官(医師免許を持つ自衛官)や、救急救命士や看護師を含む衛生員が勤務する。医務室には、医官のための手術台や医療機器が備え付けられており、医官による簡単な手術が可能になっている。ただし、医官は、すぐには患者を後送できない比較的長い期間の航海を実施する場合か、有事が予想される場合に限って乗り組むものであり、平時には衛生員だけが艦にいる。衛生員は医師免許を持たないため、医療行為を実施することは許されない。(ただし船舶に乗り組む衛生管理者として、法で定められた最低限度の医療行為は許されている。)航海中、艦内に医官が居ない状況下で患者が発生した場合は、衛生員が簡単な応急処置を施しつつ、すみやかに海上自衛隊の飛行艇や護衛艦搭載のヘリコプターを使って患者を後送する。艦内の食堂と士官室は、有事の際には臨時医務室として使用される。護衛艦において重篤な患者が多数発生して衛生科員の処置能力を超える場合には、トリアージによる選別後に一部または全部の患者が他の艦船や基地などに後送されることとなる。
南極輸送の任務に就く砕氷艦では、航海中に患者を後送することが難しいことから、平素から医官の乗り組みが認められており、医官1名・歯科医官1名の計2名が定員である。手術の際は歯科医官が麻酔を担当することになっている。
2009年から現在まで継続中の、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処の海上警備行動に従事する護衛艦においては、常に海賊との戦闘を想定しており、医官と歯科医官に加えて、放射線技師と臨床検査技師が乗り組み、本格的な外科手術を行えるよう特別に配慮されている。
護衛艦には、海上救難部署が設けられており、救助用器材も装備している。これに加えて、艦上救難員、潜水士、降下救助員が乗艦している。船舶火災、溺者救助、航空機救難、曳航などの救難任務にも対応できる。
護衛艦は、航海時・停泊時を問わずいつでも行動できる体制を維持しており、停泊時は課業終了後も上陸せずに勤務に就く乗員が必ずいる。乗員の内、現時点では海士は4日に1回、2、3等海曹は5日に1回、1等海曹は6日に1回の割合で当直勤務につく。大型の外航船舶や練習船の様な官公庁船と同様に、乗員全員が上陸して中が無人になる時間はない。
艦長及び副長を除く幹部と先任海曹は、6日に1回が標準であるが現員による。停泊中の当直には、当直士官、副直士官、当直警衛海曹、舷門(艦艇の一般受付窓口兼警衛場所の総称)当直海曹、舷門当番など、職種に応じて数種ある。また、航海中の当直には、乗員を2~4つのグループに分け当直勤務をさせる。通常航海直(航海当番)、艦内哨戒第3配備から第1配備へと、状況に応じて変化させる。この当直体制は、各科(砲雷科、船務科、機関科)で異なる。防火防水部署などの緊急部署が発動された際は、総員が各々の配置に付く。
当直士官は、艦長が艦の指揮を執らない間の艦の指揮を代行する任務を帯びた士官である。通常航海時には砲雷長、船務長、航海長があたり、停泊時はこの3名に機関長、補給長が加わる。針路変更と速力変更は当直士官であっても勝手には出来ず、必ず艦長の許可が必要である。
ここで言う配備とは、艦艇の警戒レベルを意味する。 以下の4種類が存在し、上記のものほど警戒レベルが高い。
第1配備以上になると居住区画のベッドは取り外され、乗員が自分の部署で寝ることや、ベッドが外された居住区画には必要物資が積載されることも想定されている。
太平洋戦争の戦訓と、戦後のアメリカ海軍から得た教示を踏まえて、生残性を重視した設計となっている。ダメージコントロールを重視して被弾時に浸水口となる舷窓を廃し、艦内の要所には防水扉を設置しており、浸水はもとより火災や化学兵器による攻撃を受けても直ちに防水扉を閉鎖して被害の拡大を抑える設計となっている。
艦内での食事は、調理のために火の気を使うことはなく、火を使わなければ調理できない料理は、代わりに電気コンロ、電気オーブンもしくは蒸気によって調理し、火災を予防している。艦内の士官室や艦長公室にある装飾品の材質も、火災を誘発する静電気を発しないよう、木材または真鍮で製造することにこだわる徹底ぶりである。また、核戦争が発生して放射性降下物を浴びることも想定しており、シャワーで艦に付着した塵を洗い落とす放射能塵除去装置が設置されている。特に、海上自衛隊が保有しているイージス艦では、放射性物質を濾過するフィルターを装備した換気装置を備えるほか、艦内の気圧を高めることでフィルターでは濾過できない生物化学兵器や放射性ヨウ素等の放射性ガスの侵入を防ぐ空調設備を備えている。
護衛艦では、隊員はダメージコントロールの訓練を平素から実施している。ダメージコントロールにあたって必要となる電気等のエネルギーを確保するため、ガスタービン機関と発電室は艦内の2ヶ所に分散して配置され、一度の損害で艦内のエネルギーが全て失われないように配慮されている。
設計が古い艦では、上部構造物内の各種弾薬庫が仮に爆発しても、艦内が破壊されないよう爆風を逃す機能として、弾薬庫側面の外壁に円形の爆風逃がしが設置されている。新しい艦は被弾しにくい個所に弾薬庫を配置している。
装甲は、艦の中枢部である戦闘指揮所や艦橋に限って装備されるが、至近距離の海面に対艦ミサイル等が墜落した場合に散乱する破片から護衛艦を防御する以上の効果は期待されず、あくまでもダメージコントロールを補助するものである。現代の海戦では、対艦ミサイルや誘導魚雷の威力に比べて装甲の防御力には限界があるため、第二次世界大戦までのように装甲に依存した防御システムは、もはや時代遅れである。その代わり、電磁パルス(EMP)や敵からの妨害電波等(ECM)の脅威から艦内の電子機器を防護する電子戦システムや、対空ミサイル等の武器を駆使して被弾前に脅威を排除することが生残性を左右しており、日本を含む世界中の海軍艦艇の課題となっている。
×が付いている装備は現用でないもの
1953年(昭和28年)度計画で、日本での水上戦闘艦の国産が再開されて以後、護衛艦は、甲型(DD)と乙型(DE)の2系統で整備されてきた[2]。
海外の駆逐艦に相当する。なお、これらの各艦種のうち、DDGとDDHは公式の艦種記号として使用されているが、DDKやDDA、DDCは、いずれも公式には「DD」を使用しており、非公式の艦種記号である。また、DDGとDDHに関しても、公式の船舶区分においては使用されておらず、すべてが一括してDDと称されている[3]。
当初、保安庁警備隊時代の方式を踏襲して甲型警備艦と称されていたものを1961年(昭和36年)に改称したものである。このうち、初代あきづき型については、優れた指揮統制機能を備えていたことから、非公式に指揮護衛艦と称されることもあった[4][2]。
艦級一覧
自衛隊では汎用護衛艦(英語: Destroyer, DD)、予算上は甲型警備艦と称される。
ポスト4次防期において、護衛艦隊の兵力構成について8艦8機体制(いわゆる新八八艦隊)コンセプトが採択されるのに伴って構想された艦種である。艦隊の新たな基準構成艦(ワークホース)として、従来の対潜護衛艦(DDK)および対空護衛艦(DDA)の後継としてこれらを統合する新艦種とされた[5]。
艦級一覧
自衛隊では対潜護衛艦(英語: Anti Submarine Destroyer, DDK; KはHunter-Killer(HUK)に由来)、予算上は甲型警備艦と称される。対潜戦(ASW)を重視した設計が行なわれており、艦隊の基準構成艦(ワークホース)とされていた。
艦級一覧
自衛隊では対空護衛艦ないし多目的護衛艦(英語: Anti-Air / All-purpose Destroyer, DDA)、予算上は甲II型警備艦と称される。
従来の護衛艦が搭載していた艦砲よりも長射程・高性能の54口径5インチ単装砲(初期にはMk.39、のちにMk.42およびその国産化版である73式)を搭載し、その対空砲火力によって艦隊防空を担うものとされており、3・4次防の8艦6機体制においては、ミサイル護衛艦(DDG)を補完する防空艦と位置付けられていた[4][5]。
艦級一覧
自衛隊ではヘリコプター搭載護衛艦(英語: Helicopter Destroyer, DDH)、予算上は甲III型警備艦と称される。
第3次防衛力整備計画において策定された8艦6機体制を実現するために構想された艦種である。有力な対潜ヘリコプターを3機搭載するという、駆逐艦級の水上戦闘艦としては世界でも最有力の航空運用能力を備えており、はるな型(43/45DDH)としらね型(50/51DDH)は、ポスト4次防以降の8艦8機体制下においても、護衛隊群の航空運用中枢として活躍した[5]。
その後、マルチハザード化やグローバル化を背景とした任務変化に伴い、はるな型(43/45DDH)の後継となるひゅうが型(16/18DDH)においては、より強力な航空運用能力を備えることとなった。また、しらね型(50/51DDH)の後継となるいずも型(22/24DDH)においてはさらに強化される計画となっている。
艦級一覧
自衛隊ではミサイル護衛艦(英語: Guided missile weapon Destroyer, DDG)、予算上は甲IV型警備艦と称される。
海外におけるミサイル駆逐艦に相当するもので、長射程の艦隊防空ミサイルを運用してエリアディフェンスを展開し、対艦ミサイルや敵航空機を迎撃し自艦と艦隊を防御するのが主な任務となる。こんごう型以降のイージスシステム搭載艦(イージス艦)は、弾道ミサイルの監視任務に就くケースが増え、一部には弾道ミサイル防衛能力も付与されている。
艦級一覧
自衛隊では護衛艦、文献によっては小型護衛艦[6]・沿岸用護衛艦[7]とも通称され 、予算上は乙型警備艦と称される。艦種記号は、護衛駆逐艦(英語: Destroyer Escort, DE)と同じものが採用されている。かつては乙型護衛艦と呼ばれ、現在ジェーン海軍年鑑ではフリゲートに分類されている。
護衛艦隊に所属するが、事態対処においては各地方隊で運用され、おもに沿海域における対潜水艦哨戒、迎撃を任務とする。予算削減のため1993年以降は新造艦が建造されていないが、26防衛大綱及び、中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)に於いて、「多様な任務への対応能力の向上と船体のコンパクト化を両立させた新たな護衛艦を導入する。」として新小型護衛艦の調達が明記された。各情報誌はこれをDE-Xと称したが、後にDXの記述もされている。2桁番号の護衛隊においては、旧式化した汎用護衛艦(DD)と併用されている。
艦級一覧
アメリカ海軍のタコマ級哨戒フリゲートの貸与によるくす型においてのみ、アメリカ海軍のものを踏襲するかたちで採用された艦種記号である。同型の運用終了に伴い、海上自衛隊においては現存しない。
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