- 53歳の男性。健康診断で耐糖能異常を指摘され、内科外来を受診した。糖尿病に対する知識と簡単な食事指導とを受けた。身長176 cm、体重88kg。2回目の受診時の医療面接でのやり取りを示す。
- 医師 「この1か月、いかがでしたか」
- 患者 「あまり変わったことはないです」
- 医師 「食事や体重、身の回りのことで、小さな変化でもありませんか」
- 患者 「毎日暑くてね」
- 医師 「そうですね、残暑がきびしいですね」
- 患者① 「そうです。私は水を飲んでも太る体質ですし、この時期はちょっと」
- 医師 「じゃあ、体重にも変化はないですか」
- 患者② 「標準体重よりは大分重いですが、困ったことはないです」
- 医師 「なにか工夫をされているのですか」
- 患者③ 「ないですね、食事を減らすと元気が出ないでしょう」
- 医師 「そうですか。食事について考えることはありますか」
- 患者④ 「年齢や糖尿病ということからは、好みより量やカロリーが大切なんですかね」
- 医師 「食事量は多いのですか」
- 患者⑤ 「そんなに多くはないですよ」
- この患者の会話①~⑤で治療への関心が生まれつつあると考えられるのはどれか。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 60歳の男性。前胸部の締めつけ感を自覚したため診察予約外に来院した。
- 現病歴 : 2年前の健康診断で高血圧と高脂血症とを指摘され、外来通院している。これまで薬は欠かさず服用し、特に症状もなく経過しており、1週前に受診した時にも問題はないとされた。毎朝自宅で血圧を測定している。3日前から前胸部が締めつけられるようになり、心配になった。来院時には症状はなかったが至急心電図検査の指示を受け、検査を済ませて待合室で待っていた。外来は大変混み合っており、2時間経ってもまだ診察の順番が回ってこないので怒り出した。いつもの担当医が別室で話を聞くことになった。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 生活歴 : 喫煙:20本/日、38年。
- 現症(1週前) : 身長166cm、体重72kg。体温36.5℃。脈拍68/分、整。血圧138/88mmHg。結膜に貧血と黄疸とを認めない。胸部に心雑音はなく、呼吸音に異常を認めない。腹部は軽度膨隆しているが、肝・脾を触知せず、圧痛を認めない。下肢に浮腫を認めない。
- 検査所見(1週前) : 血清生化学所見:空腹時血糖100mg/dl、総蛋白7.6g/dl、アルブミン5.2g/dg、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン1.2mg/dg、尿酸7.0mg/dl、総コレステロール240mg/dl、トリグリセライド180mg/dl、CK30単位(基準10~40)。CRP0.4mg/dl。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。
- a. 普段どおりに診察する。
- b. 怒りは正当なものと評価する。
- c. 怒りに対して厳正な態度で臨む。
- d. 患者の感情を理解したことを伝える。
- e. 予約外であるから仕方がないとなだめる。
[正答]
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[★]
- 46歳の男性。自営業。
- 健康診査で肝障害を指摘され来院した。自覚症状はない。30歳ころからの常習飲酒家で、これまでに酔って妻や子供に暴力を振るったり、飲酒運転で事故を起こしたこともある。最近では、朝から飲酒して仕事をすることが多く、妻が注意すると不機嫌になる。本人は「自分は酒を止めようと思えばすぐに止めることができるので、飲酒についての助言は必要ない」と言う。
- 現在、日本酒5合/日。身長162cm、体重58kg。血圧148/86mmHg。胸部に異常所見なく、腹部に肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球398万、Hb13.1g/dl、Ht40%、白血球6,300、血小板16万。血清生化学所見:総蛋白7.9g/dl、アルブミン3.9g/dl、ビリルビン0.9mg/dl、AST84単位、ALT46単位、γ-GTP188単位(基準8~50)。免疫学所見:HBs抗原(-)、HCV抗体(-)。腹部超音波検査で肝の輝度の増強と肝腎コントラストの増加とを認める。
- この患者への対応で最も重要なのはどれか。
- a. 家族への暴力行為を厳重に注意する。
- b. 外来での定期的な肝機能検査を継続させる。
- c. 内科病棟に一時的に入院させ飲酒の機会を断つ。
- d. 飲酒による終末期肝硬変の悲惨さを強調する。
- e. 禁酒を目標にアルコール依存症であることを理解させる。
[正答]
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