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遠心分離(えんしんぶんり、英: centrifugation)とは、ある試料に対して強大な遠心力をかけることにより、その試料を構成する成分(分散質)を分離または分画する方法である。
懸濁液や乳液などは、ろ過や抽出操作では分離することが困難であるが、遠心分離では通常なら分離困難な試料に対しても有効にはたらく場合が多い。その原理は、高速回転により試料に強大な加速度を加えると、密度差がわずかであっても遠心力が各分散質を異なる相に分離するように働くためである。遠心分離に使用する機械を遠心機という。
19世紀から開発され、現代的なものはテオドール・スヴェドベリにより1920-1930年にかけて開発された[1]。
生化学では、塩化セシウムなど式量の大きい塩の溶液を試料と混合して超遠心機(後述)にかけることによって、試料の粒子をその重さにしたがって分離する密度勾配遠心法(みつどこうばいえんしんほう)が利用される。これは、溶液に長時間にわたり超遠心を施すことにより生じる密度勾配を利用し、試料中の粒子がその重さに応じて層を成して分離する現象を利用して、高分子の分離や平均分子量を推測する手法である。また、血球細胞の分離の際にもショ糖溶液などを用いて行われる。その際には細胞が損傷を受けないように超遠心機ではなく、通常の遠心機によって分離される。
遠心分離に使用される装置を遠心機(えんしんき、centrifuge)と呼ぶ。筐体とその内部の回転子とで形成される。手回し式のギアで回転させるものから、高速電動モーターで回転させるものまでさまざまである。
遠心機の能力は発生する遠心力をG(重力加速度)で計測した値で示され、数千Gまでかけられるものを遠心機、数万G以上をかけられるものを超遠心機 (ultracentrifuge) と呼び区別している。
回転子は用途によりさまざまな形状が存在する。試料容器は沈殿管(ちんでんかん)と呼ばれ試験管、スピッツ管、ディープウエルプレート、マイクロチューブなどが使用されるため、通常はアダプターを取り替えることで、種々の容器に対応できるようになっているものが多い。
いずれも、回転速度により遠心力ベクトルが変化するのに、管の向きを鉛直に保てるように振り子式の支点でアダプターを回転子に保持させるようになっている。ただし、管の角度が常に一定になっている遠心機も存在している。また、回転子の重量配分に偏りがあると高速回転時に振動を発生し危険でもあるので、サンプルは重量配分に偏りが無いようにセットされる。
超遠心機では、種々の部位による摩擦による発熱が無視できないので、生化学用の超遠心機にはサンプルを冷却する仕組みが備えられたものもあり、これらは冷却遠心機と呼ばれる。場合によっては減圧にすることで、空気との断熱圧縮を減らす冷却遠心機も存在する。
遠心分離中の分散質の移動速度v は、次で表される[1]。
ここでΔρは分散質と分散媒の密度差、V は分散質の体積、αは加速度、m は分散質の質量、βは単位質量あたりの摩擦係数である。このことから、遠心分離の効果を表す指標として、次のスヴェドベリのS 値、または沈降係数が定義される。
ただしストークスの式を用いており、a は分散質(粒子)の半径である。
このS は時間の次元をもち、10-13 秒を単位として表される。これをスヴェドベリ単位という。
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