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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/28 13:48:49」(JST)
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脱共役剤(だつきょうやくざい、Uncoupler)とは、生物の酸化的リン酸化において、電子伝達系およびATP合成反応のいずれをも阻害せずに両反応の共役を阻害する化合物のこと。
酸化的リン酸化は、電子伝達系によりミトコンドリア内膜内側からくみ出されたプロトンが、ATP合成酵素を通って流入する際にATPが合成されるという形で両反応が共役し成立している(化学浸透圧説)。ここに脱共役剤が投与されると、プロトンがATP合成酵素を通らずに膜を通して漏れ、電子伝達反応は進行してもATPは合成されなくなる。これが脱共役である。
脱共役剤は一般に親油性の弱酸である。プロトン濃度の高い環境ではプロトンを結合し酸となり、プロトン濃度が低くなるとプロトンが解離して塩基の形となる。いずれの形も膜に入りやすく、膜の両側で出入りしながらプロトンを輸送する、一種のイオノフォア(プロトノフォア)である。 代表的な脱共役剤としては、2,4-ジニトロフェノール、カルボニルシアニド-m-クロロフェニルヒドラゾン(CCCP)、カルボニルシアニド-p-トリフルオロメトキシフェニルヒドラゾン(FCCP)などがある。またごく弱いながらエタノールやサリチル酸などにも脱共役作用がある。CCCPなどは共役二重結合により酸・塩基両型が安定化されるため、低濃度で脱共役作用を示す。
脱共役は細胞の呼吸(酸化によるエネルギー獲得)を阻害するため、低濃度で効く脱共役剤は一般に強い毒性を示す。しかし選択毒性のある化合物では農薬として用いられるものもある。
ミトコンドリアにも脱共役作用を示すタンパク質(脱共役タンパク質:UCP)が内在する。これは電子伝達系のエネルギーを"無駄遣い"して熱に変換することにより、褐色脂肪などで体温調節のための熱を出す働きがある。
関連項目
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Japanese Journal
- HepG2細胞を用いたHigh Content Analysis Systemのミトコンドリア毒性評価系としての有用性検討
- 吉川 佳佑,安藤 雅光,有賀 千浪,岩瀬 裕美子
- 日本毒性学会学術年会 39.1(0), P-67, 2012
- … 定後にArrayScan VTIを用いてMPへの影響を画像解析により評価した.【結果及び考察】既知ミトコンドリア毒性物質23化合物のうち19化合物(82.6%)において濃度依存的なMPの低下が認められた.これらの多くは脱共役剤やミトコンドリア複合体阻害剤など、電子伝達系を直接的に阻害する作用が知られているものであった.MP低下がみられなかった4化合物は,β酸化阻害作用やミトコンドリアDNA合成阻害作用が報告されてい …
- NAID 130005008910
- アルミニウム及び阻害剤で処理されたイネ根におけるMg吸収様式の`28´Mgイメージング解析
- 田野井 慶太朗,小林 奈通子,斉藤 貴之,岩田 直子,大前 芳美,広瀬 農,岩田 錬,中西 友子
- RADIOISOTOPES 60(12), 497-503, 2011
- … 次に,阻害剤がMg吸収に与える影響について調べたところ,脱共役剤であるcarbonyl cyanide m-chlorophenyl hydrazoneや2,4-dinitrophenolの代謝阻害剤,並びにATPase特異的阻害剤であるバナジン酸で処理した場合,Mg吸収量は根全体において均一な割合で減少した。 …
- NAID 130004802926
- ミトコンドリアの膜内外電位差と活性酸素種の産生はSNU-638細胞におけるCCCPのTRAIL誘発アポトーシス増強作用を調節する(生化学)
- Chaudhari Atul A.,Seol Jae-Won,Kang Seog-Jin [他],PARK Sang-Youel
- The journal of veterinary medical science 70(6), 537-542, 2008-06-25
- … ァミリーに属するサイトカインであり,カスパーゼ-8の活性化を介して細胞をアポトーシスに導く.本研究では,ヒト胃ガン出来細胞株SNU-638を用い,TRAILが誘発するアポトーシスに対する酸化的リン酸化の古典的脱共役剤CCCPの影響を検討した.細胞をCCCP処理後にTRAILとインキュベーションすると,そのアポトーシスは,TRAIL単独でインキュベーションしだ場合の2倍に増加した.この際,ミトコンドリアの膜内外電位差の低下と活性酸 …
- NAID 110006812728
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-coupling
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