- 英
- bond energy
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/07/14 21:23:23」(JST)
[Wiki ja表示]
結合エネルギー(けつごうエネルギー)とは、互いに引き合う複数の要素からなる系において、その系がひとところに寄り集まって存在する状態と、粒子がばらばらに存在する状態との間での、ポテンシャルエネルギーの差のこと。結合エネルギーが大きいほど、その結合は強固で安定であると言える。束縛エネルギーとも言う。
本来、保存力によって結合する系ならば、どのような系に対しても考えることが出来るが、この語が良く用いられるのは、化学分野における分子中の原子間結合の場合と、原子核の核子間相互作用の場合である。
英語表記は、bond energy や binding energy 等があるが、前者は主に化学分野において、後者は主に原子核物理学分野において用いられる。
原子・分子間の結合エネルギー
分子の中に存在する、結合一つ一つを、実際に切断するのために必要となるエネルギーに関しては、結合解離エネルギーと言う語が用いられる。これに対して、単に結合エネルギーと呼んだ場合には、分子の持つ全結合の解離エネルギーの総和をさし、一つの結合の結合エネルギーとは、その分子中に存在する同種の結合の結合解離エネルギーの平均と言う意味になる[1]。
原子どうしが結合して、分子や結晶などのひとつのかたまりを形成するときの結合エネルギーの源は、それぞれの原子の最外殻の電子が、原子間で共有されること(共有結合)であったり、電気陰性度の小さな原子から大きな原子へと移動すること、およびその移動の結果生ずるクーロン力(イオン結合)であったりする。
化学結合の強さは原子・分子間の結合エネルギーで表され、大きい方から順に並べると次のようになる。
- 共有結合>イオン結合>金属結合>ファンデルワールス結合
原子核の結合エネルギー
核力などによって生ずる結合エネルギー。詳細は質量欠損を参照のこと。
脚注
- ^ IUPAC Gold Book - bond energy (mean bond energy)
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
- 1. 運動生理学exercise physiology [show details]
…releases the chemical energy necessary for binding of the protein myosin with actin filaments to allow myosin to slide along the actin filament leading to mechanical contraction. Energy metabolism in muscle …
- 2. 青年に必要な食物エネルギーdietary energy requirements in adolescents [show details]
… measured the BMR and energy expenditure of 40 Caucasian and 41 matched African American pubertal girls . After adjusting for fat-free mass, the basal energy expenditure and energy expended for physical …
- 3. 筋肉におけるエネルギー代謝energy metabolism in muscle [show details]
…briefly review the sources of energy in muscle. The main types of "fuel" used by muscle for energy metabolism are glycogen, glucose, and free fatty acids . The particular energy sources used by working muscle …
- 4. 小児のための菜食料理vegetarian diets for children [show details]
… may have difficulty meeting their energy needs because of their relatively small stomach capacity and energy needs for growth .… and soy protein also bind with nonheme iron to form insoluble complexes and reduce iron absorption .…
- 5. レプチンの生理学physiology of leptin [show details]
…an indicator of long-term energy stores but also as a marker of acute changes in energy intake. Leptin circulates in the blood stream as both free and bound forms. The binding protein is the extracellular …
Japanese Journal
- <講義ノート>低次元ナノ物質の励起子光物性 --基礎から応用まで
- 宮内 雄平
- 物性研究・電子版 7(2), [1], 2018-11
- … そのため、光物性は、低温から室温を上回る高温にいたるまで大きな結合エネルギーをもつ励起子(電子と正孔の相互束縛状態)に支配されており、これらの物質系固有の対称性と相まって興味深い光機能性の発現に繋がっている。 …
- NAID 120006542042
- ヒトb<sub>3 </sub>ホモマーGABA<sub>A</sub>受容体のプロポフォール結合部位におけるバルビツル対掌体の分子識別
- 瀬戸 倫義,加藤 稔,小谷野 賢
- CBIジャーナル 18(0), 154-163, 2018
- … (S)</i>-pentobarbitalは2.9 kcal mol<sup>-1</sup>の結合エネルギー差で対掌体識別していた。 …
- NAID 130007522494
- MOPAC2016新ハミルトニアンによる水素結合,Diels-Alder 反応, イソシアネートのウレタン化反応,光異性化反応等 のシミュレーション解析と評価
- 染川 賢一,上田 岳彦
- Journal of Computer Chemistry, Japan 17(2), 85-91, 2018
- … 例えば上記 反応2例では、より大きい水素結合エネルギー(<i>E</i><sub>Hb</sub>)と分子間相互作用エネルギー(<i>E</i><sub>Ln</sub>)の算出で安定錯体 (<b>B</b>)の存在推定と, より実験値に近い活性化エネルギー(<i>E</i><sub>a</sub>)が見積られ, Figure 1等の反応プロセスと遷移状態(<b>TS</b>)の評価改善が推定され, また<b>B</b>などの低温 …
- NAID 130007384770
Related Links
- 反応熱=生成物の生成熱の和-反応物の生成熱の和」の関係ををしっかり覚えておきましょう。 次は結合エネルギーです。多くの結合エネルギーが求められていますが,異なる化合物から求めた結合エネルギーの値は,必ずしも一致 ...
- 世界大百科事典 第2版 結合エネルギーの用語解説 - 原子核や分子,結晶などのように多数の粒子からなる体系において,これをその構成粒子に分離するのに要するエネルギー。その値が大きいほど結合の度合は強いとみなされる。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- binding energy
[★]
- 関
- bond energy
[★]
- 英
- electrostatic bond energy
- 関
- 結合エネルギー、静電的結合
[★]
- 英
- binding、bond、linkage、connection、conjugation、conjunction、union、bonding、engagement,
- bind、associate、conjugate、combine、connect、couple、engage、join、dock、ligate、conjoin
- 関
- 会合、関係、関与、関連、協同、共役、組み合わせ、結合性、結紮、結線、従事、接合、接合体、同僚、ドッキング、バインディング、複合物、付随、併用、抱合、抱合体、結びつける、約束、癒合、癒着、連関、連結、連合、連鎖、連接、連絡、団結、組合、参加、接続、一対、合併、組み合わせる、カップル、組合せ、絆
[★]
- 英
- energy
- 関
- エネルギー代謝
- 食事のカロリー、熱量の意味で使われることがある。ちなみに肝硬変の代償期の食事は30-35cal/kgが推奨される。