- 英
- photophthalmia, ultraviolet ophthalmia
- 同
- 電気性眼炎、雪盲、雪眼炎、雪眼 ゆきめ、表層角膜炎
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2018/11/09 20:57:03」(JST)
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合成樹脂小片が侵入し、虹彩の部分離断、神経損傷による瞳孔不同が発生
眼外傷(がんがいしょう、英:ocular injuries、独:Verletzungen des Auges)は、眼球自体、もしくは眼瞼、涙器などの付属器が外力により損傷を受けた状態であり、性質上、機械的外傷と非機械的外傷に2分される。
機械的外傷
機械的外傷 mechanical injuries は打撲傷もしくは振盪症、穿孔性眼外傷、さらに眼球鉄症や眼球銅症などの眼内異物による二次的疾患に分けられる。眼瞼などにおける外傷では特に内眼角付近の裂創に注意が必要で、多くの場合、涙小管の断裂があるため、受傷直後の再建が必要になる。
眼球打撲
眼球打撲(英:contusion of the globe、独:Kontusion des Auges)においては、眼球に対して瞬時に外力が作用し、眼球が変形する。眼内の各組織間では弾性にそれぞれ差があるため、様々な症状が引き起こされる。虹彩根部離断もしくは虹彩根部後転 iris recession の状態では前房出血が起こり、数か月後に緑内障を続発することがある。水晶体脱臼は眼圧上昇を招くことがある。眼底にはしばしば網膜振盪が起こり、壊死性に網膜裂孔を生じることがある。さらに衝撃が激しい場合には脈絡膜破裂や網膜の亀裂性裂孔が生じ、硝子体出血が起こる。
脈絡膜破裂
眼球が鈍的な外力を受け、眼球後極部の圧力が変化すると、黄斑部を中心とした部分のブルック膜(脈絡膜の最内層にある膜状構造。ブルッフ膜ともいう)を含む脈絡膜に断裂 rupture of choroid が起こる。脈絡膜出血は網膜下腔、網膜、硝子体内におよぶことが多く、出血吸収後は白色の線状もしくは弧状の瘢痕を生じる。脈絡膜断裂が黄斑もしくは視神経乳頭と黄斑の間に発生した場合には顕著な視力障害が認められる。
穿孔性眼外傷
角膜もしくは強膜に刺創、切創を生じ、眼内組織が部分的に流出もしくは脱出した状態を穿孔性眼外傷(英:perforating ocular injuries、独:perforierende Verletzungen)という。これにより眼内組織間に位置異常が起こり、二次的な障害が発生することが多いため、受傷後早期に穿孔創を閉じ眼内組織の位置異常を軽減、修復する必要がある。まず微温滅菌生理食塩水で眼球を圧迫しないように創部を洗浄し、手術用顕微鏡下で創部に付着する異物や滲出物を除去する。脱出虹彩は整復もしくは切除し、角膜創を10-0ナイロン糸で縫合する。強膜創が眼球壁後方にわたる場合は結膜を切開して強膜を広く露出し、7-0〜8-0ナイロン糸で縫合する。眼球後半部にわたる穿孔創が存在する場合は硝子体出血が見られることが多く、増殖性硝子体網膜症を続発しやすいため、早期の硝子体手術が望ましい。眼球内に異物が存在する場合には摘出する。創縫合が遅れた場合、不適切に施された場合には交感性眼炎を発症することもある。
眼球鉄症
眼球鉄症(英:siderosis、独:Siderosis bulbi)は鉄錆症ともいう。鉄片が眼球内に侵入した場合、第一鉄イオン(Fe2+)となって溶出し、眼球組織内に浸潤、沈着して特有の鉄錆色が認められるようになる。角膜、水晶体にも沈着するが、網膜に浸潤すると夜盲といわれる暗順応の遅延した状態を引き起こし、やがて失明に帰する。緑内障を続発する場合もある。鉄片異物の侵入後、発症までには2、3週間から1、2年を要するが、最も早く異常を確認できるのは網膜電図においてである。鉄片異物を除去した後も異常網膜電図が改善されない場合はキレート剤を用いて第一鉄イオンを無毒化する。
非機械的外傷
非機械的外傷 non-mechanical injuries は物理的外傷と化学的外傷に2分される。物理的外傷には熱傷、超音波、電気性外傷、紫外線やX線などの放射性外傷などがある。紫外線による電気性眼炎や雪眼炎(雪眼、雪目)あるいは日食時に多発する日食性眼炎といった紫外線眼炎は一般に予後良好だが、眼球熱傷および酸、アルカリによる腐食性眼炎は予後不良で失明することが多い。酸、アルカリ外傷を受けた場合には受傷直後に入念な洗眼を行うことが重要とされる。
参考文献
- 『南山堂 医学大辞典』 南山堂 2006年3月10日発行 ISBN 978-4-525-01029-4
関連項目
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UpToDate Contents
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- 1. 細菌性眼内炎bacterial endophthalmitis [show details]
… initiated. Bacterial endophthalmitis can be divided into several categories: Acute postoperative (primarily postcataract surgery) endophthalmitis; Chronic pseudophakic endophthalmitis; Post-intravitreal …
- 2. 真菌性眼内炎の疫学、臨床症状、および診断epidemiology clinical manifestations and diagnosis of fungal endophthalmitis [show details]
…clinical features, and diagnosis of fungal endophthalmitis will be reviewed here. The management of fungal endophthalmitis is discussed separately; bacterial endophthalmitis, Fusarium keratitis, and candidemia …
- 3. カンジダ属による外因性眼内炎の治療treatment of exogenous endophthalmitis due to candida species [show details]
…separately. The treatment of endogenous endophthalmitis caused by Candida species and endophthalmitis due to molds are also presented separately. Bacterial endophthalmitis and Fusarium keratitis as well as candidemia …
- 4. 真菌による眼内炎の治療treatment of endophthalmitis due to molds [show details]
…treatment of endophthalmitis due to molds will be reviewed here. The epidemiology, clinical features, and diagnosis of fungal endophthalmitis are discussed elsewhere. The treatment of endophthalmitis caused …
- 5. カンジダ属に起因する内因性眼内炎の治療treatment of endogenous endophthalmitis due to candida species [show details]
…separately. The management of exogenous endophthalmitis due to Candida species and endophthalmitis due to molds are also presented elsewhere. Bacterial endophthalmitis, Fusarium keratitis, and candidemia and …
Japanese Journal
- 海浜での紫外放射に関する基礎的研究 その1 砂の紫外反射:その1 砂の紫外反射
- 川西 利昌,渡邊 直彦,門松 弘展
- 人間工学 31(3), 191-196, 1995
- … 紫外放射の増加は, 皮膚への紅斑現象, 色素沈着, 眼の角膜や結膜に障害を与える紫外線眼炎などを引き起こす原因となっている. …
- NAID 130003718837
- 紫外線眼炎 (眼科基本検査手技と初期救急医療) -- (緊急処置を要する眼疾患の診断と処置)
- Cis体urocanic acid溶液点眼の紫外線眼炎阻止効果について
Related Links
- 雪眼炎とは、雪に反射した紫外線に目が暴露されることによって引き起こされる眼の障害です。雪眼炎は「雪眼」や「電気性眼炎」と呼称されることもある病気であり、眼に生じたやけどとも捉えることができます。 雪眼炎による角膜損傷は、自然に軽...
- 電気性眼炎とは、紫外線を原因として引き起こされる目の障害のことを指します。 紫外線の影響によって皮膚に日焼けが生じるように、目に影響が生じた状態を電気性眼炎と呼びます。発症すると目の強い痛みや腫れなどの症状が現れます。
- このUVCによる紫外線角膜炎を電気性眼炎と言う。 一方で、太陽光線の多量のUVB曝露による紫外線角膜炎を 雪眼炎(ゆきめ) と言う。 保護眼鏡をしないで人工光源を見たり、サングラスやゴーグルをしないでスキー場にいたりすると、 30分から24時間の潜伏期 を経て紫外線角膜炎を生じる。
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- electric ophthalmia, electric ophthalmitis
- 同
- 電光性眼炎
- 関
- 紫外線眼炎、表層角膜炎、眼外傷、紫外線障害、雪眼炎
- アーク放電(電気溶接)や殺菌灯の紫外線により角膜上皮の障害を来したもの。
国試
[★]
- 英
- snow ophthalmia
- 同
- 雪盲、雪目
- 関
- 紫外線眼炎、電気性眼炎
[★]
紫外線眼炎。雪眼
[★]
- 英
- ultra violet, UV, ultraviolet rays, UV rays
- 同
- 化学線 chemical rays
- 関
- ドルノ線、電磁波。紫外光
- 波長が短いほど生物学的作用は強く
- UVA, UVB, UVCの区分分けは資料によってまちまち
特徴
分類1
種類(波長)
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地上への到達度
|
生物影響
|
UV-A (315~400nm)
|
地表まで到達する。
|
UV-Bほど有害ではないが、長期間曝露された場合の健康影響が懸念される。
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UV-B (280~315nm)
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ほとんどは成層圏オゾン層などに吸収されるが、一部は地表へ到達する。
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皮膚や眼に非常に有害である。日焼けを起こしたり、皮膚がんの原因になる。一般に、有害紫外線と呼ばれる。
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UV-C (100~280nm)
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大気や成層圏オゾン層に吸収されて、地表には到達しない。
|
非常に有害である。
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分類2
- UVC(290~320nm)
- UVB(290~320nm)
- UVA(320~400nm)
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- ultraviolet、UV
- 関
- 紫外線、紫外部
[★]
- 英
- eye inflammation、ophthalmia
- 関
- 眼内炎