- 英
- snow ophthalmia
- 同
- 雪盲、雪目
- 関
- 紫外線眼炎、電気性眼炎
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2023/03/30 08:07:17」(JST)
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合成樹脂小片が侵入し、虹彩の部分離断、神経損傷による瞳孔不同が発生
眼外傷(がんがいしょう、英:ocular injuries、独:Verletzungen des Auges)は、眼球自体、もしくは眼瞼、涙器などの付属器が外力により損傷を受けた状態であり、性質上、機械的外傷と非機械的外傷に2分される。
機械的外傷
機械的外傷 mechanical injuries は打撲傷もしくは振盪症、穿孔性眼外傷、さらに眼球鉄症や眼球銅症などの眼内異物による二次的疾患に分けられる。眼瞼などにおける外傷では特に内眼角付近の裂創に注意が必要で、多くの場合、涙小管の断裂があるため、受傷直後の再建が必要になる。
眼球打撲
眼球打撲(英:contusion of the globe、独:Kontusion des Auges)においては、眼球に対して瞬時に外力が作用し、眼球が変形する。眼内の各組織間では弾性にそれぞれ差があるため、様々な症状が引き起こされる。虹彩根部離断もしくは虹彩根部後転 iris recession の状態では前房出血が起こり、数か月後に緑内障を続発することがある。水晶体脱臼は眼圧上昇を招くことがある。眼底にはしばしば網膜振盪が起こり、壊死性に網膜裂孔を生じることがある。さらに衝撃が激しい場合には脈絡膜破裂や網膜の亀裂性裂孔が生じ、硝子体出血が起こる。
脈絡膜破裂
眼球が鈍的な外力を受け、眼球後極部の圧力が変化すると、黄斑部を中心とした部分のブルック膜(脈絡膜の最内層にある膜状構造。ブルッフ膜ともいう)を含む脈絡膜に断裂 rupture of choroid が起こる。脈絡膜出血は網膜下腔、網膜、硝子体内におよぶことが多く、出血吸収後は白色の線状もしくは弧状の瘢痕を生じる。脈絡膜断裂が黄斑もしくは視神経乳頭と黄斑の間に発生した場合には顕著な視力障害が認められる。
穿孔性眼外傷
角膜もしくは強膜に刺創(英語版)、切創を生じ、眼内組織が部分的に流出もしくは脱出した状態を穿孔性眼外傷(英:perforating ocular injuries、独:perforierende Verletzungen)という。これにより眼内組織間に位置異常が起こり、二次的な障害が発生することが多いため、受傷後早期に穿孔創を閉じ眼内組織の位置異常を軽減、修復する必要がある。まず微温滅菌生理食塩水で眼球を圧迫しないように創部を洗浄し、手術用顕微鏡下で創部に付着する異物や滲出物を除去する。脱出虹彩は整復もしくは切除し、角膜創を10-0ナイロン糸で縫合する。強膜創が眼球壁後方にわたる場合は結膜を切開して強膜を広く露出し、7-0〜8-0ナイロン糸で縫合する。眼球後半部にわたる穿孔創が存在する場合は硝子体出血が見られることが多く、増殖性硝子体網膜症を続発しやすいため、早期の硝子体手術が望ましい。眼球内に異物が存在する場合には摘出する。創縫合が遅れた場合、不適切に施された場合には交感性眼炎を発症することもある。
眼球鉄症
眼球鉄症(英:siderosis、独:Siderosis bulbi)は鉄錆症ともいう。鉄片が眼球内に侵入した場合、第一鉄イオン(Fe2+)となって溶出し、眼球組織内に浸潤、沈着して特有の鉄錆色が認められるようになる。角膜、水晶体にも沈着するが、網膜に浸潤すると夜盲といわれる暗順応の遅延した状態を引き起こし、やがて失明に帰する。緑内障を続発する場合もある。鉄片異物の侵入後、発症までには2、3週間から1、2年を要するが、最も早く異常を確認できるのは網膜電図においてである。鉄片異物を除去した後も異常網膜電図が改善されない場合はキレート剤を用いて第一鉄イオンを無毒化する。
非機械的外傷
非機械的外傷 non-mechanical injuries は物理的外傷と化学的外傷に2分される。物理的外傷には熱傷、超音波、電気性外傷、紫外線やX線などの放射性外傷などがある。紫外線による電気性眼炎や雪眼炎(雪眼、雪目)あるいは日食時に多発する日食性眼炎といった紫外線眼炎は一般に予後良好だが、眼球熱傷および酸、アルカリによる腐食性眼炎は予後不良で失明することが多い。酸、アルカリ外傷を受けた場合には受傷直後に入念な洗眼を行うことが重要とされる。
参考文献
- 『南山堂 医学大辞典』 南山堂 2006年3月10日発行 ISBN 978-4-525-01029-4
関連項目
典拠管理: 国立図書館 | |
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UpToDate Contents
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- 1. 小児の急性視力障害への診断アプローチdiagnostic approach to acute vision loss in children [show details]
… occur up to 72 hours after ingestion. Patients describe several visual disturbances including blind spots, snow field vision, and loss of color vision. An afferent pupillary defect is an ominous and late …
- 2. 急性持続性視力喪失が認められた成人に対するアプローチapproach to the adult with acute persistent visual loss [show details]
… pathways may result in complete loss of vision. Rarely, patients may confabulate and deny blindness, exhibiting a condition known as Anton syndrome. Other than blindness, no other abnormalities are seen …
- 3. 一過性黒内障(一過性単眼または両眼視力低下)amaurosis fugax transient monocular or binocular visual loss [show details]
… vascular cause for the visual loss , but the term continues to be used when describing visual loss from any origin and involving one or both eyes. The term "transient monocular blindness" is also often used …
- 4. 非眼科手術のための麻酔後の視力低下postoperative visual loss after anesthesia for nonocular surgery [show details]
… understood. Disability from POVL can range from transient blurring or loss of vision to devastating, permanent bilateral blindness. This topic will discuss the types of postoperative visual disturbances …
- 5. 幻視患者へのアプローチapproach to the patient with visual hallucinations [show details]
… the visual field in the direction contralateral to the seizure focus. Visual field deficits or blindness may also occur, and some patients also note visual illusions . As with other epileptic phenomena …
Related Links
- 概要 雪眼炎とは、雪に反射した紫外線に目が暴露されることによって引き起こされる眼の障害です。雪眼炎は「雪眼」や「電気性眼炎」と呼称されることもある病気であり、眼に生じたやけどとも捉えることができます。 雪眼炎による角膜損傷は、自然に軽減することが期待できます。
- 雪眼炎の原因や症状、治療法について解説。雪眼炎は長時間紫外線にさらされることによって生じる目の障害で、角膜上皮障害の一種です。晴天の雪原などで紫外線を浴びて発症することから、この病名がついており、俗に「雪目(ゆきめ)」ともいいます。
- 雪目って何? スキーやスノーボードなど冬ならではのスポーツをする時に気をつけたいのが「雪目」で、正式には「雪眼炎」といい、過剰な紫外線を浴びることにより起こります。したがって雪目(雪眼炎)といっても、海水浴や山登りでも起こることがあります。
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★リンクテーブル★
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- 英
- electric ophthalmia, electric ophthalmitis
- 同
- 電光性眼炎
- 関
- 紫外線眼炎、表層角膜炎、眼外傷、紫外線障害、雪眼炎
- アーク放電(電気溶接)や殺菌灯の紫外線により角膜上皮の障害を来したもの。
国試
[★]
- 英
- photophthalmia, ultraviolet ophthalmia
- 同
- 電気性眼炎、雪盲、雪眼炎、雪眼 ゆきめ、表層角膜炎
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- eye inflammation、ophthalmia
- 関
- 眼内炎