- 英
- bedridden
- 寝たきりの原因:脳血管疾患(45%)、廃用症候群(30%)、運動器疾患(15%)
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- (病気で)寝たきりの,床につきっきりの
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/10 12:55:36」(JST)
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寝たきり(ねたきり)とは、常時ベッドで寝ている状態・仰臥している状態の人を表現する俗語である。公的な定義は存在しない。
目次
- 1 定義
- 2 必要なケア・望まれるケア
- 3 寝たきりになる原因
- 4 寝たきり予防
- 5 晩年または一時的に寝たきりだった有名人
- 6 遷延性意識障碍者の延命に関する紛争
- 7 脚注
- 8 関連項目
定義
一般的に下記のいずれかの状態を寝たきりと表現する。
- 遷延性意識障害の状態 - 自力でも介助されても起床できず、意識がない状態。
- 完全な寝たきり状態 - 自力でも介助されても起床できないが、意識はある状態。
- 準寝たきり状態 - 自力では起床できないが、介助されれば起床可能で、車椅子、椅子、ソファ、ベンチ、トイレの便座などで座位を維持可能で、病院・介護施設などに移動可能な状態。
必要なケア・望まれるケア
- 遷延性意識障害。
- 定時的に水分・栄養・医薬品は胃瘻または経鼻経管栄養または点滴による中心静脈栄養から投与する。
- 定時的に排泄物のオムツ交換が必要である。
- 定時的に誤嚥性肺炎予防のための痰の吸引と口腔ケアが必要である。
- 定時的に褥瘡予防のための体位交換が必要である。
- 完全な寝たきり状態
- 水分・栄養・医薬品の摂取
- 経口摂取が可能な場合は、定時的に水分・栄養の摂取、医薬品の服用の介助。
- 経口摂取が限定的に可能な場合は、定時的に水分・栄養の摂取、医薬品の服用の介助と、水分・栄養・医薬品は胃瘻または経鼻経管栄養または点滴による中心静脈栄養から投与を併用する。
- 経口摂取が困難または不可能な場合は定時的に水分・栄養・医薬品は胃瘻または経鼻経管栄養または点滴による中心静脈栄養から投与する。
- 定時的に排泄物のオムツ交換が必要である。
- 定時的に誤嚥性肺炎予防のための痰の吸引と口腔ケアが必要である。
- 定時的に褥瘡予防のための体位交換が必要である。
- 準寝たきり状態
- 水分・栄養・医薬品の摂取
- 経口摂取が可能な場合は、定時的に水分・栄養の摂取、医薬品の服用の介助。
- 経口摂取が限定的に可能な場合は、定時的に水分・栄養の摂取、医薬品の服用の介助と、水分・栄養・医薬品は胃瘻または経鼻経管栄養または点滴による中心静脈栄養から投与を併用する。
- 経口摂取が困難または不可能な場合は定時的に水分・栄養・医薬品は胃瘻または経鼻経管栄養または点滴による中心静脈栄養から投与する。
- 定時的に排泄物のオムツ交換が必要である。
- 定時的に誤嚥性肺炎予防のための痰の吸引と口腔ケアが必要である。
- 定時的に褥瘡予防のための体位交換が必要である。
- 急性期・回復期の患者の場合、急性期病床・回復期病床・介護老人保健施設における機能回復(リハビリ)訓練で、できる限り、身体機能を回復させる。
- 慢性期の患者の場合、日常生活介護、訪問看護、訪問リハビリ、通所介護などによる、起床、車椅子、椅子、ソファ、ベンチ、トイレの便座などでの座位を維持する能力を維持するために、定時的に介助による起床と、車椅子、椅子、ソファ、ベンチでの座位状態維持をする、排泄もトイレの便座で行う。家族による介護や、介護サービス事業者による、介護人員の不足により、座位の維持のためのケアが行なわないと、1か月程度で完全な寝たきりに移行し、クオリティ・オブ・ライフが低下する。
寝たきりになる原因
- 脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血・脳動脈瘤破裂などの脳卒中による脳神経の障害。
- 脳腫瘍。
- 心筋梗塞などの心臓疾患時の心肺停止による低酸素脳症。
- 筋萎縮性側索硬化症・筋ジストロフィーなどの進行性の筋肉麻痺。
- パーキンソン病・ハンチントン病などの進行性神経麻痺。
- アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症・脳血管性認知症などの認知症。
- 外傷による脳・脳神経・中枢神経・頸椎・脊椎の障害
- 脳性まひ
- 老衰。
寝たきり予防
20世紀の後半以後、感染症、癌、心筋梗塞・肺塞栓・脳卒中などの血管の閉塞・破裂、循環器・呼吸器・消化器の臓器の機能障害、免疫の異常、内分泌の異常、事故などの傷害による、生命の維持の重大な危機から救命・延命する医療技術が著しく向上した結果、20世紀前半以前では救命・延命できずに死に至った疾病・傷害から生命を守ることができるようになったが、自力で起床や移動ができない重大な障害が発生し、機能回復の治療や訓練によっても回復できず、寝たきりという重大な障害を持って生きている人が多数発生する状況になった。
遷延性意識障害は、世界保健機関[1][2][3]、PubMed[4][5]、アメリカ合衆国政府[6][7]、アメリカ合衆国の保健福祉省[7]、イギリスのDepartment of HealthのNHS[8]、日本の厚生労働省[9]などの資料により世界の多くの国や地域に広く存在することが確認されている。
寝たきりは世界保健機関[10][11]、PubMed[12]、アメリカ合衆国政府[13]、アメリカ合衆国の保健福祉省[14]、イギリスのDepartment of HealthのNHS[15]、日本の厚生労働省[16]などの資料により世界の多くの国や地域に広く存在することが確認されている。
世界保健機関[1][2][3][10]、PubMed[4][5][12]、アメリカ合衆国政府[6][7][13]、アメリカ合衆国の保健福祉省[7][14]、イギリスのDepartment of HealthのNHS[8][15]、日本の厚生労働省[9][16]は、寝たきり状態になることの予防、寝たきりからの機能回復、寝たきり状態での機能維持をのための医療や介護を推奨している。
晩年または一時的に寝たきりだった有名人
- ジョージ5世 (イギリス王)(1865年出生)イギリス国王 1928年(63歳)に肺気腫、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、胸膜炎の進行で寝たきりになり、8年後の1936年1月(87歳)に、肺気腫、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、胸膜炎で死亡した。
- ウラジーミル・レーニン(1870年出生)ソビエト連邦最高指導者 1922年5月(52歳)に脳卒中で右半身麻痺になり、1922年12月(52歳)に2回目の脳卒中で寝たきりになり、1923年3月(52歳)に3回目の脳卒中で高次脳機能障害になり、1924年1月(53歳)に4回目の脳卒中で死亡した。
- ヨシップ・チトー(1892年出生)ユーゴスラビア大統領 1980年(81歳)に糖尿病の進行で寝たきりになり、5か月後の1980年5月(87歳)に多臓器不全、肺炎、心不全で死亡した。
- 毛沢東(1893年出生)中国共産党中央委員会主席 1973年(80歳)に筋萎縮性側索硬化症の進行で寝たきりになり、3年後の1976年9月(82歳)に筋萎縮性側索硬化症で死亡した。
- 周恩来(1898年出生)中国国務院総理(初代首相) 1975年9月(76歳)に膀胱癌の進行で寝たきりになり、4か月後の1976年1月(77歳)に膀胱癌で死亡した。
- ロナルド・レーガン(1911年出生)アメリカ合衆国大統領 1992年(81歳)にアルツハイマー型認知症になり、9年後の2001年(90歳)に骨折で寝たきりになり、12年後の2004年(93歳)に肺炎で死亡した。
- ネルソン・マンデラ(1918年出生)南アフリカ共和国大統領、人種差別廃止運動家 2013年6月(95歳)に呼吸器感染症になり呼吸器の機能を喪失し、人工肺で終末期延命され、6か月後の2013年12月(95歳)に死亡した。
- マーガレット・サッチャー(1925年出生)イギリス首相 2000年(75歳)にアルツハイマー型認知症になり、9年後の2009年(84歳)に骨折で寝たきりになり、13年後の2013年4月(87歳)に脳卒中で死亡した。
- アリエル・シャロン(1928年出生)イスラエル首相 2006年1月(77歳)に脳卒中で遷延性意識障害になり、8年後の2014年1月(85歳)に低酸素脳症による多臓器不全で死亡した。
- 徳田虎雄(1936年出生)徳洲会グループ創業者・衆議院議員 2002年(66歳)に筋萎縮性側索硬化症になり、3年後の2005年8月(69歳)に衆議院議員を引退、4年後の2006年11月(70歳)に寝たきり、人工呼吸器設置、胃瘻設置になり、11年後の2013年10月(77歳)に徳洲会グループの公職選挙法違反事件で徳洲会グループ理事長を辞職し、グループの経営から引退した。
- スティーブン・ホーキング(1942年出生)イギリスの物理学者 1963年(21歳)に筋萎縮性側索硬化症になり、1985年(43歳)に肺炎になり、気管切開して人工呼吸器を設置、胃瘻設置、寝たきりになったが、インテルがホーキングのために開発した音声合成装置を使用して、物理学者としての活動を継続している[17][18]。
- ヨハン・フリーゾ・ファン・オラニエ=ナッサウ(1968年出生)オランダ王子 2012年2月(43歳)にオーストリアでスキー中に雪崩に巻き込まれて低酸素脳症で遷延性意識障害になり、2012年3月にロンドンの病院に転院して遷延性意識障害からの回復のための治療を受けていたが、2013年7月に意識が回復しないまま退院してオランダのハーグの自宅に戻され、遷延性意識障害になってから1年6か月後の2013年8月(44歳)に低酸素脳症による多臓器不全で死亡した[19][20]。
- ミハエル・シューマッハ(1969年出生)ドイツの自動車レースドライバー 2013年12月(44歳)にフランスでスキー中の事故で外傷性の遷延性意識障害になり、遷延性意識障害になってから6か月後の2014年6月(45歳)に意識を回復してリハビリを開始し、遷延性意識障害になってから9か月後の2014年9月(45歳)に退院して自宅療養に移行したが、2014年1月5日時点で事故以前の意識状態までは回復していない[21][22][23][24][25]。
- ジュール・ビアンキ(1989年出生)フランスの自動車レースドライバー 2014年10月(25歳)に日本でF1レース中の事故で外傷性のびまん性軸索損傷、遷延性意識障害になり、2014年11月(25歳)にフランスの病院に転院して、遷延性意識障害からの回復のための治療を受けているが、2015年4月時点で遷延性意識障害の状態が続いている[26][27]。
遷延性意識障碍者の延命に関する紛争
植物状態の患者に対して、水分や栄養の投与や、生命維持装置の装着による延命を継続するか、延命を中止して消極的に安楽死をさせるか、患者の家族にとっては、重大で深刻で悩み迷うことである。
世界の多くの国では植物状態の患者の家族の間で、延命を継続するか、延命を中止して消極的安楽死をさせるか、意見が対立して決められずに、延命か中止かを裁判で決着する事例が多数ある。
詳細は「en:Persistent vegetative state#Notable PVS patients」を参照
植物状態になり、生命維持装置を装着して延命治療を受けて生存していた有名人としては、イスラエルのアリエル・シャロン元首相、南アフリカ共和国のネルソン・マンデラ元大統領などの事例がある。
脚注
- ^ a b WHO>2013 ICD-10-CM Diagnosis Codes>Symptoms, signs and abnormal clinical and laboratory findings, not elsewhere classified R00-R99>Symptoms and signs involving cognition, perception, emotional state and behavior R40-R46>Somnolence, stupor and coma R40
- ^ a b WHO>Search>persistent vegetative state
- ^ a b WHO>Search>vegetative state
- ^ a b National Center for Biotechnology Information U.S. National Library of Medicine>PubMed>Search>persistent vegetative state
- ^ a b National Center for Biotechnology Information U.S. National Library of Medicine>PubMed>Search>vegetative state
- ^ a b U.S. government's official web portal>Search>persistent vegetative state
- ^ a b c d U.S. government's official web portal>Search>vegetative state
- ^ a b National Institute for Health and Care Excellence>Evidence Search>vegetative state
- ^ a b 厚生労働省>サイト内検索>遷延性意識障害
- ^ a b WHO>2013 ICD-10-CM Diagnosis Codes>Factors influencing health status and contact with health services Z00-Z99>Persons encountering health services in other circumstances Z69-Z76>Problems related to care provider dependency Z74-
- ^ WHO>Search>bedridden
- ^ a b National Center for Biotechnology Information U.S. National Library of Medicine>PubMed>Search>bedridden
- ^ a b U.S. government's official web portal>Search>bedridden
- ^ a b US>DoHHS>Search>bedridden
- ^ a b National Institute for Health and Care Excellence>Evidence Search>bedridden
- ^ a b 厚生労働省>サイト内検索>寝たきり
- ^ Stephen Hawking Official Website
- ^ tephen Hawking Official Website>Brief Biography
- ^ AFP>2013年8月13日
- ^ CNN>2013年8月13日
- ^ F1-Gate>ミハエル・シューマッハ
- ^ Topnews>ミハエル・シューマッハ
- ^ Topnews>ミハエル・シューマッハ>2014年11月24日>シューマッハの状態、「進歩」しているとマネージャー
- ^ Topnews>ミハエル・シューマッハ>2014年12月29日>シューマッハ関係者が最近の報道に反論
- ^ Topnews>ミハエル・シューマッハ>2015年1月1日>シューマッハ、涙で家族に反応
- ^ F1-Gate>ジュール・ビアンキ
- ^ Topnews>ジュール・ビアンキ
関連項目
- 遷延性意識障害
- 医療保険、介護保険
- リハビリテーション
- クオリティ・オブ・ライフ
- 理学療法士
- 廃用症候群
- 通所介護、通所リハビリ、訪問看護、訪問介護
- 介護老人保健施設、介護老人福祉施設、老人福祉施設、介護療養型医療施設
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- PP-163 寝たきり患者に対するTUL、f-TULの検討(発表・討論,一般演題ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)
- Bed Rest治療を余儀なくされた妊婦の心理的情況の記述 : 入院から入院後2〜3週間まで
- 松浦 志保,吉沢 豊予子
- 母性衛生 51(4), 647-654, 2011-01
- … これより, 寝たきり生活を強いられた妊婦に必要な看護の視点として, 胎児の母親としての立場を強調するのみではなく, 1人の女性としての立場とうまく折り合いを付けることが援助の一助となることが示唆された。 …
- NAID 110008440816
Related Links
- 寝たきり老人(ねたきりろうじん)とは、家庭で在宅看護をされていて、終日ほとんど 寝たきり状態になっている高齢者の俗称。日常の生活行動ができないので、というが、 世話をするのが大変なので、寝たきりにさせているから動けなくなったのだともいわれる 。 ...
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- 90歳の女性。夫との2人暮らしで、年金で生活している。認知機能は正常である。日中はベッド上での生活が主であるが、座位は保つことができ、車椅子には介助で移乗できる。
- 要介護認定を受ける際、障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)の判定に必要な因子はどれか。 2つ選べ。
- a 座位の可否
- b 同居者の人数
- c 認知症の重症度
- d 世帯における収入
- e 車椅子移乗の可否
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