- 英
- substitute bladder
- 同
- 正常位尿リザボア orthotopic urinary reservoir, OUR
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/04/13 11:21:03」(JST)
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人工膀胱(じんこうぼうこう、ウロストミー、Urostomy)とは、負傷や膀胱癌の治療のために膀胱を摘出した際に、膀胱に代わって作られる代用膀胱。回腸導管と蓄尿型人工膀胱、自排尿型人工膀胱の3種類、或いは尿管をそのまま腹部皮膚に開口する尿管皮膚瘻を含めて4種類が存在する。ストーマ(腹部の開口部)を保有する人工膀胱保有者(あるいは人工肛門保有者)をオストメイトと呼ぶ。
種類
- 回腸導管
- 末端付近の回腸を15~20センチ切り取り口側を閉鎖、両側尿管をそれぞれ吻合。反対側(肛門側)をストーマとして腹部に開口する。排泄は、腹部の開口部ストーマ(Stoma)から行う事になる。
- 尿は垂れ流しになってしまうので、ストーマから出る尿を溜めるストーマ用装具を使用する。通常専用の袋(パウチ)を下腹部に貼付して膀胱の機能をこれで補う。ある程度の尿が溜まった時点でコックを開け排泄する。外出時や就寝時など頻繁に排泄出来ない時は、大量の尿を蓄積できるレッグバッグや尿バッグなどの蓄尿袋を、パウチに導尿チューブを介して接続して使用すれば、日常生活に大きな支障はない。
- 蓄尿型人工膀胱
- 回腸末端及び結腸の一部を使い、体内に袋状の物を作成し尿管を吻合。膀胱の機能をこれで補う。排泄は、腹部のストーマ(Stoma)からカテーテルにより行う事になる。
- 最近は行われる症例が減少している。
- 自排尿型人工膀胱
- 新膀胱とも言われる。終端付近の回腸約60センチを用いて、体内に袋状の物を作成し尿管を吻合。膀胱の機能をこれで補う。排泄は人工膀胱下部と尿道を吻合。腹圧もしくは手による加圧により、尿道より行われる。ストーマが存在せず、尿を溜める専用の袋(パウチ)などのストーマ用装具を使用しないため、自排尿型人工膀胱保有者は、一般にはオストメイトとして扱われない。
- 尿道が温存可能な症例にのみ実施される。
- 尿管皮膚瘻
- 尿管断端をそのまま腹部皮膚面に出し、ストーマとする。回腸導管の場合と同様、排泄した尿を一時的に蓄積するストーマパウチを貼り付けて膀胱の機能を代用する。外出時や就眠時など、大量の尿を蓄積する必要がある場合には、レッグバッグや尿バッグなどの蓄尿袋をパウチに導尿チューブを介して接続して使用する。一般に人工膀胱の一種として扱われる。
- ストーマは2本の尿管を腹部皮膚面の近接した位置に出して1つのストーマとする場合と、腹部の両サイドに1カ所ずつ出して2つのストーマにする場合がある。最近はストーマ管理の容易さを考慮して1つのストーマとすることが多い。
人工膀胱保有者への社会福祉制度
障害者手帳や障害年金がある。そのほか医療費控除や所得控除(障害者控除)などもある。
詳細は「オストメイト#オストメイトをサポートする社会福祉制度」を参照
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 大腸・小腸を用いた代用膀胱(Indiana pouch)内に発生した大腸癌の1例
- 上田 有紀,森川 充洋,五井 孝憲,藤本 大裕,澤井 利次,小練 研司,村上 真,廣野 靖夫,飯田 敦,山口 明夫
- 日本消化器外科学会雑誌 48(2), 165-171, 2015
- 症例は77歳の男性で,1990年に膀胱癌に対して膀胱全摘+Indiana pouch造設術を施行した.2012年7月に血尿を認め,CTでIndiana pouch内に隆起性病変,リンパ節転移,多発肝転移を認めた.Indiana pouch内の腫瘍からの生検で大腸高分化腺癌と診断された.遠隔転移を伴う大腸癌であり,まずmFOLFOX6+bevacizumab療法を6クール施行した.化学療法後に原発 …
- NAID 130004908165
- 腹腔鏡下膀胱全摘術における代用膀胱造設術の現状 (特集 長期成績(10)腹腔鏡下膀胱全摘除術)
- 三木 淳,頴川 晋
- Japanese journal of endourology 27(1), 100-105, 2014-04
- NAID 40020110980
- 三木 淳,頴川 晋
- Japanese Journal of Endourology 27(1), 100-105, 2014
- … 施設を中心に,代用膀胱造設術が広く普及してきている.また,近年の腹腔鏡下手術の進歩に伴い,腹腔鏡膀胱全摘術が開腹手術に比べ,出血量減少,術後合併症低下に寄与する可能性が示されており,欧米ではロボット支援下手術を含めた腹腔鏡下膀胱全摘術が急速に広まっているが,日本ではいまだ十分に普及しているとは言えない.特に,腹腔鏡下膀胱全摘における代用膀胱造設術は,泌尿 …
- NAID 130004627224
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- 女性は尿道が短かく術後排尿障害を生じ易いのですが、これまで当科で実施した4例の女性患者のうち1例は術後半年ほどで排尿困難を認めましたが、3例は失禁、排尿困難ともにありませんでした。左図は当科で代用膀胱造設術を施行 ...
- これまで他院での手術指導も含めて約70例の 代用膀胱 造設術の経験がありますが、 当科ではこの9年間で38例実施しました。膀胱摘出も含めた平均手術時間は7時間30 分で平均出血量は800mlでした。最近では7時間前後で ...
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★リンクテーブル★
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- 英
- Studer method
- 同
- Studer法
- 関
- 禁制型尿路変向術、代用膀胱
[show details]
シュトゥーダー Studer : 72 件
スチューダー Studer : 約 9,870 件
ステューダー Studer : 約 1,560 件
ストゥーダー Studer : 19 件
シュトゥーダー法 : nothing
スチューダー法 : 6 件
ステューダー法 : 1 件
ストゥーダー法 :
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- 英
- urinary reservoir
- 関
- 代用膀胱、禁制型尿リザボア
[★]
- 英
- pouch
- 関
- 代用膀胱、禁制型尿リザボア
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代用膀胱。正常位尿リザボア
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代用膀胱。正常位尿リザボア
[★]
- 英
- continent urinary reservoir, CUR
- 同
- 禁制型尿リザボア
- 関
- 非失禁型尿リザボア、体内蓄尿型尿路変向、代用膀胱カテーテル、尿路変向術
概念
- 蓄尿と随意排泄のための腸管を用いた尿路変更術
- 合併症の頻度が高く、手術手技が複雑なため、最近は行われなくなっている。
代用膀胱造設法
- (1)Kock pouch
- (2)Indiana pouch
- (3)Maintz poutch
合併症
- 適切な導尿を行わない場合に起こる
- 水腎症
- 尿路感染による腎機能低下
- 高Cl性代謝性アシドーシス
参考
- http://www.sap-cc.org/uro/urostoma.html
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- 関
- 自然排尿型代用膀胱造設術、尿路変向術
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- 英
- continent urinary reservoir
- 関
- 禁制型尿リザボア
[★]
- 関
- 自然排尿型代用膀胱、尿路変向術
[★]
- 英
- urinary bladder (M,N), bladder (Z)
- ラ
- vesica urinaria
- 関
- 膀胱容量
組織
- 粘膜には多くのヒダが存在し、膀胱が伸展すると消える (HIS.388)
- 被蓋細胞+移行上皮細胞 (HIS.388)
血管(M.210)
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- 英
- surrogate
- 関
- 代替、代理、サロゲート