- 英
- silicon dioxide
- 関
- シリカ、砂、クリストバル石
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二酸化ケイ素 |
|
一般情報 |
IUPAC名 |
二酸化ケイ素 |
別名 |
石英、シリカ、無水ケイ酸 |
組成式 |
SiO2 |
式量 |
60.1 g/mol |
形状 |
白色の粉末 |
CAS登録番号 |
[7631-86-9] |
性質 |
密度と相 |
2.2 g/cm3, |
水への溶解度 |
0.012 g/100 mL ( °C) |
融点 |
1650 (±75) °C |
沸点 |
2230 °C |
二酸化ケイ素(にさんかケイそ, 英: silicon dioxide)はケイ素の酸化物で、地殻を形成する物質のひとつとして重要である。組成式はSiO2。シリカ(英: silica)、無水ケイ酸とも呼ばれる。圧力、温度の条件により、多様な結晶相(結晶多形)が存在する。
目次
- 1 性質
- 2 利用
- 3 反応
- 4 埋蔵量
- 5 毒性
- 6 脚注
- 7 参考文献
- 8 関連項目
- 9 外部リンク
性質[編集]
結晶は共有結合結晶であり、ケイ素原子を中心とする正四面体構造が酸素原子を介して無数に連なる構造をしている。
二酸化ケイ素の結晶多形の中で代表的なものとして、石英(英: quartz、水晶)、鱗珪石(英: tridymite、トリディマイト)、クリストバライト(英: cristobalite)、コーサイト(英: coesite)、 スティショバイト(英: stishovite)、ザイフェルト石(英: Seifertite)、衝撃石英(英: Shocked quartz)などがある。
温度と圧力を変化させた場合のシリカ鉱物(SiO2)の安定関係が次第に明らかになってきた。常温常圧下ではα石英が安定だが、573度でβ石英に転移する。さらに温度を上げると、870度でトリディマイト、さらにクリストバライトとなり、融解に到る。温度ではなく圧力を上げていくと、500度から800度の場合は、3.5GPaでコーサイト(1953年に合成)に、10GPaでスティショバイト(1961年に合成)に転移することが分かった。
ケイ素原子は非常な高圧下では6個の酸素原子が配位した八面体構造をとることもある。1961年にソ連のS.M.StishovとS.V.Popovaが1200℃、160kbarという条件下で人工的な合成に成功したスティショバイトである。これは隕石が地表に衝突した際にも生成する。例えば、バリンジャー隕石孔から発見されている。遷移層から下部マントル程度の高圧条件下ではシリカはスティショバイト構造をとると考えられている[1][2][3]。
利用[編集]
電球の内側に、眩しさを防ぎ光を拡散させる目的で塗料として塗られる。また、無機ガラスの主成分である。タイヤのゴムに、補強充填剤としてシリカが配合される。
また、「無水ケイ酸」などと呼ばれ食品添加物や化粧品などに用いられる。これについてはシリカ#食品添加物としての利用およびシリカ#化粧品・医薬品への添加を参照のこと。
反応[編集]
二酸化ケイ素はフッ化水素ガス (HF) やフッ化水素酸 (aq. HF) と反応し、それぞれフッ化ケイ素 (SiF4)、ヘキサフルオロケイ酸 (H2SiF6) を生ずる。
- SiO2 + 4HF(gas) → SiF4 + 2H2O
- SiO2 + 6HF(aq) → H2SiF6 + 2H2O
また、固体の水酸化ナトリウム (NaOH) と熱することによりケイ酸ナトリウム (Na2SiO3) が生成する。ケイ酸ナトリウムに水を加えて熱すると水ガラスとなる。
- SiO2 + 2NaOH → Na2SiO3 + H2O
埋蔵量[編集]
二酸化ケイ素(シリカ)は石英、珪砂、珪石などの形で産出する。天然の石英の資源量には限りがあるが、工業的には代わりに人工石英がもちいられる[4]。珪砂や珪石の資源量は非常に潤沢であり、工業用の純度の高いものも世界中に広く分布する[5]。
成熟した砂漠の砂にも多く含まれる。砂漠#砂の組成を参照。
毒性[編集]
粉体状のものを多量に吸入すると、塵肺の一種である珪肺の原因となる[6]。ホークス・ネストトンネル災害などが発生し、鉱石採掘現場での労働災害が課題となった。シリカ結晶は、国際がん研究機関によりグループ1の「ヒトに対する発癌性が認められる」物質に指定されている。微粉末の吸入が問題なのであり、吸入しなければ問題は認められない。例えばある程度大きな結晶を素手で触れたとしても、それ自体は何ら問題ではない。
脚注[編集]
- ^ Funamori, N.; Jeanloz, R.; Miyajima N.; Fujino K. (2000). "Mineral assemblages of basalt in the lower mantle". J. Geophs. Res. - Solid Earth 105 (B11): 26037–26043. 要旨
- ^ 参考: http://www.geo.arizona.edu/xtal/geos306/fall06-11.htm, http://www.esc.cam.ac.uk/~gbro04/SZ%20processes.html, http://www.suken.co.jp/subject/rika/sc_net/25/Sc25_3.pdf
- ^ 八木健彦、近藤忠、宮島延吉、亀卦川卓美、"下部マントル深部条件下における高温高圧X線回折実験" , PHOTON FACTORY NEWS Vol.20 No.3 NOV. 2002 PDF
- ^ QUARTZ CRYSTAL (INDUSTRIAL), アメリカ地質調査所
- ^ SAND AND GRAVEL(INDUSTRIAL), アメリカ地質調査所
- ^ “IPCS UNEP//ILO//WHO 国際化学物質簡潔評価文書 No.24 結晶質シリカ、石英 (PDF)”. 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 (2006年). 2012年1月14日閲覧。
参考文献[編集]
- 黒田吉益・諏訪兼位 「4.1 SiO2 鉱物 (Silica minerals)」『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』 共立出版、1983年、66-72頁。ISBN 4-320-04578-5。
- 森本信男 「10 シリカ鉱物」『造岩鉱物学』 東京大学出版会、1989年、191-199頁。ISBN 4-13-062123-8。
関連項目[編集]
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ウィキメディア・コモンズには、二酸化ケイ素に関連するカテゴリがあります。 |
- シリカ
- ケイ酸
- ケイ酸塩(シリケート)
- アルミノケイ酸塩
- ゾルゲル法
- メソポーラスシリカ
- 鉱物 - 酸化鉱物 - 石英・鱗珪石・クリストバライト・コーサイト・スティショバイト
- 沸石(ゼオライト)
- 石綿(アスベスト)
- アエロジル
- 富士シリシア化学
外部リンク[編集]
ケイ素の化合物 |
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二元化合物 |
SiBr2 · SiBr4 · SiC · SiCl2 · SiCl4 · SiF2 · SiF4 · SiH4 · Si2H6 · SiI4 · Si(N3)4 · Si3N4 · SiO · SiO2 · SiS2
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三元化合物 |
H2SiF6 · H2SiO3 · H4SiO4 · Si(CH3)4 · Si(C2H5)4
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シリカ鉱物 |
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結晶質 |
コース石 - クリストバル石 - モガン石(英語版) - 石英 - Seifertite - スティショバイト - 鱗珪石
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隠微晶質(英語版) |
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非晶質 |
閃電岩 - ルシャテリエライト(英語版) - オパール
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雑多 |
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有名な変種 |
石英(結晶質)
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紫水晶 - Ametrine - Milky quartz - ばら石英 - 煙水晶 - 衝撃石英
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玉髄(隠微晶質)
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瑪瑙 - カーネリアン - クリソプレーズ - ヘリオトロープ - オニックス
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オパール(非晶質)
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Category:二酸化ケイ素 |
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Japanese Journal
- 放射光光電子分光法によるSiO2薄膜の有効減衰長の実験的決定
- 井上 敬介,寺岡 有殿
- 電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) 130(10), 1817-1818, 2010
- The effective attenuation length (EAL) is a necessary parameter to estimate the thickness of SiO2 overlayer by X-ray photoemission spectroscopy (XPS). Inelastic mean free path (IMFP) is often used ins …
- NAID 130000415118
- 1268 フライアッシュコンクリートの品質管理手法および硬化コンクリートの特性 : その4. フライアッシュコンクリートの強度発現性状(混和材料(2),材料施工)
- 片山 行雄,西 祐宜,檜垣 誠,太田 達見,西田 朗,名和 豊春
- 学術講演梗概集. A-1, 材料施工 2009, 535-536, 2009-07-20
- NAID 110007977597
Related Links
- 二酸化ケイ素(にさんかけいそ)はケイ素の酸化物で、地殻を形成する物質のひとつ として重要である。組成式はSiO2。シリカ(silica)、無水ケイ酸とも呼ばれる。圧力、 温度の条件により、多様な結晶相(結晶多形)が存在する。 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アトルバスタチン錠5mg「NS」
組成
有効成分
- アトルバスタチン錠5mg「NS」は、1錠中に日本薬局方アトルバスタチンカルシウム水和物5.42mg(アトルバスタチンとして5mg)を含有
添加物
- 乳糖水和物、含水二酸化ケイ素、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、タルク、三二酸化鉄、カルナウバロウ
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 肝代謝能が低下していると考えられる以下のような患者
急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸
[肝硬変患者において、本剤の血漿中HMG-CoA還元酵素阻害活性体濃度が健康成人に比べて上昇した(AUCで4.4〜9.8倍)他社の臨床試験成績がある。したがって、これらの患者では本剤の血漿中濃度が上昇し、副作用の発現頻度が増加するおそれがある。また、本剤は主に肝臓において作用し代謝されるので、肝障害を悪化させるおそれがある。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- テラプレビルを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
効能または効果
- 適用の前に十分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
- 家族性高コレステロール血症ホモ接合体については、LDL-アフェレーシス等の非薬物療法の補助として、あるいはそれらの治療法が実施不能な場合に本剤の適用を考慮すること。
・高コレステロール血症
- 通常、成人にはアトルバスタチンとして10mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症の場合は1日20mgまで増量できる。
・家族性高コレステロール血症
- 通常、成人にはアトルバスタチンとして10mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症の場合は1日40mgまで増量できる。
慎重投与
- 肝障害又はその既往歴のある患者、アルコール中毒の患者
[本剤は主に肝臓において作用し代謝されるので、肝障害を悪化させるおそれがある。また、アルコール中毒の患者は、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。]
- 腎障害又はその既往歴のある患者
[横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能の悪化が認められている。]
- フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)、免疫抑制剤(シクロスポリン等)、ニコチン酸製剤(ニセリトロール等)、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール等)、エリスロマイシンを投与中の患者
[一般にHMG-CoA還元酵素阻害剤との相互作用により横紋筋融解症があらわれやすい。](「相互作用」の項参照)
- 糖尿病の患者
[糖尿病を悪化させることがある。]
- 甲状腺機能低下症の患者、遺伝性の筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者、薬剤性の筋障害の既往歴のある患者
[横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
横紋筋融解症、ミオパチー(いずれも頻度不明)
- 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止すること。また、ミオパチーがあらわれることがあるので、広範な筋肉痛、筋肉圧痛や著明なCK(CPK)の上昇があらわれた場合には投与を中止すること。
劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
- 定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
過敏症(頻度不明)
- 血管神経性浮腫、アナフィラキシー反応、蕁麻疹を含む過敏症状があらわれたとの報告があるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少症(いずれも頻度不明)
- 無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、多形紅斑等の水疱性発疹があらわれたとの報告があるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高血糖、糖尿病(いずれも頻度不明)
- 高血糖、糖尿病があらわれることがあるので、口渇、頻尿、全身倦怠感等の症状の発現に注意するとともに、定期的に検査を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎(頻度不明)
- 間質性肺炎があらわれることがあるので、長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- アトルバスタチンカルシウム水和物はコレステロール生合成の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素を選択的に阻害することによってコレステロールの生合成を抑制する。2)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- アトルバスタチンカルシウム水和物(Atorvastatin Calcium Hydrate)
化学名
- Monocalcium bis{(3R,5R)-7-[2-(4-fluorophenyl)-5-(1-methylethyl)-3-phenyl-4-(phenylcarbamoyl)-1H-pyrrol-1-yl]-3,5-dihydroxyheptanoate} trihydrate
分子式
分子量
性 状
- 白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。メタノールに極めて溶けやすく、ジメチルスルホキシドに溶けやすく、水又はエタノール(99.5)に極めて溶けにくい。
光によって徐々に黄白色となる。
結晶多形が認められる。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- sand
- 関
- 砂漠、シリカ、砂地、砂をまく、クリストバル石、二酸化ケイ素
[★]
- 英
- cristobalite
- 関
- シリカ、砂、二酸化ケイ素
[★]
二酸化ケイ素
- 関
- cristobalite、sand、silica
[★]
- 英
- silicon、Si
- 関
- シリコン、硅素、珪素