- 英
- rutin
- 同
- ルトシド rutoside
- 関
- ビタミンP
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ルチン |
|
IUPAC名
2-(3,4-dihydroxyphenyl)-5,7-dihydroxy-3-{[(2S,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-trihydroxy-6-({[(2R,3R,4R,5R,6S)-3,4,5-trihydroxy-6-methyloxan-2-yl]oxy}methyl)oxan-2-yl]oxy}-4H-chromen-4-one
|
優先IUPAC名
2-(3,4-dihydroxyphenyl)-5,7-dihydroxy-3-[α-L-rhamnopyranosyl-(1→6)-β-D-glucopyranosyloxy]-4H-chromen-4-one
|
別称
Rutoside
Phytomelin
Sophorin
Birutan
Eldrin
Birutan Forte
Rutin trihydrate
Globularicitrin
Violaquercitrin
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
153-18-4 |
PubChem |
5280805 |
ChemSpider |
4444362 |
UNII |
5G06TVY3R7 |
日化辞番号 |
J818D |
DrugBank |
DB01698 |
RTECS番号 |
VM2975000 |
ATC分類 |
C05CA01 |
- CC1C(C(C(C(O1)OCC2C(C(C(C(O2)OC3=C(OC4=CC(=CC(=C4C3=O)O)O)C5=CC(=C(C=C5)O)O)O)O)O)O)O)O
|
特性 |
化学式 |
C27H30O16 |
モル質量 |
610.517 g/mol |
精密質量 |
610.153385 u |
外観 |
固体 |
融点 |
214–215 ºC(分解点)
|
水への溶解度 |
不溶 |
危険性 |
NFPA 704 |
|
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ルチン(Rutin、ルトサイド、クェルセチン-3-ルチノシドとも)は、薬草などとして用いられていたミカン科のヘンルーダ Ruta graveolensから発見された柑橘フラボノイド配糖体の一種[1]。タデ科のソバ、ダイオウ属植物の葉および葉柄、アスパラガスなどに含まれている。その他、ブラジルのfava d'antaの木の果実、エンジュの花、果物や果皮(特にオレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライムといった柑橘類)、クワの実、トネリコの実、クランベリーといったベリーにも含まれている。化合物名は、単離されたヘンルーダの学名 Ruta graveolensから来ている。
目次
- 1 概要
- 2 類縁体
- 3 配位子としての役割
- 4 健康効果
- 5 獣医学
- 6 代謝
- 7 参考文献
- 8 脚注
- 9 外部リンク
概要
分子式は C27H30O16 で、クェルセチンの3位の酸素にβ-ルチノース(6-O-α-L-ラムノシル-β-D-グルコース)が結合したフラボノイド配糖体である。Fava d'antaでは、ルチン合成酵素活性によって生合成される[2]。
水から再結晶したものは通常3水和物で淡黄色の針状結晶。214–215 ℃ で分解する。CAS登録番号は [153-18-4]。天然ルチンは水に不溶性でアルコールには溶解する。そのため、水溶性の糖化したα-グリコシル-ルチンが食品添加物として利用される。
1930年代に発見され、ビタミン様の働きがあることから単体でビタミンPと呼ばれていた。後にビタミンPを構成するクェルセチンやヘスペリジン、エリオシトリンなどいくつかの物質が発見され、ルチンが単体でビタミンPと呼ばれることはなくなった。日本ビタミン学会ではビタミンPをビタミン様物質として規定している。つまり、ビタミンPはビタミンではない。
ルチンは俗に「健康によい」として様々な効能が謳われており、抗炎症効果や血流改善効果については数多くの論文にて報告されている。国立健康・栄養研究所の報告でも変形性関節症に対する有効性について言及されている[3]。また、当該化合物の生体内代謝産物となる活性本体、クェルセチンについても、非感染性前立腺炎の治療に対して有効性が認められている[4]ほか、ドイツのコミッションEにおいても花粉症による炎症の抑制効果について効果が認められており、栄養学の見地からは、フードファディズムとは一線を画する微量栄養素と考えられる。
ソバは 食品衛生法によるアレルゲンの特定原材料5品目の一つとして表示が義務付けられており、ソバから抽出されたルチンには、不純物としてソバアレルギーの原因蛋白質が含まれる可能性がある。
類縁体
ルチン(クェルセチンルチノシド)はクェルシトリンと同様に、フラボノイドクェルセチンの配糖体である。このように、両者の化学構造は非常に似ているが、ヒドロキシル基に違いが存在する。クェルセチンおよびルチンは共に多くの国で血管保護のための薬剤として使用されており、おびただしい数の総合ビタミン剤や植物性の生薬の成分である[5]。
配位子としての役割
ルチンは陽イオン(カチオン)と結合し、植物の細胞へ土壌から栄養素を供給する[要出典]。ヒトでは、鉄イオンFe2+に取り付き、過酸化水素への結合を妨げ、細胞に傷害を与えるフリーラジカルの生成を抑える。また、抗酸化物質でもある。
さらに、ルチンはin vitroにおいて細胞毒性を示さない濃度で血管内皮細胞増殖因子 (VEGF) を阻害することが示されていることから、血管新生阻害剤として働く[6]。このことは、ルチンがある種のがんの増殖および転移を制御できる可能性を示している。
健康効果
マウス[7]、ラット[8]、ハムスター[9]、ウサギ[10]、in vitro研究[11]におけるルチンおよびクェルセチンの効果には多数の証拠があるが、ヒトの栄養補助食品としてのルチンの有意で好ましい効果を直接的に証明する臨床研究は存在しない。
- ルチンは血小板凝集を阻害し[12]、毛細血管透過性を減少させることにより、抗凝血作用を示し、血行を改善する[要出典]。
- ルチンは一部の動物やin vitroモデル実験において抗炎症活性を示す[13][14]。
- ルチンはアルドースレダクターゼ活性を阻害する[要出典]。アルドースレダクターゼは通常、眼や人体の至る処に存在する酵素である。アルドースレダクターゼはグルコースの糖アルコールであるソルビトールへの変換を触媒する。
- ルチンは毛細血管を強化することから[要出典]、血友病症状を低減することができる。また脚の一般的な見た目の悪い静脈浮腫を予防することができると考えられていたが、ルチンを含むソバ茶の効果を検証した二重盲検臨床研究ではプラセボ以上の有意な効果は認められなかった[15]。
- ソバにはルチンが含まれるが、ネパールでの1992年の血圧調査で、蕎麦粉を主食としている地域は、小麦粉を主食としている地域よりも血圧が低かった[16]。
- ルチンが痔、静脈怒張、細小血管障害(英語版)の治療に使用できるとするいくつかの証拠が存在する[5]。
- ルチンは抗酸化剤でもある[17]。クェルセチン、アカセチン、モリン、ヒスプデュリン、ヘスペリジン、ナリンギンと比較すると最も活性が強い[18]。しかしながら、他の試験では、ルチンの効果はクェルセチンの効果と比較すると弱いあるいはごくわずかであった[19][20]。
獣医学
獣医学において、ルチンはイヌおよびネコの乳び胸の管理に使用されている[21]。
代謝
アルペルギルス・フラブス(英語版) (Aspergillus flavus) においてケルシトリナーゼ(英語版)が発見された[22]。これはルチン異化経路の酵素である[23]。
参考文献
- Panchal SK, Poudyal H, Arumugam TV, Brown L. (2011) “Rutin attenuates metabolic changes, nonalcoholic steatohepatitis, and cardiovascular remodeling in high-carbohydrate, high-fat diet-fed rats.” J Nutr. 2011 Jun;141(6):1062-9. Epub 2011 Apr 20.
- Fernandes AA, Novelli EL, Okoshi K, Okoshi MP, Di Muzio BP, Guimarães JF, Fernandes Junior A. (2010) “Influence of rutin treatment on biochemical alterations in experimental diabetes.” Biomed Pharmacother. 2010 Mar;64(3):214-9. Epub 2009 Oct 27.
- Javed H, Khan MM, Ahmad A, Vaibhav K, Ahmad ME, Khan A, Ashafaq M, Islam F, Siddiqui MS, Safhi MM, Islam F. (2012) “Rutin prevents cognitive impairments by ameliorating oxidative stress and neuroinflammation in rat model of sporadic dementia of Alzheimer type.” Neuroscience. 2012 May 17;210:340-52. Epub 2012 Mar 6.
脚注
- ^ Kreft S, Knapp M, Kreft I (November 1999). "Extraction of rutin from buckwheat (Fagopyrum esculentum Moench) seeds and determination by capillary electrophoresis". J. Agric. Food Chem. 47 (11): 4649–52. doi:10.1021/jf990186p. PMID 10552865.
- ^ Lucci, N.; Mazzafera, P. (2009). "Rutin synthase in fava d'anta: Purification and influence of stressors". Can. J Plant Sci. 89 (5): 895–902. doi:10.4141/CJPS09001.
- ^ ルチン - 「健康食品」の安全性・有効性情報国立健康・栄養研究所
- ^ ビタミンP - 「健康食品」の安全性・有効性情報 国立健康・栄養研究所]
- ^ a b “Rutin (C27H30O16)”. Natural Standard. 2012年1月25日閲覧。
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- ^ Tranchimand S, Brouant P, Iacazio G. "The rutin catabolic pathway with special emphasis on quercetinase". Biodegradation 21 (6): 833–859. doi:10.1007/s10532-010-9359-7. PMID 20419500.
外部リンク
- ルチン - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- ビタミンP - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- ドキッ 知らないとヤバい!テンプレート頼みで大丈夫? リセット直後に動くスタートアップ・ルーチン
- 重畳されたセンサネットワークのための共有ノードを用いた協調ルーチング (ネットワークシステム)
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- 電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 112(131), 31-36, 2012-07-19
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ペルミルチン錠25
組成
成分・分量(1錠中)
添加物
- 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸ビニル樹脂、白糖、ゼラチン、アラビアゴム末、沈降炭酸カルシウム、タルク、カルメロースカルシウム、酸化チタン、カルナウバロウ、黄色5号、赤色3号を含有する。
禁忌
効能または効果
狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患、うっ血性心不全
- ジピリダモールとして、通常成人1回25mgを1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
ワーファリンとの併用による心臓弁置換術後の血栓・塞栓の抑制
- ジピリダモールとして、通常成人1日300〜400mgを3〜4回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
つぎの疾患における尿蛋白減少:ステロイドに抵抗性を示すネフローゼ症候群
- ジピリダモールとして、通常成人1日300mgを3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
投薬開始後、4週間を目標として投薬し、尿蛋白量の測定を行い、以後の投薬継続の可否を検討する。
尿蛋白量の減少が認められない場合は、投薬を中止するなど適切な処置をとること。
尿蛋白量の減少が認められ投薬継続が必要な場合は、以後定期的に尿蛋白量を測定しながら投薬すること。
慎重投与
- 低血圧の患者[さらに血圧を低下させることがある。]
- 重篤な冠動脈疾患(不安定狭心症、亜急性心筋梗塞、左室流出路狭窄、心代償不全等)のある患者[症状を悪化させることがある。]
重大な副作用
狭心症状の悪化(頻度不明):
- 狭心症状が悪化することがあるので、このような場合には、投与を中止すること。
出血傾向(頻度不明):
- 眼底出血、消化管出血、脳出血等の出血傾向があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少(頻度不明):
- 血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
過敏症(頻度不明):
- 気管支痙攣、血管浮腫等の過敏症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
虚血心筋への作用2)
- 冠血管を拡張し、冠血流量を増加させ、十分な酸素を虚血心筋へ送る(ヒト)。
血栓・塞栓抑制作用2,3)
- 細胞内へのアデノシンの取り込みを阻害して血漿中のアデノシン濃度を持続的に高め、また、ホスホジエステラーゼを直接阻害してcAMPの増加をきたすことにより血小板凝集能を抑制する(in vitro)。
- 健常成人において血小板粘着及び血小板凝集を抑制する。
尿蛋白減少作用4)
- アミノヌクレオチド腎症、プロタミン腎症、抗GBM型腎炎において、尿蛋白を減少させる。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- ジピリダモール(Dipyridamole)(JAN)
化学名:
- 2,2´,2´´,2´´´-{[4,8-Di(piperidin-1-yl)pyrimido[5,4-d]-pyrimidine-2,6-diyl]dinitrilo}tetraethanol
分子式:
分子量:
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- rutoside
- 関
- ルチン
[★]
- 英
- melanocortin receptor
- 関
- メラノコルチン受容体
[★]
リシン、L-システイン、グリチルリチン酸
[★]
クロルフェニラミン、ベタメタゾン
[★]
肝臓加水分解物
- 関
- 肝臓疾患用剤
[★]
- 英
- type 4 melanocortin receptor