- 英
- ribonuclease A, RNaseA, RNase A
- 同
- RNアーゼA
- 関
- リボヌクレアーゼ
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- the 1st letter of the Roman alphabet (同)a
- the blood group whose red cells carry the A antigen (同)type_A, group A
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- answer / ampere
- arsenicの化学記号
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/12/17 14:40:29」(JST)
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リボヌクレアーゼA(Ribonuclease A)は、一本鎖RNAを切断するエンドヌクレアーゼの1つである。RNAアーゼA(RNase A)とも言う。子牛の膵臓のRNAアーゼAは、古典的なタンパク質科学のモデル系として用いられた。
目次
- 1 歴史
- 2 構造と特徴
- 3 酵素としての機能
- 4 抗がん作用
- 5 その他の生理活性
- 6 出典
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歴史
子牛の膵臓由来のRNAアーゼAは、アメリカ合衆国の食肉会社Armour and Companyがkg単位で精製し、興味のある科学者に10mgずつ無料で提供したことから広く使われるようになった。この入手の利便性によって、RNAアーゼはタンパク質研究のモデルとなった。
RNAアーゼは研究の素材として、吸光、円偏光二色性、旋光分散、ラマン分光法、電子スピン共鳴、核磁気共鳴分光法など様々な分光学的分析手法を生み出した。また限定分解、側鎖の化学修飾、抗原認識などいくつかの化学的構造分析法の発展にも貢献した。
1967年にはタンパク質として3番目に構造が解かれている[1]。
RNAアーゼAの酸化的フォールディングの研究から、クリスチャン・アンフィンセンはタンパク質のフォールディングに関して熱動力学仮説を立て、タンパク質のフォールドは自由エネルギーが最小になるように決まるとした。
さらに、RNAアーゼAはマルチプルアライメントによる解析が初めて行われたタンパク質、進化的な特徴が比較された初めてのタンパク質でもある。
構造と特徴
RNAアーゼAは124残基、13.7kDa以下と比較的小さいタンパク質である。2層のα+βからなり、タコスのように2つに折り畳まれて、中央の溝がRNA結合部位になる。N末端側の1番目の層は3つのαヘリックスからなり、C末端側の2番目の層は2つのβシート中に2つのβヘアピンが配置した構造からなっている。
RNAアーゼAは、Cys26-Cys84、Cys58-110、Cys40-95、Cys65-72という4つのジスルフィド結合を持つ。最初の2つはフォールディングに必須で、それぞれが第1層のαヘリックスと第2層のβシートを結合して疎水中心を作っている。後の2つはフォールディングには必須ではなく、どちらかを欠いても構造は変わらない。これらはループをつなげて溶媒に露出させる。興味深いことに、最後のジスルフィド結合はループのエントロピーに比べて結合を非常に形成しやすい。これはこの部分のβヘアピンの形成しやすさを反映していると考えられる。
RNAアーゼAは等電点が約8.63の塩基性のタンパク質であり、多数の陽電荷がRNAとの結合に関与する。さらに一般的に言うと、RNAアーゼは非常に極性が大きく、疎水性基が少ない。このため、構造の安定化のために4つものジスルフィド結合が必要となる。
酵素としての機能
RNAアーゼAの陽電荷は主に溝の周りに分布している。RNA分子が溝の位置に来ると2つのヒスチジンHis12とHis119によって切断される。中間体は近辺にある3つのリシンLys7、Lys41、Lys66によって安定化される。
抗がん作用
RNAアーゼAやそのオリゴマー、ホモログは、特にガン細胞に対しての細胞毒性、細胞増殖抑制の作用を持っている。この効果を使って、RNAアーゼのホモログであるオンコナーゼからリボヌクレアーゼ薬剤が作られ、特に皮膚がんの外用薬として用いられている。
その他の生理活性
RNAアーゼは、血管の発達に関与するアンギオジェニンとも関わっている。
出典
- ^ Wyckoff HW, Hardman KD, Allewell NM, Inagami T, Johnson LN, Richards FM. The structure of ribonuclease-S at 3.5 A resolution. J Biol Chem. 1967 Sep 10;242(17):3984-8. PMID:6037556
- D'Alessio G and Riordan JF, eds. (1997) Ribonucleases: Structures and Functions, Academic Press.
- Raines RT. (1998) "Ribonuclease A", Chem. Rev., '98, 1045-1065.
- Scheraga HA, Wedemeyer WJ and Welker E. (2001) "Bovine Pancreatic Ribonuclease A: Oxidative and Conformational Folding Studies", Methods Enzymol., 341, 189-221.
タンパク質の三次構造 |
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全般 |
タンパク質ドメイン - フォールディング - タンパク質構造
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αフォールド |
ヘリックスバンドル - グロビンフォールド - ホメオドメインフォールド - αソレノイド
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βフォールド |
免疫グロブリンフォールド - βバレル - βプロペラドメイン
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α/βフォールド |
TIMバレル - ロイシンリッチリピート - フラボドキシンフォールド - チオレドキシンフォールド - 三葉結び目フォールド
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α+βフォールド |
フェレドキシンフォールド - リボヌクレアーゼA - SH2ドメイン
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イレギュラードメイン |
コノトキシン
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←二次構造
四次構造→
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Japanese Journal
- 3P-032 ポリアリルアミンによるリゾチームとリボヌクレアーゼAの加熱失活抑制(蛋白質・物性(3),第46回日本生物物理学会年会)
- Tomita Shunsuke,Hirano Atsushi,Konishi Gen-ichi,Nagasaki Yukio,Shiraki Kentaro
- 生物物理 48(SUPPLEMENT_1), S132, 2008-10-25
- NAID 110007013871
- 2P085 水溶性セレン試薬を用いたリボヌクレアーゼAの酸化的リフォールディング経路における安定な3S中間体の観測(蛋白質(物性(安定性、折れ畳みなど)),ポスター発表,第45回日本生物物理学会年会)
Related Links
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- リボヌクレアーゼA(Ribonuclease A)は、一本鎖RNAを切断するエンドヌクレアーゼの1つである。RNAアーゼA(RNase A)とも言う。子牛の膵臓のRNAアーゼAは、古典的なタンパク質科学のモデル系として用いられた。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
乾燥ボツリヌス抗毒素“化血研”
組成
製法の概要
- 本剤は、E型ボツリヌストキソイド及び毒素で免疫したウマの血漿を精製処理して得たE型ボツリヌス抗毒素を凍結乾燥したものである。
- なお、本剤は免疫用抗原の製造工程でウシの肝臓、ウシの膵臓由来成分(リボヌクレアーゼA)、ブタの胃由来成分(ペプトン、ブイヨン)、ウマの肝臓を使用している。また、製造工程でブタの胃由来成分(ペプシン)を使用している。
組成
- 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)10mLで溶解した液剤1mL中に次の成分を含有する。
有効成分
E型ボツリヌス抗毒素(ウマ免疫グロブリン)
効能または効果
- 本剤は、E型ボツリヌスの治療及び予防に使用する。
- ただし、中毒がE型ボツリヌス毒素によることが明らかでない場合には、乾燥ボツリヌス抗毒素「A、B、E、F型」を使用すること。
- 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)10mLで完全に溶解して使用する。
- ◎治療:通常、症状にもよるが、なるべく早期に10,000〜20,000単位(10〜20mL)を筋肉内(皮下)又は静脈内に注射するか、あるいは生理食塩液等で希釈して点滴静注する。
- なお、症状が軽減しないときは3〜4時間ごとに10,000単位(10mL)ないしそれ以上を追加使用する。
- ◎予防:中毒の原因食を食べた者に対して予防に使用するときは、なるべく早期に2,500〜5,000単位(2.5〜5.0mL)を筋肉内(皮下)又は静脈内に注射する。
- ウマ血清過敏症試験(適用上の注意参照)を行い、反応陰性あるいは軽微の場合は、本剤の1mLを皮下に注射して30分間反応を観察し、異常のない場合には、所要量を以下のとおり注射する。
- 筋肉内(皮下)又は静脈内に注射する場合には、ゆっくり時間をかけて注射すること。ショックは5〜10分の間に発現することが多いがその間は勿論、さらに30分後まで血圧を測定する。著しい血圧降下がおこったら、直ちにエピネフリンの注射等、適切な処置を行う。
- 点滴静注する場合は、本剤を生理食塩液等で10〜20倍に希釈して1分間1〜2mL位の速さで注射し、血圧測定その他の観察を続けること。
重大な副作用
- ショック、アナフィラキシー(頻度不明):急激な血圧降下、喉頭浮腫、呼吸困難等があらわれることがあるので、投与後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと1),4)。
薬効薬理
- 抗毒素は毒素を特異的に中和して、その毒作用を止めることにより毒素性疾患には特効的である。しかし、生体内で遊離状態にある毒素は完全に中和するが、組織に結合してしまった毒素は中和しにくい。
- したがって、治療に際し、発病後できるだけ早期に本剤を投与するのが効果的である。
- (参考)
- マウスを用いた抗毒素による治療効果の成績では、毒素注射後、抗毒素投与までの時間が長くなるにしたがい、治療に必要な抗毒素の量は大量となり、ある程度以上の時間が経過した後は、いくら大量の抗毒素を投与しても治療効果が示されないという報告がある。
★リンクテーブル★
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- 関
- pancreatic ribonuclease、ribonuclease A
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リボヌクレアーゼA
- 関
- pancreatic ribonuclease、RNase A
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- 英
- pancreatic ribonuclease
- 関
- リボヌクレアーゼA
[★]
- 英
- ribonuclease、RNase
- 同
- RNA分解酵素、RNアーゼ
- 関
- ヌクレアーゼ
実験
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- 関
- adenoviral、adenovirus