- 英
- hybrid
- 関
- キメラ、雑種、混成体、混成、複合型
WordNet
- produced by crossbreeding (同)intercrossed
- (genetics) an organism that is the offspring of genetically dissimilar parents or stock; especially offspring produced by breeding plants or animals of different varieties or breeds or species; "a mule is a cross between a horse and a donkey" (同)crossbreed, cross
- a composite of mixed origin; "the vice-presidency is a hybrid of administrative and legislative offices"
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- (動物植の)雑種,(物の)混成物 / 混種語(語源の異なる二つ以上の要素から成る語;たとえばshortageは英語(short)とフランス語(hybridage)の混種語) / 雑種(混成)の
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/21 07:01:29」(JST)
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- 「ハイブリッド」が付く個別の用語の詳細は各項目をご覧ください。例えば「ハイブリッドカー」については「ハイブリッドカー」をご覧ください。
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ハイブリッド(英: hybrid、英語発音: [ˈhaibrid] )とは、
- 種や品種が異なる植物や動物から生まれた子孫[1]。
- 異種のものを組み合わせたもの[2][1]。
目次
- 1 概説
- 2 生物
- 3 テクノロジー・工業製品
- 3.1 電子工学・計算機工学・IT
- 3.2 放送技術
- 3.3 動力
- 3.4 システム工学、環境・エネルギー
- 3.5 他
- 4 言語
- 5 金融
- 6 「ハイブリッド」を冠する固有の商品、サービス名、アルバム名など
- 7 日本での使われ始めの経緯
- 8 脚注
- 9 関連項目
概説
Oxford Dictionariesの説明でまず挙げられているのは「種や品種が異なる植物や動物から生まれた子孫。例えばラバのようなもの。」である。そして2番目に挙げられている意味が「ふたつの要素を組み合わせて作られたひとつのもの」とある[1]。広辞苑でも同様の説明で、1番目に「雑種」、2番目に「異種のものを組み合わせたもの」としている[2]。
そもそものhybridの語源はラテン語の「hybrida ヒュブリダ」(=豚とイノシシから生まれた子孫)である[1]。Oxford Dictionariesによると、17世紀初頭から英語のhybridが使われるようになり、例えば「自由人と奴隷の間に生まれた子」を呼ぶような場合に使われはじめたらしい[1]。「hybrid」という言葉・概念は、もともとは生命のあるものに関する言葉・概念であったのだが、それが(比喩的に)製作物等にも転用されるようになったわけである。
現在の日本語ではhybridを音写した「ハイブリッド」で十分に通用しているが、あえて和語や漢字(漢語)表現にする場合は「かけあわせ」「交配」「雑種」「混血」「まぜあわせ」「混成」などといった言葉になる。
工学・技術の分野で、2種の要素を組み合わせた製品がさかんに作られている。
言語におけるハイブリッドには、異種の言葉の組み合わせ、というものがある。
様々な分野でハイブリッドがあるので詳細は下の節に譲る。
生物
ゾンキーと呼ばれるロバとシマウマの種間雑種。ゾンキーを含めシマウマと他のウマ科動物との雑種はゼブロイドと総称される。
前述の通り、イノブタを意味するヒュブリダを語源とするが、転じて広義の交雑種 (Hybrid) または雑種を指し、生物学・生理学的な種内雑種から種間雑種まで広い範囲が含まれる。
種内雑種は稔性があり、ハイブリッドの語源となったイノブタやアイガモのような家畜・家禽、環境変化により自然に生じたハイブリッドイグアナやハイブリッドベア等[疑問点 – ノート]がある。エンドウの種内雑種に関するグレゴール・ヨハン・メンデルの論文はVersuche über Pflanzen-Hybriden(普通、『雑種植物の研究』と訳される)である。
種間雑種としては、自然界でも交雑が見られるモウセンゴケ、近代科学の発達前から行われて来たウマとロバの交配によるラバ、実験的な交配によるレオポン、細胞融合と組織培養等のバイオテクノロジーによって作出されたポマト・オレタチ等がある。個体の形成まで至らないが、細胞融合によって作出されたハイブリッドの細胞まで指す事がある。詳細は各項目参照。
- ハイブリッドウルフ (Hybrid Wolf) - 大型犬種のひとつ。ハスキー、シェパードなどの犬種と家畜化されたオオカミとを交配したものをこう呼ぶ(ウルフハイブリッドとも呼ぶ)。
- ハイブリッドイグアナ (Hybrid Iguana) - ガラパゴス諸島のオスのウミイグアナとメスのリクイグアナの間で生まれ、両方のDNAを持つ雑種のイグアナ。地球温暖化の気候変動で海藻の枯渇が一部起こり、オスのウミイグアナが陸に上がり、メスのリクイグアナと交雑した結果、誕生した新たな雑種。生物は気候変動に新たな生息地を求めるが、ここでは移動ができない。移動ができなければ絶滅もあるが、ハイブリッドイグアナは新たな進化と考えられている[3]。
- ハイブリッド米 - ヘテロシス(雑種強勢)という、雑種第一代目(F1)が両親よりも優れた性質になる現象を利用した多収穫米のこと。(野菜は米よりも技術的に容易で、米に先んじて多くがハイブリッド化されている(ハイブリッド野菜))。[4]
「雑種」および「交雑」も参照
テクノロジー・工業製品
電子工学・計算機工学・IT
- ハイブリッドコンピュータ - アナログコンピュータのアナログ量のままでの処理できることや処理や計算速度の速さなどの利点と、デジタルコンピュータのデジタル量としての情報を一時的にも長期的にも記憶ができる、また大記憶容量にできる、複雑なプログラムで働かせることができるなどの利点を生かし、両者のこれら長所を利用する目的で、両者を接続または組み合わせ、1台のコンピューターとして働くもの。1970年代においては、まだ特定の利用分野でデジタル方式とアナログ方式の両方式が優劣を競い合い、それを組み合わせたハイブリッドコンピュータはハイブリッド計算機と呼ばれた。当時はコンピュータは計算機と呼ばれることが多かった時代。その後殆ど利用されず、デジタル方式にとって代わられた[5]。
- ハイブリッド集積回路 - 電子部品の集積回路と抵抗器、コンデンサなどの個別部品(ディスクリート、discrete部品) を小型基板上に混載した集積回路をいう。当初は混成集積回路とも呼ばれた[6]。ハイブリッドICや略してHICとも言われる(参照:集積回路#ハイブリッド集積回路)。
- ハイブリッドHDD(ハードディスクドライブ) - フラッシュメモリをキャッシュメモリとして搭載したハードディスクドライブ。OSやアプリケーションソフトウェアの起動の高速化とHDDの消費電力の低減を実現する。Windows Vistaの「Windows ReadyDrive」等のソフトウェアによりサポートされる。
- ハイブリッドディスク - Super Audio CDのプレイヤーと通常のCDプレイヤー両方の再生機で再生できるオーディオディスクのことをSACD/CDハイブリッド仕様あるいはハイブリッドディスクと呼ぶ。
- ハイブリッドスリープ - パソコンでMicrosoft Windows Vistaを搭載した場合の電源の切断モードの一つ。Microsoft Windows XPまで使われたスタンバイと休止状態(ハイバーネート、hibernate)を兼ねたもの。オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアの状態をスタンバイとしてメモリーに待避させ、また休止状態としてハードディスクドライブにも待避させる。次に電源を入れ、作業を再開するのは、メモリーから即座(2秒以内とされる)に対応する。停電やバッテリー切れの場合は、ハードディスクドライブから失われたメモリーの内容を補う書き込みをして再開する。コントロールパネルから「電源オプション」、「電源ボタンの動作の選択」、「電源ボタンを押したときの動作」を休止状態に指定しておき、画面のスタートボタンから「Windowsのシャットダウン」でスリープを選んで終えるとハイブリッドスリープとなる。
- ハイブリッド法 - 計算物理学で、非常に大きな系で精度の高いシミュレーションをするための電子状態計算の手法をハイブリッド法と呼ぶ。分子動力学法や有限要素法などを効率的に組み合わせて行う。
- ハイブリッド検索 - インフォシークなどが推進する複合型検索機能をハイブリッド検索と呼ぶ。インフォシークでは、検索結果のほかにニュースやマネー、求人などインフォシークが提供する関連情報が表示されるほか、辞書(英和、和英、国語)、天気、地図などの検索項目のアイコンがページ上部に表示される。
放送技術
- ハイブリッド放送 - ストリーミング生放送(side-L)と、MP3のダウンロード放送(side-R)の2つで構成される番組のインターネットラジオ放送形態をハイブリッド放送と呼ぶ。また、これとは別に文化放送は携帯電話とラジオ放送で同じ内容の番組を配信するサービスをハイブリッド放送と呼んでいる。携帯向けにはiモーションの配信技術などを使用し、専用アプリケーションソフトウェアで再生する。
動力
交通機関の場合は、複数の動力源を組み合わせた場合に、ハイブリッドと呼称する場合がしばしば見られる。
- ハイブリッドカー - 内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン)と電気モータを組み合わせた動力源を使う自動車など。またこの組み合わせに限らず、2つの異なる動力源を組み合わせた自動車。
- ハイブリッド気動車 - JR東日本を中心にディーゼルエンジンと電気動力を併用するもの、燃料電池と蓄電池の電気動力を併用するものなどが研究されている。
- ハイブリッドロケット - 宇宙開発の工学において、推進燃料に固体燃料と気体または液体の酸化剤を使用するロケットをハイブリッドロケットと呼ぶ。
このほか、漁船やタンカー、飛行機など各分野において、実験段階ではあるが複数動力併用の可能性が模索されている。近年燃料の中東依存や化石燃料枯渇への懸念から、これらの動きはますます加速しつつある。
システム工学、環境・エネルギー
ハイブリッド発電の例。風車とソーラーパネルがセットになっている。
- ハイブリッドシステム(制御理論) - 制御理論では、連続時間動的システムと離散事象を兼ね合わせた考え方。近年では組み込みシステムやミドルウェアの発展において、連続時間と離散事象を一括して扱えるハイブリッドシステム論が重要な役割を担うとして、その研究はDARPAや情報社会・メディア総局などで盛んに奨められているが、日本では政府の理解がなく大きな動向は起こっていない。
- ハイブリッドシステム(エネルギー) - エネルギー分野ではハイブリッドシステム論が有り2種類以上のエネルギー発生技術・製品を組み合わせて用いることで、相補的・効率的なエネルギー運用を目指す技術の総称である。例として、高温型燃料電池をガスタービンサイクルの内部に組み込むことで、燃料電池とガスタービンの両方のエネルギー効率を上昇させ、総合効率を飛躍的に高める「燃料電池・ガスタービンハイブリッド技術」等がある。
- ハイブリッド加湿器 - 2つの方式(主に超音波とヒーター加温)によって加湿する加湿器。「気化式(水を含んだ気化フィルターに風を当てて加湿する方式)」と「温風気化式(水を含んだ気化フィルターに温風を当てて加湿する方式)」を組み合わせた方式もある。
他
- ハイブリッドイメージ (Hybrid image) 、2007年にマサチューセッツ工科大学(MIT)が発表した人間の視覚的錯覚をもとにした一つの画像が見る距離によって違った2通りに見える画像。全く違う2つの画像を、一つは輪郭のはっきりした画像とし、もう一つはぼかした画像とし、その2つの異なった画像を重ね合わせた画像をハイブリッドイメージと呼ぶ。これを見た場合に近距離では前者が、遠距離では後者が見えるもの[7]。
言語
- ハイブリッド語 - 言語学では、昨今の若者語の「写メ」、英語の「beautiful(フランス語”beauté”+英語接尾辞”-ful”)」など、2種の異なる言語の語または要素が結合して出来た言葉、混成語をいう。「かばん語」も参照。
金融
- ハイブリッド証券 - 証券取引の分野では、社債と株式の中間的特性を備えた証をハイブリッド証券と呼ぶ。劣後債、永久債、優先出資証券、利益参加社債など。日本では金融機関が多数発行してきた。通常の株式発行に対し、一株あたり利益の希薄化や新株主による経営参加のリスクを防ぐことが出来るほか、通常の債権発行に対し財務の柔軟性を高めることが出来る。一般に通常の有利子負債よりも調達金利が高くなるとされる。
「ハイブリッド」を冠する固有の商品、サービス名、アルバム名など
- 製品名・サービス名
- セイコー・ハイブリッド - 1970年代末に発売された腕時計。アナログ全盛の時代から液晶デジタル時計が普及しはじめた頃のモデルで、アナログ文字盤とデジタル表示部を組み合わせたもの。なおライバルのシチズン時計では同様の商品を「デジアナ」と命名した。
- ハイブリッドカム (Hybrid CAM era) - 民生用ビデオカメラでは日立がDVDとハードディスクドライブ(マイクロドライブ)を搭載したビデオカメラ、ハイブリッドカムコーダWoooを2006年8月に発売した。特徴はビデオカメラだけでHDDからDVDに保存できる便利さにある。
- ハイブリッド携帯通信 - 1999年7月からDDIポケット(現ウィルコム)が順次投入したベストエフォート方式の新型PHS「H”(エッヂ)」シリーズの広告活動の際に付けたキャッチコピー。
- ぺんてる製ボールペンの商品名。1996年~。ボールペンと水性ゲルインクの組み合わせ。
- ハイブリッド・レジャーランド東武動物公園 - 東武動物公園の動物園や遊園地などが一体化した複合型レジャー施設。
- ハイブリッドめーるサービス - 郵便事業会社が運営するパソコン通信と郵便制度の双方を利用した通信文配達サービス。差出人がコンピュータで作成した通信文をインターネットを介して郵便事業会社が引き受け、郵便事業会社において印刷し、専用の封筒に納めて、全国に配達するサービス。派生サービスに同様の手段で内容証明郵便を作成・発送する「e内容証明」がある。
- ハイブリッド (パチスロ) - 山佐のパチスロ機。2つの違った出玉確率の方式を組み合わせたものをハイブリッドと呼ぶ。
- SBIハイブリッド預金 - 住信SBIネット銀行が提供する預金口座。この口座に入金された残高はSBI証券における株式等の買付代金に即時反映される。
- ハイブリッドシナジードライブ - トヨタが提唱するハイブリッドカー開発コンセプト 二代目プリウスから導入された。
- バンド名やアルバム名
- イギリスのエレクトロニック・ミュージックバンド。→ハイブリッド (バンド)
- HYBRID - CURIOのアルバム。
日本での使われ始めの経緯
表面にオレンジ色のエポキシ樹脂を浸漬塗りし密封された
ハイブリッド 集積回路を立てて搭載した プリント基板。塗布された集積回路内の各種の構成部品が凹凸を呈しているのが判る。
日本語として「ハイブリッド」という表現が使われ始めたのは1960年から1970年代のハイブリッド計算機が日本でも欧米を追い商品化された時代からで、一部の関係者はこの言葉を使った[8][9]。また1964年に IBM が開発、販売した汎用コンピュータであるSystem/360の基本ハードウェアに「hybrid integrated circuit」も使われた(参照:System/360#基本ハードウェア)。当時流行したアマチュア無線機においては、真空管とトランジスターを併用した機種をハイブリッドと称した。
一方、コンピュータ分野とは別に1970年当初頃から混成集積回路(後のハイブリッド集積回路)が新たに作られ、これが電子部品として多数、また多くの分野で広く活用され始めたのは1980年代となってからであった。混成集積回路が新たに作られた時代にハイブリッド計算機は既に有り、米国では「hybrid integrated circuit」とも言われたが、日本ではハイブリッドとは呼ばず、初期には日本語の「混成」を冠した言い方が多かった[10][6]。その後は混成集積回路もまた他の分野でも次第にカタカナのハイブリッドを冠するものが現われ、言葉として広く定着してきた。
脚注
- ^ a b c d e Oxford Dictionaries [1]
- ^ a b 広辞苑 第6版 「ハイブリッド」
- ^ テレビ朝日開局50年周年記念2008年1月4日放送、番組「地球の危機2008」から。ガラパゴス諸島のSouth Plaza島の状況
- ^ ブリタニカ百科事典
- ^ ハイブリッド計算機、1971年(昭和46年)、計算機の歴史、統計数理研究所、統計数理研究所
- ^ a b 電子材料編集部編『最新ハイブリッドIC技術』、工業調査会、1984年
- ^ ハイブリッドイメージを解説する英文サイトとその静的なハイブリッドイメージを動画で表すサイト
- ^ 元日立製作所副社長、三浦武雄はハイブリ ッド計算機を提案し,1958年研究に着手,1959年HIPAC101との連動システムを完成日本情報学会、コンピュータ博物館、日本のコンピュータパイオニア > 三浦武雄
- ^ 日立R&D(研究開発) トップ> 社外表彰> 1970年~1979年:1977 紫綬褒章(Medal with Purple Ribbon)ハイブリッド計算機の開発(Development of hybrid computer)
- ^ [2] - 国立科学博物館の産業技術の歴史に掲げられる厚膜ハイブリッドIC(厚膜混成集積回路)
関連項目
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