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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
エンセバック皮下注用
組成
製法の概要
- 本剤は、日本脳炎ウイルス(北京株) をVero細胞(アフリカミドリザル腎細胞由来の株化細胞) で増殖させ、得られたウイルスをホルマリンで不活化後、しょ糖密度勾配遠心及びクロマトグラフィーで精製し、安定剤を加え充填した後、凍結乾燥したものである。
- なお、本剤は製造工程で、ウシの血液由来成分(血清)、ブタの膵臓由来成分(トリプシン)及びヒツジの毛由来成分(コレステロール)を使用している。
組成
- 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶解した時、液剤0.5mL中に次の成分を含有する。
有効成分
不活化日本脳炎ウイルス(北京株)
添加物
塩化ナトリウム
添加物
リン酸水素ナトリウム水和物
添加物
リン酸二水素ナトリウム
添加物
ポリソルベート80
添加物
グリシン
添加物
乳糖水和物
禁忌
(予防接種を受けることが適当でない者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
- 明らかな発熱を呈している者
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
- 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
- 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
効能または効果
- 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶解する。
- ◎初回免疫:通常、0.5mLずつを2回、1〜4週間の間隔で皮下に注射する。ただし、3歳未満の者には、0.25mLずつを同様の用法で注射する。
- ◎追加免疫:通常、初回免疫後おおむね1年を経過した時期に、0.5mLを1回皮下に注射する。ただし、3歳未満の者には、0.25mLを同様の用法で注射する。
基礎免疫、追加免疫及び免疫の保持
- 初回免疫として2回接種を行い、さらに第1回の追加免疫を行うことにより基礎免疫ができる。その後の追加免疫のときの接種量は第1回目の追加免疫に準ずることとし、接種間隔は地域における日本脳炎ウイルスの汚染状況などに応じて実施すること。
定期接種対象者と標準的接種年齢
- 本剤の第1期は、生後6月から90月に至るまでの間に行う。初回免疫は3歳に達した時から4歳に達するまでの期間、追加免疫は4歳に達した時から5歳に達するまでの期間を標準的な接種年齢とする。
- 第2期の予防接種は、9歳以上13歳未満の者に行う。9歳に達した時から10歳に達するまでの期間を標準的な接種年齢とする。
- 平成7年4月2日生まれから平成19年4月1日生まれの者のうち、7歳6カ月以上9歳未満の者及び13歳以上20歳未満の者についても定期の予防接種の対象とする。
なお、本剤の定期の予防接種への使用については、予防接種実施規則によること。
他のワクチン製剤との接種間隔
- 生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また、他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
- ただし、医師が必要と認めた場合には、同時に接種することができる(なお、本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。
慎重投与
(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
- 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
- 過去にけいれんの既往のある者
- 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
- 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
重大な副作用
- ショック、アナフィラキシー(0.1%未満):ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)があらわれることがあるので、接種後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
- 急性散在性脳脊髄炎(0.1%未満):急性散在性脳脊髄炎(ADEM)があらわれることがある2)3)。通常、接種後数日から2週間以内に発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害等があらわれる。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
- 脳炎・脳症(頻度不明):脳炎・脳症があらわれることがある。接種後、発熱、四肢麻痺、けいれん、意識障害等の症状があらわれる。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
- けいれん(頻度不明):けいれんがあらわれることがある。通常、接種直後から数日ごろまでにけいれん症状があらわれる。本症が疑われる場合には、観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。
- 血小板減少性紫斑病(頻度不明):血小板減少性紫斑病があらわれることがある。通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 日本脳炎ウイルスは、コガタアカイエカの吸血により感染する。本ウイルスは局所のリンパ組織で増殖した後ウイルス血症を起こし、血液・脳関門を通って中枢神経系に運ばれると、日本脳炎を発症すると考えられている。あらかじめ本剤の接種により、日本脳炎ウイルスに対する能動免疫、特に中和抗体による液性免疫が獲得されていると、感染したウイルスの増殖は抑制され、発症は阻止される。参考)受動免疫をしたマウスへの感染実験では、1:10の血中抗体価があれば、105MLD50(50%マウス致死量)のウイルス感染を防ぐというデータがある。1回の蚊の吸血によって注入されるウイルス量は103〜104MLD50である。このような成績から1:10の抗体価があれば自然感染を防ぐと考えられている4)。
★リンクテーブル★
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アフリカミドリザル腎細胞
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アフリカミドリザル腎細胞
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