膵嚢胞

出典: meddic

pancreatic cyst
膵嚢胞症?、(国試)嚢胞性膵疾患


疫学

  • 膵嚢胞の80%が仮性嚢胞、20%が真性嚢胞
  • 仮性嚢胞は急性膵炎後のものが最も多く、膵炎後2-3週後に生じる物が多い。

分類

  • 仮性嚢胞:内腔面が上皮細胞でおおわれない
  • 真性嚢胞:内腔面が上皮細胞で覆われる
  • 先天性
  • 貯留性
  • 腫瘤性 → 造影CTで隔壁が濃染する
  • 漿液性嚢胞腫瘍
  • 漿液性嚢胞腺腫
  • 漿液性嚢胞腺癌)
  • 粘液性嚢胞腫瘍
  • 粘液性嚢胞腺腫
  • 粘液性嚢胞腺癌


SSUR.628
  真性嚢胞 仮性嚢胞
先天性嚢胞 貯留性嚢胞 腫瘍性嚢胞   急性仮性嚢胞 慢性仮性嚢胞
    粘液性嚢胞腫瘍 漿液性嚢胞腫瘍 膵管内乳頭粘液性腫瘍      
congenital cyst retention cyst mucinous cystic neoplasm serous cystic neoplasm intraductal papillary mucinous neoplasm   acute pseudocyst chronic pseudocyst
    MCN SCN IPMN      
        主膵管型 分枝型    
病因 例えば、遺伝性(嚢胞線維症) 膵管閉塞(腫瘍、膵石、炎症など)         急性膵炎、外傷など 慢性膵炎、慢性の貯留嚢胞
特徴   長期の経過で上皮が剥脱して仮性嚢胞との区別が困難になる   星芒状中心瘢痕、石灰化多い 粘液を産生。乳頭状増殖。      
疫学     閉経前後の女性          
部位     膵尾部に好発          
嚢胞の大きさ       小嚢胞        
被膜     共通 共通        
腫瘍化     壁在結節出現や隔壁肥厚 70%が悪性 70%以上が良性    
内容物     粘液 漿液 粘液      
治療     悪性の可能性があり切除   悪性の可能性があり切除 経過観察も可能 自然消失が多い。 自然消失はない
          条件により切除 6週経過を見る。  

検査

画像検査

  • 膵嚢胞腺腫 → see RNT.223
[show details]

治療

  • 真性嚢胞:
  • 嚢胞摘出術
  • 仮性嚢胞
  • 消化管との内瘻形成術


UpToDate Contents

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和文文献

  • 膵嚢胞性疾患 (特集 胆膵疾患診療の最前線--難治疾患のよりよいマネジメントのために) -- (胆膵疾患のマネジメント--胆膵癌を見据えて)
  • 症例 嚢胞内出血を来した膵リンパ管腫の1例 (特集 消化器最新情報2011)
  • 甲川 佳代子,高濱 潤子,吉村 佳子 [他]
  • 臨床放射線 56(2), 274-278, 2011-02
  • NAID 40018714219

関連リンク

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膵嚢胞 嚢胞とは,内部に液体をいれた袋状の構造物のことです.膵臓にできる嚢胞は,袋の内側が細胞で覆われている真性嚢胞と,そうでない仮性嚢胞に大きく分けられます. 真性嚢胞には先天性嚢胞や貯留性嚢胞,腫瘍性嚢胞などが ...

関連画像

膵嚢胞にだまされるな!1210230625_1.jpg膵嚢胞の経消化管的ドレナージ真性と仮性の鑑別は困難なこと 膵臓 に できる 嚢 胞 は 中 1210156866_1.jpg身体 中 の 多く の 器官 に 治療」


★リンクテーブル★
国試過去問105I045」「095G029」「096A030」「098A039」「101G029」「102D038」「092B045」「083B047」「107C008
リンク元膵管内乳頭粘液性腫瘍」「粘液性嚢胞腫瘍」「仮性嚢胞」「貯留性嚢胞」「膵仮性嚢胞
拡張検索膵嚢胞性線維症
関連記事嚢胞

105I045」

  [★]

  • 71歳の男性。上腹部不快感を主訴に来院した。2週前に上腹部の不快感が出現し徐々に増悪してきた。意識は清明。身長165cm、体重54kg。体温36.4℃。脈拍72/分、整。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球 440万、Hb 14.1g/dl、Ht 41.2%、白血球 6,200、血小板 26万。血液生化学所見:総蛋白 6.6g/dl、アルブミン 4.0g/dl、総ビリルビン 0.6mg/dl、直接ビリルビン 0.2mg/dl、AST 14IU/l、ALT 5IU/l、LD 267IU/l(基準176-353)、ALP 79IU/l(基準115-359)、γ-GTP 15IU/l(基準8-50)、Na 144mEq/l、K 4.1mEq/l、Cl 106mEq/l。免疫学所見:CEA 8.4ng/ml(基準5以下)、CA19-9 1,772U/ml(基準37以下)。腹部造影CT(別冊No.9A、B)と内視鏡的逆行性胆管膵管造影写真(ERCP)(別冊No.9C)とを別に示す。
  • 最も考えられるのはどれか。




[正答]


※国試ナビ4※ 105I044]←[国試_105]→[105I046

095G029」

  [★]

  • 58歳の男性。繰り返す意識消失発作のため入院した。1年前から空腹時にふらつくことがあったが、食後軽快するので放置していた。入院後も意識消失発作を数回起こし、いずれの場合もブドウ糖液の静注で改善した。意識清明。血圧142/88mmHg。呼吸音清。肝と脾とを触知しない。血液所見:赤血球498万、Hb 14.0 g/dl、白血球6,500、血小板20万。血清生化学所見:空腹時血糖43mg/dl、総蛋白7.3 g/dl、アルブミン4.1g/dl、尿素窒素9mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総ビリルビン0.5mg/dl、GOT37単位(基準値以下)、GPT54単位(基準35以下)、アミラーゼ83単位(基準37~160)。CEA 2.0ng/ml(基準5以下)、CA19-9 11U/ml(基準37以下)。腹部ダイナミックCTの動脈優位相で径1cmの濃染像を膵体部に認める。考えられる疾患はどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 095G028]←[国試_095]→[095G030

096A030」

  [★]

  • 65歳の女性。1か月前からの左上腹部痛と背部痛とを主訴に来院した。6か月前から背部の張り感を自覚していた。肝・脾は触知しない。血液所見:赤血球370万、白血球6,200、血小板28万。血清生化学所見:総蛋白7.0g/dl、アルブミン4.5g/dl、総ビリルビン0.4mg/dl、AST(GOT)17単位(基準40以下)、ALT(GPT)8単位(基準35以下)、LDH299単位(基準176~353)、アルカリホスファターゼ343単位(基準260以下)、アミラーゼ40単位(基準37~160)。CA19-9 36U/ml(基準37以下)。腹部エックス線単純写真を以下に示す。
  • 最も考えられるのはどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 096A029]←[国試_096]→[096A031

098A039」

  [★]

  • 1歳5か月の男児。腹部腫瘤を主訴として来院した。発育と栄養状態とは正常である。左上腹部が膨隆し、径15cmの弾性硬、表面平滑な腫瘤を触れる。尿所見は正常。血液所見:赤血球378万、Hb11.0g/dl、白血球7,200、血小板22万。血清生化学所見:AST32単位(基準40以下)、ALT20単位(基準35以下)、LDH770単位(基準176~353)。α-フェトプロテイン(AFP)正常。尿中VMA正常。腹部造影CTを以下に示す。診断はどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 098A038]←[国試_098]→[098A040

101G029」

  [★]

  • 20歳の男性。上腹部痛があり、近医での腹部超音波検査で異常を指摘され来院した。腹部に腫瘤を触知しない。ERCP写真と腹部造影CTとを以下に示す。
  • みられるのはどれか。2つ選べ。


[正答]


※国試ナビ4※ 101G028]←[国試_101]→[101G030

102D038」

  [★]

  • 65歳の男性。腹部超音波検査で異常を指摘され来院した。症状は特に認めない。磁気共鳴胆管膵管像<MRCP>を以下に示す。診断はどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 102D037]←[国試_102]→[102D039

092B045」

  [★]

  • ただしいのは
  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)

083B047」

  [★]

  • 膵嚢胞について正しいのはどれか
  • (1) 真性嚢胞では腹部腫瘤を主訴とするものが多い
  • (2) 真性嚢胞の治療としては内瘻造設術が第一選択である
  • (3) 仮性嚢胞より真性嚢胞が多い
  • (4) 仮性嚢胞は急性膵炎後に生じるものがおおい
  • (5) 仮性嚢胞では自然消滅するものがある
  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)

107C008」

  [★]

  • 腹部触診で呼吸に応じて移動する腫瘤はどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 107C007]←[国試_107]→[107C009

膵管内乳頭粘液性腫瘍」

  [★]

intraductal papillary-mucinous neoplasm intraductal papillary mucinous neoplasm IPMN
膵嚢胞粘液性嚢胞腺腫
  • 図:SSUR.630(分類)

概念

  • 膵管内で乳頭状に増殖し、粘液を産生する腫瘍

分類と性質

  • 主膵管型IPMN:70%が悪性
  • 分枝型IPMN:70%以上が良性

病態

  • 膵管内乳頭粘液性腫瘍は乳頭状に増殖し、膵管内視鏡でイクラ状隆起性病変が認められる。
  • 膵管内乳頭粘液性腫瘍の膵管内増殖による膵管の狭窄と腫瘍の粘液産生により膵管のびまん性拡張が見られる。また、このために膵管分枝のブドウの房状拡張が認められる。
  • 主膵管型膵管内乳頭粘液性腫瘍ではファーター乳頭が開口し粘液の分泌を見ることがある。

の開大

治療

  • 主膵管型、混合型は悪性の可能性が高く切除
  • 分枝型は(1)粘液による主膵管閉塞により急性膵炎を反復する場合、(2)壁在結節のある場合、(3)主膵管径の大きい場合、(4)嚢胞径が大きい場合(>3-4cm)に切除(SSUR.631)。 (also see 参考4)


予後

  • 増殖速度は遅く手術切除できた場合、予後は良好である。

粘液性嚢胞腫瘍と膵管内乳頭粘液腫瘍

  粘液性嚢胞腫瘍
mucinous cystic neoplasm
MCN
膵管内乳頭粘液性腫瘍
intraductal papillary mucinous neoplasm
IPMN
特徴 粘液産生する上皮が嚢胞を形成 粘液を産生。乳頭状増殖。
疫学 閉経前後の女性 高齢の男性
部位 膵尾部 膵頭部
共通被膜 被膜あり 被膜なし
腫瘍化 壁在結節出現や隔壁肥厚 70%が悪性
内容物 粘液 粘液
治療 悪性の可能性があり切除 悪性の可能性があり切除
画像 [display]http://www.uptodate.com/contents/image?imageKey=GAST/7321
[display]http://www.uptodate.com/contents/image?imageKey=GAST/6504

参考

  • 1. シェーマ
[display]http://www.teikyo-hbps.jp/suizou_2.html
  • 2. ERCP 主膵管型
[display]http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~pancreas/pan-1-2.jpg
  • 3. [charged] 膵管内乳頭粘液性腫瘍の病態生理および臨床症状 - uptodate [1]
  • 4. [charged] 膵管内乳頭粘液性腫瘍の診断および治療 - uptodate [2]
  • 5. [charged] 膵嚢胞の分類 - uptodate [3]
  • 6. [charged] 膵嚢胞性腫瘍 - uptodate [4]

国試



粘液性嚢胞腫瘍」

  [★]

mucinous cystic neoplasm
粘液嚢腺腫膵嚢胞

分類

粘液性嚢胞腫瘍と膵管内乳頭粘液腫瘍

  粘液性嚢胞腫瘍
mucinous cystic neoplasm
MCN
膵管内乳頭粘液性腫瘍
intraductal papillary mucinous neoplasm
IPMN
特徴 粘液産生する上皮が嚢胞を形成 粘液を産生。乳頭状増殖。
疫学 閉経前後の女性 高齢の男性
部位 膵尾部 膵頭部
共通被膜 あり なし
腫瘍化 壁在結節出現や隔壁肥厚 70%が悪性
内容物 粘液 粘液
治療 悪性の可能性があり切除 悪性の可能性があり切除
画像 [display]http://www.uptodate.com/contents/image?imageKey=GAST/7321
[display]http://www.uptodate.com/contents/image?imageKey=GAST/6504

参考

  • 1. [charged] 膵嚢胞性腫瘍 - uptodate [5]
  • 造影CT
[display]http://www.uptodate.com/contents/image?imageKey=GAST/7321


仮性嚢胞」

  [★]

pseudocyst
偽嚢胞偽性嚢胞膵嚢胞

膵臓

  • 仮性嚢胞は急性膵炎後のものが最も多く、膵炎後2-3週後に生じる物が多い。(QB.B-358)
  • 急性仮性嚢胞は合併症(出血、感染、破裂)を起こさなければ自然消退することが多く、6週までは様子を見る。(SSUR.631) ⇔ 仮性嚢胞は炎症が治まると自然消退する物があるが、頻度は低い(10-20%)(QB.B-358)
  • ドレナージが必要なときは経皮的にドレナージを行うか、径胃的か経十二指腸的に内瘻チューブを挿入する。(SSUR.631)


貯留性嚢胞」

  [★]

retention cyst(SSUR)
膵嚢胞

膵臓

  • 膵管閉塞(腫瘍、結石、炎症など) による。長期の経過で上皮が剥脱して仮性嚢胞との区別が困難になる。(SSUR.628)
  • 貯留性嚢胞内のアミラーゼ値は高い(099E036)


膵仮性嚢胞」

  [★]

pancreatic pseudocyst
膵嚢胞仮性膵嚢胞、膵偽性嚢胞、膵炎後仮性嚢胞



膵嚢胞性線維症」

  [★]

pancreatic cystic fibrosis, cystic fibrosis
ムコヴィスイドーシス mucoviscidosis
嚢胞性線維症




嚢胞」

  [★]

cyst

概念

  • 内腔に液体や泥状物を含む袋状の構造物をいう。
  • 上皮細胞に囲まれた体内にできた異常な腔で、水や泥状の物を含む

種類

総胆管嚢胞胆管嚢胞内膜症性嚢胞出血嚢胞前立腺小室嚢胞単純腎嚢胞卵巣内膜症性嚢胞卵巣嚢胞性腺腫卵巣嚢胞腺腫卵巣機能性嚢胞外傷後嚢胞多嚢胞症多発嚢胞性腎多発性嚢胞射精管嚢胞汎発性嚢胞状線維性骨炎深在嚢胞性大腸炎肝嚢胞腺癌腸管気腫性嚢胞症膵嚢胞性病変虫垂粘液嚢胞腹膜軟骨下嚢胞先天性肺嚢胞症単独嚢胞腎Nabothian嚢胞ミュラー管嚢胞膵嚢胞性腺癌先天性総胆管嚢胞寄生虫性嚢胞巨大嚢胞嚢胞体血液嚢胞嚢胞性膵疾患多発性肝嚢胞漿液性嚢胞腫瘍多嚢胞化萎縮腎後天性嚢胞性腎疾患成人型多発性嚢胞腎胸膜下肺胞性肺嚢胞、腎嚢胞性疾患の鑑別、線維嚢胞性変化乳頭状嚢胞腺腫孤立性腎嚢胞、肺嚢胞、鰓原性嚢胞膵嚢胞症ナボット嚢胞甲状舌管嚢胞単純性腎嚢胞

産婦人科





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