糖尿病
- 英
- diabetes mellitus (SP), DM
- 関
- 糖尿病治療薬
- first aid step1 2006 p.first aid step1 2006 p.256,423
定義
- グルコースに関連した糖質代謝障害
- インスリンの不足
病型
- 1型糖尿病(インスリン依存性糖尿病(IDDM)):自己免疫性、特発性(劇症1型糖尿病、緩徐進行1型糖尿病)
- インスリン分泌の低下
- 血中インスリン濃度:低
- 遺伝や生活習慣病に関係なく発症。治療はインスリンの注射
- 血中インスリン濃度:低
- インスリン受容体や細胞内情報伝達系の質的・量的変化
- 一般に血中インスリン濃度:高
- 肥満、喫煙、運増などが関連
- 中高年に多い
- 運動療法と食事療法
- 一般に血中インスリン濃度:高
参考1
- DM type1
- 治療にインスリンが必要~生存にインスリンが必要
- DM type2
- 境界領域~インスリン不要~治療にインスリンが必要
症状
- 慢性的な高血糖状態
- 尿糖陽性
- 血糖値が170-180mg/dl以上で尿糖陽性となる。
- 血糖150mg/dlでも尿糖陽性であれば腎性尿糖が疑われる
- 口渇、多飲、多尿
- ケトーシス、アシドーシス体重減少
合併症
- 多発神経障害(広汎性左右対称性神経障害)
- 単神経障害
- 栄養血管の閉塞による脳神経障害
- 外眼筋(動眼神経、滑車神経、外転神経)麻痺、顔面神経麻痺
- 糖尿病足病変
- 歯周病
- 動脈硬化性病変
- 認知症
- 皮膚病変
- 直接デルマドローム:糖尿病性壊疽、糖尿病性浮腫性硬化症、糖尿病性黄色腫、リポイド類壊死症、糖尿病性水疱、デュピュイトラン拘縮、前脛骨部色素斑、播種状環状肉芽腫
- 間接デルマドローム:皮膚真菌症
- 糖尿病性ケトアシドーシス(type 1 DM)
- 高浸透圧性非ケトン性昏睡(type 2 DM)
医療系の雑誌より(日経カデット11月?)
表5 糖尿病患者にみられる筋骨格系症状を呈する疾患と臨床的特徴
| 糖尿病との関係 | 疾患 | 臨床的特徴 |
| 糖尿病が直接病因に関与する疾患 | 糖尿病性手関節症(diabetic cheiroarthropathy) | コントロール不良の糖尿病に多い。原因不明の皮膚硬化が徐々に進行し、手指の屈曲拘縮を来し手全体に及び、強皮症と誤診される。手指を合わせることができない(Prayer徴候)。 |
| シャルコー関節 | 頻度は低い(1%)が、長期糖尿病コントロール不良患者に多い。通常、足根中足関節などの中足部が多く、足底表面、前足部、中足部に潰瘍形成の合併を認めることがあり、骨髄炎との鑑別が困難な例あり。 | |
| 糖尿病性骨溶解(diabetic osteolysis) | 原因不明の足趾の末節骨や基節骨の骨吸収が起こリ、足痛の原因となる。X線ではickedcandy変形を呈し、骨髄炎との鑑別が困難。 | |
| 糖尿病性筋梗塞 | 外傷、感染、腫瘍がなく大腿部などに急激に増大する疼痛を伴う腫瘤を認める。生検は出血の危険があるため行わない。通常1~2カ月で自然寛解する | |
| 糖尿病性筋萎縮症(diabetic amyotrophy) | 糖尿病性末梢神経障害の一型。大腿前部の痛みで、時に脱力や萎縮が非対称性に起きる。CPKの上昇はなく、脳脊髄液で軽度蛋白上昇以外の有意な所見はない。神経伝導速度.筋電図では神経原性変化を認め、筋生検では炎症細胞浸潤を伴わない筋線経の萎縮あり。 | |
| 直接の関係は不明だが糖尿病患者に頻度が高い疾患 | 癒着性関節包炎(凍結肩または五十肩) | 糖尿病患者の10-33%にみられる。長期2型糖尿病を有する女性に多く、肩の痛みと可動域障害を呈する。約半数が両側性だが非利き手側で症状が強い。炎症反応やX線異常を認めず、数週~数カ月で自然寛解する。 |
| 複合性局所疼痛症候群1型(complex regional pain syndrome CRPS) | 四肢の疼痛、皮膚色変化、皮膚温の変化、浮腫、可動域制限などの症候を呈するまれな症候群。 | |
| 手掌屈筋鍵炎 | 糖尿病患者の5-33%に認められる。長期に罹患した女性に多く、利き手側の母指に頻度(75%)が高いが、どの指にもみられる。 | |
| Dupuytren拘縮 | 手掌筋膜の短縮と肥厚(有痛性結節)を生じ、第4、5指の屈曲拘縮を呈する。1型糖尿病で長期に罹患した患者に多いが、血糖コントロールとの関係はない。 | |
| 手根管症候群 | 手根管症候群の全患者の最大15%に糖尿病を認める。 | |
| 広汎性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis DISH) | 2型糖尿病患者の約20%にみられ、50才以上の肥満患者に多い。頭部、腰部のこわばリ、関節の可動域制限を呈する。全身の腱付着部痛を呈することもある。 | |
| その他 | 感染性関節炎や骨髄炎 | 血糖上昇による免疫力低下が感染症リスクを上昇させることによる |
診断
血糖値検査による分類
正常 糖尿病型 空腹時血糖値 <110mg/dL ≧126mg/dL and or 75g OGTT2時間値 <140mg/dL ≧200mg/dL
- 正常型、境界型、糖尿病型に分類する
- 正常型であっても、食後1時間値が180mg/dL(10.0mmol/l)以上の場合には、180mg/dl未満のものに比べて糖尿病に進展する可能性が高いので、境界型に準じた取り扱い(経過観察)を行う(参考1)。
診断基準
- 参考2-4
- 1) 初回検査で、①空腹時血糖値≧126mg/dl、②75gOGTT2時間値≧200mg/dl、③随時血糖値≧200mg/dl、④HbA1c(国際標準値)≧ 6.5%のうちいずれかを認めた場合は、「糖尿病型」と判定する。別の日に再検査を行い、再び「糖尿病型」が確認されれば糖尿病と診断する。但し、HbA1cのみの反復検査による診断は不可とする。また、血糖値とHbA1cが同一採血で糖尿病型を示すこと(①~③のいずれかと④)が確認されれば、初回検査だけでも糖尿病と診断してよい。
- 2)血糖値が糖尿病型(①~③のいずれか)を示し、かつ次のいずれかの条件がみたされた場合は、初回検査だけでも糖尿病と診断できる。
- 糖尿病の典型的症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)の存在
- 確実な糖尿病網膜症の存在
- 3)過去において、上記1)ないしは2)の条件がみたされていたことが確認できる場合には、現在の検査値が上記の条件に合致しなくても、糖尿病と診断するか、糖尿病の疑いを持って対応する必要がある。
- 4)上記1)~ 3)によっても糖尿病の判定が困難な場合には、糖尿病の疑いをもって患者を追跡し、時期をおいて再検査する。
- 5)初回検査と再検査における判定方法の選択には、以下に留意する。
- 初回検査の判定にHbA1cを用いた場合、再検査ではそれ以外の判定方法を含めることが診断に必須である。検査においては、原則として血糖値とHbA1cの双方を測定するものとする。
- 初回検査の判定が随時血糖値≧200mg/dlで行われた場合、再検査は他の検査方法によることが望ましい。
- HbA1cが見かけ上低値になり得る疾患・状況の場合には、必ず血糖値による診断を行う。
予後
- 糖尿病の死因の一位は心筋梗塞(Q book p.259)。
USMLE
- Q book p.245 38(死因)
高血圧と糖尿病を合併する病態
- クッシング症候群:糖質コルチコイドによる糖新生亢進・インスリン拮抗作用と鉱質コルチコイド様作用による。
- 先端巨大症:成長ホルモンの抗インスリン作用と電解質代謝作用(Na,K,Cl濃度増加、細胞外液増加)
- 褐色細胞腫:交感神経緊張亢進によるα1,β1作用による血圧上昇、α2, β2作用による血糖上昇
- 原発性アルドステロン症:過量のアルドステロンによるナトリウム再吸収、カリウム排泄亢進により体液量貯留、低カリウムによるインスリン作用低下
参考
- 1. 糖尿病の分類
- 2. 糖尿病の新診断基準2010
- <click2in>http://d.hatena.ne.jp/bonbokorin/20100608/p1</click2in>
- 3. 糖尿病の新しい診断基準を7月に施行 日本糖尿病学会-糖尿病NET-資料室
- <click2in>http://www.dm-net.co.jp/calendar/2010/010167.php</click2in>
- 4. 委員会報告 糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告 2010
- <click2in>http://www.jds.or.jp/jds_or_jp0/uploads/photos/635.pdf</click2in>