劇症1型糖尿病
概念
- 特発性1型糖尿病の亜型とされ、何らかの原因により膵臓のβ細胞が急激に破壊され、インスリン欠乏に基づく高血糖・ケトアシドーシスをきたす疾患
疫学
- 参考1
- 日本で5000-7000人
病因
- 詳細は不明
- 感受性を有する人にウイルス感染を契機として抗ウイルス免疫が惹起されて膵β細胞が破壊されることが原因と考えられている。(参考1)
診断基準
- 参考2
- 劇症1型糖尿病診断基準(2004)
- 下記1~3のすべての項目を満たすものを劇症1型糖尿病と診断する。
- 1. 糖尿病症状発現後1週間前後以内でケトーシスあるいはケトアシドーシスに陥る(初診時尿ケトン体陽性、血中ケトン体上昇のいずれかを認める。 ← インスリン欠乏によるケトン体産生亢進
- 2. 初診時の(随時)血糖値が288mg/dl(16.0mmol/l)以上であり、かつHbA1c値<8.5%である。 ← 急性経過の高血糖 ・・・NGSPでは8.9%
- 3. 発症時の尿中Cペプチド<10μg/day、または、空腹時血清Cペプチド<0.3ng/mlかつグルカゴン負荷後(または食後2時間)血清Cペプチド<0.5ng/mlである。 ← インスリン分泌能の廃絶
- 参考所見
- A) 原則としてGAD抗体などの膵島関連自己抗体は陰性である。
- B) ケトーシスと診断されるまで原則として1週間以内であるが、1~2週間の症例も存在する。
- C) 約98%の症例で発症時に何らかの血中膵外分泌酵素(アミラーゼ、リパーゼ、エラスターゼ1など)が上昇している。
- D) 約70%の症例で前駆症状として上気道炎症状(発熱、咽頭痛など)、消化器症状(上腹部痛、悪心・嘔吐など)を認める。
- E) 妊娠に関連して発症することがある。
症状
- 高血糖による症状(口渇、多飲、多尿)
- 上気道症状(発熱、咽頭痛、咳嗽)
- ケトアシドーシスによる症状:全身倦怠感、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛)
その他
- HbA1cが高くても劇症1型糖尿病を発症しうる
参考
- 1. 劇症1型糖尿病 - 難病情報センター
- <click2in>http://www.nanbyou.or.jp/entry/720</click2in>
- 2. 糖尿病48(suppl1) :A1-A13, 2005
- 3.
- <click2in>http://www.jds.or.jp/modules/study/index.php?content_id=4</click2in>
- 4. 離島で経験した劇症1型糖尿病の2例
- <click2in>http://ci.nii.ac.jp/naid/110008506978</click2in>