- 英
- self-assembly、self-assembled
- 関
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自己組織化(じこそしきか、英: self-organization)とは、自律的に秩序を持つ構造を作り出す現象のことである。自発的秩序形成とも言う。
目次
- 1 概要
- 2 自己組織化と自己集合
- 3 自己組織化の例
- 4 脚注
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
概要
自己組織化は、幾何学的な形状を持つ雪の結晶の成長や、孔雀の羽に浮かび上がるフォトニック結晶構造に由来する模様や、シマウマのゼブラ模様、心臓の鼓動など、様々な自然現象の中にも見出すことができる。生物の細胞がDNAを設計図として機能を持った組織を作り出す現象も、極めて高度な自己組織化の結果と考えられている。
自己組織化と自己集合
非平衡での研究に大きな業績をあげ、新しい熱力学を開拓して1977年のノーベル化学賞を受賞した化学者・物理学者であるイリヤ・プリゴジン(I.Prigogine)は、特に「動的」な秩序化が起こる非平衡開放系を「散逸系」とよび、散逸系での秩序形成を「自己組織化(self-organize,self-organization)」と定義した一方で、平衡系で起きる「静的」な秩序化のことを「自己集合(self-assemble,self-assembling)」と定義して、自己組織化と区別した[1]。
自己組織化の例
過飽和溶液の中で結晶が成長して固体となって析出する自然現象。
思考や学習に伴って脳内などで起こる神経回路の構築も、自己組織化の一つである。脳をモデルにした自己組織化写像が研究されている。
サンタフェ研究所のスチュアート・カウフマンは地球の生命の起源について多大な考察をし、生物のシステムと有機体の複雑性はダーウィンの自然選択説以上に、自己組織化と熱平衡状態から大きく離れた系 (far-from-equilibrium dynamics) に由来するのかもしれないことを主張している。非平衡開放系はイリヤ・プリゴジンによって散逸構造論として唱えられた例もある。
化学や製造業の分野でも、自己組織化は盛んに研究が行われている。比較的小さな分子が自然に集まって高次構造を構築するものとしては、超分子や自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer, SAM)、ミセル結晶、ブロックコポリマーなどがあり、メソポーラス材料の作製などに利用されている。最近では、トップダウン型の微細加工技術と対になるものとして、ボトムアップ型の微粒子アセンブリー技術やパターニング技術を用いた集積回路の作成なども研究されている[2]。これが可能となれば、現在行われているフォトリソグラフィを用いた手法に代わって、ナノデバイスの大量生産を可能とする技術になるものと期待されている。また、この延長上にはナノマシンの作製なども考えられている[3][4]。
経済学の分野でもポール・クルーグマンらが自己組織化という言葉を使用している。進化経済学の一部には、技術や市場経済そのものが自己組織化の結果であるという考えがある[5]。
脚注
- ^ “自己組織化&自己集合 - 熱力学と自己組織化”. 2016年11月2日閲覧。
- ^ “自己組織化によるパターン化フィルムの作製 〜自然にゆだねたボトムアップ手法を用いて〜”. 2016年11月2日閲覧。
- ^ “自己組織化&自己集合 − 機能をもった人工分子膜:LB膜とSAM”. 2016年11月2日閲覧。
- ^ “ナノテクノロジー入門 (PDF)”. 2016年11月2日閲覧。
- ^ Sylvie Geisendorf (2010). “The economic concept of evolution: self organization or Universal Darwinism?”. Journal of Economic Methodology 16 (4): 377-391. ISSN 1350-178X.
関連項目
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ウィキメディア・コモンズには、自己組織化に関連するカテゴリがあります。 |
外部リンク
- Cao Thang (2012年1月20日). “スパイスーニューロは多層ニューラルネットワークのプログラム。スパイスーSOMは自己組織化写像のプログラム”. 2012年3月17日閲覧。
- (百科事典)「Self-organization」 - スカラーペディアにある「自己組織化」についての項目。(英語)
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- Front Runner 挑む(第89回)藤田誠 東京大学教授 化学のものづくりに革新 自己組織化で応用目指す
- 日経サイエンス 49(3), 10-13, 2019-03
- … ビーカーで金属イオンと有機分子を混合するだけで分子どうしが自然にくっつき,多面体などの整然とした複雑な構造を形成する「自己組織化」の手法を世界に先駆けて開発したことが評価された。 …
- NAID 40021834659
- ブロック共重合体の自己組織化における"高分子らしさ"とは? (特集 高分子らしさとは何か)
- 陣内 浩司
- 高分子 = High polymers, Japan : polymers 68(3), 111-114, 2019-03
- NAID 40021824039
- TTF誘導体を用いた分子性ナノコイルの創成 (有機エレクトロニクス)
- 岩本 健太郎,岩田 浩輝,西原 禎文,帯刀 陽子
- 電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 118(455), 33-36, 2019-02-27
- NAID 40021841021
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- このように教えていないのに自然に秩序が生まれてくることを「自己組織化」と言う。 この分類アルゴリズムは、開発した人の名前を取って、「コホネン(コホーネン)の自己組織化マップ(Kohonen's self-organizing MAP、SOM ) 1 。 ...
- セブンネットショッピング : 自己組織化 : セブン-イレブン受取りなら送料・手数料0円。 ... 商品クチコミ(0) [スチュアート・カウフマン/著 米沢富美子/監訳 森弘之/訳 五味壮平/訳 藤原進/訳]
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- 何種類かの決まった細胞が一定のパターンで集合した構造の単位のこと。
- 全体としてひとつのまとまった役割をもつ。
分類
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- organization、(英)organisation、organize、(英)organise、orchestrate、organizational
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- オーガナイズ、機構、器質化、構築、組織、組成、編成、構造化、組織過程
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