アトバコン、プログアニル塩酸塩(プログアニル)
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Related Links
- グラクソ・スミスクライン株式会社(社長:フィリップ・フォシェ、本社:東京都渋谷区、以下GSK)は、2月22日付で抗マラリア剤「マラロン ® 配合錠」(アトバコン・プログアニル塩酸塩錠、以下「マラロン ® 」)が薬価収載された ...
- グラクソ・スミスクライン株式会社(社長:フィリップ・フォシェ、本社:東京都渋谷区、以下GSK)は、12月25日付で、抗マラリア剤「マラロン ® 配合錠」(アトバコン・プログアニル塩酸塩錠、以下「マラロン ® 」)について ...
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
マラロン配合錠
組成
1錠中のアトバコン及びプログアニル塩酸塩含量
- 1錠中にアトバコン250mg及びプログアニル塩酸塩100mgを含有する。
添加物
- ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、三二酸化鉄、マクロゴール400、ポリエチレングリコール8000
禁忌
〔共通(治療及び予防)〕
〔予防の目的で投与する場合〕
- 重度の腎障害のある患者[本剤の配合成分であるプログアニルの排泄が遅延し、血中濃度が上昇する可能性がある(「慎重投与」、「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)。]
効能または効果
- 本剤はヒプノゾイト(マラリア原虫の休眠体)には効果がないため、マラリア原虫の休眠体が形成される三日熱マラリア及び卵形マラリアの治療に用いる場合は、再発に注意し、マラリア原虫の休眠体に対する活性を示す薬剤による治療を考慮すること(「重要な基本的注意」の項参照)。
- 重度の腎障害のある患者に治療の目的で投与する場合、本剤の配合成分であるプログアニルの排泄が遅延し、血中濃度が上昇することで副作用が発現する危険性が高いため、他剤の投与を考慮するなど投与の可否を慎重に判断し、治療による有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(「慎重投与」、「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)。
治療
- 通常、成人には1日1回4錠(アトバコン/プログアニル塩酸塩として1000mg/400mg)を3日間、食後に経口投与する。
通常、小児には体重に応じてアトバコン/プログアニル塩酸塩として250mg/100mg(1錠)?1000mg/400mg(4錠)を1日1回3日間、食後に経口投与する。体重別の投与量は、下記のとおりである。
11?20kg
21?30kg
31?40kg
>40kg
予防
- 通常、成人及び体重40kgを超える小児には1日1回1錠(アトバコン/プログアニル塩酸塩として250mg/100mg)を、マラリア流行地域到着24?48時間前より開始し、流行地域滞在中及び流行地域を離れた後7日間、毎日食後に経口投与する。
- 本剤の配合成分であるアトバコンは絶食下では吸収量が低下するため、食後又は乳飲料とともに1日1回毎日定められた時刻に投与させること。
- 下痢又は嘔吐を来している患者ではアトバコンの吸収が低下する可能性がある。本剤の投与後1時間以内に嘔吐した場合には、再投与させること(「重要な基本的注意」の項参照)。
慎重投与
- 腎障害のある患者(重度の腎障害のある患者に予防の目的で投与する場合を除く)[本剤の配合成分であるプログアニルの排泄が遅延し、血中濃度が上昇する可能性がある(「禁忌」、「効能・効果に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)]
重大な副作用
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑
(頻度不明注1))
- 皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重度の肝機能障害、肝炎、胆汁うっ滞
(頻度不明注1))
- 重度の肝機能障害、肝炎、胆汁うっ滞があらわれることがあるので、必要に応じ肝機能検査を行うこと。
アナフィラキシー
(頻度不明注1))
- アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
汎血球減少症
(頻度不明注1), 注2))
- 汎血球減少症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- アトバコンの作用機序はマラリア原虫ミトコンドリアの電子伝達系複合体III(チトクロームbc1、complexIII)の選択的阻害であり、熱帯熱マラリア原虫から分離したミトコンドリアのチトクロームcレダクターゼ活性を約1nMのEC50で阻害した9)。この阻害作用を介してミトコンドリア電子伝達系とリンクしたジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼを阻害し、ピリミジンのde novo合成を阻害することにより抗マラリア原虫活性を示す10)。プログアニルの作用機序はジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)阻害であり、活性代謝物であるcycloguanilは0.78nMのKiで阻害作用を示した11)。プログアニルはDHFR阻害作用によりdTMP合成などに必要な補酵素であるテトラヒドロ葉酸の産生を低下させ、DNA合成を阻害することで抗マラリア原虫活性を示す。このように、本剤は2種類の異なる作用機序に基づき抗マラリア原虫活性を示す。
抗マラリア原虫活性
- アトバコン及びcycloguanilはマラリア患者の血液から分離された熱帯熱マラリア原虫株に対して、in vitroでそれぞれ約1?212, 13)及び約18?36nM14)のIC50で抗マラリア原虫活性を示した。種々の薬剤耐性熱帯熱マラリア原虫株に対するアトバコン及びプログアニルのin vitroでの抗マラリア原虫活性は、併用により相乗的に増大した15)。
薬剤耐性
- 本剤の治療後にマラリアが再燃した2名の患者から本剤に対する耐性熱帯熱マラリア原虫株が分離されており16, 17)、いずれの原虫株もチトクロームb遺伝子にアトバコン耐性変異(Y268N及びY268S)が検出され、1株ではさらにcycloguanil耐性のDHFR遺伝子変異も検出された。
アトバコンの単独治療後の再燃患者からアトバコンに対する感受性が顕著に低下し、チトクロームb遺伝子のアトバコン結合領域に単一の変異(Y268S)を持つアトバコン耐性熱帯熱マラリア原虫株が検出された18, 19)。プログアニルに関しては、DHFR遺伝子にcycloguanil耐性の遺伝子変異を持つ臨床分離熱帯熱マラリア原虫株が増加しており、S108Nの単一変異を持つ株は中等度耐性を示し、その変異にN51I、C59R又はI164Lの変異が1種類以上加わると高度耐性の傾向を示した20, 21)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 2-[trans-4-(4-Chlorophenyl)cyclohexyl]-3-hydroxy-1,4-naphthoquinone
分子式
分子量
性状
融点
分配係数(logP)
一般名
- プログアニル塩酸塩(Proguanil Hydrochloride)
化学名
- 1-(4-Chlorophenyl)-5-(1-methylethyl)biguanide monohydrochloride
分子式
分子量
性状
融点
分配係数(logP)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- atovaquone
- 商
- サムチレール、マラロン配合
- 関
- アトバクオン、その他の化学療法剤
[★]
- 英
- proguanil
- 商
- マラロン配合
- 関
- クロログアニド
[★]
- 英
- compound、combination、mixture、compound
- 関
- 化合物、組み合わせ、混合、混合物、コンパウンド、複方、併用、化合、合併、コンビネーション、組合せ