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- Bacillus thuringiensis、B. thuringiensis
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/08/02 21:52:09」(JST)
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バチルス・チューリンゲンシス |
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分類 |
ドメイン |
: |
真正細菌 Bacteria |
門 |
: |
フィルミクテス門 Firmicutes |
綱 |
: |
バチルス綱 Bacilli |
目 |
: |
バチルス目 Bacillales |
科 |
: |
バチルス科 Bacillaceae |
属 |
: |
バチルス属 Bacillus |
種 |
: |
B. thuringiensis |
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学名 |
Bacillus thuringiensis
Berliner 1915 |
バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis、バシラス・スリンジエンシス、バキッルス・ツリンギエンシス)はBacillus属に属する真正細菌の一種である。
目次
- 1 発見
- 2 応用
- 3 病原性と毒素
- 4 参考文献
- 5 外部リンク
発見[編集]
1901年(明治34年)に石渡繁胤(いしわたしげたね)により、カイコの病原細菌として日本で発見された。石渡は1901年の論文(大日本蚕糸会報)で、激烈な症状(卒倒)を呈して死亡したカイコ幼虫から Bacillus 属の病原細菌を分離し、この細菌を培養してカイコ幼虫に再び摂食させたところ、同様の激しい症状を呈して死亡したと報告している。石渡はこの細菌病を卒倒病、病原細菌を卒倒病菌と名付けたが、細菌の新種としての記載は行わなかった。
一方、1911年 エルンスト・ベルリナー (Ernst Berliner) はドイツで同種の細菌をノシメマダラメイガの病死虫から分離し、病死虫が発見された中部ドイツのテューリンゲン(ラテン語名: Thuringia)にちなんで Bacillus thuringiensis と命名した[1][2]。石渡が発見した卒倒病菌の名称は、現在、B. thuringiensis H血清型4abのserovar sottoとして残っている。
応用[編集]
B. thuringiensis は養蚕農家の塵埃、土壌、植物の葉面、淡水、海底の堆積物等、様々な自然環境から分離できることが報告されている。これまでに、鱗翅目、双翅目、鞘翅目等に選択的な毒性を示す菌株が得られており、人体や環境に安全な生物農薬、微生物殺虫剤として、世界各国でBT剤が使用されている。また、殺虫性タンパク質の生産に係わる遺伝子を植物に組み込むことで、特定の農産害虫に抵抗力を有した作物(遺伝子組み換え作物)を作出する事が出来る[3]。
病原性と毒素[編集]
自然環境から分離される B. thuringiensis には昆虫に毒性を示さない菌株も多く含まれており、分離源によっては、ほとんどの分離株が非殺虫性の場合もある。このような、非殺虫性のB. thuringiensisが産生する結晶性タンパク質がどのような生理活性を有するのか長い間謎であったが、2000年、非殺虫性の結晶性タンパク質から、ヒトのガン細胞に対して選択的な破壊活性を示すパラスポリン (parasporin) が発見された[4]。
近縁のセレウス菌( B. cereus )は、感染性胃腸炎や菌血症の原因菌として見過ごせない菌で有るが、B. cereus との違いは殺虫性結晶タンパク質の生産能の有無で区別されている[5]。
食品への影響[編集]
広く自然界に存在しているものの生物農薬として利用されていることから、多くの農産物に付着している為、農産加工品食品(特に豆腐)への影響が懸念されている。外国産大豆 137検体、国産大豆 43検体、市販の豆腐 30検体を調査したところ、外国産の汚染率が高かったが国産も汚染されていた。また、市販の豆腐からは食品衛生上問題なならない程度の下痢毒が検出された[5]。
参考文献[編集]
- ^ Tanada Y, Kaya H K (1993). Insect Pathology (Academic Press). pp. 88.
- ^ Federici B A (2005). “Insecticidal bacteria: An overwhelming success for invertebrate pathology”. J Invertebr Pathol. 89: 30-38.
- ^ EPA's Regulation of Bacillus thuringiensis (Bt) Crops US Environmental Protection Agency
- ^ Mizuki E, Park YS, Saitoh H, Yamashita S, Akao T, Higuchi K, Ohba M (2000). “Parasporin, a human leukemic cell-recognizing parasporal protein of Bacillus thuringiensis”. Clin Diagn Lab Immunol. 7 (4): 625-34.
- ^ a b 大豆および豆腐におけるBacillus thurigiensisについて 日本食品微生物学会雑誌 Vol. 12 (1995-1996) No. 4 P 249-255
外部リンク[編集]
- 微生物殺虫剤(BT剤)の改良と作用メカニズム Microbes and environments Vol. 14 (1999) No. 4 P 245-252
- Bacillus thuringiensisの殺虫性タンパク質関連研究 東京農工大学大学院生物システム応用科学府 相関分子生物学研究室
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- バチルスチューリンゲンシス毒素遺伝子組み換え作物の問題点 (環境理工学副専攻の研究紹介)
- バチルス・チューリンゲンシスの産生する結晶毒素の毒性試験の概要
- 東亜合成化学工業株式会社生化学研究部
- 日本農薬学会誌 14(3), 415-419, 1989-08-20
- … バチルス・チューリンゲンシスの産生する結晶毒素(別名 : δ-endotoxin)の安全性評価のため各種の毒性試験を実施した.その結果, 本有効成分の哺乳動物に対する急性毒性はきわめて低く, 普通物相当であり, 眼および皮膚に対する刺激性は認められなかった.しかし, 弱い皮膚感作性は有した.一方, 亜急性毒性はきわめて弱く, 慢性毒性試験では高投与群(30, 000ppm)で, 血液生化学検査における軽微な変化や, 体重の増加抑制傾向 …
- NAID 110001712297
Related Links
- 発見 [編集] 1901年(明治34年)に石渡繁胤(いしわたしげたね)により、カイコの病原細菌として日本で発見された。石渡は1901年の論文(大日本蚕糸会報)で、激烈な症状(卒倒)を呈して死亡したカイコ幼虫から Bacillus 属の病原細菌 ...
- バチルス・チューリンゲンシス(BT)という細胞を利用した殺虫剤でアメリカでは既に30年以上使われています。BT菌は芽胞形成時に菌体の中に結晶性の殺虫性たん白を作ります。鱗翅目(チョウ・ガの仲間)害虫の幼虫がこの殺虫性 ...
- Tag: 細菌 殺虫剤 生物農薬 環境 概要 † Bacillus thuringiensis 代表的な昆虫病原細菌。略してBt(菌)ともいう。 Btが産生する毒素が昆虫の消化管内で活性化され消化管の細胞を破壊する。 農薬(殺虫剤)として製剤化したものは、BT剤
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★リンクテーブル★
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- 関
- Bacillus thuringiensis
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バチルス・チューリンゲンシス
- 関
- B. thuringiensis
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3