- 英
- technetium, Tc
- 関
- 99mテクネチウム
WordNet
- a crystalline metallic element not found in nature; occurs as one of the fission products of uranium (同)Tc, atomic number 43
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- テクネチウム(マンガン属の元素;化学記号は Tc)
- technetium の化学記号
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/12/19 04:43:56」(JST)
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|
外見 |
銀白色 |
一般特性 |
名称, 記号, 番号 |
テクネチウム, Tc, 43 |
分類 |
遷移金属 |
族, 周期, ブロック |
7, 5, d |
原子量 |
98(0) |
電子配置 |
[Kr] 4d5 5s2 |
電子殻 |
2, 8, 18, 13, 2(画像) |
物理特性 |
相 |
固体 |
密度(室温付近) |
11 g·cm-3 |
融点 |
2430 K, 2157 °C, 3915 °F |
沸点 |
4538 K, 4265 °C, 7709 °F |
融解熱 |
33.29 kJ·mol-1 |
蒸発熱 |
585.2 kJ·mol-1 |
熱容量 |
(25 °C) 24.27 J·mol-1·K-1 |
蒸気圧推定 |
圧力 (Pa) |
1 |
10 |
100 |
1 k |
10 k |
100 k |
温度 (K) |
2727 |
2998 |
3324 |
3726 |
4234 |
4894 |
|
原子特性 |
酸化数 |
7, 6, 5, 4, 3[1], 2, 1[2], -1, -3(強酸性酸化物) |
電気陰性度 |
1.9(ポーリングの値) |
イオン化エネルギー |
第1: 702 kJ·mol-1 |
第2: 1470 kJ·mol-1 |
第3: 2850 kJ·mol-1 |
原子半径 |
136 pm |
共有結合半径 |
147±7 pm |
その他 |
結晶構造 |
六方晶系 |
磁性 |
常磁性 |
熱伝導率 |
(300 K) 50.6 W·m-1·K-1 |
音の伝わる速さ
(微細ロッド) |
(20 °C) 16,200 m/s |
CAS登録番号 |
7440-26-8 |
最安定同位体 |
詳細はテクネチウムの同位体を参照 |
同位体 |
NA |
半減期 |
DM |
DE (MeV) |
DP |
95mTc |
syn |
61 d |
ε |
- |
95Mo |
γ |
0.204, 0.582, 0.835 |
- |
IT |
0.0389, e |
95Tc |
96Tc |
syn |
4.3 d |
ε |
- |
96Mo |
γ |
0.778, 0.849, 0.812 |
- |
97Tc |
syn |
2.6×106 y |
ε |
- |
97Mo |
97mTc |
syn |
91 d |
IT |
0.965, e |
97Tc |
98Tc |
syn |
4.2×106 y |
β- |
0.4 |
98Ru |
γ |
0.745, 0.652 |
- |
99Tc |
trace |
2.111×105 y |
β- |
0.294 |
99Ru |
99mTc |
syn |
6.01 h |
IT |
0.142, 0.002 |
99Tc |
γ |
0.140 |
- |
|
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|
テクネチウム(英: technetium)は原子番号43の元素。元素記号は Tc。マンガン族元素の1つで、遷移元素である。天然のテクネチウムは地球上では非常にまれな元素で、ウラン鉱などの中のウラン238の自発核分裂により生じるが、生成量は少ない。安定同位体が存在せず、全ての同位体が放射性である。最も半減期の長いテクネチウム98でおよそ420万年である。
目次
- 1 発見の歴史
- 2 特徴
- 3 天然での存在
- 4 用途
- 5 化合物
- 6 同位体
- 7 出典
- 8 外部リンク
発見の歴史
周期表中でモリブデンとルテニウムの中間に空欄があったことから、1800年代から1900年代初頭にかけて、多くの研究者がこの43番元素を発見するのに熱中した。この43番元素は他の未発見元素と比べると簡単に発見できるだろうと思われていたが、1936年にサイクロトロンで合成されるまで得られなかった。
- 1828年、白金鉱石から発見された元素が43番元素であると発表し、 ポリニウム (polinium) という名前がつけられた。しかし、この元素の正体は不純物が混入したイリジウムであることがわかった。
- 1846年、43番元素が発見されたという報告が入り、 イルメニウム (ilmenium) という名前がつけられた。しかしこの元素の正体は不純物が混入したニオブであることがわかった。この誤りは1847年まで繰り返された。
- メンデレーエフはこの43番元素をマンガンの1マス下にあることから「エカマンガン」と名付けた。
- 1877年、ロシアの科学者セルゲイ・カーンが白金鉱石から43番元素を発見したと報告。カーンは有名なイギリスの科学者ハンフリー・デービーにちなんでデビウム (dabyum) と名付けた。しかし、それはロジウム、イリジウム、鉄の混合物であることが判明した。
- 1908年(明治40年)、小川正孝が43番元素を発見したと発表、ニッポニウム (nipponium, Np) と命名したが、後に43番元素は地球上には存在しない(半減期が短いため、地球が誕生してから現在までにほぼ全てのテクネチウムが崩壊している)ことが判明したためこれは取り消され、元素記号として使用される予定だった Np もネプツニウムに使用された。現在、小川正孝の発見は75番のレニウムだったと考えられている。当時まだ75番元素は発見されていなかった。
- 1936年、セグレはローレンス・バークレー国立研究所を訪れた際に所長のアーネスト・ローレンスに依頼して、サイクロトロンで加速した重陽子線が衝突したモリブデン箔(部品の一部)を帰国後に送ってもらった。セグレは Carlo Perrier と共にパレルモ大学でこのモリブデン箔を分析して43番元素を12月に発見(人工的に作られた元素としては最初のものである)。1947年になってテクネチウムと命名された(ギリシャ語の「人工」を表す "τεχνητός" (technitos) が語源)。ちなみに、パレルモ大学ではパレルモのラテン名にちなむパノルミウム (panormium) という名を提案していた。
- 1957年 ポール・メリルにより、赤色巨星にテクネチウムが存在することがスペクトルで観測された。
- 1961年 地球の物質から天然のテクネチウムを検出した。
特徴
テクネチウムがプロメチウムと同じく、比較的軽い元素でありながら不安定なのは、陽子数の割に中性子数が少ないからである。したがってこの元素には、比較的安定している同位体2つを含めても、22種類の放射性同位体しか存在しない。
白金に似た外観を持つ銀白色の放射性の金属で、比重は11.5、融点は2172 °C(異なる実験値あり)。沸点は4000 °C以上。安定な結晶構造は六方晶系。化学的性質はレニウムに類似する。フッ化水素酸、塩酸には不溶で、酸化力のある硝酸、濃硫酸、王水には溶ける。単体は、湿った空気でゆっくりと曇る。粉状のテクネチウムは、酸素中で炎を出して燃える。わずかに磁性を持っており11.3 K以下にすると強磁性を示す。
+2、+4、+5、+6、+7の酸化数をとる。酸化物には酸化テクネチウム(IV) TcO2 や酸化テクネチウム(VII) Tc2O7 がある。酸化条件下では過テクネチウム酸 TcO4- が見られる。
363 nm、403 nm、410 nm、426 nm、430 nm、485 nmの特有スペクトルを持つ。
天然での存在
テクネチウムは現在、いくつかの恒星のスペクトル線からも、天然での存在が確認されている(テクネチウム星)。地球上ではウラン鉱中に微量が自発核分裂生成物として見い出される。医療用に使用される同位体は放射性廃棄物中から単離して得る方法と、中性子を照射されたモリブデンの同位体から得る方法がある。
用途
β線を放出せず適量のγ線のみを放つ 99mTc の特性を活かし、核医学という医療の一分野を支える重要な元素で、骨・腎臓・肺・甲状腺・肝臓・脾臓など身体各部に対するシンチグラムに用いる。利用例としては、血流測定剤、骨イメージング剤、腫瘍診断剤の放射線診断薬など。テクネチウムを含む物質を放射性医薬品として投与した場合の体内動態などは充分解明されている上、検査目的に応じた多種の注射剤が供給されている。日本ではテクネチウムを含む薬剤を用いた緊急検査も行えるほどの利用ノウハウが蓄積されているが、国産化されておらず、全量を輸入している。
化合物
- 酸化テクネチウム(IV) (TcO2)
- 酸化テクネチウム(VII) (Tc2O7)
- 過テクネチウム酸アンモニウム (NH4TcO4)
同位体
詳細は「テクネチウムの同位体」を参照
出典
- ^ “Technetium: technetium(III) iodide compound data”. OpenMOPAC.net. 2007年12月10日閲覧。
- ^ “Technetium: technetium(I) fluoride compound data”. OpenMOPAC.net. 2007年12月10日閲覧。
外部リンク
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ウィキメディア・コモンズには、テクネチウムに関連するメディアがあります。 |
- テクネチウム
- テクネチウム-99 特定非営利活動法人 原子力資料情報室
- テクネチウム 新居浜工業高等専門学校
周期表(未発見元素を含む) |
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Uus |
Uuo |
アルカリ金属 |
アルカリ土類金属 |
ランタノイド |
アクチノイド |
遷移金属 |
その他の金属 |
半金属 |
その他の非金属 |
ハロゲン |
希ガス |
不明 |
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テクネチウムの化合物 |
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HTcO4 · TcBr4 · Tc(C5H5)2 · TcCl4 · TcCl6 · Tc2(CO)10 · TcF5 · TcF6 · TcI4 · TcO2 · TcO3 · Tc2O7 · TcS2 · Tc2S7
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- AECL原子炉の運転再開とテクネチウム製剤供給について(報告)
- テクネチウム-99m供給不足事態における^<99>Mo/^<99m>Tcジェネレータの重要性と核医学展望-核医学専門医の立場から
Related Links
- テクネチウム (英: technetium) は原子番号43の元素。元素記号は Tc。マンガン族元素 の1つで、遷移元素である。天然のテクネチウムは地球上では非常にまれな元素で、 ウラン鉱などの中のウラン238の自発核分裂により生じるが、生成量は少ない。安定 同位 ...
- 人工的には、核分裂またはモリブデン‐99(99Mo、同位体存在比24.13%)の中性子 捕獲で生成するモリブデン-99(99Mo、2.75日)が崩壊して生じるテクネチウム-99m(99 mTc、6.01時間)の崩壊で生成する。テクネチウム-99は、核分裂で生成する テクネチウム ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
カーディオライト注射液 第一(370MBq)
組成
1シリンジ(容量1.23mL)中
- ヘキサキス(2-メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウム(99mTc)放射能として370MBq(検定日時)
テトラキス(2-メトキシイソブチルイソニトリル)銅(I)四フッ化ホウ酸として0.308mg
添加物
- 塩化スズ(II)二水和物 0.0232mg、L-システイン塩酸塩一水和物 0.308mg、クエン酸ナトリウム水和物 適量、生理食塩液 適量
効能または効果
- 心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断
- 初回循環時法による心機能の診断
- 副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断
心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断
- 通常、成人には、本品370〜555MBqを静脈より投与し、30分以降にガンマカメラを用いて心筋血流シンチグラムを得る。または、心電図に同期させてデータ収集を行い、心筋血流シンチグラムを得る。
なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法によりそれぞれ適宜増減する。
初回循環時法による心機能の診断
- 通常、成人には、本品740MBqを肘静脈より急速に投与し、直後より心RIアンギオグラムを得る。必要に応じ、収集したデータより駆出分画を算出する。
また、心電図に同期させてデータ収集を行い、拡張末期像及び収縮末期像を得る。
なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法によりそれぞれ適宜増減する。
副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断
〔ダブルフェーズ法〕
- 通常、成人には、本品370〜740MBqを静脈より投与し、投与後5〜15分(初期像)及び投与後2〜3時間(後期像)に頸部及び胸部を撮像してシンチグラムを得る。必要に応じて断層像を追加する。
〔サブトラクション法〕
- 過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)又はヨウ化ナトリウム(123I)による甲状腺シンチグラフィを実施後、通常、成人には、本品185〜600MBqを静脈より投与し、その10分後に撮像する。必要に応じて断層像を追加する。
- なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法によりそれぞれ適宜増減する。
- シリンジ入り製品使用方法
- シールを取り、鉛容器の蓋をはずす。
- シリンジが鉛容器に入ったままの状態でプランジャーロッドをねじ込む(図1)。
- プランジャーロッドを持って鉛容器から取り出す(図2)。
- シリンジの先端のゴムキャップをはずし、両頭針の短い方を取りつける。このとき長針側先端のカット面が投与時に上を向くように取りつける(図3)。
- 患者に投与する(図4)。
〔注意事項〕
- ○両頭針を取りつける際、プランジャーロッドを押さないようにして下さい。
- ○シリンジ中にごくわずかに気泡が含まれている場合があります。注射液を投与してもこの気泡は通常シリンジ内に残りますが、誤って投与することのないよう気泡の位置に注意しながら投与して下さい。
〔廃棄の方法〕
- 注射針にカバーをつけた後、針をはずす。次にプランジャーロッドを取りつけた時と逆の方向に回し、取りはずす。
フランジキャップを回して取りはずし、シールドからシリンジを抜取り廃棄する。
- サブトラクション法実施時の甲状腺シンチグラフィは、過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)又はヨウ化ナトリウム(123I)の添付文書を参照の上、以下の要領で実施する。
過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)を用いる場合
- 通常、成人には、日局「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」74〜370MBqを静脈より投与し、頸部及び胸部の像を30分後に撮像する。
ヨウ化ナトリウム(123I)を用いる場合
- 通常、成人には、日局「ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル」3.7〜7.4MBqを経口投与し、頸部及び胸部の像を4時間後に撮像する。
重大な副作用
- まれにショック及び血管浮腫、呼吸困難等のアナフィラキシーがあらわれるとの報告があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
有効成分に関する理化学的知見
99mTcの核物理学的特性
物理的半減期
主なγ線エネルギー
減衰表
★リンクテーブル★
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- 英
- technetium 99m、99mTc、Tc-99m
- 関
- テクネチウム
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テクネチウム
- 関
- Tc、technetium 99m
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99mTc-過テクネチウム酸
- 商
- ウルトラテクネカウ、スズコロイドTc-99m、テクネシンチ、テクネゾール、メジテック
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99mTc-N-ピリドキシル-5-メチルトリプトファン
[★]
- 英
- technetium Tc-99m dimercaptosuccinic acid
[★]
99mTc-ジメルカプトコハク酸