- 英
- terminal care
- 関
- 末期介護、終末医療、終末期医療
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/06/24 10:40:40」(JST)
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ターミナルケア(英: End-of-life care)とは終末期の医療および看護のことである。
目次
- 1 終末期の定義
- 2 ターミナルケアの目的
- 3 ターミナルケアを行う施設
- 4 ターミナルケアの費用
- 5 脚注
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
終末期の定義
終末期という概念や言葉については、日本の法律[1]、国際連合で採択された条約[2]、厚生労働省[3]、世界保健機関[4]、医学学会[5][6]などのいずれも、公的に明確な定義はしていない。
公的で明確な定義がないので、終末期の意味は論者によって異なる。一般的には老衰・病気・障害の進行により死に至ることを回避するいかなる方法もなく[7][8]、予想される余命が3か月以内程度の意味で表現されている。事故・災害・急性の病気により突然死した場合や、急性期の病気で何時間・何日間程度で死に至った場合は、死亡日以前に余命3か月などと予想される状況ではないので、死亡日から逆算して3か月以内を終末期とは表現しない。前記のように終末期は誰にでも死亡する以前に必ず発生するものではなく、進行性の老衰・病気・障害で死に至る場合にだけ発生する。
ターミナルケアの目的
終末期の患者は、老衰、ガン、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、筋萎縮性側索硬化症、筋ジストロフィー、パーキンソン病などの進行により、特定の臓器の機能不全または多臓器不全になっているので、医学的・生物的に延命は不可能であり延命治療は行なわず、病気や障害からの回復や、病気や障害の進行の遅延や、心身の機能の維持を目的とする医療も不可能であり行なわない。
終末期の患者に対して身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減することによって、人生の質、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)を維持・向上することを目的として、医療的処置(緩和医療)に加え、精神的側面を重視した総合的な措置がとられる。
ターミナルケアを行う施設
ターミナルケアを行う施設としては、終末期の緩和ケア病床、慢性期の療養病床、老人介護施設、障害者介護施設などがある。ターミナルケアを専門に行う医療施設はホスピスとも呼ばれる。この外来語の語源である英語「hospice」の原義は、聖地への巡礼者や旅行者を、小さな礼拝堂を持つような教会が泊めた巡礼教会であった。患者や家族が在宅生活を希望する場合は、訪問医療・訪問看護による在宅での見取りケアという方法もある。
日本の医療制度・介護制度としては、ターミナルケアを行う施設として、健康保険が適用される施設として、ホスピス、医療療養病床、介護保険が適用される施設として介護療養病床、介護療養型老人保健施設、特別養護老人ホームがある。
ターミナルケアの費用
日本の新聞・テレビ放送・雑誌・書籍の報道で、終末期の延命治療のために多額の費用がかかると報道されているが、厚生労働省が公開している診療報酬[9]や介護報酬[10]に基づいて詳細・正確に表現されたものではなく、終末期の患者に延命治療をして何年も延命させるという自己矛盾の表現で、証拠を示さずに1か月で何百万・何千万の費用が掛かるなどの扇情的な表現で報道され、記者の不勉強・無知・無理解による誤認・誤解であるかまたは意図的な虚偽報道のいずれかである。
上記のターミナルケアの目的のように終末期には長期の延命は不可能であり、大部分の人々の場合は通常は終末期の延命治療は行わないが、昭和天皇のように特別な社会的地位の人の場合は、例外として終末期でも延命治療が行われる事例があるが、いかなる延命治療をしても3か月前後の延命が限界で、それ以上の延命は医学的・生物的に不可能である。
本来・通常のターミナルケアでは緩和医療に限定して行うので、回復・延命を目的とする急性期医療・回復期医療や、進行遅延・心身の機能維持・延命を目的とす慢性期医療と比較して高額な医療費[9]や介護費[10]は発生しない。
脚注
- ^ 総務省>法令データ提供システム
- ^ United Nations>Treaty Collection
- ^ 厚生労働省>政策について>分野別の政策一覧>健康・医療
- ^ World Health Organization
- ^ National Center for Biotechnology Information U.S. National Library of Medicine>PubMed
- ^ 日本医学会
- ^ 小学館国語辞典>終末医療
- ^ 三省堂国語辞典>終末医療
- ^ a b 医科診療報酬点数表2012
- ^ a b 介護報酬単価表2012
関連項目
- ホスピス
- 緩和医療
- 『死ぬ瞬間』 - 末期医療に関心を寄せる人びとのバイブルとして読み次がれているエリザベス・キューブラー=ロスの著書。
外部リンク
- 緩和ケア病棟のある病院(独立行政法人国立がん研究センター・がん対策情報センター「がん情報サービス」)
- 日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団
- ホスピスを考える横浜市民の会
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 保険診療の効果的な算定を目指して : 医事課から発信する勤務医負担軽減策(第19回)2015年度介護報酬改定に対応するために(その4)療養機能強化型介護療養型医療施設のターミナルケア体制(2)
- 全体動向 「看取りに対応」はもう当たり前 職員スキルやケアの質が問われる時代に (特集 「看取り」時代の新潮流)
- 日経ヘルスケア : 医療・介護の経営情報 (308), 24-26, 2015-06
- 病院以外の看取りの場を確保するため、国はここ数回の診療報酬・介護報酬改定で看取りの機能を手厚く評価してきた。こうした動きを受け、看取りに取り組む事業者が増えてきた一方、依然としてターミナルケアの質には差があるのも事実だ。 どの…
- NAID 40020502629
- 訪問診療は在宅死の割合を増やす要因となるのか : 在宅死に関わる因子の検討
Related Links
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - ターミナルケアの用語解説 - 終末期の看護あるいは臨終の看護の意。数週ないしは数ヵ月のうちに死亡が予想される治癒の望みのない末期患者に対して,キュア (cure。治療) でなくケア (care。
- タ一ミナルケアとは何か ターミナルケアとはどういうものか。まさに末期のケアということですが、類似語にポスピスケアという言い方もあります。それと日本語で緩和ケアという言い方もあります。どう違うのかがあいまいでして ...
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★リンクテーブル★
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- 死にゆく人の心の動きを、否認、怒り、取引き、抑うつ、受容の5段階で表し、ターミナルケアの在り方に影響を与えた作品"On death and dying"(死ぬ瞬間)の著者は誰か。
[正答]
※国試ナビ4※ [101C049]←[国試_101]→[101D001]
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- 英
- terminal care
- 同
- ターミナル・ケア、ターミナルケア、臨死患者医療 care of dying patients
- 関
- 末期介護、終末医療
- 終末期医療における医療行為の中止(延命措置・延命治療の中断)は法的な裏付けがない。
参考
- http://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/p0915-2.html
- 1-1. 終末期医療に関するガイドライン(たたき台) - 平成18年9月
- http://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/dl/p0915-2a.pdf
- 2. 終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン - 厚生労働省 平成19年5月
- http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/05/dl/s0521-11a.pdf
- 3. 終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン解説編 - 終末期医療の決定プロセスのあり方に関する検討会 平成19年5月
- http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/05/dl/s0521-11b.pdf
国試
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- 英
- terminal care
- 関
- ターミナルケア、終末医療、終末期医療
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- 看護、心配、世話、注意、治療、介護
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- 終端、終末、末期、末端、末端側