- 英
- selenate
- 関
- セレン酸塩
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2019/06/14 05:31:47」(JST)
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| セレン酸 | 
|  |  | 
|  | 
| 識別情報 | 
| CAS登録番号 | 7783-08-6 | 
| RTECS番号 | VS6575000 | 
|  | 
| 特性 | 
| 化学式 | H2SeO4 | 
| モル質量 | 144.9734 g mol-1 | 
| 外観 | 無色結晶 | 
| 密度 | 2.951 g cm-3 (15℃) | 
| 融点 | 58 ℃ 
 | 
| 沸点 | 260 ℃(分解) 
 | 
| 水への溶解度 | 1300 g/100 mL ( 30℃) | 
| 酸解離定数 pKa | -, 1.70 | 
| 屈折率 (nD) | 1.5174 (D-line, 20℃) | 
| 熱化学 | 
| 標準生成熱 ΔfH o | -530.1 kJ mol-1[1] | 
| 危険性 | 
| EU分類 | 有毒 (T) 環境への危険性 (N)
 | 
| NFPA 704 |  | 
| Rフレーズ | R23/25, R33, R50/53 | 
| Sフレーズ | (S1/2), S20/21, S28, S45, S60, S61 | 
| 関連する物質 | 
| その他の陰イオン | 過臭素酸;ヒ酸;ゲルマニウム酸 | 
| 特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 | 
セレン酸(セレンさん、selenic acid)は化学式H2SeO4で表されるセレンのオキソ酸の一種である。セレンを中心に4つの酸素原子が結合している。原子価殻電子対反発則により四面体構造を取ると予測される通り硫酸およびその塩と同型であることが確認されている。ガラスの脱色に用いる。セレン酸およびセレン酸塩は医薬用外毒物の指定を受ける。
合成
二酸化セレンと過酸化水素との反応により生成される。
無水の結晶として得るためには、この反応溶液を140℃以上で減圧すればよい[2]。
化学的性質・反応
硫酸と同様に吸湿性の強酸であり、水によく溶解する。高濃度の溶液は粘性が高い。一水和物、および二水和物の結晶が報告されている。さらに硫酸と同様、強い脱水作用および有機物の炭化作用をもつ。
セレン酸の第一水和エンタルピー変化および溶解エンタルピー変化は以下の通りである[1]。溶解熱は硫酸よりやや小さくなるが、これは液体の硫酸と異なり固体の溶解熱で、融解熱(14.4 kJ mol−1, 333 K)の分小さくなる。
-  , 
-  , 
一方、反応速度は遅いものの硫酸より酸化力が強く、塩化物イオンを塩素へと酸化する。このときセレン酸は亜セレン酸へと還元される。さらに熱濃溶液は金でさえ溶解するほど酸化力が強く、標準酸化還元電位は以下の通りであり、また水溶液を210℃以上に加熱すると酸素を放出して亜セレン酸となる[3]。
-  , 
セレン酸とフルオロスルホン酸の反応により、二フッ化二酸化セレンが生成する(沸点 −8.4˚C)[2]。
水溶液中の電離平衡
セレン酸は水溶液中では強い二塩基酸として働き、一段目はほぼ完全解離、二段目はやや不完全となる点は硫酸と類似する。
- ,    pKa1 = -
- ,    pKa2 = 1.70
二段階目の解離に関するエンタルピー変化、ギブス自由エネルギー変化、エントロピー変化は以下の通りである[1][4]。解離に伴いエントロピーが減少するのは、電荷の増加に伴いイオンの水和の程度が増加し、電縮が起こり水分子の水素結合による秩序化の度合いが増加するからである[4]。
|  |  |  |  | 
| 第二解離 | −17.5 kJ mol−1 | 10.9 kJ mol−1 | −95.4 J mol−1K−1 | 
セレン酸イオン
セレン酸の第一段階電離により、セレン酸水素イオン(せれんさんすいそいおん、hydrogenselenate, HSeO4−)、第二段階解離によりセレン酸イオン(せれんさんいおん、selenate, SeO42−)を生成し、セレン酸イオンは正四面体型構造であり硫酸イオンに類似し、Se−O結合距離は166pmである。
セレン酸塩
セレン酸イオンを含むイオン結晶である正塩のセレン酸塩(せれんさんえん、selenate)、およびセレン酸水素イオンを含む水素塩(酸性塩)であるセレン酸水素塩(せれんさんすいそえん、hydrogenselenate)が存在する。
多くのものが水に可溶である一方でアルカリ土類金属塩および鉛塩は溶解度が小さいが、対応する硫酸塩よりも溶解度が大きい。
参考文献
- ^ a b c D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
- ^ a b Seppelt, K. “Selenoyl difluoride” Inorganic Syntheses, 1980, volume XX, pp. 36-38. ISBN 0-471-07715-1.  セレン酸の合成について
- ^ 化学大辞典編集委員会 『化学大辞典』 共立出版、1993年
- ^ a b 田中元治 『基礎化学選書8 酸と塩基』 裳華房、1971年
関連項目
| | 水素の化合物 | 
|---|
 | 二元化合物 | 
CH4HAtHBrHClHFHIHN3H2OH2O2H2O3H2SH2S2H2SeNH3
 |  | 多元化合物 | 
H[AuCl4]
HBF4
HCN
H2CS3
H[CuCl2]
H2[CuCl4]
HNC
H2[PtCl4]
H2[PtCl6]
HSCN
H2SiF6
HSNC | オキソ酸 | 
H3AsO4H5As3O10HBiO3HBO2H3BO3HBrOHBrO2HBrO3HBrO4HClOHClO2HClO3HClO4HClO5H2CrO4H2Cr2O7H2CO3H2CO4HFOHIOHIO3HIO4H5IO6HMnO4H2MoO4HNCOHNO2HNO3HNO4H2N2O2HOCNHCNOHPH2O2H2PHO3H3PO3H3PO4H3PO5H4P2O7H4P2O8H5P3O10HReO4HRuO4H2RuO4H2SeO3H2SeO4H2SeO5H2SiO3H4SiO4H2Si2O5H2SO4H2SO5H2S2O3H2S2O4H2S2O6H2S2O7H2S2O8HTcO4H2TeO3H6TeO6HVO3H3VO4H4V2O7H2WO4H2XeO4
 | 
 | 
 | 
| | セレンの化合物 | 
|---|
 | 二元化合物 | 
SeBr4 ·  Se2Br2 ·  SeCl4 ·  Se2Cl2 ·  SeF4 ·  SeF6 ·  SeO ·  SeO2 ·  SeO3 ·  SeS2 ·  Se4S4 |  | 多元化合物 | 
H2SeO3 ·  H2SeO4 ·  SeOBr2 ·  SeOCl2 ·  SeOF2 ·  SeO2Br2 ·  SeO2Cl2 ·  SeO2F2 | 
 | 
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- 結晶セレン/酸化ガリウムヘテロ接合ダイオードを積層した高感度イメージセンサ (レーザ・量子エレクトロニクス)
- 電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 115(46), 63-67, 2015-05-21
- NAID 40020492020
 
 
- 3P-103 黄麹菌Aspergillus oryzaeを用いた亜セレン酸還元と元素体セレンの回収(環境浄化,修復,保全技術,一般講演)
 
- Journal of MMIJ : Journal of the Mining and Materials Processing Institute of Japan 130(5), 162-166, 2014-05
- NAID 40020093299
 
 
Related Links
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Related Pictures







 
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
エネーボ配合経腸用液
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 牛乳タンパクアレルギーを有する患者〔本剤には牛乳由来のタンパク質が含まれているため,ショック,アナフィラキシーを引き起こすことがある.〕
- イレウスのある患者〔消化管の通過障害がある.〕
- 腸管の機能が残存していない患者〔水,電解質,栄養素などが吸収されない.〕
- 高度の肝・腎障害のある患者〔肝性昏睡,高窒素血症などを起こすおそれがある.〕
- 重症糖尿病などの糖代謝異常のある患者〔高血糖,高ケトン血症などを起こすおそれがある.〕
- 先天性アミノ酸代謝異常の患者〔アシドーシス,嘔吐,意識障害などのアミノ酸代謝異常の症状が発現するおそれがある.〕
効能または効果
- 一般に,手術後患者の栄養保持に用いることができるが,特に長期にわたり,経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する.
- 経口食により十分な栄養摂取が可能となった場合には,速やかに経口食にきりかえること.
- 通常,標準量として成人には1日1,000〜1,667mL(1,200〜2,000kcal)を経管又は経口投与する.経管投与では本剤を1時間に62.5〜104mL(75〜125kcal)の速度で持続的又は1日数回に分けて投与する.経口摂取可能な場合は1日1回又は数回に分けて経口投与することもできる.
 ただし,通常,初期量は333mL/日(400kcal/日)を目安とし,低速度(約41.7mL/時間(50kcal/時間)以下)で投与する.以後は患者の状態により徐々に増量し標準量とする.なお,年齢,体重,症状により投与量,投与濃度,投与速度を適宜増減する.特に投与初期は,水で希釈して投与することも考慮する.
- 本剤は,経腸栄養剤であるため,静脈内へは投与しないこと.
慎重投与
- 短腸症候群の患者(下痢の増悪をきたすおそれがある.)
- 急性膵炎の患者(膵炎が増悪するおそれがある.)
- 水分の補給に注意を要する下記患者(下記の患者では水分バランスを失いやすい.)
- 意識不明の患者
- 口渇を訴えることのできない患者
- 高熱を伴う患者
- 重篤な下痢など著しい脱水症状の患者
  
薬効薬理
タンパク質
- 本剤のタンパク質源は,アミノ酸補足効果と効率的利用を考慮し,乳タンパク質(乳清タンパク質と牛乳タンパク質)と大豆分離タンパク質を90.5:9.5の割合で配合したもので,250mL中13.5g(エネルギー構成比18%)を含有する.
- NPC/N比(非タンパクカロリー/窒素比)は116(分析値に基づく)である.
炭水化物
- 本剤の主な糖質源はデキストリンと精製白糖(ショ糖)で,250mL中39.6g(エネルギー構成比53%)を含有する.
脂質
- 本剤の主な脂質源は高オレイン酸ヒマワリ油,ナタネ油と中鎖脂肪酸トリグリセリドで,250mL中9.6g(エネルギー構成比29%)を含有する.
 また,均一微細でかつ安定な懸濁液となっており,消化されやすい.
- 魚油由来のEPA,DHAを含有し,ω3系,ω6系,ω9系列の脂肪酸をバランスよく含有している.
水分量
★リンクテーブル★
  [★]
セレン酸、(化合物)セレン酸塩
  [★]
- 英
- selenite
- 関
- 亜セレン酸、亜セレン酸ナトリウム
  [★]
- 英
- selenious acid、selenite
- 関
- 亜セレン酸塩
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- 英
- sodium selenite
- 関
- 亜セレン酸塩
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- 英
- selenate
- 関
- セレン酸
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- 英
- selenium
- 関
- セレン欠乏症
臨床関連
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- 英
- acid
- 関
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ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義